パスパレはファーストライブでの炎上事件を経て、メンバー全員が事務所を移籍。
現在は移籍先の方針のもと、ライブハウスでのライブイベントに積極的に参加しており、「半年で20本以上のライブをこなす」という目標の達成に向けて、日々奮闘している。
近々では、事務所のサポートを受けながらではあるが、パスパレの5人が主体となって企画・運営する主催ライブの開催も検討されていた。
──そんなある日。
ミニライブを終えたパスパレのメンバーたちは、事務所のミーティングスペースに集まり、反省会を行っていた。
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「いやあ〜、今回の彩ちゃんのMC、すっごくキマってたよ〜!」
「もぉ〜! 日菜ちゃん、それ言わないでってばぁ!」
「そういえばさ、千聖ちゃん」
「なにかしら? 日菜ちゃん?」
「千聖ちゃんの知り合いの……あの、マミさん? あの人って、どういう人なの?」
「えっ、日菜ちゃん……マミさんのこと知らないの? 結構有名な人だと思うんだけど」
「自分もちょっと……あのセンチュリーと関係ある人、ってことくらいしか分かってないっす」
「ああ、そういうことね。マミさん、プライベートな格好だったし……それじゃ、これを見て」
そう言って千聖はスマホを取り出し、写真フォルダからある画像を開いて、全員に見せる。
「……これが、あの人の“芸能界の顔”よ」
「えぇえーっ!? この人、デーモン閣下じゃん!!」
「そう。マミさんは“デーモン小暮閣下”……本名は小暮マミっていうの」
「えぇ……まさか、あの閣下が千聖ちゃんの知り合いだったなんて……!」
「でもさ、それよりびっくりなのは、イヴちゃんはともかく、涼子さんが彩ちゃんの親戚だったってことじゃない?」
「えへへ、うん、私もびっくりだったよ。涼子お姉ちゃんが“センチュリー”だったなんて知らなくて……親戚とはいっても、お姉ちゃんの実家、県外だからあんまり会えなかったし」
「それにしても、すごいっす! パスパレの半分以上がセンチュリーと縁があるだなんて……! 涼子さんにもっとドラムのこと、聞いておけばよかった〜!」
「私もゼノンさんがバンドやってるっていうのは知ってたけど……あんな有名な人だとは思わなかったわ」
「……それで、なんだけどね。今日はセンチュリーの記録映像を、特別に浜田先生から借りてきたの。みんなで見てみましょう?」
「えっ、ちょっと待って。なんでそこで浜田先生が出てくるの?」
「あら、彩ちゃん知らなかった? 浜田先生は、元・センチュリーのギタリストなのよ」
「えぇええぇぇっ!?!?」
「この前の文化祭でも、マミさんと一緒にステージに立ってたわよ」
「そうなんだ……確かあの時、私たち仕事で見れなかったんだよね」
「ええ。そこも含めて、今日はたっぷり観ていきましょう」
──そうして千聖たちは、事務所のモニターを使って、かつて伝説と呼ばれたバンド「ジ・エンド・オブ・センチュリー」の記録映像を観始めるのだった。
今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。