どうも、小暮マミです。
年末の特番ライブ出演からしばらく経ち、私たちはついに高校三年生になりました。
さて――今日は、私たちの進路についてのお話です。
あの特番以降、テレビや雑誌の取材は一気に増え、なんとライブツアーの話まで持ち上がったこともありました。しかもその企画、開催地は海外。まさかの大規模案件。
でも――スポンサーに関して、良からぬ噂が出ていたらしく……特に、枕営業を強要しているという最悪の話も耳に入りました。
そのため、松原さんが直々にその案件をブロック。私たちは被害に遭わずに済みました。
高校三年。周囲もそろそろ進路を決める時期です。
私はというと――経営学科に進む予定です。
私の夢は「ライブハウスの経営」。バンド活動を続ける中で芽生えた夢ではなく、実は中学時代から思い描いていたものなんです。
最初は自分だけの夢だったはずが、活動を続けていくうちに、メンバーのみんなにも影響していたみたいで……嬉しいような、ちょっとくすぐったいような気分です。
ちなみに、進学先は通信制の大学。正直、前世のように某W大学へ入れる学力は今の私にはないし……
エミやイサミはそのW大学に進学予定なんだけどね。ふたりとも、やっぱり優秀だなあ。
さて、私たちセンチュリーは、デビューから1年を迎えました。
ありがたいことに人気は上昇中。ライブツアーも経験し、新曲を出せばオリコンチャートで連続1位を記録するほど。ちょっとした“ヘヴィメタブーム”が来ているのかもしれません。
最近では、ガールズバンド系のイベントに参加すると、私たちと雰囲気の似たバンドも見かけるようになってきました。
この数ヶ月、私たちの周囲も少しずつ変化が起きています。
たとえば――かおり。
彼女はアメリカへの音楽留学を目指しているらしく、自分の見聞を広げたいという前向きな理由からの決断。
松原さんも「いずれバンドのためになる」と了承し、結果として、ジェイル大橋は一時的にセンチュリーを離れることになりました。
その件については、年末の“黒ミサ”告知を兼ねたバラエティ番組で、私たちの口から正式に発表しました。
案の定、翌日の朝刊やネットニュースはその話題で持ちきりに。
「メンバー間の不仲か?」なんて憶測まで飛び交いましたが、もちろんそんなことはありません。すべては話し合いの上で決まったことです。
そして、当然のように次なる疑問が浮かび上がる――「後任は誰なのか?」
私たちは迷わず、松原さんと相談の上、“ある人物”にコンタクトを取りました。
――そして、時は過ぎて年末。
ミサの本番。ステージ上で、私は観客にこう告げます。
『センチュリーの信者諸君! 今宵も我らの黒ミサに参列してくれたこと、感謝する!
ここまで我らを応援してくれた諸君の中には、もう知っている者もいるかもしれないが――
今年いっぱいで、ジェイルは我がセンチュリーを一時離脱し、遥か海の向こうで布教活動に赴くことになった!
中には、これを“仲違い”と捉えた者もいたかもしれぬ……だが、それは違う!
ジェイルの旅立ちは、未来へのステップなのだ!
そして気になるだろう? ジェイルの抜けた後、誰がギターを担うのか――
ならば、紹介しよう! センチュリーの新たなるギター!
エース・月島!』
その瞬間、ステージに力強くも繊細なギターサウンドが鳴り響く。
……そう、あの子が帰ってきたのだ。
元メンバー、月島まりな。彼女は“エース”として、センチュリーの新たな仲間になった。
こうして、私たちはまた新たな道を歩み始めた――。
今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。