木暮「…なげぇんだよ!!!」
「!!」
垣田の長すぎる謝罪に木暮がツッコミを入れた。
木暮「そこは「済まなかった」だけでいいだろうが!! 長くていい訳に聞こえるんだよ!」
垣田「なっ…!!」
木暮の言葉に垣田がムッとし、漫遊寺メンバーは「またやっちまったよコイツ…」と言わんばかりに呆れていた。
春奈「ちょっと木暮くん!!」
春奈も割って入ろうとしたが、飛鳥が止めた。木暮がキャプテンとしての顔を潰さない為に、わざと悪態をついて垣田を守ろうとしていた事を確信していたからだった。
春奈「コーチ…」
飛鳥「垣田さん」
「!」
飛鳥が垣田の方を見て話しかけた。
飛鳥「すみません。なんだかんだ言って出しゃばっちまいまして」
垣田「いえ。木暮がここまで変わったのはあなたのお陰です。本当にありがとうござい」
飛鳥「垣田さん」
垣田が包拳礼をしようとしたが、飛鳥が止めた。それに対して春奈達が驚いた。
飛鳥「礼なら試合が終わった後でお願いします」
垣田「……!」
飛鳥が笑みを浮かべた。
飛鳥「後ろから見てあげてください。木暮くんの成長した姿を」
垣田「……」
飛鳥「お願いします」
飛鳥が目を閉じて頭を下げた。暫くして顔を上げると、飛鳥がジェミニの選手たちを見た。
飛鳥「後半戦だが、駿太郎、章介。悪いがお前たちはまた交代だ」
ギグ「分かりました」
イオ「頑張って!」
少林寺「ありがとう」
風丸「行ってくるぜ!」
駿太郎の声援を受けて、風丸と少林寺がピッチに立つと、飛鳥はギグとイオに一言「お疲れさん」とねぎらいの言葉をかけた。
飛鳥「さあ! これで総仕上げだ! 全力を出し切れ!」
「了解!!」
「……」
ジェミニの返事を聞いた漫遊寺イレブンは言葉を失った。
監督「あの者達が来てくれて本当によかった」
「監督…」
漫遊寺イレブンが監督を見つめた。
監督「さあお主たち。このまま諦めてはなるまい。あの者達と同じ、全力を出し切るのだ!」
「はっ!!」
そして両チームピッチについた。少林寺、風丸と木暮が向かい合っていた。
春奈(木暮くん…)
春奈が心配そうに木暮を見つめていたが、飛鳥は木暮の真剣な表情を見て安心していた。
王将『さあ! いよいよ後半戦です! 漫遊寺のボールから始まりました!!』
後半戦が始まると、またジェミニストームが攻撃を封じ込めた。ティアムがドリブルで相手の陣内に攻め込んでくると、
「来るぞ! 木暮!!」
「分かってらあ!!」
隣にいたDFの福見が声をかけると、木暮が反応した。福見がブロックを仕掛けるが、かわされた。その時だった。
ティアム「!!」
木暮が一瞬の隙をついて、ボールを奪取した。これには皆が驚いた。
木暮「学舎!」
木暮がMFの学舎にパスをしてドリブルをすると、レーゼと少林寺が立ちはだかった。
王将『おーっと! 木暮がMFの学舎にパスをつないだが、レーゼと少林寺が2人がかりでブロックにかかるー!!』
レーゼ「行くぞ!」
少林寺「おう!」
するとレーゼが後ろを向いて両掌をクロスして前を出すと、少林寺がその掌の上に乗り、レーゼが上に押し上げてハイジャンプした。
「!!」
ハイジャンプした少林寺を見て学舎や春奈が驚いていた。
少林寺「シューティングスター!!!!」
少林寺が学舎の目の前の地面にめがけて力強くキックすると、衝撃波が生まれて学舎を吹き飛ばした。
王将『な、なんとー!! 新必殺技がさく裂したー!!!』
春奈「遂に完成ですね!」
飛鳥「ああ…」
春奈の言葉に飛鳥が笑みを浮かべた。
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それは練習前。少林寺が一人でジャンプの練習をしていたが、中々自分の納得する結果にはならなかった。
風丸「少林。まだやっていたのか」
少林寺「風丸さん…」
少林寺が風丸を見つめた。
少林寺「一人でやってるんですけど、なかなか上手く行かなくて…」
風丸「……」
少林寺の言葉に風丸が考えた。
風丸「それなら、やっぱり誰かに踏み台になって貰おう」
少林寺「!」
風丸「二人なら、高く飛べるだろ? イナズマ落としもそうだった」
少林寺「……!」
風丸「今はそれでやってみろよ。それで慣れてきたら一人でやればいい」
少林寺「はい!」
それを陰で飛鳥が見ていた。
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飛鳥「おめでとう。少林寺くん…」
飛鳥がそう呟くと、ギグとイオが感動して号泣していた。
ギグ「良かったなぁ…!」
イオ「頑張った甲斐があったなぁ…」
飛鳥「お前ら、泣くのは試合が終わってからだ」
思った他感涙していたので、飛鳥が苦笑いして突っ込むと、春奈と舞が突っこんだ。
少林寺「理夢!!」
少林寺がリームにパスをつなぎ、ドリブルをした。
木暮「くそっ!」
垣田「ディフェンス!!」
すると漫遊寺のDFである悟里と宝玉が2人がかりでブロックをすると、レーゼにバックパスを出した。そしてレーゼの横には風丸がいた。
「!」
風丸「今度はオレとだ! 緑川!」
風丸がそう叫ぶと、レーゼと共に同じ距離、同じ速度でボールを蹴り上げた。
春奈「あれは…!!」
そしてボールが赤い鳥に包まれた。
木暮「な、何だあれは!!」
そして風丸がサッカーシュート、レーゼがオーバーヘッドキックを同時にかました。
風丸・レーゼ「炎の…風見鶏!!!」
風丸と豪炎寺の合体技である「炎の風見鶏」を放った。
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飛鳥「3つ目なんだけど風丸くん」
風丸「はい…」
5日目の練習で飛鳥はとんでもない事を言いだした。
飛鳥「炎の風見鶏、リュウジと一緒にやってくれる?」
風丸「え?」
レーゼ「炎の…風見鶏?」
飛鳥の言葉に風丸とレーゼがキョトンとした。風丸としては予想だにしない言葉で、レーゼに至っては炎の風見鶏自体知らなかった。
飛鳥「ジェミニストームの一番強力なシュートってユニバースブラストなんだけど、出来る技をちょっと増やしておきたくてね。お願いできるかな?」
風丸「わ、わかりました…」
雷門の技を使う事になり、驚きが隠せないジェミニストームだったが、飛鳥は堂々としていた。
飛鳥「そんな顔するんじゃないよ。今回は雷門もジェミニストームも関係なく、このチームで勝利をつかむんだ! 元のチームが違っても、同じユニフォームを着れば仲間なんだぜ」
「!」
飛鳥「そしてこの技が出来れば、本当の意味で雷門とジェミニストームは分かりあえた事になる。頼んだぞ。リュウジ」
レーゼ「は、はい!」
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垣田「な、何だあの強力なシュートは!!」
と、垣田達が驚いていると、
「どけぇ!! オレが止めてやる!!」
木暮がボールに向かって突っ走っていった。
つづく