イナズマイレブン2 エイリアクライシス!?   作:ダシマ

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第33話「それぞれの試練!」

 

 

 前回までのあらすじ

 

ジェミニストームと漫遊寺がサッカーを通じての修業をしていたが、ジェミニストームは苦戦を強いられてしまう。というのも、宇宙人として学校を破壊していた時は『エイリア石』という意思を使って肉体的にパワーアップさせていたが、現在はエイリア石が使えなくなり弱体化していたのだ。

 

漫遊寺に自分のサッカーが完全に通用しなくなり始めた事で、レーゼは自暴自棄を起こしてしまう。果たして…。

 

*******************

 

 その時だった。

 

春奈「何よ!! まだ試合は終わってないのよ!?!」

 

 春奈がレーゼに対して激怒した。

 

風丸「音無…」

春奈「ちょっと勝てなくなったからって、そうやってヤケを起こしてんじゃないわよ!」

レーゼ「うるさい! サッカーをしてないお前に何が分かるんだ!!」

 

 と、二人が揉めると他のメンバーが諫めようとするが、飛鳥はいたって冷静だった。

 

飛鳥「はい、ストップ。2人とも落ち着いて。オレの話はまだ終わってないよ」

 

 飛鳥がストップをかけると、注目が飛鳥に集まった。そして飛鳥はレーゼを見つめる。

 

飛鳥「リュウジ。お前は今までどんな気持ちでサッカーをしてたんだ?」

レーゼ「えっ…」

飛鳥「エイリア学園のレーゼとしてサッカーをしてたのか? それとも、緑川リュウジっていう一人のサッカープレイヤーとしてサッカーをしてるのか?」

 

 飛鳥の言葉にレーゼは言葉を困らせていた。

 

飛鳥「エイリア学園としてサッカーをしてたんなら、もうここで終わりにしろ。父さんの為に勝つだけのサッカーは終わりなんだ。お前たちは変わらなきゃいけないんだよ」

レーゼ「そんな事分かってる!! でも!!」

飛鳥「頭ではわかっていても、どうしたらいいかわからないんだろ? そりゃそうだよな。マスターランクに至ってはエイリア石が無くても十分に強い」

 

 飛鳥が静かに目を閉じた。

 

飛鳥「でもなリュウジ」

レーゼ「……」

飛鳥「オレ達だって最初から強かったわけじゃない。練習に練習を重ねてあそこまで強くなったんだぜ。皆、お前の知らない所で努力してたんだよ」

風丸「……!」

 

 飛鳥の言葉に風丸が反応して、飛鳥を見つめた。

 

飛鳥「お前、そんな事言ってるけどサッカー好きなんだろ?」

レーゼ「それは…」

飛鳥「だったら出来るまで努力するしかないよ。漫遊寺の人たちだってそう。皆同じだよ。努力をすれば報われるんじゃない。報われるためには努力をしないといけないんだ」

レーゼ「!!」

飛鳥「それがいつになるかは分からないけど、何もしなけりゃ絶対に報われない。初心に戻って、緑川リュウジという一人のサッカープレイヤーとして、お前のサッカーを見つけろ。いいな」

レーゼ「……!!」

 

 レーゼの目の輝きが戻ると、飛鳥は春奈を見た。

 

飛鳥「次は音無さんだ」

春奈「えっ…」

 

 怒られるとは思っていなかった春奈は少し驚いた。

 

飛鳥「怒ってくれてありがとう。でもね、もう少し言い方を考えて。リュウジだってちゃんと分かってるんだよ。でも、どうしたらいいか分からなくて悩んでるんだ。マネージャーが一番やったらいけないのは、選手を追い詰めて、士気を下げる事だ」

春奈「お、追い詰めてなんか…!」

飛鳥「音無さんにそんなつもりがないのは分かってる。でも、それが結果的に喧嘩になっちゃったろ? それじゃ意味がないんだ」

 

 飛鳥の言葉に春奈ははっと気づいた。

 

飛鳥「音無さん。何とかしてあげたいのは分かる。でも、どうしても自分の力で解決しなきゃいけない時もあるんだ。もどかしいでしょう。でも、そういう時こそ選手を信じるしかないんだよ」

春奈「!」

飛鳥「いけない事を無理やり直させるんじゃない。どんなに時間がかかっても、相手の事をよく見て、適切な言葉をかけて背中を押してあげる。そこから信頼関係が生まれるんだよ」

 

 飛鳥の言葉に春奈は申し訳なさそうに俯いた。

 

春奈「そうですよね…」

 

 春奈がレーゼを見た。

 

春奈「ごめんなさい緑川さん。言い過ぎました」

レーゼ「……」

 

 春奈が頭を下げると、レーゼは静かに目を閉じて頭を下げた。

 

レーゼ「こっちこそごめん! オレも言い過ぎた! オレ、どうしても勝たなきゃいけないと思って、焦って周りが見えてなかった!!」

春奈「そ、それなら私だって…」

飛鳥「昨日も言ったでしょ。急いては事を仕損じる。時間はまだたっぷりあるんだ。焦らずゆっくり成長していこう!」

 

 飛鳥がそう言うと、レーゼと春奈が元気よく返事をすると、他のメンバーも笑みを浮かべる。

 

飛鳥「さて、後半戦だが風丸くんと少林寺くんも出て貰おうかな」

「!」

飛鳥「章介、駿太郎と交代だ。風丸くんは章介のポジション、少林寺くんは駿太郎のポジションに入って」

少林寺「はい!」

風丸「分かりました」

飛鳥「ちなみに少林寺くんは新しい必殺技の試しうちはしてもいいけど、ちゃんと周りの選手を見てから判断するように! 分かったね?」

少林寺「はい!」

 

 飛鳥が正面を見つめた。

 

飛鳥「さあ! 後半戦が始まる!! 逆転するぞ!!」

「おお!!!」

 

 風丸は飛鳥を見ると、円堂の姿と重なって見えた。

 

風丸(そうだよな。出来ないからって腐ってたらダメだよな。皆それぞれ頑張ってるんだ。オレだって!!)

 

 そして後半戦が始まった。風丸と少林寺が入ったことで少しは戦力が上がり始めたものの…。

 

レーゼ「風丸! こっちだ!」

風丸「ああ!」

 

 風丸がレーゼにパスをしようとしたが、漫遊寺の選手にカットされてしまった。

 

風丸「は、早いっ!!」

 

 そしてあっという間に攻め込まれ、GKの元へ。

 

ゴルレオ「もう1点もやらん!!」

阿太郎「行くぞ吽助!!」

吽助「おう! 兄者!!」

 

 すると今度は吽助がシュートを放つと、赤い龍が出た。

 

少林寺「あれはドラゴンキャノン!!!」

ゴルレオ「うぉおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

 ゴルレオが力業で止めようとしたが、ドラゴンキャノンの威力は思った以上に強く、そのまま失点した。

 

王将「ゴール!! これで漫遊寺が2点目を先取したー!! ジェミニストーム、このまま終わってしまうのかー!!?」

 

飛鳥「……」

 

 

 そして、試合が終了した。結果は2-0で漫遊寺の勝利だった。レーゼ達は悔しそうに表情を歪ませていた。

 

飛鳥「完敗です。流石ですね」

監督「うむ。だが、後半戦で見せた気迫は良かった。この数日間の修行でしっかり心身を鍛えなさい」

飛鳥「ありがとうございます」

 

 飛鳥が包拳礼をすると、監督も包拳礼をした。

 

木暮「……」

 

 その様子を陰で木暮が見ていた。

 

木暮「何が信じるだよ。結局負けてんじゃねーか」

 

 そう言って木暮はどこかに行ってしまった…。

 

 

つづく

 

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