バンドリ世界で女だけど閣下になったよ。   作:のうち

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第二章 4節 宴の準備

どうも、小暮マミだ。

 

……挨拶がいつもと違うって?

それもそのはず。今、私は――

 

『さあ、文化祭のステージによく来てくれたな、諸君ッ!』

 

――ステージの上に立ってる真っ最中だからだ!

 

『はははははっ! ――蝋人形の館!』

 

バンドの十八番ともいえるこの曲。

客席のテンションも最高潮。文化祭のトリにふさわしい一曲をぶちかます!

 

 

演奏後、恒例のファミレスで打ち上げ中。

 

「いやあ〜、今回も最高だったな!」

 

「本当ですね。文化祭、思ってたより盛り上がった!」

 

「さて、皆。今日は一つ、提案があるの」

 

私がメニューを閉じて、少し真面目な口調で続ける。

 

「近々、隣県で開催される音楽コンテストがあるの。これは私たちが目指すFWF――フューチャーワールドフェスにも繋がる、重要な登竜門。

メジャーデビューの足掛かりとして、ぜひ出場したいと思ってるのだけど、どうかしら?」

 

「……いいじゃない。面白そうじゃない?」

 

「あーしも賛成!」

 

「うん、やるからには真剣にやりたいしな!」

 

「ありがとう! ただ、そのコンテストが開催されるのは来年1月。まだ少し先なの」

 

「ってことは?」

 

「年末に“主催ライブ”をやるのを目標に、それまでにライブイベントへ積極的に参加して、実力と知名度を上げていきたいの」

 

「主催ライブ……確かに、やったことなかったね」

 

「それに、今日スタジオのスタッフさんから、ちょっと大きめのライブイベントに出てみないかってチラシを貰ったの」

 

そう言って、私はバッグからチラシを取り出して皆に見せた。

 

「へえ……! この会場、大きいね」

 

「キャパ1000人規模のライブハウスが主催する秋のイベント。

私たちが今まで立ってきたステージとは、文字通り“桁が違う”の」

 

「な、なんか……そう言われると、緊張してきたかも」

 

「でも、基本は変わらない。“私たちが楽しんで、観客も楽しませる”。それだけよ」

 

「……うん、そうだな!」

 

「それに向けて、私――新曲を数曲、書いてきたの。ちょっと見てくれる?」

 

「え、ほんとに? 見せて!」

 

私は譜面と歌詞を机に広げる。

 

今回の目玉は、《Fire after Fire》。

ちょうどフェス当日がハロウィンということもあって、これ以上にふさわしい曲はないと思って、脳内ライブラリーから引っ張り出した。

 

「Fire after Fireか……いいな、これ!」

 

かおりが思わず唸る。

そりゃそうだ。前世のあんたのポジションの人間が作った曲なんだから。

 

……最近、本当に思うんだ。

私たちと聖飢魔IIのシンクロ率が、冗談抜きで“やばい”んじゃないかって。

映像を見てると、私の後ろに“ご本人”が立ってるような気がするくらいに――

 

「マミ? マミ、どうしたの? ボーッとしてたよ?」

 

「……ううん。なんでもない。

皆も、歌詞や構成で気になるところがあったら、どんどん言ってね。完成度上げたいから」

 

「うん、了解! あ、じゃあさ、セットリストも決めないとだよね?」

 

「そうだね」

 

「それと、小道具とか衣装も準備しなきゃ!」

 

「例えば?」

 

「私たち、“悪魔”なんだから――ギロチンとか棺桶とか、あったら映えるんじゃない?」

 

「それ、いい! 小道具係、私やる!」

 

「じゃあ私は衣装の小物とか考えてみる!」

 

「よし、みんなで秋の“ミサ”に向けて準備開始ね!」

 

 

こうして――

センチュリーの秋のライブイベントに向けた準備が、動き出した。

 

FWFという“頂点”に向けて、私たちの冒険はまだまだ続く。

 

 

 

  

 




  今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。
 

メジャーデビューの時期

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