前回までのあらすじ
円堂がウハウハモテモテルートに突入し、飛鳥が昔話を語った…。
飛鳥「あれは数年前だな。吉良星二郎が完全におかしくなる前の話」
「……」
飛鳥「エイリア学園の皆で旅行に出かけたんだ」
栗松「な、何か凄いでやんすね…」
飛鳥「まあ、本当は「お日さま園」っていう孤児院なんだけど、エイリア学園の方が説明しやすいし、君達もなじみが深いでしょう」
壁山「そ、それはそうっすね…」
飛鳥「で、目的地まではバスで行く事になったんだけど、5台あって…」
春奈「あー。そこでコーチと誰が隣になるか、女の子たちが喧嘩したんですね」
栗松「きぃいいいい!! 何か聞きたくないでやんす!!」
飛鳥「じゃあやめるわ。おやすみなさい」
栗松「嘘です」
飛鳥「まあ、こんな感じだったね…」
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数年前。飛鳥は当時小学6年生だった。
星二郎「それではチームごとに乗り込んで下さい」
吉良星二郎が子供達にバスを乗り込むように言った。
飛鳥「父さん」
星二郎「ああ。お前は無所属でしたね。それじゃ…」
「飛鳥」
と、後のマスターランクチーム『ダイヤモンドダスト』のメンバーである倉掛クララが話しかけてきた。
飛鳥「おう、どうした?」
クララ「私達のバスに…」
その時だった。
「飛鳥! プロミネンスのバスに乗りましょ!」
のちのマスターランクチーム『プロミネンス』のメンバーである蓮池杏(レアン)がやってきて、飛鳥の腕を強引につかんだ。
クララ「ちょっと。私が先に話しかけたのよ」
レアン「此間後から声をかけて来たくせに何言ってんの?」
と、バチバチ火花を散らしていた。
星二郎「おやおや、飛鳥はモテモテのようですねぇ」
飛鳥「いや、笑い事じゃないから…」
星二郎「それでは話し合って好きなチームのバスに乗りなさい。時間が無いから早く決めるんですよ」
飛鳥「逃げやがった…」
そして飛鳥は各男子メンバーを見たが、大半が知らんぷりをした。
飛鳥「練習メニュー増やしてる」
「そんな!!」
「飛鳥さんも同じ男ならわかるでしょう!!」
飛鳥「晴矢! 風介!」
ヒロト「あの2人ならもうバスに乗りこんだよ。逃げるように…」
レーゼ(三十六計逃げるに如かず…)
飛鳥「OK。それじゃガイアにお邪魔させて貰おうかな」
クララ「ダメに決まってるでしょ」
レアン「ちょっと!! 晴矢引っ張り出してきて!!!」
そして飛鳥はやんわりとレアンを振りほどいた。
レアン「!!」
飛鳥「晴矢と風介に伝えといて。キャプテンなんだからもっとしっかりしろって」
飛鳥がそう言うと、ガイアのメンバーであるクィールこと久井ルルが飛鳥の頭の上に乗っかった。
クィール「それじゃ出発進行だっポ!」
飛鳥「人の頭の上に乗らないで」
レアン「ちょ、ちょっとぉ!!」
クィール「飛鳥が選んだんだから文句言わないッポ!!」
クララ「……!」
クィールが心の底からバカにしていた顔をしていた為、レアンとが歯ぎしりをし、クララは完全に青筋が立っていた。
(じ、地獄だ…)
プロミネンスとダイヤモンドダストの男子メンバーは心の底からキャプテンを恨んだ。
そしてこうなった。
レアン「あんたのせいよ!!」
「いてててて!! お前が回りくどい事するからだろうが!!」
と、レアンはプロミネンスのキャプテン・バーン(南雲晴矢)に八つ当たりしていた。同じ女子メンバーのポニトナとバーラも飛鳥と一緒のバスに乗れなくて残念がっていた。
そしてダイヤモンドダストは…。
「私は間違ったことはしていない!」
「そうね」
(笑ってるけど、機嫌悪っ!!)
クララがずっと不機嫌で、同じ女子メンバーのアイシーとリオーネも残念そうにしていた。そしてキャプテンのガゼル(涼野風介)は開き直っていたが、完全に空気が悪くなっていたので、ばつが悪そうにしていた。
栗松「…あれ? もうこの時点でチームが決まってたでやんすか?」
飛鳥「えっとね。一応サッカーチーム自体は出来てたんだけど、ランク付けはエイリア学園が本格的に始動してからなんだ。この時は皆同じだったんだよ」
壁山「お、女の子って怖いっす…」
壁山が震えていた。
飛鳥「もうね。この年頃から女の子を怒らせたらいけないって分かって来るんだ…」
春奈「凄く苦労されてたんですね…」
飛鳥「お願いだから人に迷惑をかける事だけはしないでね…」
飛鳥はどんよりすると、皆は飛鳥の気苦労を偲んだ。気の強い夏未ですらちょっと気を遣っていた。男がそんな弱音を吐くんじゃないと言えば、確実に批判されるだろう。もうそんな時代じゃないのだ。
飛鳥「お互いがお互いを思いやれなきゃ、人間お終いよ」
春奈「コーチ。誰とお話してるんですか?」
栗松「それはそうと、そのガイアっていうチームと一緒になってどうなったでやんすか?」
飛鳥「どうだったかなぁ…」
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クィール「飛鳥はここっポ!」
飛鳥「分かった分かった」
飛鳥がクィールに連れられて席に座ると、ガイアの女子メンバーであるキーブ(紀伊布美子)がやってきた。
キーブ「飛鳥くん。後ろの席に座らない?」
飛鳥「え?」
クィール「えー」
キーブ「一人だけ不公平よ。それに…玲名が」
「……」
キーブが苦笑いすると、一番後ろの席から八神玲名(のちのウルビダ)が飛鳥を睨みつけていた。
クィール「隣に座りたいなら座りたいって言えばいいッポ」
キーブ「それが出来たら苦労しないわよ」
クィール「甘やかしすぎっポ。素直に言えない恥ずかしがり屋さんは剛太の隣で十分だッポ!!」
「いや、なんでだよ!!」
と、羽崎剛太(のちのハウザー)がツッコミを入れたが、玲名がイライラしていた。
「あの、そろそろ出発したいんですけど…」
クィール「はーい。出発してくださいっポ~」
ウルビダ「……!!」
(なんだ…この末っ子ばかり可愛がられて拗ねてるお姉ちゃん感は…)
と、他のメンバーは困惑した。
そして道中はクィールがずっと飛鳥を独占していて、ずっと喋っていた。そしてウルビダは涙を流しながらハンカチをかみしめていた。
キーブ(そんなに話したいなら素直になればいいのに…)
ヒロト(毎回八つ当たりされるオレの気持ち考えてほしい…)
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飛鳥「っていう感じだったなぁ…」
栗松「よりどりみどりでやんす…」
少林寺「でも大変そう…」
飛鳥「うん」
飛鳥が遠い顔をすると、円堂がある事を想いだした。
円堂「そういえば、ジェミニストーム以外のチームってどうしてるんでしたっけ」
飛鳥「政府指定の特別地域に建造されている施設にいるよ。エイリア学園の騒動がある程度収まるまではそこにいて貰うの。当分出れそうにないけどね…」
壁山「刑務所みたいっス…」
飛鳥「まあ、学校の授業みたいなのはあるけど、サッカーコートとかは遊ぶ施設とかもあるって聞いたことあるよ。確かゲームセンターもあるって言ってたな」
宍戸「それはいいなぁ」
飛鳥「でも施設の外に出れないから、中々しんどいぞ」
宍戸「た、確かに…」
夏未「それで、会ったりはしてるの?」
飛鳥「…会ってないなぁ」
飛鳥が呟くと、円堂達は飛鳥を見た。
円堂「会ってきたらどうですか?」
飛鳥「!」
円堂「コーチの顔を見たら、皆元気になるかもしれませんよ!?」
飛鳥「ああ。実はまだ面会が許されてないんだよ…」
春奈「ホントですか?」
飛鳥「本当だよ。SPフィクサーズの人から電話で様子を聞いてるから安心して。相変らずすぎてオレ自身は安心できないけど…」
と、飛鳥が困った顔をした。
春奈「次あったら覚悟しといた方が良いですよ」
飛鳥「え?」
春奈「恋する女の子は宇宙人なんか比べ物になりませんから」
飛鳥「あー…」
夏未「ちょっとこっち見ないでくれません!!?//////」
秋「あと、こっちも見ないでください!!//////」
飛鳥「さて、そろそろ寝ようか」
「はーい」
夏未(刺されればいいのに…!!)
飛鳥「あ、寝る前に一言だけ言っとこうか」
「!」
飛鳥が雷門イレブンを見た。
飛鳥「皆。北海道での特訓。本当にお疲れ様。東京に帰って一日休息を取ったら、すぐにジェミニストームの試合だ! 初めてジェミニストームと対峙した時のあの緊張感と、今日までの特訓を思い出して、全力を出し切るように!」
「……!」
飛鳥「返事は?」
「はい!」
雷門イレブンの返事に飛鳥は笑みを浮かべ、バスは東京へと向かうのだった…。
つづく