「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ルイズとの一件以来、自室に籠りっきりで一切顔を出そうとしないアンリエッタ。
「どうしてこんなことに・・・・・・・」
親友だと思っていたのに。自分の味方だと思っていたのに。
「・・・・・・・・どうして・・・・・どうして・・・・・」
あの日、彼女に言われた事が心に突き刺さる。
コンコン
突然扉がノックされた。こんな夜遅くに何の用事であろうか、また面倒なことが起こったのであろうか、億劫だが無視することもできない、万一アルビオンが再び艦隊を送り込んできていたらそれこそ事である。
「誰ですか? こんな夜中に?」
「ぼくだよ、アンリエッタ。この扉を開けておくれ!」
その言葉を耳にしてアンリエッタの顔から表情が消えた。そして扉へと駆け寄った。
「ウェールズ様? 嘘、貴方はお亡くなりなったはず・・・・」
震える声で、そう口にする。
「それは間違いだ、ぼくはこうして生きている!」
「嘘、嘘よ。どうして・・・・」
「信じられないのも無理はない。では、ぼくがぼくである証拠を聞かせよう!」
アンリエッタは震えながらウェールズの言葉を待った。
「風吹く夜に・・・・・」
ラグドリアンの湖畔で何度も聞いた合言葉。アンリエッタは返事をすることも忘れ、ドアを開ける。
何度も夢見た笑顔がそこにあった。
「ウェールズ様っ・・・・・! よくぞ・・・・よくぞご無事で・・・・」
アンリエッタはウェールズを抱きしめ、泣きじゃくる。そんな彼女の頭をウェールズは優しく撫でる。
「相変わらずだね、アンリエッタ。なんて泣き虫なんだ。」
「だって・・・・だって!てっきり貴方は死んだものだと! どうしてもっと早くにいらしてくださらなかったの?」
「本当にごめんね。」
いたずらっぽくウェールズは笑った。
「昔と変わらず意地悪な方・・・・。どんなにわたしが悲しんだが・・・、寂しい想いをしたか、あなたにはわからないでしょうね。」
「わかるとも。わかるからこそこうやって迎えにきた、もう寂しい思いはさせないよ、アンリエッタ。」
時がたつことも忘れ、二人はしばらく抱き合った。
「僕は『ある方』の命令で君を迎えに来たんだ。」
「わたし・・・・・を?」
するとウェールズの後ろから人影が現れる。
「あ、あなたは・・・・・・!?」
それはこの国の大后で、アンリエッタの実母、マリアンヌであった。
「・・・・・・・・・・・。」
マリアンヌはアンリエッタに反応せず目は活力を失っていて、人形のように動かない。
「僕たちの世界統一に協力してくれるかい?」