第27話「仲良くしなさい!」
ジェミニストームに勝利した雷門イレブン。だが、そこで満足する事はなく、今日も河川敷で練習を行っていた。
染岡「ふっ!!」
円堂「はっ!!」
染岡がゴールに向かってシュートを撃つと、円堂がボールの方に飛び、両手でキャッチをした。
そのほかのメンバーもドリブルの練習をしたり、ブロックの練習をしたりしている。塔子も引き続き雷門イレブンのメンバーとして練習に参加していた。
それを秋と夏未が見ていた。
秋「皆。ジェミニストームに勝っても、慢心することなく練習してますね」
夏未「当り前よ。これで調子に乗られたら困るわ」
夏未の発言に秋が苦笑いした。すると、ある事を想いだした。
秋「大丈夫かな。風丸くんと少林寺くん」
夏未「……」
実は今朝、風丸と少林寺はさらなるレベルアップの為にジェミニストーム、飛鳥と一緒にイナズマキャラバンで京都の漫遊寺中学まで遠征に行ったのだ。風丸や少林寺のメンタルも心配だったが、それ以上に先日までは敵同士だったジェミニストームとちゃんと馴染めるのかが不安だった。
夏未「そうね…。此間までエイリア学園とは敵同士だったものね」
夏未の発言に秋が俯いた。
夏未「でもそこまで心配するほどじゃないわよ」
秋「え?」
秋が夏未の方を見ると、夏未は表情を崩さずに円堂を見ていた。
夏未「一丈字コーチがいるもの。そして、音無さんもいるんだから」
秋「……!」
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実は春奈もマネージャー要員として飛鳥達についていったのだ。実は飛鳥からマネージャーを一人同行させたいと依頼があり、春奈が立候補したのだ。夏未は生徒会長の仕事もある為、極力雷門中を離れないようにするためと、秋に至ってはマネージャーとしての経験と信頼がある為、それならば春奈が適任ではないかと思った。
春奈「まあ、どっちか片方だけ行かせると…フェアじゃないですもんね」
夏未「音無さん?」
春奈が余計な事を言って、夏未に睨まれたのは言うまでもなかった。ちなみに秋も苦笑いしていたが、ちょっと怒っていた。
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夏未・秋「……//////」
夏未と秋は春奈にからかわれたのを思い出して、頬を染めていた。
夏未「音無さんって…どうしてあんなにおませなのかしら…」
秋「…分かりません」
と、風に吹かれながら2人は雷門イレブンの練習をずっと見ていた。
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その頃、飛鳥達を乗せたイナズマキャラバンは高速道路を走っていた。
風丸「……」
風丸一郎太は馴染めずにいた。
「風丸さん。お菓子食べる?」
風丸「あ、ありがとう…」
「風丸さん。ちょっと後ろ倒していい?」
風丸「いいぞ…」
「あ、風丸さん。京都って行った事あります?」
風丸「昔、修学旅行で…」
「風丸さん」
ジェミニストームの選手たちが滅茶苦茶気さくに話しかけてきたからだった。というのも、エイリア学園の生徒は別のチームの選手とはとにかく仲が悪いと聞いていた為、全然違うので戸惑いを隠しきれなかった。
少林寺も同様に気さくに話しかけていたが、少林寺の方はあまり人を疑う事もなく、素直だった為、すぐに仲良くなった。
ジェミニストームの選手がこんなに気さくに話しかけてくれるのは、飛鳥が裏で手をまわしたんだろうと風丸は思っていたが、違和感しかなかった。
「風丸さん。そんなに緊張しないでくださいよ」
「そうですよ。色々ありましたけど、僕たちもう宇宙人じゃないんですから」
風丸「あ、うん。そうだね…」
その時、飛鳥がシートベルトを外して前に立った。
飛鳥「皆―。ちょっといいか?」
「!」
飛鳥「もうすぐサービスエリアに着く。そこが最後の休憩だ。昼飯食ってトイレを済ませたら、もうそのまま漫遊寺に向かうからな」
「はーい」
飛鳥から諸注意を受けると、選手たちは返事をした。すると近くの席に座っていた春奈がある事を想いだした。
春奈「あ、そういえばコーチ」
飛鳥「どうした?」
春奈「エイリア学園の皆さんからブログの更新をするようにお願いされてましたけど…」
飛鳥「ありがとう。それは休憩時間に写真を撮ってアップする」
「あなたも大変ね…」
飛鳥「いえいえ。無茶されるのが一番困るので…それよりも、引率ありがとうございます。館野さん」
と、飛鳥は隣の席に座っていたSPフィクサーズの館野舞にお礼を言った。実は彼女は飛鳥とジェミニストームの監視役、そして今回の旅の引率者として同行する事になったのだ。
まあ、用務員兼イナズマキャラバンの運転手である古株さんもいるのだが、古株さんはイナズマキャラバンに滞在することが多い関係もあるのか、引率者は別の人が担当する事になった。
そして春奈の言っていたブログであるが、先日義姉である瞳子が、デザーム達の為にブログを作って、元気にしてるかどうかを見せて欲しいという依頼があった。
飛鳥はそれくらいならと承諾し、目金の協力も得てブログを作成した。ちなみにこれは今回の騒動に関わった関係者のみが閲覧できるように設定している為、少々過激な内容が投稿されても問題はない…筈だ。
そんなこんなで、飛鳥達は最後のサービスエリアに到着して、食事を取った。
飛鳥「そんじゃ写真撮るぞー」
レーゼ「あの、飛鳥さん」
飛鳥「なに?」
飛鳥が食事をしているジェミニストームを取ろうとしたが、レーゼが困惑した。
レーゼ「その…僕たちよりも飛鳥さんを載せないと…」
グレンゴ「エンジョウマチガイナシ」
飛鳥「うん。分かってるけど、1回目だから」
「自覚あるの!?!」
自覚があった為、ジェミニストームが突っこんだ。
春奈「コーチ…。罪作りもいい加減にしないと刺されますよ?」
飛鳥「もう似たような目には合ってるし、こっちも選ぶ権利がある」
舞「言い切るあたり流石ね…」
春奈が飛鳥を諫めると、飛鳥はやけ気味に突っ込んだ。それに対し、舞は呆れた。
飛鳥「さあ、撮るぜー。あ、ちなみにテキストはオレが書いたって分かるようにしておくから安心しな」
と、飛鳥はジェミニストームの写真を撮り、そのままブログを更新した。
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エイリア特別施設
ヒロト「ブログがアップされたみたいだね」
ヒロトがそう言うと、一気にエイリア女子がブログに見入ったが、ジェミニストームの写真を見て…。
マキュア「ジェミニはどうでもいいから、飛鳥映しなさいよ!!」
モール「いや、でもテキストは飛鳥さんが…」
マキュア「写真~!!!」
クリプト「ぶっ潰す…」
モール「誰に向かって言ってるのよ…」
いつ、どんな時も「ぶっ潰す」しか言わないクリプトに対して、モールの目は完全に死んでいた。
ポニトナ「あの人らしいと言ったら…あの人らしいわねぇ」
ポニトナは妖艶に笑ってみせたが、
レアン「それにしてもジェミニがどうして飛鳥さんと京都に…」
バーラ「まあ、ジェミニが弱いからじゃないの?」
空気が止まった。そしてダイヤモンドダストの女子選手たちが沈み始めた。
クララ「私達が強すぎたからいけないのよ…」
アイシー「手間のかかる子ほどなんとやらって言うものね…」
リオーネ「私たちもジェミニだったら…」
ガゼル「何を言ってるんだ。最初から下を目指す奴なんか相手にする訳…」
「うるさいですよ。中二病」
「逃げ回ってる人にそんな事言われたくありません」
「ホントに懲りないですね。ガゼル様」
チームメイトの容赦のない言葉に、ガゼルは沈んだ…。
瞳子「他に女連れ込んでないでしょうね…」
ヒロト「姉さん…」
瞳子の様子を見て、ヒロトはドン引きしていた。一体何が彼女を変えてしまったのか、それは彼女自身以外、誰も知る事はなかった…。
つづく