第44話「一難去ってまた一難」
京都・漫遊寺での修業を終えた飛鳥一行は東京に帰ってきた。そしてすぐさま、雷門中と傘美野中で練習試合を行う事になった。
ちなみに何故傘美野中でやるのかというと…最近は傘美野から『ぜひうちで練習試合をしてほしい』とラブコールを受けていた為である。早い話、学校の宣伝でもあるのだ。
風丸、少林寺もジェミニストーム側について勝負をしていたが…。
風丸・レーゼ「炎の風見鶏!!」
円堂「えっ!!?」
風丸とレーゼが炎の風見鶏を披露すると、円堂が驚いて対応が遅れてしまい、失点してしまった。
角馬「ゴール!! 先制点はジェミニストームだー!!!」
飛鳥「円堂くん。気を抜かないよ!」
円堂「す、すみません!!」
角馬がアナウンスをすると、飛鳥は円堂に対して注意をした。そして円堂は飛鳥の顔を見て謝罪した。円堂だけではなく、他の雷門イレブンも驚きを隠せなかった。
ちなみに炎の風見鶏はゲーム版ではパートナーが火属性(イナズマイレブンでは選手は風・林・火・山の4つの属性に分かれている)でないと覚えさせることが出来ず、風丸は風属性、レーゼは林属性なのでゲームでは覚える事は出来ないが…。本作では属性を気にしない世界でお願いします。
染岡「炎の風見鶏を習得させるなんて…」
豪炎寺「戦術の幅を広げてきたという事だ。気を引き締めていくぞ!」
染岡「おうよ!!」
と、このまま試合が続いた。結果は2-1でジェミニストームの勝利となった。
宍戸「少林もレベルアップしてるし…」
栗松「風丸さんの戦術の幅が広まってるでやんす…」
壁山「漫遊寺…一体どんな所だったんだろうな…」
壁山、宍戸、栗松の3人が息を切らしながら、向こう側のコートにいて、ジェミニの選手とハイタッチをしている風丸や少林寺を見ていた。
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飛鳥「さて、合同で反省会と行こうか」
飛鳥が雷門とジェミニストームの選手を集めていた。
飛鳥「雷門の皆はどうだった? 漫遊寺で修業したジェミニストーム、風丸くん、少林寺くんと戦って」
円堂「そりゃあもうとても強くなってましたよ…」
染岡「こんなに強くなるなら、オレも行きたかったぜ…」
飛鳥「そりゃそうだろうな。まあ、今回君達には、漫遊寺で修業した者の強さを体感してほしかったんだ。前回とは逆の立場でね。でも染岡くん」
染岡「?」
飛鳥が染岡の顔を見ると、染岡の飛鳥の顔を見た。
飛鳥「ドラゴンクラッシュの進化系の『ワイバーンクラッシュ』。いい技だったよ。よく頑張ったね」
染岡「…ありがとうございます!」
飛鳥達が漫遊寺へ出かけた後、染岡は特訓に特訓を重ね、ドラゴンクラッシュの進化系である『ワイバーンクラッシュ』を完成させた。そして、炎の風見鶏で失点した後、自分にボールが回り、そのままシュートで点を入れたのだった。
最初はエイリア学園の関係者で上から物を言う飛鳥に反感を抱いていた染岡も、今ではすっかり素直に言う事を聞くようになった。きっとそれも『ワイバーンクラッシュ』の完成に繋がったのだろうと雷門イレブンは確信していた。
飛鳥「さて、今日の練習はここまでだ! しっかり休めるように!」
「ありがとうございました!」
飛鳥の号令で皆が一礼をした。
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練習が終わり、飛鳥は雷門中の前まで来ると…。
飛鳥「あれ? あの制服は…」
飛鳥の目の前には雷門のライバルチームである帝国学園の生徒が数名いたが、なにやらもめている様子だった。
飛鳥「どうしたんだろう…」
すると、帝国学園の生徒達は飛鳥の顔を見ると、
「あっ! あなたは…」
飛鳥「?」
帝国学園の生徒の一人が飛鳥に近づいた。
飛鳥「どうされました?」
「あの、鬼道さんはどこですか!?」
「おい、お前よせって!!」
「鬼道さんに迷惑だろ! 行くぞ!!」
そう言って帝国学園の生徒2人は飛鳥に相談しようとした生徒を連れ去っていった。
飛鳥「……」
飛鳥は超能力を使って、帝国学園の生徒の脳内を覗き、帝国学園で何が起きているかを感知した。この超能力は飛鳥が幼少時代にある事がきっかけで使えるようになったのだが、これはまた別の話…。
ちなみに飛鳥が超能力を使える事は、エイリア学園の関係者以外誰も知らない。
飛鳥(…これは大ごとになる前に手を打った方が良さそうだな)
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翌日、雷門イレブンはいつも通り練習に励もうとしたが…。
飛鳥「練習を始めるけど、鬼道くんはちょっと話があるからおいで」
「?」
飛鳥は鬼道を呼び出すと、円堂達が不思議そうな顔をした。呼ばれた鬼道も不思議そうにしながら、飛鳥についていった。
傘美野中のとある一室
飛鳥「ごめんね。急に呼び出したりして。君に聞きたい事があるんだ」
鬼道「…ここに連れ出した理由は?」
飛鳥「ちょっとデリケートな問題だからだよ。座りな」
飛鳥に言われて鬼道が椅子に座ると、飛鳥は鬼道と向かい合うように座った。
飛鳥「帝国学園の皆から何か連絡は来てない?」
鬼道「……?」
飛鳥の言葉に鬼道は嫌な胸騒ぎがした。
鬼道「…どういう意味ですか」
飛鳥「いや、昨日帝国の子がオレの所に来て、鬼道さんはいないかって聞かれたんだ。サッカー部に何かあったのかなと思ってね」
鬼道「オレを…?」
飛鳥が鬼道を見た。
飛鳥「鬼道くん。そういえば君は佐久間君たちの仇を討つ為に雷門に来たんだよね?」
鬼道「ええ…。それもそうですが、影山を倒す為にも」
飛鳥「戻らなくていいの?」
鬼道「……!!」
飛鳥の言葉に鬼道ははっと気づいた。飛鳥が言っていた通り、自分はゼウス、そして影山を倒す為に雷門に転入した。その目的を果たした今、もう自分はこの学校にいる理由がなくなったのだ。
飛鳥「…って言っても、それは君が決める事だけどね」
鬼道「!」
飛鳥「まあいいや。ありがとう」
鬼道「待ってください。その話を詳しく…」
鬼道が食い入るように飛鳥に話しかけた。
飛鳥「まず、雷門に残るのか帝国に帰るのか決めてからだな。じゃなきゃ何の力にもなれやしないよ」
鬼道「力…!!?」
飛鳥「今はそれだけ言っとくよ」
そう言って飛鳥は去っていくと、鬼道は一人考え込んだ。
つづく