「それは無いわ。いくらなんでも。」
スネ夫の言葉にコルベールは混乱する。
「無いって?え?」
「何年経っても倫理観がマヒしたまま、自分が悪いなんてこれっぽっちも思って無い。一生やってろ。」
「そうやって被害者ぶってる間は変わらないわ。ちゃんと現実をみなさい!」
ジャン・コルベール、彼は学院に来るまでは様々な『汚れ役』を担わされていた。そして今も魔法を人殺しの武器ではなく文明に貢献するために尽力している。これだけ聞けば、彼はとても立派な人間に思える。だが、ジャイアンたちはそう思えなかった。もし本当に魔法を人殺しの道具にしたくないのなら、サモンサーヴァントでの彼の言動や行動は矛盾する。彼はサモンサーヴァントでジャイアンとスネ夫の人生を壊そうとしていた。召喚は決して無から有を生み出す魔法ではない。呼び出された使い魔も、元の生活が必ずある筈なのだ。使い魔にするということは、それを全て捨てさせること。建て前として、使い魔として召喚されたものはそれを受け入れたものであるということになっているが、本当のところを知る者はいないのが現状である。もし本当にコルベールが過去の行いを反省しているのなら、サモンサーヴァントの破棄、あるいは召喚した者を送り返す方法を見つけるはずだ。だが彼は、ルイズの召喚やり直しの要求を拒否し、ジャイアンたちを使い魔にするよう指示している。仮にそれがルイズを進級させたいが為だったとしても、人の人生と進級、どちらが大切かは誰が聞いても明らかだ。それに召喚自体は成功しているので、オスマンと交渉すれば特別に合格のお達しを出してもらえることもできた。契約する必要性は一切ない。それなのにコルベールはルイズを契約するように仕向けていた。平民の人生よりも、自身の教師の立場を優先したのだ。そして極め付けは、学園の平民たちの虐めに目を逸らす。以上の事からジャイアンたちはコルベールが過去の誤ちを償おうとしている自分に酔っているだけだと決断付けた。
「そんな昔話しをして、俺たちが同情しながら手を差し伸ばすと思ってたか?バカにすんな。世の中には、あんたよりも辛い人生を送っている奴もいるんだ。俺たちはあんたと違って自分の罪から逃げる気はさらさら無いから。」
ジャイアンたちに自分も(地球に)連れて行ってくれと頼むのも、罪から逃れたいが為。
「俺たちをアテにするのはやめろ。迷惑だから。」
そう言いながらジャイアンたちはその場を歩き出す。
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