傘美野中グラウンド
飛鳥「…雷門イレブンの皆さん。うちの者がご迷惑をおかけしました」
飛鳥が円堂達に頭を下げたが、円堂達は困っていた。
それもそうだ、レーゼ達は先ほど会っていて、その時は色々偉そうな事を言っていた。そして追いかけてみたら謝っている飛鳥に対して恐れおののいて、今では飛鳥の横で縮こまっている。
飛鳥「お前たちも謝れ」
「すいませんでしたぁ!!!」
と、一気に土下座しだした。それを見て円堂達は更に困惑した。
飛鳥「傘美野中の皆さんも怖がらせて申し訳ない。私がしっかりこいつ等を見張ってるから、安心してください」
「あ、はい…」
「ありがとうございます…」
その時だった。
「あなた、この宇宙人たちの事について何か知ってるの?」
雷門中の生徒会長にして、サッカー部のマネージャーである雷門夏未が飛鳥に話しかけた。
飛鳥「ええ。良く知ってますよ」
夏未「全部説明してくださるかしら」
レーゼ「貴様!! 誰に向かってそんな口を…」
飛鳥「黙れ」
レーゼ「…はい」
飛鳥の一言で黙らせるレーゼを見て、円堂達は何とも言えない顔をしていた。
飛鳥「…お詫びにならんかもしれませんが、今この国で何が起きているか説明させていただきます。誰が聞いてるか分からないので、屋内でお話しさせて頂ければ有難いです」
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傘美野中・体育館
飛鳥「単刀直入に言えば、エイリア学園は宇宙人ではございません」
「ええっ!!?」
飛鳥の言葉に円堂達は驚いていたが、
夏未「…まあ、確かに人間みたいな子もいるから、そうなんじゃないかとは思ってたけど」
飛鳥「『お日さま園』という孤児院の孤児達で、そのバックには吉良財閥がいるんです」
「吉良財閥…」
雷門サッカー部のゲームメイカー・鬼道勇人が反応した。そして飛鳥はそのまま義父である吉良星二郎の野望と、その過去を雷門サッカー部と傘美野サッカー部に説明した。
「そんな事が…」
夏未と同じ雷門サッカー部のマネージャーである木野秋が反応し、円堂は震えていた。
飛鳥「そういう訳です。この騒動を止めるには、エイリア学園の最強チーム『ザ・ジェネシス』にサッカーで勝つ必要があるんです」
飛鳥は説明したが、雷門のストライカーである染岡は信じられなさそうにした。
染岡「そんな漫画みたいな話、信じられるかよ…」
「そうでやんす。宇宙人じゃないにしても…」
1年生の栗松鉄平も後に続いた。まあ、そうだろうなと言わんばかりに飛鳥も一息ついた。
円堂「理由はどうであれ、サッカーを悪事に使うなんて許せない」
秋「円堂くん…!」
円堂が飛鳥を見た。
円堂「そのザ・ジェネシスをオレ達が倒せばいいんだ!」
と、円堂の発言に皆が驚いた。
染岡「円堂!」
「本気で言ってるのか!?」
染岡に続き、円堂の幼馴染である風丸一郎太も驚いていた。といっても、部員の殆どが驚きを隠せなかったが…。
鬼道「フッ。それでこそ円堂守だ」
と、鬼道だけは鼻で笑ってみせた。
円堂「そうと決まれば早速特訓だ!!」
レーゼ「バカめ。お前たちが倒せるわけがないだろう…ふげっ!!」
レーゼが悪態をつくと、飛鳥が肘打ちをした。
飛鳥「流石フットボール・フロンティアの優勝チームのキャプテンだけありますね」
円堂「ああ!」
飛鳥「けどその前に、怪我をちゃんと直した方が良いんじゃないですか?」
「!!」
飛鳥が部員たちを見た。
飛鳥「その様子だとかなり怪我をしてるみたいですね」
秋「あっ…」
夏未「ゼウスの猛攻を受けたままだったからね…」
飛鳥は静かに目を閉じた。
飛鳥「まだ時間はありますから、ゆっくり休んで…」
円堂「休んでなんかいられないよ。オレ達がこうしている間に学校が壊されるんだろ!?」
飛鳥「そうですね。こいつ等がオレに捕まった今、他のチームにやらせてるでしょう」
円堂「だったら!!」
鬼道「円堂。こいつの言う通りだ」
「!!」
熱くなる円堂に対し、鬼道が諫めた。
鬼道「宇宙人でなかったとはいえ、危険な事をしようとしている事は事実だ。やみくもに戦って勝てる相手ではない。それに今は豪炎寺、土門、一之瀬もいない。万全の態勢で行こう」
円堂「鬼道…」
すると鬼道は飛鳥を見た。
鬼道「あんたに一つ聞きたい事がある」
飛鳥「何ですか?」
鬼道「オレ達雷門中とそいつら、どっちが強い?」
鬼道の言葉に飛鳥は目を開かせた。
飛鳥「…それは、帰ってくる答えが分かっていて聞いているんですか?」
鬼道「……」
飛鳥が鬼道を見た。
飛鳥「こいつらですね。悪いですが」
「!!」
染岡「て、てめぇ! ふざけてんのか!?」
栗松「そうでやんすよ!!」
宍戸「そうだ! オレ達は全国大会優勝チーム…」
飛鳥「そうですね」
「!!」
飛鳥は冷静に言い返した。
飛鳥「確かにあなた方はあのゼウスを下して日本一になった。ですがそれはあくまで出場した学校の中ではの話です」
「!!」
飛鳥「サッカー協会副会長・影山零治によって出場権を剥奪されたチームや…」
鬼道「!」
飛鳥「元よりフットボール・フロンティアに興味のないチーム…」
円堂「!」
飛鳥「全国にはそんなチームがいっぱいいます。早い話が井の中の蛙ですね」
飛鳥が普通に言い放った。飛鳥の冷静さに円堂達は本気で言っている事が理解できたが、染岡や栗松はどうしても引き下がれなかった。
染岡「い、井の中の蛙だと!!?」
栗松「オレ達が弱いって事でやんすか!?」
飛鳥「落ち着いてくださいな。まあ…実際に戦ってみたら分かります」
「!!」
飛鳥は雷門イレブンの方を見て笑みを浮かべた。
飛鳥「ですがその前に、ちゃんと怪我を直してください。でないと…入院して、ジェネシスどころじゃなくなりますよ」
「!!」
後日、怪我を直してから正式にレーゼのチームである「ジェミニストーム」に挑むことになった雷門イレブン。果たしてどうなる…。
つづく
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