テンプレバスター!ー異世界転生? 悪役令嬢? 聖女召喚? もう慣れた。クラス転移も俺(私)がどうにかして見せます!   作:たっさそ

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第74話 由依ー夢幻召喚RTA4

 ひとまず城下町を探索だ。

 

 

「っと、ひとまずヒロイン探しなんだけど、ヒロインってどうやって探せばいいんだ?」

 

 テツタが首をひねりながらタツルに聞く。

 

「む! そういやタツルはいつもヒロインと旅するんだよね! そこんとこどうなの!?」

「たしかににゃ! 樹にゃんはいつも夢の中でヒロインとねんごろの関係になっているはずにゃ! 浮気にゃ! 浮気者には死にゃ! 田中は由依にゃんの味方にゃ!」

 

 タナカちゃんがビシビシ! と背中からタツルをつんつくつーん!

 私もタツルのホッペをぐにぃいい! と押してやる!!

 

 

「ふうおお! なんかふぃんな殺気立っているぞ! ほうなってんだ? 俺は基本的にシナリオブレイクで脱出するからヒロインはあんまり作らないぞ。作るときはあるけど、一生添い遂げるって感じしねーからわりとおざなりだ。どうせすぐに帰還するし主人公としては最低だと思う。」

「よかったにゃ、由依にゃん」

「よがったぁー!」

「由依の方はどうなんだ? 悪役令嬢転生も逆ハーがあり得るし、聖女召喚や聖女巻き込み召喚もメインヒーロー攻略があるだろ?」

 

 今度はタツルが私のホッペをつまんで引っ張った!

 

「ふにぃいいい! わらしも似たようなもんらよ。全力で瘴気を追い払って、婚約しようとする王族なんかは巻き込まれた子とくっつけたり、奴隷を購入してその子の幸せを見届けたりとか様々。そう考えると奴隷って便利なんだよな~。私が主人公だとしても、主役級として祭り上げる事ができるから、その子を幸せにすれば私の仕事はおしまい。悪役令嬢のときは、指南書を書いて次の夢へゴーだね。」

 

 パン! と柏手を打つ。

 

「おお、なんかうまいことやってんだな………」

 

 

 なんて言いながら歩いていると………

 

 

「あー、ヒロインタイプC。奴隷のパターンだ。」

 

 

 タツルがつぶやいた。

 

 タツルの視線の先をたどればそこにいたのは、ボロい貫頭衣を来た女の子たちが首輪を嵌めてオリの中で立っていた。

  路上に立っているのは、多少髪が整っている、少しは見目麗しいタイプの女の人。着ているのは貫頭衣。衣装に料金をかけないためにみんな一括で同じ衣装なんだろうな。他の人からも奴隷だと一目瞭然だ。

 

 

「う………くっさいにゃ。潔癖の田中にはちょっと厳しい世界にゃ………」

 

 ボロ布、痩せた頬、浮いた骨、ボサボサの髪、何日も体を拭くことさえできずにいたその匂いに、タナカちゃんは鼻をおさえる

 私は、奴隷市にはいつもお世話になっているから、このくらいの匂いには慣れているよ。

 

「奴隷ってのは、本来労働力のためにあるんだ。本来、奴隷に求められる能力ってのはパワーや頭のよさとかそんなものではなく、社会の歯車になる社畜としての能力だ。考える能力など不要、容姿の良し悪しもどうでもよく、ライン業務ができればそれでいいんだ。着飾るのなんかどうだっていい。そういう容姿の優れた子は、お貴族様などに率先して購入されるってのがオチだ。」

 

 そう、奴隷に求められるのは、抑えられる人件費。これに尽きる。

 奴隷に給料は必要か? 答えは否。なにせ奴隷だ。どんな理不尽な要求にも答えなければならないのだ。

 奴隷に人権などないのだから。

 最低限の飯をありがたがって食らう。みすぼらしい姿でみすぼらしい飯を食らうことにありがたがるように洗脳されている。

 

 そんな状態で主人公の元に超絶美人奴隷や磨けばひかる原石奴隷がやってきたら、そりゃあ自分が王様にでもなった気分になるだろうね。

 

 奴隷タイプのヒロインを求める主人公というか、物語の作者というか。

 そのタイプは、自己肯定されたい人間が書くようなものだな。

 

 自分のすべてを肯定してくれる存在が欲しい。そうじゃないと奴隷になんか手を出さないよ。

 なにせ、無条件で自分の全てを全肯定するしかないものをポンと用意できるのだ。

 

 異世界なろう作家にとって、奴隷とは、ていのいいヒロイン製造システムに過ぎない。

 主人公以外には奴隷を持っている人が少ない。

 

 なんだかんだで、2人目以降の奴隷の子を用意しているのは、そういうコンセプトの題名があるやつだけだ。

 

 

「城から出て真っ直ぐ進むだけで奴隷を売っている場所に到着だ。すごいね。これで最初のヒロインが奴隷じゃなかったらドン引きだよ。」

 

 私も、聖女召喚や謎スキル転移、錬金系現代知識チートの世界でも、割とすぐにメインっぽい奴隷出会えたものだ。

 慣れも慣れ過ぎて驚きもない。

 

 ということは、仁法さんもこの場所を通ったってことだ。

 

 

「………絶対、助けて見せる!」

 

 

 なんて思っていたら、件の奴隷のお店から、仁法さんが出てきた。

 私らには気づかず、走ってどこかに行ってしまった。

 

 間違いなく、奴隷商館にいるなにかの奴隷をロックオンしている。

 助けるのか一目惚れかはわからないが、テツタも奴隷が最初のヒロインだということは完全に理解したようだ。

 

「………。」

「………鉄太にゃん。ご感想はいかがかにゃん?」

「これがテンプレか………。すごいな樹。由依と田中もこれ予想できてたのか?」

「まあ、大体のことはねー。ここからは私たちがサポートはするけど、テツタ自身が考えてやってみたら?」

「………。やってみる!」

 

 

 というわけで、ありがとうございましたと頭を深々と下げている奴隷商人に話しかける。

 

 

「あの………。」

「やや、いらっしゃいませ! 如何致しましたか、坊ちゃん方! 先ほどの上等な服のお客様と同じような趣を感じますぞ。これはお金の匂いがぷんぷんとします! ささ、こちらへ。自慢の奴隷たちをご覧にいれましょう!」

 

 きっと、この奴隷商人のおじさんはこの押しの強さで、いかにも高級|(そうにみえる)服を着ている仁法を捕まえて奴隷を見せたのだろう。

 そのうえで、仁法は買う決心をして、ここから出て行った。ともすれば、また必ず仁法はここに帰ってくる。

 そんで一癖も二癖もいりそうな奴隷商館の店員。うーん。よくあるよくある。

 

「服を売った金か盗賊退治か忍術で義賊にでもなるのかはわからんが、何日もしないですぐに購入分の金額を手に入れて戻ってくるだろう。」

「そうなるまえに、鉄太にゃんはその奴隷を寝取ってやるにゃ!」

「家族がふえるよ! やったねテツタ! 」

「「おいやめろ(にゃ)!!!」」

 

 ゴン!! と、タナカちゃんとタツルから同時にゲンコツもらった。

 ………マジごめん。言うんじゃなかった。

 

 奴隷商館では不謹慎すぎる言動だった。猛省。

 

 

 

 




あとがき

次回予告
【 夢幻召喚RTA5 】

お楽しみに


読んでみて続きが気になる、気にならないけどとりあえず最後まで読める程度には面白かった

と思ってくださる方は
ブクマと星10おいといて。
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