イナズマイレブン2 エイリアクライシス!?   作:ダシマ

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第28話「漫遊寺中」

 

 

 雷門中へのリベンジとレベルアップの為、数日間京都の漫遊寺で修業する事になったジェミニストーム、風丸、少林寺。果たして…。

 

*****************

 

 イナズマキャラバンは京都の町を走る。

 

少林寺「凄いですよ風丸さん! 教科書に載ってるお寺がいっぱいです!!」

風丸「そうだな。でも、遊びに来た訳じゃないからはしゃぎ過ぎるなよ」

 

 東京とは違う街並みに興奮する少林寺を、風丸は苦笑いして諭していたが、ジェミニストームも割とはしゃいでいた。

 

風丸「……」

飛鳥「いいじゃないか。こういう時くらいはしゃいだって」

舞「あなたも結構年変わらないわよね…?」

 

 飛鳥の発言に舞が困惑しながらツッコミを入れた。年齢が一つも二つも変わらない筈なのに、何故か物凄く達観した老人が言いそうなセリフを言い放ち、そのギャップに困惑したからだ。

 

飛鳥「漫遊寺の修業は厳しいから、今のうちに思いっきりはしゃいどきな」

 

 飛鳥の発言に風丸以外の選手たちはピタッと止まって飛鳥を見た。

 

少林寺「そんなに厳しいんですか?」

飛鳥「そりゃそうさ。特に一番厳しいのは朝がとても早い事だ」

少林寺「た、確かに苦手な人は苦手ですよね…」

 

 少林寺がテンション低めに言うと、ジェミニストームの数名もテンションが低くなった。

 

*******************

 

 暫くして、漫遊寺中へつながる階段の前にたどり着き、飛鳥達はバスから降りた。

 

飛鳥「さて、この階段を上がれば漫遊寺中だ」

「え~!!!!」

飛鳥「はいはい。文句言わない! 行くぞ!」

 

 と、飛鳥達は手を叩いて階段に上らせた。ちなみに最近バリアフリー対策を立てて、階段から離れた場所にエレベーターがあるのだが、それは内緒である…。

 

 そして漫遊寺の門の前に立った。

 

少林寺「こ、ここが漫遊寺中…!!」

 

 少林寺が目を輝かせていた。それを見て風丸は苦笑いした。

 

風丸「そ、そんなに行きたかったのか…」

少林寺「己の心身を鍛えるのがモットーなんですけど、クンフーを営む者としては聖地なんですよ! あ~。夢見たいです~」

飛鳥「喜んでもらえて何よりだよ」

 

 飛鳥も苦笑いすると、一人の老人が出迎えた。

 

「おや…お主たちですかな? 雷門中からの修行体験者は」

舞「はい。本日よりお世話になります」

 

 引率者として舞が挨拶をした。SPフィクサーズとして凛とした表情で老人に挨拶をした。

 

レーゼ「…何か、随分年取ってるなぁ」

ゴルレオ「ああ…」

 

 レーゼとゴルレオがぼそっと話すと、

 

飛鳥「聞こえてるぞ」

レーゼ「ご、ごめんなさい!!」

 

 割と遠い距離にいたはずの飛鳥が低い声で突っ込むと、レーゼとゴルレオがびくっとした。

 

飛鳥「この方は漫遊寺中サッカー部の監督だ」

「えっ!?」

 

 飛鳥の発言にジェミニストームと風丸が驚いた。少林寺は目を輝かせている。

 

飛鳥「うちの者が大変失礼致しました。申し訳ございません」

「気にしないでくれ」

 

 飛鳥が監督に謝罪すると、監督は笑うと、飛鳥が包拳礼(右手をグーにして、左掌で右手を覆う)をした。

 

飛鳥「本日より、お世話になります」

「うむ。漫遊寺は己の心身を鍛える者に協力は惜しまんよ」

 

 と、監督も包拳礼をした。

 

少林寺「か、かっこいい…!!」

 

 飛鳥と監督の包拳礼を見て少林寺がキラキラ目を輝かせると、風丸や舞は苦笑いした。

 

 ちなみに包拳礼だが、左手をグーにして、右掌で包んでやってしまうと、相手に喧嘩に売っているという意味になってしまうので、やらないようにしましょう。

 

 右てが「武」、左手が「文」をあらわしていて、右ては言葉の通り武道、戦いを意味しているが、左手は争わない心を指している。つまり、右手を左の掌で包むという行為は、相手に敬意を表し、武術によって人を傷つけない事を誓う事を意味している。

 

 先ほども言ったが、これを逆にしてしまうと、武術で人を傷つけますと言ってしまい、相手にやろうものなら、ほぼ喧嘩を売っているので、本当にやらないようにしましょう。

 

 ちなみに親指を立てるのもいけないらしい…。

 

********************

 

 そんなこんなで漫遊寺の中に案内された飛鳥達。周りを見渡すが、庭で武道の練習をしている者がいた。

 

風丸「な、何か凄い学校だな…」

少林寺「ストイックって言って欲しいですね!」

 

 雷門中じゃ見られない光景に風丸は困った顔をしていたが、少林寺は漫遊寺の生徒のストイックさに心の底から尊敬していた。ちなみにジェミニストームや春奈、舞に至っては不思議そうに見ていた。

 

 すると先頭を歩いていた飛鳥が後ろを向いて、風丸たちに話しかける。

 

飛鳥「皆。まずはサッカー部の皆さんにご挨拶するからな。ちゃんと挨拶するんだぜ」

「はーい」

 

 と、サッカー部がいるという道場に途中まで案内された。

 

「この先の廊下を歩いた先の道場がサッカー部の道場じゃ」

飛鳥「ありがとうございます」

「それでは、また顔を出す」

 

 そう言って監督はどこかに行ってしまった。どうやら修行に出かけるそうだった。

 

飛鳥「さて、行くぞ」

「はい!」

 

 と、飛鳥達が廊下を歩き、曲がり角を曲がると道場が見えた。漫遊寺サッカー部の道場が見えた事で、少林寺のテンションが高くなっていた。

 

少林寺「早く行きましょうよ!」

 

 そう言って少林寺が踏み出そうとしたが、飛鳥は違和感を感じた。

 

飛鳥「ちょっと待った!」

少林寺「え?」

 

 飛鳥が少林寺の手をつかんで、動きを止めた。

 

春奈「どうしたんですか? コーチ」

舞「虫がいるの? 私そんなに好きじゃないから、何とかしてほしいんだけど…」

 

 春奈と舞が様子を聞くと、飛鳥が床を見た。床は一部だけピカピカになっていた。

 

飛鳥「ワックスがかけられてますね」

「ワックス!?」

 

 飛鳥の言葉に皆が驚いたが、風丸は疑問に思った。

 

風丸「ワックスって一体何のために…」

少林寺「大掃除にしては時期が早すぎませんか?」

飛鳥「悪戯だろうな」

「!!?」

 

 飛鳥が横を向いて、木の陰に隠れている少年を見た。

 

飛鳥「あそこに隠れてる子の仕業かな…。あと、あそこに落とし穴があるね」

「え!?」

 

 飛鳥の言葉に皆が驚くと、少年が出てきた。

 

「くっそー!! 何で分かったんだよ!! 脅かしてやろうと思ったのに!!」

 

 と、茶色い道着を着た少年は面白くなさそうにしていた。青い髪で小柄だった。

 

 この少年との出会いが、飛鳥達の京都での物語の本当の始まりだった…。

 

 

つづく

 

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