イナズマイレブン2 エイリアクライシス!?   作:ダシマ

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第32話「焦り」

 

 ジェミニストーム、風丸、少林寺が身の回りの掃除をしている頃、木暮は一人でグラウンド整備をさせられていた。

 

木暮「チッ。なんでオレ一人でグラウンド整備しなきゃなんねーんだよ…」

「当たり前だ!! 朝食作りをサボりおって!」

「これが終わったら、次は廊下の雑巾がけだからな!!」

木暮「うっせーな!!」

 

 監視をしている漫遊寺イレブンのメンバーが怒鳴ると、木暮も逆切れをした。

 

垣田「……」

 

 垣田はそんな様子を遠くから見ていたが、あまり良い印象ではなかった。

 

「キャプテン。あいつのせいでどんどんチームの雰囲気が悪くなってます!」

「もう限界では…」

 

 と、部員達が垣田に対して文句を言うと、垣田は静かに目を閉じた。

 

****************

 

 そんなこんなで朝の9時になり、飛鳥達は漫遊寺イレブンが待っているグラウンドに来た。

 

飛鳥「あれ? 木暮くんはどうされたんですか?」

垣田「…あいつなら、今雑巾がけをさせています」

飛鳥「そうですか」

 

 飛鳥が普通にしていると、春奈が心配そうにしていた。そんな中、漫遊寺の監督がやってきた。

 

「か、監督!!」

「いつお帰りになられたんですか!?」

「えっ?」

 

 漫遊寺イレブンの発言にジェミニストームたちは困惑していた。すると飛鳥が彼らの顔を見た。

 

飛鳥「ああ。漫遊寺の監督さんは普段は近くで修業をされてるんだ。だから普段はいないんだよ」

監督「その通りじゃ。お手合わせ、宜しく頼みます」

飛鳥「こちらこそ。お手合わせ願います」

 

 監督と飛鳥がそう挨拶すると、ジェミニストームと漫遊寺の選手がポジションに付き、風丸と少林寺はベンチに座り、ベンチから漫遊寺とジェミニストームの試合を見ようとしていた。

 

「さあ!! ジェミニストームと漫遊寺の試合…いや、手合わせが始まろうとしています!!」

「!!?」

 

 角馬王将が当たり前のように実況をしていた。ご丁寧にマイクと机とネームプレートも用意されていた。

 

飛鳥「角間さんあんた…」

王将「いやあ、手合わせとはいえ、やはり実況は大事かと思いましてなぁ」

飛鳥「いや、お仕事どうされたんですか?」

王将「実は家族旅行に来ているのだ」

春奈「奥さんに怒られますよ」

王将「家内なら買い物に夢中になっているので、心配はない! さあ! キックオフです!!」

角馬「父上!! 輝いてます!!」

歩「ちちうえー」

 

 息子2人も来ており、兄の圭太は父の雄姿を見て号泣し、弟の歩は圭太の膝の上にいた。実況の為なら自由過ぎる角馬一家にベンチ陣は辟易していた。

 

 前半が始まって間もない頃、漫遊寺のFW・吽助がリームからボールを奪い、兄の阿太郎と共にジェミニのMF、DFを突破していった。そしてGKのゴルレオの元へ駆ける。

 

ゴルレオ「決めさせるかよ!! ブラックホー…」

阿太郎「ふっ!! はっ!!」

 

 阿太郎がクンフーの型を決め出すと、

 

ゴルレオ「な、何やってんだコイツ?」

 

 と、ゴルレオが気を抜いてしまった。

 

飛鳥「来るぞ!!」

阿太郎「クンフー…アタック!!」

 

 阿太郎が肩にボールをぶつけると、そのまま物凄い勢いで、ゴールに向かって飛んだ。

 

ゴルレオ「だがオレの敵じゃねぇ!! ブラックホー…」

 

 ゴルレオが右手を突き出して黒い空間を作り出し、ボールを右手に吸い寄せようとしたが、シュートの勢いが止まらず、そのまま失点した。

 

ゴルレオ「な…!!」

 

 ゴルレオは冷や汗をかいた。

 

飛鳥「玲於! 気を抜くな!」

ゴルレオ「す、すみません!!」

 

 飛鳥が怒鳴るとゴルレオが慌てて頭を下げた。風丸は阿太郎のシュートを見て驚いていた。

 

風丸「な、何てパワーだ…。油断してたとはいえ、あのジェミニストームから1点を取るなんて…」

少林寺「流石漫遊寺の皆さんです!!」

 

 風丸とは対照的に少林寺は目をキラキラさせていた。

 

飛鳥「余さずしっかり見とくんだぞ」

風丸・少林寺「!!」

 

 飛鳥の言葉に風丸と少林寺は反応して、飛鳥の方を見た。飛鳥は正面を向いたまま笑みを浮かべる。

 

飛鳥「何が飛び出してくるかわかんねェからな」

 

 その後も漫遊寺のペースで試合が進んでいった。

 

レーゼ「アストロ…」

 

 レーゼにボールが周り、ゴールからそう近くもない距離から自身の必殺技である「アストロブレイク」を放とうとしていた。ボールを黒いオーラが包んでレーゼがそのボールを蹴った。ボールは地面を這うようにゴールに向かう。

 

 するとGKをしていた垣田は大きく息を吸い込んで、上半身を膨れ上がらせた。

 

風丸「な、何だ!?」

少林寺「あの必殺技はもしかして!!」

 

垣田「火炎放射!!!!」

 

 垣田がボールに向かって火を噴きだした。ボールは火炎放射によって威力がどんどん弱まっていき、垣田にキャッチをされた。

 

レーゼ「そ、そんな馬鹿な…」

 

 渾身のシュートを止められてしまい、ショックを隠せないレーゼ。

 

垣田「あなたの心には焦りが見えます。余裕を持ちなさい」

レーゼ「!!」

垣田「そしてあなただけではない。他の方々もだ」

「……!!」

 

 そして前半戦、ジェミニストームは成す術もないまま、1-0で終わった。

 

春奈「皆さん…」

舞「流石『裏の優勝校』と呼ばれているだけあって、強いわね…」

 

 舞が漫遊寺の生徒達を見つめた。

 

飛鳥「…どうよ。漫遊寺中」

レーゼ「必殺技を止められた上に、失点までされて…。強いなんてものじゃない…」

 

 と、レーゼが呟くと飛鳥が口角を下げた。

 

レーゼ「やはり…エイリア石がなければオレ達なんて…」

飛鳥「だからここに来たんじゃないか。エイリア石が無くても強くなれるように」

 

 飛鳥がそう言うが、レーゼはまだ納得していなさそうだった。

 

レーゼ「だけど飛鳥さん。マスターランクの奴らはエイリア石を使わなくても…」

飛鳥「あいつらが出来たんだ。お前達だって出来るさ」

レーゼ「飛鳥さん達とオレ達は違う!」

ティアム「リュウジ…」

ギグ「お、おい。やめろよ…」

 

 レーゼの叫びにティアムとギグをはじめ、ジェミニのメンバーが困惑し始めた。

 

春奈「……!」

 

 そんな中、春奈が険しい顔をした。

 

 

つづく

 

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