イナズマイレブン2 エイリアクライシス!?   作:ダシマ

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 前回までのあらすじ

 円堂がウハウハモテモテルートに突入し、飛鳥が昔話を語った…。


第20話「在りし日のエイリア学園」

 

 

 

飛鳥「あれは数年前だな。吉良星二郎が完全におかしくなる前の話」

「……」

 

飛鳥「エイリア学園の皆で旅行に出かけたんだ」

栗松「な、何か凄いでやんすね…」

飛鳥「まあ、本当は「お日さま園」っていう孤児院なんだけど、エイリア学園の方が説明しやすいし、君達もなじみが深いでしょう」

壁山「そ、それはそうっすね…」

 

飛鳥「で、目的地まではバスで行く事になったんだけど、5台あって…」

春奈「あー。そこでコーチと誰が隣になるか、女の子たちが喧嘩したんですね」

栗松「きぃいいいい!! 何か聞きたくないでやんす!!」

飛鳥「じゃあやめるわ。おやすみなさい」

栗松「嘘です」

 

飛鳥「まあ、こんな感じだったね…」

 

***************************

 

 数年前。飛鳥は当時小学6年生だった。

 

星二郎「それではチームごとに乗り込んで下さい」

 

 吉良星二郎が子供達にバスを乗り込むように言った。

 

飛鳥「父さん」

星二郎「ああ。お前は無所属でしたね。それじゃ…」

 

「飛鳥」

 と、後のマスターランクチーム『ダイヤモンドダスト』のメンバーである倉掛クララが話しかけてきた。

 

飛鳥「おう、どうした?」

クララ「私達のバスに…」

 その時だった。

 

「飛鳥! プロミネンスのバスに乗りましょ!」

 のちのマスターランクチーム『プロミネンス』のメンバーである蓮池杏(レアン)がやってきて、飛鳥の腕を強引につかんだ。

 

クララ「ちょっと。私が先に話しかけたのよ」

レアン「此間後から声をかけて来たくせに何言ってんの?」

 

 と、バチバチ火花を散らしていた。

 

星二郎「おやおや、飛鳥はモテモテのようですねぇ」

飛鳥「いや、笑い事じゃないから…」

星二郎「それでは話し合って好きなチームのバスに乗りなさい。時間が無いから早く決めるんですよ」

飛鳥「逃げやがった…」

 

 そして飛鳥は各男子メンバーを見たが、大半が知らんぷりをした。

 

飛鳥「練習メニュー増やしてる」

「そんな!!」

「飛鳥さんも同じ男ならわかるでしょう!!」

飛鳥「晴矢! 風介!」

ヒロト「あの2人ならもうバスに乗りこんだよ。逃げるように…」

レーゼ(三十六計逃げるに如かず…)

 

飛鳥「OK。それじゃガイアにお邪魔させて貰おうかな」

クララ「ダメに決まってるでしょ」

レアン「ちょっと!! 晴矢引っ張り出してきて!!!」

 

 そして飛鳥はやんわりとレアンを振りほどいた。

 

レアン「!!」

飛鳥「晴矢と風介に伝えといて。キャプテンなんだからもっとしっかりしろって」

 

 飛鳥がそう言うと、ガイアのメンバーであるクィールこと久井ルルが飛鳥の頭の上に乗っかった。

 

クィール「それじゃ出発進行だっポ!」

飛鳥「人の頭の上に乗らないで」

レアン「ちょ、ちょっとぉ!!」

クィール「飛鳥が選んだんだから文句言わないッポ!!」

クララ「……!」

 

 クィールが心の底からバカにしていた顔をしていた為、レアンとが歯ぎしりをし、クララは完全に青筋が立っていた。

 

(じ、地獄だ…)

 プロミネンスとダイヤモンドダストの男子メンバーは心の底からキャプテンを恨んだ。

 

 そしてこうなった。

 

レアン「あんたのせいよ!!」

「いてててて!! お前が回りくどい事するからだろうが!!」

 

 と、レアンはプロミネンスのキャプテン・バーン(南雲晴矢)に八つ当たりしていた。同じ女子メンバーのポニトナとバーラも飛鳥と一緒のバスに乗れなくて残念がっていた。

 

 そしてダイヤモンドダストは…。

 

「私は間違ったことはしていない!」

「そうね」

(笑ってるけど、機嫌悪っ!!)

 

 クララがずっと不機嫌で、同じ女子メンバーのアイシーとリオーネも残念そうにしていた。そしてキャプテンのガゼル(涼野風介)は開き直っていたが、完全に空気が悪くなっていたので、ばつが悪そうにしていた。

 

栗松「…あれ? もうこの時点でチームが決まってたでやんすか?」

飛鳥「えっとね。一応サッカーチーム自体は出来てたんだけど、ランク付けはエイリア学園が本格的に始動してからなんだ。この時は皆同じだったんだよ」

壁山「お、女の子って怖いっす…」

 

 壁山が震えていた。

 

飛鳥「もうね。この年頃から女の子を怒らせたらいけないって分かって来るんだ…」

春奈「凄く苦労されてたんですね…」

飛鳥「お願いだから人に迷惑をかける事だけはしないでね…」

 

 飛鳥はどんよりすると、皆は飛鳥の気苦労を偲んだ。気の強い夏未ですらちょっと気を遣っていた。男がそんな弱音を吐くんじゃないと言えば、確実に批判されるだろう。もうそんな時代じゃないのだ。

 

飛鳥「お互いがお互いを思いやれなきゃ、人間お終いよ」

春奈「コーチ。誰とお話してるんですか?」

栗松「それはそうと、そのガイアっていうチームと一緒になってどうなったでやんすか?」

飛鳥「どうだったかなぁ…」

 

*****************

 

クィール「飛鳥はここっポ!」

飛鳥「分かった分かった」

 飛鳥がクィールに連れられて席に座ると、ガイアの女子メンバーであるキーブ(紀伊布美子)がやってきた。

 

キーブ「飛鳥くん。後ろの席に座らない?」

飛鳥「え?」

クィール「えー」

キーブ「一人だけ不公平よ。それに…玲名が」

「……」

 

 キーブが苦笑いすると、一番後ろの席から八神玲名(のちのウルビダ)が飛鳥を睨みつけていた。

 

クィール「隣に座りたいなら座りたいって言えばいいッポ」

キーブ「それが出来たら苦労しないわよ」

クィール「甘やかしすぎっポ。素直に言えない恥ずかしがり屋さんは剛太の隣で十分だッポ!!」

「いや、なんでだよ!!」

 

 と、羽崎剛太(のちのハウザー)がツッコミを入れたが、玲名がイライラしていた。

 

「あの、そろそろ出発したいんですけど…」

クィール「はーい。出発してくださいっポ~」

ウルビダ「……!!」

(なんだ…この末っ子ばかり可愛がられて拗ねてるお姉ちゃん感は…)

 

 と、他のメンバーは困惑した。

 

 そして道中はクィールがずっと飛鳥を独占していて、ずっと喋っていた。そしてウルビダは涙を流しながらハンカチをかみしめていた。

 

キーブ(そんなに話したいなら素直になればいいのに…)

ヒロト(毎回八つ当たりされるオレの気持ち考えてほしい…)

 

**************************

 

飛鳥「っていう感じだったなぁ…」

栗松「よりどりみどりでやんす…」

少林寺「でも大変そう…」

飛鳥「うん」

 

 飛鳥が遠い顔をすると、円堂がある事を想いだした。

 

円堂「そういえば、ジェミニストーム以外のチームってどうしてるんでしたっけ」

飛鳥「政府指定の特別地域に建造されている施設にいるよ。エイリア学園の騒動がある程度収まるまではそこにいて貰うの。当分出れそうにないけどね…」

壁山「刑務所みたいっス…」

飛鳥「まあ、学校の授業みたいなのはあるけど、サッカーコートとかは遊ぶ施設とかもあるって聞いたことあるよ。確かゲームセンターもあるって言ってたな」

宍戸「それはいいなぁ」

飛鳥「でも施設の外に出れないから、中々しんどいぞ」

宍戸「た、確かに…」

夏未「それで、会ったりはしてるの?」

飛鳥「…会ってないなぁ」

 

 飛鳥が呟くと、円堂達は飛鳥を見た。

 

円堂「会ってきたらどうですか?」

飛鳥「!」

円堂「コーチの顔を見たら、皆元気になるかもしれませんよ!?」

飛鳥「ああ。実はまだ面会が許されてないんだよ…」

春奈「ホントですか?」

飛鳥「本当だよ。SPフィクサーズの人から電話で様子を聞いてるから安心して。相変らずすぎてオレ自身は安心できないけど…」

 

 と、飛鳥が困った顔をした。

 

春奈「次あったら覚悟しといた方が良いですよ」

飛鳥「え?」

春奈「恋する女の子は宇宙人なんか比べ物になりませんから」

飛鳥「あー…」

夏未「ちょっとこっち見ないでくれません!!?//////」

秋「あと、こっちも見ないでください!!//////」

 

飛鳥「さて、そろそろ寝ようか」

「はーい」

夏未(刺されればいいのに…!!)

 

飛鳥「あ、寝る前に一言だけ言っとこうか」

「!」

 

 飛鳥が雷門イレブンを見た。

 

飛鳥「皆。北海道での特訓。本当にお疲れ様。東京に帰って一日休息を取ったら、すぐにジェミニストームの試合だ! 初めてジェミニストームと対峙した時のあの緊張感と、今日までの特訓を思い出して、全力を出し切るように!」

「……!」

飛鳥「返事は?」

「はい!」

 

 雷門イレブンの返事に飛鳥は笑みを浮かべ、バスは東京へと向かうのだった…。

 

 

つづく

 

 

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