テンプレバスター!ー異世界転生? 悪役令嬢? 聖女召喚? もう慣れた。クラス転移も俺(私)がどうにかして見せます! 作:たっさそ
俺は自分の影から収納魔法で皮鎧と剣を取り出し、同じように由依も収納魔法から装備を取り出していた。
やはり、度重なる夢幻牢獄での活動で由依も収納の魔法を手に入れていたようだ。
そりゃあそうだ。異世界の旅のチートの代名詞。収納魔法。
ない方がおかしいというもの。
そうなればもう消吾の存在意義がすくなくなりそうだが、まあ彼にはツッコミというアイデンテテーがある。
それに消吾のアビリティでの収納は容量無限だし、俺の収納よりも有効な使い方できるだろう。
「俺らは冒険者じゃない。でも勇者だ。魔王軍が来たのなら、蹴散らしてなんぼだ。」
「そうにゃ。田中達の本分は魔人と戦う事にゃ。ぶっコロコロしてやるにゃ!」
「でも、どうして今急に魔王軍襲来?」
由依が首をひねる。
「えーっと、こじつけられる理由を考えてみたんだが、俊平が幹部の一角を倒したことによるもの、もしくは遠征中の勇者がポカやらかしたか………魔王の気まぐれか………妙子か。」
「妙子にゃん? ああ、そういや魔王の名前はキュウビって樹にゃんが言っていたにゃ。妙子にゃんのライバルであることは間違いなさそうにゃ。ここに妙子にゃんがいるってことは」
「魔王がタエコちゃんをマークしている可能性が微粒子レベルで存在しているってことね」
全部憶測にすぎないんだけどな。
☆
というわけで、街の中央広場に到着。
冒険者たちがひしめいている。
「魔王軍が来たって、どういうことなの?」
縁子が不安そうに由依に聞いてきた
「私もまだ詳しくはわからないんだけど、ここに到着するまでに時間が掛かりそうだから、早馬かなにかに乗って誰かが情報だけ届けてくれたのかも。」
「そうよね………。前戦った、邪淫のリビディア………。彼女みたいなのが相手だったら、命がいくらあっても足りないよ。」
「大丈夫。私たちはあの時よりも強くなってるよ。」
由依も不安そうにしている縁子を気遣っている。
聞いた話によれば、邪淫のリビディア。彼女の戦闘能力自体は大したことはないものの、全体デバフと味方へのバフに特化している能力だったとか。
とはいえ幹部。一部有能な能力者であるヒップホッパー佐久間太郎、そしてインフレ気味の由依くらいしか相手は出来ず、他の皆は彼女に操られている魔物にすら四苦八苦していたありさまだったとか。
邪淫のリビディアの敗因は、間違いなく己の力量を超える魔物を操ろうとしたことによる自滅。
己の力で勝っていたわけではないのだ。
つまり、並みの勇者では決定打を与えられないということ。
俺が戦った妄語のデリュージョンだって、あいつの頭が弱かっただけで、能力自体は『嘘を現実に変える』というぶっ壊れ能力。
もし、デリュージョンが能力を有効に使うことができる頭を持っていたらと思うと笑えない。
そう、まるでデリュージョンやリビディアは『やつらは五戒魔帝の中でも最弱』と言われるためだけに生み出された存在のよう。
この世界も、テンプレを模している、だれかの物語の世界。
だからこそ、弱点があり、攻略の糸口が見える。
とはいえ、やはり強力な生き物なのだ。魔人という生き物は。
俺たちが撃破した魔人の幹部は3人。
俺が撃破した妄語のデリュージョン。由依が相手して自滅した邪淫のリビディア。そして、俊平が下した、飲酒のドリンキー。
残る幹部は『盗む』のが得意なやつ、そして『殺す』のが得意なやつ。
嘘や淫乱や酒乱なんかとは比べ物にならないのは間違いないだろう。
この世界において、『盗む』とは何を意味するか。
命を盗む? あり得る。
アビリティを盗む? 大いにあり得る。
アビリティが支配する世界だ。それを盗むことができる能力を持っているとしたら、相手の無力化、および自身の強化を同時に行えるとすれば、主人公たり得る能力。魔王にすらなれる。
しかし、アビリティ『盗む』という異能は、いかにも主人公のような能力だな。どう対策したものか。
いや、そもそも今この場に盗むアビリティのやつが来るとは思わないけども。
なんて熟考していたら、冒険者ギルドのギルド長らしき人が台の上に乗った
「情報によると、現在魔王軍は南より、獣人を率いて侵攻している。ジラフジ大橋より、魔人と獣人が大量に押し寄せてきているそうだ。諸君。わかっているとは思うが、世界中が魔人の恐怖に支配されている」
そういやそうだった。
だからこそ、勇者たちがあちこちに派遣されているのだけど、頑張っている者の代表が虹色光彦テンプレ勇者様で、あちらこちらで魔人の侵攻を食い止めてくれている。
エルフたちの住まう精霊種の住まうラグナ大陸と獣人種が住まうヒタフジ大陸はすでに魔人の植民地。
魔人の奴隷である獣人たちを使い、こちらに戦を仕掛けているのだ。
獣人は魔法を使える種は少ないものの、総じて身体能力が高い傾向にある。
そう簡単には負けないのだが、魔人は獣人と並ぶほどの身体能力、そして精霊種と同程度の魔力を兼ね備えている。
対して人間族は、数こそ多いものの、突出したものがない。
ただ蹂躙されるのを待つのみだ。
だが、勇者ならば、魔人と同じ成長をできる。
異界からの救世主。勇者。
俺たちが、魔人を倒すのだ。
「俺たちは、ここで魔人を迎え撃つ!! ヒトの領土を守るのだ!!!」
「「「 応!!! 」」」
あとがき
次回予告
【 勇者の戦死? 】
お楽しみに
読んでみて続きが気になる、気にならないけどとりあえず最後まで読める程度には面白かった
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