どうも、小暮マミです。
前回のコンテストからすでに一ヶ月ほど経ち、現在は春休み真っ只中です。あのコンテストでの入賞以降、私たちの日常は大きく変わっていきました。
私たちが住んでいる県のライブハウスから、ちょくちょくイベント出演の声をかけてもらえるようになったのです。
そして近く開催予定の第二回主催ライブは、バレンタインに合わせて企画されています。
前回のコンテストがそこそこ大きな大会だったこともあり、私たちはメディアからの取材を受けるようにもなりました。さらには、今度はテレビ中継も入るような大型イベントへの出演依頼まで舞い込んできたのです。
「ねぇ、これどうする?」
「いやまさか、TV中継が入るようなとこに呼ばれるなんて……」
「ワクワクしてきたし!」
「私も気分上がってる!」
「私もです!」
「ちょうど春休み中だし、参加してみる?」
「いいなあ、賛成!」
「あーしも!」
「私も!」
「私もです!」
「よし、とりあえずは2月末の主催ライブに向けて頑張ろう!」
「「「「おおおおっ!」」」」
そして私たちはすぐに動き出しました。
まず目の前に立ちはだかるのは期末テスト。……まあ、私はけっこう余裕なんですけどね。
他のメンバーも危なげなく試験を乗り切り、ついに春休みに突入しました。
そんなある日、まりなから手紙が届きました。
なんと春休みに長期間こっちに来てくれるそうで。せっかくだからと思い、私は主催ライブで演奏する曲のギター譜を同封して、ゲストメンバーとして出演しないかと誘うことにしました。
そしてもう一人、元ベースのエミ。唯一エミと連絡手段を持っていたゼノンの元に、彼女が春休みに日本へ一時帰国するという連絡が入ったのです。
ゼノンと他のメンバーにも相談して、エミに楽譜のデータを送って「一緒に主催ライブに出ないか」とメールを入れてもらいました。
二人とも、快くOKの返事をくれました。
その中で練習を続けながら、私はもう一人のメンバーに出演をお願いできないかと考え、彼女の家へ向かいました。
──そして二週間が経ち、まりなとエミも無事に合流。何度も合わせを重ね、いよいよ主催ライブ当日です。
『センチュリーの信者諸君! 本日は我らのミサに来てくれたこと、心より感謝を──!』
その言葉に、会場中が歓声で揺れた。
『本日のミサは “オール・サタン感謝祭”! 信者の中には、我々がまだ路上で布教活動をしていた頃から応援してくれている敬虔な者たちもいることだろう。今日はそんな魔界の大異変で帰獄してしまった初期メンバーたちも応援に駆けつけてくれている!』
会場の照明が落ち、私の両隣にスポットライトが当たる。
『紹介しよう。センチュリー初代ベース──ゾット星島!』
紹介と同時に、エミが斧型のベースを激しくかき鳴らす。
『ふははっ! 今日は久しぶりに人間界へと降り立った! 人間どもよ、今宵は我らの宴の贄となるがいい!』
『そして、ゾット星島は現ベーシスト・ゼノン若宮の師でもある! 続いて──センチュリーの初代ドラムながら、今日はギターとして参戦してくれた、我が幼き日からの馴染みの悪魔──エース月島! 皆がよく知る「白い奇蹟」などを作曲したのも、彼女だ!』
『──それではミサを始めよう! 一曲目、“ジャック・ザ・リッパー”!』
そこからは、「ジ・エンド・オブ・センチュリー」、「エルドラド」、「蝋人形の館」、「アダムの林檎」と続き、ついに最後の曲──。
『ふははっ! 信者諸君! 今宵も最後までミサを楽しんでくれて何よりだ──……って、ん?』
『“デーモンよ、我の登場を待たずして最後の曲を始めるとは、随分と性急が過ぎるのではないか?”』
「なっ、この声は──!」
『センチュリーの信者たちよ──そしてセンチュリーの悪魔たちよ。我の前にひれ伏せ──! 我は地獄の大魔王! 大魔王サタン45世の名を襲名し、かつてセンチュリーを創設した初代リーダーにしてギタリスト──ダミアン浜田なり!』
雷鳴が轟き、ステージが暗転。ギター音と共に再び照明がともされる。そこに立っていたのは、やはり──センチュリーの創設者、ダミアン浜田……イサミだった。
※ ※ ※
実はこの出演交渉、最初は涼子が強く反対した。
『本気なの、マミ? だってアイツは……イサミは──』
『本気だよ。今回だけでもいいから、またイサミとライブがしたいって思ったの。』
『まりなやエミなら分かるけど、あの子を呼ぶなんて……』
『まあまあ、いいじゃん。せっかく“オール・サタン感謝祭”って名前つけてるんだし、新旧全員いた方が楽しいでしょ。』
『そうそう、せっかくの主催ライブなんだから、楽しまなきゃ損だよ。』
『もちろん、オファーしても来てくれなかったらそれはそれで進めるつもりだった。』
『……分かった。分かったよ。でも何かやらかしたら、私、すぐ追い出すからね。』
『うん、ありがとう、涼子。』
そして私はイサミの家へと向かい、直接、出演を打診した。
『……私に、またライブに出てほしいの?』
『うん。せっかくのライブだし、オール・サタン感謝祭って名前もつけたし。今回限りでもいい。もう一度、イサミとライブがしたいと思ってる。』
『……誘ってくれるのは嬉しい。でも……ごめん。私にはもう、皆とライブする資格なんてない。勉強についていくので精一杯で、ギターもろくに弾けてない。腕も鈍ってる。そんな私に、皆とステージに立つ資格なんて──』
『無理には言わないよ。……もし気が向いたら、最後の一曲だけでもいいから、参加してほしいの。今日は来てくれてありがとう。じゃあね。』
『…………』
※ ※ ※
そして視点は、再びライブのステージへ──。
『これはこれは、陛下──お久しぶりです。先ほどは失礼を。では改めて──“地獄の皇太子”!』
こうして、最後の曲が始まった──。
今回も最後まで読んでくれてありがとうございます。
アンケート デビューの時期その2
メジャーデビューの時期は高校時代の後半に決まったものの、高校2年生の後半か、3年になってからどちらの方がいいか悩んでおります。
ですので皆さんの意見を教えてください。
デビューの時期についてその2
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高校2年の後半
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高3
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高二の前半から