イナズマイレブン2 エイリアクライシス!?   作:ダシマ

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第23話「決戦! ジェミニストーム!(前編)」

 

 

 アクシデントがあったものの、予定通り試合は行われる事になった。ジェミニストームは元々11人しかいない為、ポジションは変わらなかったが…。

 

響木「FWは豪炎寺と染岡、MFは一之瀬、少林寺、マックス、鬼道。DFは風丸、壁山、土門、栗松。そしてGKは円堂だ」

 

 と、いつものスターティングメンバ―だった。ベンチは影野、半田、宍戸、目金、そして塔子だった。一応塔子もメンバーに入っているが、今回は極力元のメンバーでジェミニストームに勝つ事を目標としている。

 

響木「控えに入っている者もいつでも出れる準備をしておけ。強くなったとはいえ、相手はまだ1勝もあげていないジェミニストームだ」

「はいっ!」

 

*******************

 

 そして試合が始まった。パンドラがドリブルで上がっていくが…染岡がブロックした。

 

パンドラ「!」

染岡「ドンピシャだぜ!」

 

 ボールを奪った染岡は次々と突破した。

 

「!!」

飛鳥「……」

 

 ジェミニストームの選手が衝撃を受ける中、飛鳥は冷静に見つめていた。

 

レーゼ「ほ、本当に我々の動きについていけるというのか!!?」

 

 レーゼも狼狽えていた。

 

 施設では…。

マキュア「何やってるのよ!! ボール取られたじゃないのよ!!」

 

 と、マキュアがレーゼ達に対して怒っていた。

 

クララ「私達だったらあんなヘマしないのに…!!」

レアン「ねえ、ジェミニストームが負けたら即刻追放よね?」

クィール「負けたらもう練習相手の勝ちがないっポ」

 

 そう言ってマスターランクの女子達は嫌味を言ったが…。

 

「いや、それをさせないのが飛鳥さんだよ」

 

 と、ヒロトが口を開いた。

 

ヒロト「恐らくだけど、もしジェミニストームが負けたら、雷門にリベンジをする為に鍛え治すんじゃないかな…」

ウルビダ「お前の持論はどうでもいいんだよ。分かったような顔しやがって」

クィール「そうっポ!!」

マキュア「セカンドランクが負けたら次はファーストランクでしょ!! だから次はマキ達よ!!」

 

 そう言っていがみ合うが、

 

「ええい! 狼狽えるな皆の者!!」

 

 高らかに言い放つのはファーストランク『イプシロン』のキャプテン、デザームこと砂木沼治だった。デザームとしては冷静にしているが、本当はエイリア学園一のサッカーバカ。飛鳥とは唯一の同級生である。

 

 だが、誰一人として狼狽えてはいなかった…。

 

「うるさい!!」

「治さんがそう言ってるんだからそうなんだよ!!」

 

 と、デザームを妄信しているイプシロンの戦士がそう叫んだ。

 

デザーム「我が同胞ジェミニストームと、急成長を遂げた雷門イレブンの熱い試合を、この目で見届けようではないか!!」

クィール「そのテンションは寒いっポ」

クララ「その暑苦しい性格は何とかならないの?」

レアン「趣味じゃないわ」

デザーム「ええい! マスターランクといえど、真剣勝負を邪魔する事は…」

「皆」

 

 瞳子が現れた。

 

ヒロト「姉さん!」

瞳子「黙って試合を見なさい。じゃないと飛鳥に会わせないわよ」

 

 瞳子の発言で皆は黙った。

 

マキュア(自分だけ会いに行ったくせに…!!)

クリプト(ぶっ潰す…)

モール(肺じゃなくて胃がやられそう…)

 

 両隣でチームメイトが嫉妬の炎を燃やしていた事で、胃が押しつぶされそうになるモールであった。

 

********************

 

レーゼ「さ、させるかぁああああああああ!!」

 

 と、ボールを必死に追いかけていくが豪炎寺に取られた。

 

レーゼ「あ、あり得ん!!」

豪炎寺「染岡!!」

染岡「任せろ!! ドラゴン…クラーッシュ!」

 

 染岡が必殺技の『ドラゴンクラッシュ』を放つと、シュート力もスピードもはるかに上回り、ゴルレオが対応しきれず失点した。

 

 

王将「ゴール!! 雷門、遂にジェミニストームから点を奪い取ったー!!!」

 

飛鳥「……」

 飛鳥は失点したが冷静に見守っていた。

 

一之瀬「やったな染岡!!」

染岡「見たか!! 成長したオレ達を!!」

鬼道「だが油断するな。今回は一丈字コーチがジェミニの監督だ。何を仕掛けてくるかわからんぞ」

 

 と、鬼道たちが飛鳥の方を見ると、飛鳥も鬼道たちの方を見た。

 

飛鳥(分かってるじゃないか。成長したな)

 

 そして視線をジェミニストームに向けたが、雷門イレブンが強くなり自分たちが押されている事に対して、焦りと自信がなくなっていた。

 

飛鳥(この前半戦、どこまでやれるのか見せて貰おうか)

 

 飛鳥はどっかりとベンチに座った。

 

レーゼ「飛鳥さん…」

 飛鳥がベンチに座り込んだのを見て、レーゼは憔悴していた。そして試合は続いたが雷門イレブンの優勢だった。焦りからいつものプレイが出来ず、失点も起きていた。

 

春奈「これならいけますよ!!」

夏未「ええ。ジェミニストームの方は焦りが出てるわね」

秋「でも、何だろう…この違和感…」

 

 秋だけは違和感を感じていた。

 

 そして、3-0で前半戦が終わった。

 

紺子「やったね! 雷門中、宇宙人に勝ってるよ!」

吹雪「うん…」

 

 白恋中でテレビを見ていた吹雪達。吹雪以外の白恋イレブンが喜んでいたが、吹雪だけ浮かない顔をしていた。

押矢「どうしたんだべ?」

吹雪「いや、確かに強くなったけど、このまま油断しないといいなぁって」

 

 

 傘美野中

 

壁山「オレ達、強くなったっす!」

栗松「ジェミニはミスを連発してるし、このままいけば勝てるでやんすよ!」

 

 両選手がベンチに戻り、壁山と栗松は楽観視していた。

 

円堂「……」

 

 そんな中、円堂はジェミニストームのベンチを見ていたが、飛鳥はジェミニの選手と話をしていた。

 

飛鳥「戦ってどうだった?」

レーゼ「……」

 

 飛鳥の言葉にレーゼは何も言えずにいた。

 

パンドラ「雷門イレブンのパワー、テクニック、スピード。いずれも前と戦った時よりも大幅にパワーアップしています」

飛鳥「そうだろう。スノーボードでお前たちの速さに慣れたからな」

 

 と、飛鳥が楽観視していた。

 

飛鳥「こんな事を言っちゃあアレだが、3点も取られて、あんなプレイをするようじゃ完敗だな」

「!」

飛鳥「もしもこれが本当に宇宙の侵略者として戦っていたら、後半戦も同じだったろう。そしてエイリア学園から追放される」

 

 飛鳥の言葉にレーゼ達は俯いた。

 

飛鳥「だけど今は違う」

「!」

 

 レーゼ達が飛鳥を見ると、飛鳥は真剣な表情をしていた。

 

飛鳥「お前達にはオレがついている」

 

 飛鳥の言葉にレーゼ達は驚いていた。

 

飛鳥「今から監督として指示を伝える。しっかり頭に叩き込め!」

「は、はいっ!!」

 

 と、飛鳥がジェミニストームに作戦の指示を伝えた。

 

円堂「一丈字コーチ…」

「油断するなよ。円堂」

 

 円堂が響木を見た。

 

響木「あいつはお前達とジェミニストーム、お互い切磋琢磨できるようなライバルにしたいんだ。だが、エイリア学園の時とは違ってチーム同士でいがみ合って成長させるのではなく、チーム関係なく、共に競い、共に成長する。そんな関係だ」

円堂「共に競い、共に成長する…」

 

 円堂の言葉に他の雷門イレブンも反応した。

 

響木「お前らも知っていると思うが、ジェミニストームはエイリア学園でも一番下のランク。いわば、かつて弱小サッカー部と呼ばれていたお前達と似たような状況にいる」

「!」

響木「この一戦は、雷門もジェミニストームも、大事な一戦になる。最後まで全力で戦い、力を出し切るのだ。いいな」

「はいっ!!」

 

 雷門イレブンの声を聴いて、飛鳥は笑みを浮かべた。

 

飛鳥「そういう事だお前達」

「!」

飛鳥「さっき作戦は伝えたが、一つだけ加えておく」

 

 飛鳥がジェミニストームの選手を見た。

 

飛鳥「サッカーを楽しんで来い」

「え?」

飛鳥「今までエイリア学園は、勝つ事だけを求めて戦ってきた。でももう違う。それに、勝つ事だけを追い求めても勝てない。心に余裕がなくなり、周りが見えなくなるからだ。楽しむ気持ちがあれば心に余裕が出来て、周りも見える。そして、心も強くなっていく。今回は勝ち負け関係なく、ちゃんとサッカーを楽しんで来い! お前たちのこれからの為にも。分かったな!」

 

 飛鳥の言葉にジェミニストームは力強く返事した。

 

飛鳥「後半戦が始まる。行ってこい!」

 

 

つづく

 

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