どうも、小暮マミです。
現在、私は涼子とゼノンと共に、バンド練習に励んでいる。
この日も、1曲――『蝋人形の館』を演奏し終えたところだった。
「うーん……しばらくは私が弾き語りでもいいけど、やっぱりギター専門の人がいた方がいいよね」
そうつぶやくと、どうしても思い出してしまう。
イサミのギターの力強さ。あの音の説得力。
私じゃあそこまで皆を惹きつけられない。……悔しいな。
そして翌日の昼休み。
私は屋上で一人、ギターを弾いていた。静かな場所で音を確かめていると――
「あー、聞いてらんないわ」
不意に、タンクの上から声が降ってきた。
見上げると、制服姿の女子が足をぶらつかせてこちらを見下ろしている。
「……誰?」
「あんた、隣のクラスの小暮だよね。私、大橋かおり。
さっきの、聞くに耐えない演奏。ちょっと貸してみな」
私のギターをひょいと取り上げ、小型アンプを取り出して接続する。
そして――私がさっき弾いていた“Jack the Ripper”のフレーズを、即興で完璧に再現してみせた。
「……まあ、こんな感じかな?」
……すごい。まさか耳コピ一発でここまで?
イサミが涼子をスカウトしたときも、こんな感覚だったのかな。
「ねえ、大橋さん」
「ん?」
「よかったら……私たちのバンドに入らない?」
「バンド?」
「うん。ジ・エンド・オブ・センチュリーっていうんだけど」
「……お前が?」
「そう。私がヴォーカルをやってるの」
「お前が……“閣下”?」
「ええ、そうなります」
「ハッ、マジかよ。
なら、あいつに合わせてくれないか?」
「あいつ?」
「ダミアン・浜田。――あんたの前のギター」
その名前を聞かれて、私は一瞬だけ言葉に詰まった。
「……そのことも含めて、全部話しておくね」
私は、大橋さんにこれまでの経緯をすべて話した。
イサミとの確執、メンバーの離脱、そして今の再始動のことも。
「……なるほどな。
そりゃ最近、“センチュリー自然消滅説”が流れるわけだ」
「はは……私たち、もっとちゃんと向き合っていればって、後悔してる」
「お前たちにも、いろいろあったんだな。
でもな――お前のその、メジャーデビューを目指す心意気。
今のリーダーであるお前に惚れたぜ。
なあ……私に“悪魔としての名前”、つけてくれよ。できれば、あんたの口から」
……来た。正式にギターが加入。
名前、か――大橋、かおり。よし、決めた。
「貴様の悪魔としての名は――ジェイル・大橋だ!」
「いいねえ、“ジェイル”か。オーケー、閣下!
このジェイル、あんたに一生ついていくよ!」
「よろしく、ジェイル」
「ああ!」
こうして、ジェイル=大橋かおりが私たちの正式なギタリストとして加入した。
その後、スタジオで練習をしていると、涼子がある話を切り出した。
「え、涼子が……ドラム?」
「う、うん。あーし、センチュリー解散してから、ずっとハードロックの研究してたんだけどさ。
思ったの。キーボードって、意外といらないんじゃないかって。
だからあーし、ドラムやりたい。もちろんキーボードも捨てるつもりはないけど、
ドラムを叩くときは、別のキャラ、別の名前でやりたいの」
「名前、ね。……それなら、みんなで考えよう。涼子の新しい“悪魔名”」
4人で話し合った結果――
「貴様の新たな名は、雷電・丸山!
雷神の娘として、地を轟かせよ!」
「ははっ、いいね。“雷電”って感じ、気に入った!」
それから数日後、スタジオのスタッフからこんなチラシを渡された。
「隣町のライブハウスにて、大規模イベント開催!出演バンド募集中!」
スタッフからは「出てみない?」と声をかけられ、
私たちは――全会一致で参加を決定した。
そして、2週間後。
ライブハウスのステージにて――。
『続きまして、ジ・エンド・オブ・センチュリーの皆さんです!』
(照明が落ち、闇の中、マイクを握る)
「今、ご紹介に預かった――ジ・エンド・オブ・センチュリー!
我らは――悪魔である!!
まずは、我が頼もしき仲間たちを紹介しよう!」
「ギター! ジェイル・大橋!」
(ギターが唸りを上げ、火花のように響き渡る)
「ベース! ゼノン・若宮!」
(低音の咆哮が地を這う)
「ドラム! 雷電・丸山!」
(雷鳴のごときドラムロールが轟く)
そして、マイクをジェイルが受け取って叫ぶ――
「我らがヴォーカル!」
『『『デーモン閣下ァァァァ!!』』』
「ハハハハハッ! ご紹介ありがとう!
それじゃあ一曲目――『蝋人形の館』!」
「……お前も蝋人形にしてやろうかッ!!」
(爆音と共に、悪魔たちの夜が始まる)
今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。
アンケート
進路はメジャーデビューをすることになるのですが、その後、最終的に本家と同様に解散すると思いますが、解散後はまりなと共にcircleで働くことになると思いますが、個人での芸能活動を続けて行くのか、本格的にまりなとcircleを経営して行くのかをアンケートで決めます。
本格的に経営するにしてもちょくちょく、芸能活動は続けたりしていか予定なのでパスパレとの接点は持っているつもりです。
進路
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閣下個人で芸能活動を続ける。
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まりなと一緒にcircleを経営する。