「僕たち、このままどうなるんだろう?」
「さあな・・・・・・」
ジャイアンとスネ夫は牢屋の中でうずくまっていた。体にはいくつもの傷や痣、歯は何本も引き抜かれ、爪も強引に引き剥がされている。明らかに残酷な仕打ちがされたことが見て取れる。
「う・・・・う・・・・・・」
身体中の痛みに耐えるだけの日々。一体、今日で何日目だ。自分たちは何でこんな事してるんだろう?いつまでこんなことしなければならないんだろう?
カチャ
すると地下室の扉が開き、誰かが入ってきた。
「・・・・・・・・お前は・・・・・」
入ってきたのはこの国の女王、アンリエッタだった。彼女は、軽くため息をしてから強い語気で口を開いた。
「なんて汚らわしい豚どもなのかしら。こんなのに期待してたなんて・・・・・私が馬鹿でした。」
その言葉にジャイアンとスネ夫はアンリエッタを睨みつける。
「何をしているのです!私はこの国の王女なのですよ。頭を下げなさい!」
「嫌なこった。俺たちにこんな仕打ちをしておいて、敬意を示せだ?お前はただ威張るしか能のないクソガキじゃねぇか。」
「言いますね。平民や使い魔風情が王族に何されようと文句言う筋合いなんてないはずです。」
「今のうちに精々笑っておけばいいさ、お前も、他の王族も、貴族も。」
「何が言いたいのです・・・・・」
「こんなことがいつまでも続かないってことさ。いずれ天が裁けぬお前たちを、闇の中で始末する奴らが現れる。」
そう言いながらジャイアンは笑みを浮かべる。するとアンリエッタは溜息を吐いた。
「お前たちの処罰が決定しました。日時は後程。」
「その顔は他の平民たちの見せしめの為に死んで来いって言いたそうだな。」
「そうです。お前たちみたいな性根の腐った連中は死んだ方が世のためです。」
それだけ言うととアンリエッタは去って行った。
「処刑か・・・・・・」
「まぁ・・・・・当然か・・・・」
公開処刑。本来ならこんな理不尽な事に泣きわめくところだが、自分たちのしてきたことを考えたら当然の事だ。
城に戻ったアンリエッタは今は亡き父、王の居室に入っていった。
「上出来だよ、アンリエッタ。」
頼まれ事を見事にやり遂げ、ウェールズに抱きつくアンリエッタ。
「愛している、アンリエッタ、これからもぼくと一緒に来てくれ。」
アンリエッタの心が、ラグドリアンの湖畔でウェールズと逢引を重ねていたころと同じ鼓動のリズムをはじき出す。
「ぼくを信じてくれるね? アンリエッタ。」
「はい、勿論です。」
アンリエッタとウェールズの唇が重なった。
(そう。私にはウェールズ様がいる。ウェールズ様だけいればいい。ウェールズ様のおっしゃることは全て正しい。
ウェールズ様のおっしゃることは絶対。)
アンリエッタの脳裏に暗示のようなものが組み込まれる。