飛鳥「予想した通りだな…」
飛鳥が振り向くと、そこには一般市民が怒って空き缶などを投げていた。
「オレ達の学校壊しやがって!!」
「地球から出ていけ!! このクソ宇宙人!!」
「死んでしまえ!!」
「お前らなんか生まれてこなきゃ良かったんだよ!!」
と、言いたい放題だった。ジェミニストームのメンバーは意気消沈していたが、
飛鳥「あー。その節に対しては本当にご迷惑をおかけしました」
「ああ!?」
「迷惑かけたんなら責任取れや!」
飛鳥「それは勿論必ず責任は取らさせて頂きますが、ごみを投げるのはやめて頂けませんかね」
飛鳥は下手に出たが、市民の怒りは収まらない。
「あ? ゴミに対してゴミを投げて何が悪いんだよ」
「自分の立場分かってんのか?」
「そもそも、何で宇宙人側に寝返ったんだよこのゴミ野郎!!」
「てめぇも消えろ!!」
と、男が飛鳥に対して石を投げると、頭に当たった。
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「ああああああああああああああああ!!!!!」
モニタールームで見ていたエイリア学園の生徒達は発狂した。
マキュア「マキ、あいつらぶっ殺す!!!」
クリプト「ぶっ潰す…!!!」
モール「お願いだから落ち着いて…」
と、モールが弱弱しい声でマキュアとクリプトを諫めるが、気持ちは二人と同じだった。
バーン「あーあ。バカな奴らだ…」
ガゼル「全く、身の程を弁えろと言いた…」
その時、バーンとガゼルがレアンとクララに頭を押さえつけられた。
レアン「は? 何してくれちゃってんのあいつら…」
クララ「あいつらの人生を破壊してくれるわ…」
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レーゼ「飛鳥さん!」
飛鳥「来るな!」
ジェミニストームが飛鳥に近づこうとするが、飛鳥が制止すると、飛鳥が正面を向いた。
飛鳥「気持ちは分かりますよ」
「!」
飛鳥「そりゃあ私達のせいで大事な人たちが傷ついて、怖い思いをしたでしょう。あなた方が許せない気持ちは分かりますが、ここでゴミを投げるという事は、人様に迷惑をかけるという点で我々と同じですよ」
「……!」
飛鳥の気迫に観客たちは押され始めたが、引き下がれなくなったのか
「うるせぇ!!」
「加害者が舐めた口利くな!!」
と、飛鳥に対して物を投げ続けたが飛鳥は避けなかった。瓶も投げられて頭に直撃し、額から血が出ていた。
円堂「コーチ!!」
染岡「コラァ!!! お前ら何してんだ!!!」
染岡が突っかかろうとするが、響木が止めた。
染岡「響木監督!」
響木「オレが行く」
響木が前に出で、飛鳥の横に立った。
響木「彼の言う通りだ。怒りに身を任せ、物を投げつける時点であんた達もエイリア学園と同じだ」
「!!」
響木「そして我々は真剣にエイリア学園に勝負を挑もうとしている。このような行為は我々に対する『侮辱』だ!」
響木の怒鳴り声に皆が驚いた。
響木「そしてこの少年は加害者などではない。身勝手な大人たちに振り回された被害者だ。自分の身を犠牲にしてまでも、血のつながっていない家族を守り抜こうとしている心優しい少年だ!」
響木の言葉に飛鳥が目を大きく開いたが、ジェミニストームの選手たちは目を閉じて、涙を流していた。
『本当にうちの者が多大なご迷惑を…』
雷門中の修復作業を始めたころ、飛鳥は雷門イレブンのコーチしていた裏で、壊された学校の関係者に対して謝りに行ったり、損害賠償の手続きについていろいろやっていたのだ。そしてジェミニストームに対して陰口や嫌がらせをしてきた市民に対して、何とか許してもらうように説得もしていたのだ。
彼らが泣いていたのは、自分たちが壊した学校のサッカー部の監督が、自分たちを守ってくれる人の頑張りをちゃんと認めてくれていた事、そして自分達の為に今この瞬間も、守ってくれている人がいた事に対して、感謝の気持ちと後悔の気持ちがあふれ出ていた。
響木「そんな少年とくだらない正義感を振りかざして好き放題やるあんた達。どっちが人間だ! どっちが人の心を持っている!」
響木の言葉に観客たちはばつが悪そうに俯いていた。
響木「そんな事も分からない、分かろうともしない輩に選手と監督を侮辱する資格はない! 今すぐこの場から出ていけ!!」
響木の気迫にゴミを投げていた観客たちは逃げ出した。
飛鳥「響木さん…」
飛鳥が響木を見つめると、響木は背を向けた。
響木「額の怪我、ちゃんと手当てしてから試合を始めるぞ。マネージャー。手当をしてやれ」
秋「は、はい!!」
すると秋が救急箱を持って、飛鳥に近づこうとすると、パンドラとリームが立ちふさがった。だが、邪魔しようとしているわけではない事が秋は理解できた。
パンドラ「お願いします! 私達にやらせてください!」
秋「……!」
パンドラは涙声で秋に懇願した。それは、自分たちを絶望の淵から救ってくれた恩人に何かしてあげたいという彼女たちの誠意だった。秋は迷わず、2人に救急箱を渡した。
秋「任せたわよ」
リーム「…ありがとう!」
そう言ってリームとパンドラが飛鳥の元にやってきた。
パンドラ「アスカ様」
リーム「手当をします。こちらに」
飛鳥「……!」
パンドラがエイリア学園の宇宙人を演じていた。もう宇宙人をやる必要などないのだが、元々は宇宙からの侵略者という設定で、サッカーで地球人と戦うつもりでいた為、ジェミニストームは当初の予定通り、宇宙人として雷門イレブンに勝負を挑もうとしていた。飛鳥が言っていた通り、雷門イレブンの壁としてあろうとしていた。
飛鳥はそれを肌で感じていた。
飛鳥「パンドラ、リーム」
パンドラ・リーム「!」
そして笑みを浮かべる。
飛鳥「ありがとう」
飛鳥も空気を読んで、そう呼ぶとパンドラとリームが目に涙を浮かべて微笑み返した。
壁山「良かったっす…良かったっす…」
宍戸「オレ、こういうのダメなんだよ…」
栗松「ここで泣かせてくるなんて反則でやんす…」
雷門イレブンも一部のメンバーが号泣していた。
少林寺「……」
少林寺は飛鳥を見つめていた。そして風丸が少林寺に寄り添った。
風丸「オレ達も弱音を吐いてられないな」
少林寺「風丸さん…」
少林寺が風丸の顔を見ると、少林寺の表情が晴れやかになった。
少林寺「はい!!」
その頃のエイリア学園はというと…。
「あああああああああああああああああああああああああ」
「コラァ!! 飛鳥に近いわよ!!!」
と、女子達の大半が騒いでいで、男子達は辟易していた。
マキュア「何でジェミニストームなんかに~!!!」
クリプト「ぶっ潰す…」
モール「……」
モールは完全にお手上げ状態だった。
クララ「何故飛鳥さんはジェミニストームばかり贔屓するのかしら…」
アイシー「それならジェミニストームに入ればいいのよ」
アイキュー「愛。ランクが下がるぞ」
アイシー「飛鳥に構って貰えるなら何でもいい」
リオーネ「その方がマシ」
ガゼル「君らねぇ…」
クララ「ガゼル様をクビにして、代わりにキャプテンになって貰えばいいのよ」
ガゼル「フン。私抜きでダイヤモンドダストが成り立つはずないだろう?」
クララ「別にダイヤモンドダストじゃなくてもいいわよ。飛鳥さんさえいれば」
と、クララの妄信ぶりにダイヤモンドダストが恐怖を感じていた。
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そして試合が始まろうとしていた…。
飛鳥「前半戦はお前たちの好きに戦え」
「!」
飛鳥はジェミニストームを見渡していた。
飛鳥「お前達も分かっていると思うが、オレ達の為にたくさんの人たちが動いてくれてる」
「!!」
飛鳥「このご恩はこの試合のプレーで返すんだ。いいな!」
「はっ!!」
また、雷門イレブンは…。
響木「レベルアップしたからといって油断はするな。最後まで何があるか分からん」
「はいっ!!」
こうして両チームがポジションについた。
つづく
おまけ <飛鳥の好感度メーター>
<恋愛感情>
マキュア、クリプト、レアン、ポニトナ、バーラ、アイシー、リオーネ、クララ、ウルビダ、キーブ、クィール
<信頼>
リーム、パンドラ、モール
栗松「めちゃくちゃモテモテでやんす!!!」
レーゼ「恋愛感情抱いてない3人は『お互い大変ですね』みたいな感じ」
栗松「えっ…」
レーゼ「でも、飛鳥さんがあの時みたいに傷つけられたら同じようにキレるよ」