第35話
前回までのあらすじ
木暮にサッカーを教わりたいという人物がいたので、木暮は仕方なしに待ち合わせ場所の河川敷に向かったが、そこには飛鳥がいた…。
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木暮「!!」
飛鳥「こんにちは」
木暮「な、何でてめーがここに!!」
漫遊寺の生徒かもしくは近所の小学生だと思っていた木暮は驚いていたが、飛鳥はいたってマイペースだった。
飛鳥「いやあ、サッカー出来なくて困ってたって聞いたから、ちょっと練習相手になってくれないかな」
木暮「教えて貰うんじゃないのかよ!」
飛鳥「いやあ、こうでもしないと来ないと思ってね。で、どうする?」
木暮「え…」
飛鳥の言葉に木暮が反応した。
飛鳥「引き受けなくてもいいけど、その時はまたいつも通り雑巾がけとグラウンド整備といった雑用をやらせるって」
木暮「ふ、ふん! 折角あんなつまんねー事をやらずに済むんだ! いいぜ! 相手になってやる! どっからでも来いよ!!」
飛鳥「OK。それじゃオレからボールを奪ってみな!」
と、木暮をやる気にさせて飛鳥と二人でサッカーをした。
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「え~~~~~~~~~~っ!!!!?」
春奈は漫遊寺の女子生徒達と食事の買い出しを手伝っていたが、その道中で女子生徒達が飛鳥から足止めをお願いされていた事をうっかり漏らしてしまったのだ。そして春奈は信じられなさそうに絶叫していた。
「ご、ごめんなさい…」
「実は一丈字様からあなたを足止めしてほしいとお願いされてまして…」
春奈「……!!」
春奈はわなわなと怒りに震えていて、漫遊寺の女子生徒はお互いを抱き合って震えていた。
春奈「それで…?」
「はい…?」
春奈「それでコーチはどこに行ったんですか…!?」
「か、河川敷のコートです!!」
「そこで2,3日木暮と付きっきりで練習すると…」
と、春奈の鬼の形相を見た女子生徒は全部バラしてしまった。
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そして夕方…。
木暮「ハァ…ハァ…」
飛鳥「……」
木暮は大の字になってあおむけになっていた。飛鳥は汗をかいているものの、まだ立ち上がっていた。
木暮はずっと飛鳥からボールを奪おうとしたが、動きを全部読まれてボールが奪えなかった。何度失敗しても立ち上がり、喰らいついたが、飛鳥も集中力を切らすことなく、木暮にボールを取られないように突破していた。
それを数時間もぶっ通してやり続けていて、流石の木暮も立てなくなる程疲れ切っていた。
飛鳥「さて、タイムアップだな」
木暮「ま、待て…!! オレはまだやれる…!!」
と、木暮が起き上がろうとしたが、体勢を崩した。
飛鳥「無理すんな。まだ明日と明後日もある。しっかり体を休めないと、余計にオレからボールを奪うのは無理だぜ」
そう言うと、飛鳥が木暮を背負った。
飛鳥「漫遊寺まで送ってってやるよ」
木暮「う、うるせぇ…! 離しやがれ…」
木暮が悪態をついていたが、疲れたのかそのまま眠ってしまった。飛鳥はそんな木暮を見て、フッと笑ったが…。
黒い笑みを浮かべてコートの外から自分を睨んでいる春奈を見て、苦笑いした。
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飛鳥「流石音無さん。オレが足止めした事、良く突き止めたね」
春奈「……」
飛鳥「ごめんて」
春奈と一緒に漫遊寺に帰ろうとしていたが、仲間外れにした事に対して謝罪していた。春奈はずっと膨れていた。
春奈「私、信用ないですか?」
飛鳥「信用してない訳じゃないけど、喧嘩するだろうなーとは思ってた」
春奈「それを信用がないって言うんですよ!! ちゃんと反省してます!!」
飛鳥の言い訳に対して春奈が激怒した。
飛鳥「まあまあ。そんなに怒りなさんな。木暮くんと二人で会話をしたかったんだよ。女の子がいるとつまらない意地を張るもんだからね」
春奈「……」
飛鳥「信用しなくてもいいけど、オレは事実を言ったからね」
飛鳥の余裕を見せた態度に春奈は更に不機嫌になった。
飛鳥「木暮くんやっぱり凄いよ」
春奈「え?」
飛鳥が自分におぶわれて寝ている木暮を見た。
飛鳥「数時間ぶっ通しでサッカーやってたけど、全く息が上がらないんだ。おまけにスピードも落ちないし、やればやる程どんどん動きが良くなってるんだ。垣田さんが言っていただけの事はあるよ」
春奈「……!」
飛鳥の言葉に春奈は驚いた顔で木暮を見ていた。
飛鳥「しかも、結構呑み込みが早いんだ。補欠とはいえ、漫遊寺サッカー部のメンバー名だけあるね」
春奈「そ、そうですか…」
春奈が俯いた。
春奈「それなら猶更見たかったですよ」
飛鳥「そう…」
春奈「そうって!! 次やったらある事ない事ブログに書き込みますからね!!」
飛鳥「その時はお兄ちゃんを呼び出して説教だな」
春奈「もう!! 反省してください!!」
と、春奈は漫遊寺に帰るまで飛鳥に思いの丈をぶつけまくっていた。飛鳥は苦笑いしながらはいはいと聞いており、まるで兄妹のようだった。本当のお兄ちゃんが嫉妬するくらいに…。
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そして漫遊寺に帰ってくると、そこにはクタクタになった風丸、ジェミニストーム、少林寺の姿があった。皆漫遊寺の道着を着ている。
飛鳥「よう。お疲れさん。修業はどうだい?」
レーゼ「も、もうクタクタですよ…」
レーゼが弱音を吐くと、
春奈「お疲れ様です」
「!」
皆が春奈を見ると、春奈がほほ笑んだ。
春奈「明日も明後日もこの調子で頑張りましょう!!」
レーゼ「言い方柔らかくなっただけで、言ってる事変わんないじゃん!!」
春奈「だってコーチが言い方を変えなさいって言ったんですもん。文句言わないでください!」
飛鳥「まあ、お前ら。よく聞け」
「!」
今度は飛鳥に注目が集まった。
飛鳥「漫遊寺の皆さんはこれを毎日やってるけど、お前たちはおよそ1週間やるだけでいいんだ。そう考えたら楽だろ?」
「そ、それは…」
飛鳥の言葉にジェミニストームは困ったように視線を逸らした。
飛鳥「ま、今は食らいつくようにしてやってみな。じゃ、オレはちょっとこの子を送らないといけないから」
と、少林寺が木暮に気づいた。
少林寺「そ、そいつ…!!」
飛鳥「ああ。お前たちが漫遊寺の修業をしてる間、オレがこの子の面倒を見る事になったから」
「!!?」
飛鳥の言葉に選手たちは驚きを隠せなかった。
飛鳥「昔のお前達を見てるようで、面倒見がいがあるよ。じゃあな」
そう言って飛鳥は笑って去っていくと、春奈もついていった。
レーゼ「あ、飛鳥さんの…」
ティアム「気絶してるのか…」
ゴルレオ「あいつも運も悪かったな…」
飛鳥「聞こえてるぞ」
ゴルレオ「ひぃいいいい!! すいません!!」
飛鳥が遠くから話しかけると、ゴルレオが怯えた。
つづく
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おまけ ~ 今日のブログ ~
『一丈字コーチが私に内緒で、木暮くんっていう子の練習を付きっ切りで見てました! 私も誘ってくれればいいのに酷いです!!』
と、書きこみ、写真は飛鳥のジャージ姿を撮っていたが、意外にノリノリだった。
そしてブログの反応。
マキュア「その木暮ってガキまじウザい!! マキも飛鳥とサッカーした~い!!! あと、あんたはずっとすっこんでなさい」
ポニトナ「あら、ジャージ姿の飛鳥さん。セクシーね♪」
デザーム「まるで共にサッカーをしていた頃を思い出すぞ! 次戦う時が楽しみだ!!」
レアン「誘わなくていいし、飛鳥に近づかないで」
壁山「そういえば一丈字コーチがサッカーしてる所見た事ないっス…」
栗松「…エイリアのコメントが何か怖いでやんす」
おしまい