イナズマイレブン2 エイリアクライシス!?   作:ダシマ

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第17話「上には上がいる」

 

 

 白恋中と練習試合をする事になった雷門イレブン。だが、試合の展開は予想だにしない展開となった。

 

『エターナルブリザード!!』

 

 吹雪が強力な氷のシュートを撃つと、円堂は成す術もなく失点した。

 

角馬「ゴール!!! 吹雪が先制点を取ったー!!!」

 

 角馬がごく当たり前のように実況をしたが、皆不思議そうに見ていた。

 

飛鳥「君、どうやってここまで来たの?」

角馬「自転車と船を使ってきました!!」

飛鳥「言ってくれたら乗せたのに」

角馬「…えっ、あ、そうなんですか?」

飛鳥「うん。大変でしょ」

 

*******************

 

円堂「す、すげぇ…!!」

壁山「な、なんなんすかあのスピードは!!」

風丸・染岡「……!!」

 

 吹雪のスピードに円堂以外のスタメンは驚きが隠せなかったが、その中でも一番焦っていたのが染岡と風丸だった。

 

吹雪「さあ、風になろうよ」

「!」

 

 吹雪の言葉に風丸が歯ぎしりした。そして飛鳥はそれを見逃さなかった。

 

 そしてホイッスルが鳴り、雷門ボールで始まったが、

 

風丸「オレにボールを回してくれ!」

円堂「風丸!?」

染岡「クソ…! まだ1点だ! オレがすぐに取り返してやる!」

 染岡が突破しようとすると、吹雪はスケートの要領でクルクル回り、地面に足をつけた。

 

吹雪「アイスグランド!!」

 

 すると氷の衝撃波が発生して染岡は氷漬けになった。

 

半田「染岡!」

目金「皆さん落ち着いてください! 相手のペースに乗せられてます!」

 

 目金が指示を出すと、雪野がうっとりしていた。

 

染岡「くそ…!!」

目金「染岡くん。一人で突っ走るなんて無謀ですよ」

染岡「うるせぇ!」

 

 染岡が吹雪を睨んだ。

 

染岡「このまま負けっぱなしでいられるかよ!」

風丸「……」

 

 飛鳥はただ雷門イレブンを見つめていた。

 

秋「何かいつもの雷門サッカー部らしくないわ…」

夏未「ええ…」

春奈「メンバーは同じはずなのに…。やっぱり吹雪さんが強すぎるから…」

飛鳥「それもそうだけど、やっぱり日本一っていうのがプレッシャーになってるね」

「!?」

 

 皆が飛鳥を見るが、鬼道は正面を向いていた。

 

鬼道「今の雷門中は弱小サッカー部ではなく、フットボール・フロンティア優勝校。だから無様に負ける事は許されない。そのプレッシャーのせいで動きがぎこちなくなっているんだ」

春奈「そうかもしれないけど…」

飛鳥「いつも通りに戦えば勝てると心では分かっていても、吹雪くんがあまりにも強すぎるんだ。自分たちが考えていた以上にね」

秋「!」

飛鳥「予想外の事態が起きた時、人は狼狽え判断力が落ちるんだ。これは新たな課題が発生だな…」

 

 飛鳥が口角を上げた。

 

鬼道「確かに影山が白恋の出場資格を剥奪するのも頷ける…」

一之瀬「それもそうだけど、これほどのプレイヤーがエイリア学園の手に渡ったら、大変な事になる」

豪炎寺「……」

 

 そしてこの後、染岡が何とか1点をもぎ取ったが、試合が終わるまで誰も吹雪を止める事が出来なかったし、吹雪がディフェンスに回ると必ずボールを取られていた。

 

 そんな中…

 

風丸「……!」

 風丸は吹雪のスピードに対し、自信喪失になっていた。

飛鳥「……」

 

**********************

 

紺子「負けちゃったけど、楽しかったー!!」

雪野「目金くんカッコ良かったずらー」

 

 と、結果は雷門の勝ちだったが、一部のメンバーは素直に喜べなかった。

 

鬼道「どう思う」

豪炎寺「ああ。これは完全な勝利とは言えない」

 

 鬼道と豪炎寺がそう会話して、飛鳥を見つめた。

 

飛鳥「…まあ、そんなに見つめるなよ。そうだな。完全な勝利どころか負けと言ってもいい」

「!!?」

 

 飛鳥の発言に話を聞いていたメンバーが驚いた。

 

土門「ま、負けって…」

飛鳥「吹雪くんね。かつてはゴールを決められそうになると、ディフェンスラインまで戻ってきてブロックしてたんだ」

「!!?」

飛鳥「でも、それは結果として吹雪くんに負担をかけるし、他の選手の成長につながらないという事でもうやめてるんだ。ディフェンダーたちが必死に食らいついていただろう」

「あ…」

 

 と、雷門イレブンが試合の事を想いだした。確かに押矢を筆頭に懸命にブロックしようとしていた。

 

飛鳥「あれやられてたらもっと苦戦してただろうね。最悪…負けてたかも」

豪炎寺・鬼道「……」

 

 飛鳥の言葉に豪炎寺と鬼道が言葉を失うと、円堂がやってきた。

 

円堂「吹雪のシュート…とっても凄かった。でも今のままじゃ止められない」

秋「円堂くん…」

円堂「スノーボードをマスターしてスピードを上げて、もう1回挑戦だ!」

 

 と、円堂の前向きな言葉に皆元気が出た。

 

 約2名を除いて…。

 

風丸「……」

少林寺「……」

 

 風丸と少林寺だった。風丸は吹雪のスピードに嫉妬していたが、少林寺はミスを連発してしまった。それを飛鳥は見逃さなかった。

 

 

***********************

 

 その夜

 

少林寺「風丸さん?」

風丸「少林。お前も呼ばれてたのか」

 

 少林寺と風丸がお互い呼ばれていた事に驚いていた。2人は旅館のミーティングルームの前まで来ていた。

 

風丸「コーチ。入ります」

飛鳥「おう」

 

 そこには飛鳥が待っていた。

 

飛鳥「まあ、座れよ」

少林寺「は、はい…」

 

 と、飛鳥は風丸、少林寺を見つめた。

 

風丸「で…何か御用ですか?」

少林寺「や、やっぱりアレですよね。オレ、白恋の試合でミスばっかりしたから…」

飛鳥「まあ、それもあるかな」

 

 飛鳥の言葉に少林寺はショックを受けた。

 

飛鳥「二人に言いたいのはね」

風丸「…もっとスピードを上げろという事ですか?」

飛鳥「違う」

少林寺「じゃあ何でしょうか…」

 

 飛鳥が二人の顔を見た。

 

飛鳥「まだまだ強い奴いただろ」

風丸・少林寺「え?」

 

 予想外の発言に風丸と少林寺はキョトンとした。

 

飛鳥「風丸くん。君、吹雪くんがエターナルブリザード決めた後、やたら力んでたよね?」

風丸「そ、それは…」

飛鳥「陸上やってただけに、あんだけ足早かったら…どう思う?」

風丸「……」

 風丸が俯いた。

 

飛鳥「皆まで言わないけど、それは慢心してた証拠だ」

風丸「!!」

 風丸が飛鳥を見た。

 

飛鳥「お前としてはそんなつもりはないと思っているかもしれないと言うだろう。頭の中ではそう思っていなくても、やはり心のどこかではそう思っていたんだ」

 飛鳥の言葉に風丸は俯いた。

 

飛鳥「で、次は少林寺くんだ。君は吹雪くんのエターナルブリザードもそうだけど、ジェミニに勝ちたいっていう思いから、焦りが生まれてたでしょ。2戦目の時から動き悪かったよ」

少林寺「!」

 

飛鳥「そして今回もそう。チームの為に貢献しなきゃっていう思いが強すぎて、力が入り過ぎて動きがおかしかったんだ。そして吹雪くんの強さを見て、それが更に悪化した。途中からどうすればいいか分からなくなったでしょ?」

 

 飛鳥の言葉に少林寺は俯いた。

 

少林寺「…はい。その通りです」

 

 少林寺は言葉を漏らすと、風丸が少林寺を見た。

少林寺「コーチ…」

 

 円堂が近くまで通りかかったその時、少林寺はこう言った。

 

少林寺「オレ、やっぱりサッカーに向いてないんですかね…」

 

 

つづく

 

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