バンドリ世界で女だけど閣下になったよ。   作:のうち

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第四章 2節 年明けと進路

 どうも、小暮マミです。

年末の特番ライブ出演からしばらく経ち、私たちはついに高校三年生になりました。

 

さて――今日は、私たちの進路についてのお話です。

 

あの特番以降、テレビや雑誌の取材は一気に増え、なんとライブツアーの話まで持ち上がったこともありました。しかもその企画、開催地は海外。まさかの大規模案件。

でも――スポンサーに関して、良からぬ噂が出ていたらしく……特に、枕営業を強要しているという最悪の話も耳に入りました。

そのため、松原さんが直々にその案件をブロック。私たちは被害に遭わずに済みました。

 

高校三年。周囲もそろそろ進路を決める時期です。

 

私はというと――経営学科に進む予定です。

私の夢は「ライブハウスの経営」。バンド活動を続ける中で芽生えた夢ではなく、実は中学時代から思い描いていたものなんです。

 

最初は自分だけの夢だったはずが、活動を続けていくうちに、メンバーのみんなにも影響していたみたいで……嬉しいような、ちょっとくすぐったいような気分です。

 

ちなみに、進学先は通信制の大学。正直、前世のように某W大学へ入れる学力は今の私にはないし……

エミやイサミはそのW大学に進学予定なんだけどね。ふたりとも、やっぱり優秀だなあ。

 

さて、私たちセンチュリーは、デビューから1年を迎えました。

ありがたいことに人気は上昇中。ライブツアーも経験し、新曲を出せばオリコンチャートで連続1位を記録するほど。ちょっとした“ヘヴィメタブーム”が来ているのかもしれません。

 

最近では、ガールズバンド系のイベントに参加すると、私たちと雰囲気の似たバンドも見かけるようになってきました。

 

この数ヶ月、私たちの周囲も少しずつ変化が起きています。

 

たとえば――かおり。

彼女はアメリカへの音楽留学を目指しているらしく、自分の見聞を広げたいという前向きな理由からの決断。

松原さんも「いずれバンドのためになる」と了承し、結果として、ジェイル大橋は一時的にセンチュリーを離れることになりました。

 

その件については、年末の“黒ミサ”告知を兼ねたバラエティ番組で、私たちの口から正式に発表しました。

 

案の定、翌日の朝刊やネットニュースはその話題で持ちきりに。

「メンバー間の不仲か?」なんて憶測まで飛び交いましたが、もちろんそんなことはありません。すべては話し合いの上で決まったことです。

 

そして、当然のように次なる疑問が浮かび上がる――「後任は誰なのか?」

 

私たちは迷わず、松原さんと相談の上、“ある人物”にコンタクトを取りました。

 

――そして、時は過ぎて年末。

 

ミサの本番。ステージ上で、私は観客にこう告げます。

 

『センチュリーの信者諸君! 今宵も我らの黒ミサに参列してくれたこと、感謝する!

ここまで我らを応援してくれた諸君の中には、もう知っている者もいるかもしれないが――

今年いっぱいで、ジェイルは我がセンチュリーを一時離脱し、遥か海の向こうで布教活動に赴くことになった!

 

中には、これを“仲違い”と捉えた者もいたかもしれぬ……だが、それは違う!

ジェイルの旅立ちは、未来へのステップなのだ!

 

そして気になるだろう? ジェイルの抜けた後、誰がギターを担うのか――

ならば、紹介しよう! センチュリーの新たなるギター!

エース・月島!』

 

その瞬間、ステージに力強くも繊細なギターサウンドが鳴り響く。

 

……そう、あの子が帰ってきたのだ。

元メンバー、月島まりな。彼女は“エース”として、センチュリーの新たな仲間になった。

 

こうして、私たちはまた新たな道を歩み始めた――。

 

 




 今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。
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