イナズマイレブン2 エイリアクライシス!?   作:ダシマ

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第37話「ひたすら練習!!」

 

 

 前回までのあらすじ

 

 修業2日目。木暮は朝早くから飛鳥に練習に付き合うようにせがみ、そのまま連れ出した…。

 

*****************

 

飛鳥「河川敷はそっちじゃないぞ!」

木暮「河川敷に行くとあいつが来るだろ! こっちに来い!」

 

 と、木暮は飛鳥を河川敷と違う場所に連れて行った。誰もいない原っぱだった。

 

飛鳥「こんな所があったのか…」

木暮「ドリブルを止めるだけなら、ここでも出来るだろ。さあ! やるぞ!」

飛鳥「と、その前に今日の練習は逆だ。君がドリブルをしてオレが止める」

木暮「はあ! なんでだよ!!」

 

 飛鳥の提案に木暮が激怒した。

 

飛鳥「ちゃんと理由がある。君、今頭の中ではブロックすることで頭がいっぱいでしょ」

木暮「そりゃそうだ! 1回もボール奪えてねーんだから!」

飛鳥「今日は予想外の状況を想定してやって貰う。それが出来たら昨日の続きをしよう」

木暮「くっそー…」

 

 木暮が悪態をついていると、飛鳥が苦笑いした。

 

飛鳥「そりゃあまあ、惜しい所まで行ってたからな。気持ちは分かるぜ。けどな」

 

 木暮が飛鳥を見ると、飛鳥は笑みを浮かべた。

 

飛鳥「これが出来れば、ブロックだって止めれるはずだ。上手にやるコツは昨日言った事とほぼ一緒だ。さあ、始めるぜ! 10秒以上キープできればお前の勝ちだ!」

 

 そう言って飛鳥は木暮と練習をした。

 

木暮「くそっ!!」

飛鳥「もう一度だ」

 

 飛鳥が木暮からボールを奪うと、木暮にパスした。

 

飛鳥「時間はたっぷりある。焦らずに行こうぜ」

木暮「い、言われなくたって分かってらあ!」

飛鳥「その意気だ!」

 

 そう言って飛鳥と木暮は練習を続けていたが、その様子はまさに兄弟のようだった。

 

飛鳥「どうしたどうした!」

木暮「くそーっ!!」

 

 そんな様子を漫遊寺の監督と垣田が遠くから見守っていた。

 

監督「…垣田よ」

垣田「ええ。監督。分かっております…」

 

 垣田が木暮を見つめていたが、自分たちの前では見せない木暮の姿に複雑な気持ちを抱いていた。

 

垣田「木暮の目に輝きがともっています。我ら漫遊寺レギュラーと鍛錬をしている時には見せなかった表情をしております」

監督「うむ、あやつの生き生きとした顔。わしも初めて見た。あれも、一丈字殿の人柄によるものだろう」

 

 監督の言葉に垣田は落ち込んだ。

 

垣田「監督…」

監督「何じゃ」

垣田「…私のやり方は、間違っていたのでしょうか」

監督「間違ってはおらぬ」

垣田「しかし…」

 

 監督は垣田の顔をじっと見た。

 

監督「お前の指示があったから、木暮はあそこまでの身体能力を得る事が出来た。ただ、お前や漫遊寺の指導ではどうしても与える事が出来なかったものを、彼が与えてくれているのだ」

垣田「!」

 

 監督の言葉に垣田は目を大きく開き、そのまま飛鳥を見た。

 

監督「お前の話を聞いた上で木暮を貸してほしいと申し出たのは、お前たちの顔を潰さないで、木暮を本当の意味で心身を鍛えさせる方法を知っておったからじゃ」

垣田「……!」

監督「同じ痛みを知っているからこそ、本気で木暮を何とかしようとしてくれている。有難い話じゃ」

 

 監督が背を向けた。

 

監督「木暮の事は一丈字殿に任せ、お前は日々の鍛錬に戻るのだ。そして数日後に控えている手合わせ(練習試合)で、木暮の成長をしっかり見届けるのだ」

垣田「は、はっ!!」

監督「行くぞ」

 

 そう言って垣田と監督は去っていった。飛鳥が木暮を変えてくれると信じて…。

 

 その頃春奈はというと、木暮の読み通り河川敷に来ていた。

 

春奈「いなーいっ!!」

 

 飛鳥も木暮もいないどころか、ボールや整備もされていない事に対し、自分から逃げた事に怒っていた。

 

春奈「逃げたわね…!!」

 

 そして練習開始から二時間…。

 

木暮「ハァ…ハァ…」

飛鳥「……」

 

 木暮が険しい表情でドリブルをしたが…。

 

木暮「よっしゃ!! 10秒経ったー!!!」

飛鳥「あー…」

 

 ボールをキープしてから10秒が経ち、歓喜の声を上げた。それに対して、飛鳥は一息ついた。もう2時間もやっていたせいで汗だくでクタクタだった。

 

木暮「ど、どうだ。参ったか…。オレ様の本気、見たら…」

飛鳥「ああ…。見事だとしか言いようがねェな…」

 

 木暮が横になると、飛鳥も座り込んだ。

 

飛鳥「粘りに粘っての勝利か…。長期戦には向いてそうだ…」

木暮「へ、へへ…。この調子でボールを奪ってやんよ…」

飛鳥「だが休憩だ。万全な状態でやんなきゃ意味ないからな…」

 

 飛鳥がそう言って、二人が岩陰に移動しようとすると…。

 

「あ――――――――――――――っ!!! こんな所にいた―――――――――っ!!!」

 

 春奈が大声を上げた。

 

飛鳥「あ、音無さん…」

木暮「チッ…しつこい奴だなぁ…」

 

 そして春奈が2人に近づいた。

 

春奈「河川敷に行ってもいないから、どこで練習してるかと思ったら!」

木暮「うるせーな…。お前みたいにうるさい奴がいたら、気が散るんだよ」

春奈「何ですって!!?」

飛鳥「落ち着け2人とも」

 

 飛鳥が息を切らしながら仲裁した。

 

春奈「コーチ…。随分汗だくじゃないですか! それにクタクタになってるし…」

飛鳥「かれこれ数時間もぶっ続けでやってたらね…」

春奈「ちなみに練習の成果は?」

飛鳥「10秒以上オレからボールをキープできるようになったよ」

春奈「!!?」

 

 飛鳥の発言に春奈が信じられなさそうな顔をしていた。

 

飛鳥「…相手のプレイヤーをギリギリまで疲れさせた上でだけどね」

春奈「凄いじゃない木暮くん!!」

木暮「へっ…オレの手にかかれば…これくらいどうって事ねーんだよ…」

飛鳥「数時間かかったじゃないか…。ああ、疲れたぜ」

 

 飛鳥が本当にクタクタになっていると、春奈が困った顔をしていた。

 

春奈「も、もしかして朝から何も食べてないんですか?」

飛鳥「ああそうだった。こんな事もあろうかと、軽食作ったんだった。木暮くん、これでも食べな」

 

 と、飛鳥がリュックからおにぎりを取り出した。

 

春奈「コーチ、いつの間に…!!」

飛鳥「真仮名井さんに頼んで、昨日厨房を使わせて貰ったんだ…」

春奈「言ってくれたら私だって手伝いましたのに!!」

飛鳥「おいおい。マネージャーなんだから、風丸くん達を見てやってくれよ…。オレのはほんのちょっとした副業みたいなもんだ」

春奈「そ、それはそうですけど…」

 

 春奈が不服そうにしたが、そのまま食事を取る事にした。

 

飛鳥「音無さんも良かったら一つどうぞ」

春奈「あ、ありがとうございます…」

 

 と、春奈も飛鳥からおにぎりを受け取った。

 

春奈「美味しい!」

木暮「おい! これ食べたらすぐボール奪う奴やるからな!!」

飛鳥「あ、そうだ。折角だから音無さんちょっとやってみる?」

春奈「え?」

飛鳥「オレ、ちょっと休憩したいし…。たまにはプレイヤーの気持ちになって、練習に参加してみるのもいいと思うよ」

 

 飛鳥の言葉に春奈が迷うが…。

 

木暮「えー。こいつよりお前がやってくれよ!」

春奈「こ、こいつって何よ! これでも私、運動にはちょっと自信があるんだからね!」

木暮「ちょっとでオレの相手が務まるかよ!」

春奈「言ったわね!」

木暮「言ったさ!!」

 

 と、このまま木暮と春奈がミニゲームをする流れになり、飛鳥は横になって休憩した。

 

飛鳥「ああ…。風が気持ちいい…」

 

 

つづく

 

 

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