どうも、小暮マミです。
前回のバックバンド出演から、二、三ヶ月が経ちました。
高校2年になって、すでに4ヶ月。今は9月。
いよいよ私たち――ジ・エンド・オブ・センチュリーのメジャーデビューが発表され、うちのアイドルグループのライブにサプライズゲストとして出演することが決まりました。
ライブは10月31日、ハロウィンに開催される予定です。
その間、私はというと、新曲――つまりは私の記憶から聖飢魔IIの曲を引き出す作業を続けていました。
今回のサプライズで披露するのは、バンド名と同じ「ジ・エンド・オブ・センチュリー」。でも、デビューにあたっては既存曲だけでは足りない。
だから今も、松原さんが用意してくれた会議室で、私たち5人は新曲の選定と制作の打ち合わせ中です。
最近では、他のメンバーからも楽曲の提案が増えてきました。しかもそれが聖飢魔IIの曲だったりする。
これって、中学時代のイサミやエミ、まりなのときにも起こっていた現象なんですよね。
――並行世界の自分的な感覚なのか、それとも記憶の断片か。
もしかして、あのコンテストの日の夜に見た「夢」と関係があるのかな?
おそらく、私たちはこの世界で「悪魔教を広める使命」を持って生まれた。
そうでもなければ、ここまで運命がスムーズに噛み合うはずがない。
あの中学時代の一件は、もしかして――私自身の「悪魔時異動」だったのかもしれない。
……そんなことを考えているうちに、今日一日が終わってしまいました。
時間なんて、いくらあっても足りないのにね。
ともあれ、今回私が提案した新曲は「BRAND NEW SONG」に決まりました。
そして、センチュリーとしての参加が発表されたことに続き、11月中旬には正式なデビューライブ――いえ、黒ミサの開催も決定。
それに向けて衣装の採寸やリメイク、新規製作なども始まり、準備はどんどん本格化していきます。
私たちは松原さんに同行して、関係各所へ挨拶回りをこなす日々。
9月から10月にかけて、学業との両立はとても大変でしたが、今思えば、あの時間もすごく充実していました。
ちなみに――花咲川には、まりなも住んでいたんです。
旧メンバーということもあって、彼女にもチケットはちゃんと渡してあります。
そして、それから2週間と少し。
ついに10月31日――ハロウィン当日。
私たちジ・エンド・オブ・センチュリーが、メジャーデビューへの第一歩を踏み出す日がやってきました。
「皆、今日はあなたたちセンチュリーの初お披露目よ。うちの子たちにも、ちゃんと紹介しておいたから。精一杯、やってらっしゃい」
「「「「「はい!」」」」」
──そして、ライブが始まり。
『はーい、みなさーん! 今日は私たちの事務所から、後輩たちが遊びに来てくれましたー!』
『いえーい!』
『なんと、その子たち……人間じゃなくて、悪魔なんです!』
『おおっ、ハロウィンの今日にピッタリな子たちだな!』
『それでは紹介しましょう! 十万歳年上の後輩――ジ・エンド・オブ・センチュリーです!!』
その呼び声とともに、私以外のバンドメンバーがステージに登場。
そして、私のアナウンスが場内に響く。
『お前も……蝋人形にしてやろうか!』
私はステージ袖から現れ、その言葉を投げかけた。
『ハハハッ! 吾輩たちが――ジ・エンド・オブ・センチュリーだ! 早速だが一曲聴いてもらおう――蝋人形の館!』
私たちの挨拶代わりでもあるこの曲。最初こそ、観客たちは我々の姿に戸惑っていたけど――
演奏が進むにつれて、場内は一体感を増していった。
4分弱の間に、会場の空気はすっかり我々色に染め上げられた。
曲が終わると、先輩たちがステージに戻ってくる。
『いやぁー、よかったよ! ところで皆、自己紹介してもらっていいかな?』
『ああ、よかろう! 吾輩たちはジ・エンド・オブ・センチュリー!
魔界より、悪魔教を広めるために派遣された楽隊である! ここで吾輩――リーダーであるデーモン小暮閣下が、他のメンバーを紹介していこう!』
『センチュリー・オンドラマー! 雷電! 丸山!』
『オンギター! ジェイル大橋! オンギター! ルーク篁!』
『オンベース! ゼノン・若宮!』
『そして吾輩がオンヴォーカル! デーモン閣下だ!!』
「はい、ありがとうございます。えっと、閣下? 今日は私たちのライブのゲストを引き受けてくださって、本当にありがとうございます」
『何、気にするな。我々も先輩として顔を立てねばならぬ。そこに悪魔と人間の差はない。
それに吾輩たちも、ここに来たのには理由がある。
来たる11月某日――吾輩たちの正式なデビューライブ、いや、“黒ミサ”が開催される。今日はその宣伝も兼ねての参加だ。
このグループの信者諸君も、よろしければ吾輩たちのミサに参列してくれると嬉しい。
……さて、それではもう一曲。聴いてもらおう! ジ・エンド・オブ・センチュリー!!』
私の掛け声と共に、再び会場が熱狂に包まれていく――。
こうして私たちセンチュリーのメジャーデビュー、記念すべき第一歩は幕を開けたのだった。
今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。
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