前回までのあらすじ
ジェミニストームに2度目の敗北をした雷門イレブン。染岡は自分の間違いを素直に認め、改めてジェミニストームに勝てる選手になる事を誓い、雷門イレブンは団結力を深めた。
そんな中、雷門イレブンに感化されたSPフィクサーズの財前塔子は父親に頼み込んで、雷門イレブンの特訓に参加させて貰う事になったが果たして…。
*****************
傘美野中・ミーティングルーム
飛鳥「そういう事なので、財前さんにはMFに入って貰おうかな」
と、飛鳥が紹介をし終えた。
栗松「それにしても総理大臣がよく認めたでやんすねぇ…」
飛鳥「あー…その事なんだけどね」
栗松の言葉に飛鳥が苦笑いした。
飛鳥「財前さんの周りの子、サッカーする人がいなくていつも一人でサッカーしてたんだ」
「!!」
飛鳥「そこで円堂くんに出会って…」
円堂「!」
飛鳥が円堂を見て話すと、円堂も反応した。
飛鳥「君に見込んで是非お願いしたいっていう話なんだ」
円堂「そうだったんですか! 大歓迎ですよ!」
円堂が反応する。
塔子「これからよろしくな! 円堂!」
円堂「こちらこそ!」
こうして、塔子が正式に雷門イレブンに加わった。
春奈「そういやユニフォームは…」
塔子「作ったよ!」
秋「えっ」
と、背番号が28番のユニフォームを勝手に作っていた。
秋「い、いつの間に…」
準備の速さに秋たちは辟易していた。ちなみにアニメもいつの間にか雷門ユニフォームを着こんでいたり、ゲーム版でも何故か用意されていた。細かい事は突っ込んだらいけない。
******************
そして傘美野中のグラウンドで練習が行われていた。こんな毎日使っていて迷惑じゃないのかというツッコミもあるが、近いうちに別の場所へ移動となる為、それまでならという理由で貸している。だが、生徒達としては、毎日使っていても歓迎ムードだった事は内緒だ。
塔子「たあっ!」
「!!」
塔子は機敏な動きでDF陣を突破していた。
塔子「ちょっと遅いぞ!」
壁山「す、すみませんっス…」
栗松「……」
いつもの練習に女子が参加している事もあり、皆不思議そうだった。
豪炎寺「……」
鬼道「SPフィクサーズのキャプテンをしていたあたり、戦力にはなりそうだ」
豪炎寺「ああ…」
豪炎寺と鬼道が塔子を見つめていたが、
鬼道「…だが、女子が加わったことでチームの雰囲気が変わりつつある」
豪炎寺「サッカーに性別は関係ない」
鬼道「そうだな。だが、女子は色々と気を遣うものだ」
豪炎寺「!」
鬼道「お前も妹が大きくなれば嫌でも分かる」
そう言って鬼道は去っていった。
飛鳥「……」
飛鳥はじーっと練習を見ていると、夏未達がやってきた。
夏未「あの…」
飛鳥「どうしたの?」
夏未「…塔子さんの事なんですけど、本当に良かったんですか?」
飛鳥「響木監督も問題ないって言ってるから大丈夫だよ」
春奈「それにしても、女の子がサッカーやってるなんて珍しいですね」
飛鳥「まあ、それは分かるけどさ…」
飛鳥が塔子を見つめた。
飛鳥「女の子がサッカーをやったらいけないなんてルールはないからね」
「!」
飛鳥の言葉にマネージャー達が反応すると、飛鳥の表情が真剣だという事が分かった。
飛鳥「円堂くんは円堂くんでサッカーが大好きだから、一緒に出来る仲間が出来て嬉しいだろうけど、きっと財前さんは円堂くんの存在に救われたんだろうなぁ。とっても嬉しそうだ」
「……!」
マネージャー達は塔子の顔を遠くから見ていると、確かに嬉しそうで、その姿はSPフィクサーズのキャプテンではなく、純粋にサッカーを楽しんでいる一人の女の子だった。
飛鳥「…ま、人に迷惑をかけてるわけでもあるめぇし、それは財前さんの個性だ。ちゃんと受け入れてあげてね」
春奈「は、はい!」
そう言って飛鳥は去っていった。
そして休憩時間。
塔子「円堂! 一緒に食べようぜ!」
円堂「おう! いいぞ」
塔子はとにかく円堂にベッタリだった。
秋「あ、ごめんなさい塔子さん。ちょっといいかな…」
塔子「何だ?」
円堂「じゃあ後でな」
塔子「ああ!」
そう言ってマネージャー達は塔子を連れて行った。
******************
夏未「ごめんなさいね。急に連れ出したりして」
塔子「別にいいよ。どうしたの?」
夏未「えっと…//////」
夏未が頬を染めた。
春奈「塔子さんって、キャプテンの事好きなんですか?」
秋「は、春奈ちゃん!!//////」
夏未「ダイレクトに聞き過ぎよ!!//////」
塔子「好きだよ?」
秋・夏未「!!?//////」
塔子があっさり答えたので、秋と夏未が驚いていたが、春奈は…。
春奈「…それって友だちとしてですか? 異性としてですか?」
塔子「友達だけど。異性って何?」
塔子の言葉に秋や夏未がほっとした。
塔子「あ、分かった! もしかして円堂の事好きなのか!?」
秋・夏未「!!?//////」
逆に聞き返されて秋と夏未がボンっと顔を真っ赤にした。
春奈「そうなんですよー。それなのに2人とも奥手で…いひゃいいひゃいいひゃいれす~!!!」
春奈が喋ると夏未が後ろから頬っぺたをつねった。
秋「お願い。忘れて//////」
塔子「えー。どうしよっかなー」
夏未「忘れなさい!! これは理事長の言葉と思ってくれて構いません!///////」
春奈「いや、塔子さん外部の人ですから…」
秋と夏未はとにかく羞恥でパニック状態になっていたが、塔子は面白がっていた。
塔子「あははははは! 面白いな夏未達も!」
秋・夏未「面白くない!!//////」
春奈「それにしてもそこまでキャプテンの事が気に入ったんですねぇ」
塔子「そりゃ勿論! だって、あんな事言ってくれたの、円堂が初めてだもん」
『女の子でキャプテンなんてすげーな!!』
『オレは大歓迎だぜ!!』
塔子「本当に嬉しかった…」
「!」
塔子「パパが総理大臣だから、皆気を遣ってよそよそしかったし、いつも一緒にいるのは大人ばっかりだし、同じくらいの子とサッカーをやっても『女だから』って理由でバカにされたりよそよそしくされてたんだ」
「……!」
塔子「だから本当に円堂の言葉が嬉しかった」
春奈「塔子さん…」
塔子が苦笑いしたが、どこか寂しそうだった。
*******************
塔子「円堂!」
円堂「塔子。ずいぶん遅かったな」
塔子とマネージャー達が戻ってきた。
円堂「オレ、ずっと待ってたんだぞ!」
塔子「食べてて良かったのに」
円堂「いやあ、先に食べるのも悪いし、塔子とおにぎり食べたかったから」
秋・夏未「……」
春奈「ハァー…」
円堂の発言に秋と夏未が表情を曇らせ、春奈がため息をついた。
円堂「ん?」
塔子「待っててくれたんだ。ありがとう」
と、塔子だけはにこやかだった。
塔子「それじゃ一緒に食べようぜ!」
円堂「ああ! 秋たちも落ち着いたら食べろよ!」
そう言って円堂と塔子は一緒に昼食を取り、マネージャー達が離れた。
春奈「…先輩方」
秋「何も言わないで…」
夏未「何でいつもああなのかしら…!!」
秋と夏未が不機嫌だったことは、円堂が知る由もなかった…。
春奈「コーチも他人事だと思わないでくださいね」
飛鳥「ああ。そりゃあもう」
秋「春奈ちゃん!!!」
通りかかった飛鳥にくぎを刺すと、秋から叱責を食らう春奈だった。
つづく