バンドリ世界で女だけど閣下になったよ。   作:のうち

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第二部 一章 5節 spaceの終焉

 どうも、小暮マミです。

パスパレがうちの事務所に移籍してから、早くも2週間が経ちました。

 

パスパレの面々は、現在さまざまなライブハウスのミニライブイベントに出演し、頑張っています。この2週間の間、放課後や土日は一日に2ステージの演奏をこなすなど、非常にタフな日々を送っている様子です。

 

そんな中、私は松原さんと相談してスケジュールに少し余裕を持たせ、センチュリーの皆で練習をする時間を確保しました。

もうすぐ、ライブハウスspaceでのラストライブが迫っているからです。

高校時代、私たちが躍進するきっかけを掴んだこの場所。オーナーへの恩返しの意味も込めて、今回のラストライブは、センチュリーとして演奏したかったのです。

 

その話をメンバーに相談すると、満場一致で「出たい」と決まりました。

しかし、それをオーナーに伝えると──

 

『ここでライブしたけりゃ、オーディションを受けな。』

 

……と言われてしまいました。どうやら昔の合格は無効らしいです。なんて厳しい……。

 

それでも、私たちはそのオーディションに無事合格し、晴れて出演が決定。

今回は松原さんや陛下(ダミアン浜田)、そしてセンチュリーメンバーが総出で出演します。まるで、かつてのオールサタン感謝祭を彷彿とさせる顔ぶれです。

 

とはいえ、現実的に見れば、私たちジ・エンド・オブ・センチュリーは近年こそ活躍していたものの、すでに「過去の人」という印象が強い存在でもあります。

それでも私たちは──いや、私はもっと音楽を楽しみたい。

あの多感な時期に出会った、ライブハウスspaceのオーナー・詩船さんに恩返しがしたい。

音楽が「楽しい」と心から思えた、その瞬間を与えてくれたのは彼女だった。

その詩船さんのもとで演奏できるのは、もうこれが最後かもしれない。

 

だから私は、私たちは、全力で。そして心から楽しむために、この日のために練習を重ねてきました。

 

──そして、ラストライブ当日。

私たちの出番は、トリです。

 

他のガールズバンドの演奏が終わり、ついにセンチュリーの出番。私はMCから入ります。

 

『やあやあ、諸君。我々のことを覚えているかな?』

 

会場からは驚きと歓声が上がります。

 

『我々は──ジ・エンド・オブ・センチュリー! 今回はその全メンバーでこのステージに立っている!

さあ、メンバー紹介だ! オン・ドラムス! ミス・ライデン丸山!

続いてオン・ギターズ! ミス・ダミアン浜田陛下!

オン・ベース! ゼノン若宮! そして、オン・ベース! ゾット星島!

オン・ギター! エース月島! オン・ギター! ジェイル大橋!

オン・ギター! ルーク篁! サポート・キーボードは、ミス・怪人松原様!』

 

……と、ここで。

 

『おっと、まだノリの悪い奴がいるな! そんな奴はどうしたらいい!?』

 

『殺せ!!』

 

懐かしいコールアンドレスポンス。昔を覚えてくれているファンたちが即座に応じてくれる。

 

『どうしたらいい!?』

 

『殺せ!!』

 

その熱気に他の観客たちも引き込まれていく。

私はステージ上から観客を指差しながら言う。

 

『お前を殺す! お前も殺す! お前も殺す!』

 

そして、静かに──

 

『I am Jack the Ripper.』

 

その名乗りとともに、曲が始まる。

 

……そして、すべての楽曲を終えて、最後のMC。

 

『諸君、ここまでありがとう!

ここで、我々センチュリーが羽ばたくきっかけをくれた最高のライブハウスのオーナーを紹介しよう。ミス・詩船!』

 

ステージ後方に立っていた詩船さんに、スポットライトが当たる。

 

『オーナー詩船さん、今日まで本当にありがとうございました。

我々がメジャーを駆け抜けられたのも、若かりし頃、貴女に見初められたおかげです!』

 

『諸君、ここまでライブハウスspaceを──ガールズバンドを、音楽を、心から応援し続けてくれた彼女に、盛大な拍手を!』

 

こうして、我々センチュリーによるライブハウスspaceでの最後のライブは、大成功に終わりました。

翌日、このライブは長年にわたってガールズバンドを支え続けたspaceの閉店と共に、ニュースの一面を飾ることになるのでした。

 




 今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。
 感想などをいただけるとモチベーションが上がると思うのでよろしければお願いします。

 次回、外伝、パスパレのバンド研究、センチュリーを知る。
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