前回までのあらすじ
ウインタースポーツでスピードをあげる特訓をしようとしたが、白恋中メンバーに遭遇し、そこで強力なストライカー『吹雪士郎』と出会う。
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押矢の言葉に皆が驚いた。
豪炎寺「フォワードとしても…ディフェンダーとしても…?」
一之瀬「攻守ともに出来るプレイヤーか…」
鬼道「それが事実なら、影山が邪魔をするのも一理ある…」
と、皆吹雪の実力に興味津々だった。
押矢「そして何と言っても、スピードだべ!」
風丸「!」
押矢「吹雪くんには誰も追いつけないべー」
「って押矢。何自分の事のように話してるべさ」
「こいつ押矢って言うんだけど、いっつも吹雪くんに助けられてるだ」
押矢「そ、それは言わないって約束だべ!!/////」
チームメイトにからかわれて押矢はむきになったが、
吹雪「でも、チームの誰よりも努力家なんだ」
「!!」
押矢「吹雪くん…」
吹雪だけは助けてくれて押矢は感動していたが、
吹雪「だから助け甲斐があるんだよ」
押矢「吹雪くん!!?」
あまり嬉しくない事を言われて押矢がツッコミを入れると、笑いが生まれた。
円堂「すっげー…試合してみたい!!」
円堂がそう言うと、
吹雪「それはいいけど…君達、用事があるんじゃなかったの?」
円堂「あっ…」
「あ、そうそう。こんな所まで一体何しに来たんだ?」
飛鳥「えっとね…」
飛鳥が事情を説明した。
飛鳥「…という訳で、ジェミニストームに対して実力で勝てるようにスピードを鍛えようとしてるの」
「へー…」
「流石雷門イレブン。意識が高いべー」
学校を壊した宇宙人を捕まえて、それでなお自分たちの実力を高める為に特訓する姿に、白恋イレブンは改めて雷門イレブンを尊敬した。
吹雪「それは名案だね! いいと思う!」
吹雪も好意的だった。
吹雪「それだったらスノーボードが一番お勧めだよ」
「スノーボード?」
吹雪「ついてきて」
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そして吹雪はスノーボードを披露したが、それはもう見事だった。
春奈「うわあっ! 早いです~!!」
栗松「くぅぅ…!! イケメンは何しても画になるでやんす…」
少林寺「僻むなよ…」
吹雪の姿を見て春奈が黄色い声援を上げると、栗松は絶望に陥っていた。
吹雪「ふうっ…」
吹雪が戻ってきた。
吹雪「このように、雪が僕たちを風にしてくれるんだよ」
風丸「風に…」
飛鳥「そういうこと」
「!」
飛鳥「スノーボードを通じて、ジェミニストームの速さを体で感じて貰う。そうすることで感覚が研ぎ澄まされるという訳だ」
鬼道「そうなる事で、周りが見えてくる…という訳ですか」
飛鳥「それだけじゃないぜ。パスも出しやすくなるし、相手のパスにも反応してカットも出来る」
円堂「よーし! それじゃやってみようぜ!」
飛鳥「あ、ちょっと待って」
「?」
皆が飛鳥を見た。
飛鳥「白恋中の皆は経験者かな?」
「はい!」
飛鳥「それじゃ雷門の皆に教えてくれるかな。初心者が多いんだ」
吹雪「あ、そうだね。スノーボードって見た目以上に難しいから、教えて貰った方が良いかも…」
円堂「わ、分かった…」
飛鳥「吹雪くん。君はちょっと来てくれるかな。話したい事があるんだ」
吹雪「分かりました…」
飛鳥が吹雪を連れて行こうとすると、
「あ、ちょっと待ってほしいべ!」
「?」
MFの荒谷紺子が困った顔で話しかけた。
紺子「白恋のメンバーからも数名、参加させてほしいべ…」
飛鳥「OK。それじゃ決めてくれるかな?」
と、紺子、押矢、目深が参加することになった。
「それじゃ、目金くんはオラが教えてあげるズラ~」
目金「な、何て僕なんですか…ってか、鼻水が…」
目金はDFの雪野星也に懐かれていたが、彼の鼻水に辟易していた。
「あー。雪野くんはね、目金くんのファンなんだよ」
「ええええええ!!?」
目金「あのー。そんなに驚く事はないんじゃないですかね…」
あまりにも驚くチームメイトに目金は口元を引きつらせた。
半田「だってお前殆ど試合に出てないし…」
雪野「あー。秋葉名戸学園戦もそうだけど、それ以外でも色々有名になってたよー」
目金「な、何でも良いですけど鼻水を何とかして貰えませんかね…」
雪野「あー。ごめんなさーい」
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そして、飛鳥は吹雪達と話をしていた。
紺子「あの、監督さん…」
飛鳥「あ、オレ監督じゃなくてコーチね。ちょっと監督は本業が忙しくて…」
飛鳥が苦笑いしていたが、紺子は心配していた。
紺子「…吹雪くんを、どうする気なの?」
飛鳥「どうもしないよ。ただ、一点だけ確認したい事があるんだ。エイリア学園の人間だった者として、ケジメをつける為にね」
飛鳥が真剣な顔をして吹雪を見た。
飛鳥「吹雪くん」
吹雪「はい…」
飛鳥「二重人格だって聞いたんだけど、どうなの?」
吹雪「……」
吹雪も真剣な顔をした。
吹雪「…それならもう心配ありませんよ」
飛鳥「?」
吹雪が正面を向いた。
吹雪「白恋の皆が…監督が…僕に『一人じゃない』って教えてくれたから」
「!?」
吹雪の言葉に紺子たちは暗い顔をした。
紺子「…吹雪くん。前までは弟のアツヤくんの人格があったんです。吹雪くんは元々DFで、アツヤくんはFWだったんです」
飛鳥「……」
紺子「アツヤくんの人格になる事で、強力なシュートが打てるんだべ。それで今まで試合とかでもずっと活躍してたんだ。けど…」
吹雪「ここからは僕が話すよ」
「!」
吹雪が紺子を見た。
吹雪「ありがとう。大丈夫だから」
紺子「吹雪くん…」
吹雪が飛鳥を見た。
吹雪「…僕はアツヤの人格になる事で今まで沢山点を取ってきたんですけど、ある日、僕は体調を崩して試合に出れなかったことがあるんです。そのせいで白恋中は大量に点を取られて負けて、白恋サッカー部は僕がいなきゃ弱いチームだと周りからバカにされるようになったんです」
吹雪が俯いた。
吹雪「…その時僕は、完璧じゃなかったから体調を崩して、白恋中は負けたんだと自分を責めたんです」
飛鳥「完璧?」
飛鳥が反応した。
吹雪「…今は亡き両親と弟と約束したんです。弟と二人で完璧なサッカー選手になると」
つづく