イナズマイレブン2 エイリアクライシス!?   作:ダシマ

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 前回までのあらすじ

 飛鳥から不可解な話を聞かされた鬼道。話の真意を聞こうとしたが、雷門に残るのか帝国に帰るのか答えるまでは続けないとした。




第45話「鬼道の葛藤」

 

 

 鬼道は練習に戻ったが、やはり飛鳥の話が頭の中を埋め尽くしてしまい、試合に集中できなくなっていた。

 

飛鳥(露骨に悩みすぎだろ…)

 

 悩んでいる飛鳥が額を抑えて首を横に振った。そして横にいたマネージャーも鬼道を不思議そうに見ていた。

 

秋「鬼道くん…。何か今日は動きが悪いですね…」

夏未「どうしたのかしら…」

 

 秋と夏未がそんな話をしていると、春奈が飛鳥の顔を見た。

 

春奈「コーチ…。お兄ちゃんに何を言ったんですか?」

飛鳥「今は言えない。練習どころじゃなくなるから」

春奈「ど、どういう事ですか!? 練習どころじゃなくなるって!!」

 

 春奈の叫び声に円堂達が振り向いた。ちなみにジェミニストームは今まで通り、雷門中で復興工事を手伝っている。鬼道も流石に気づいた。

 

飛鳥「えっとね…」

春奈「コーチ!!」

 

 春奈が飛鳥に詰め寄っている姿を見て、鬼道が慌てて止めに入った。

 

鬼道「春奈!」

春奈「!」

 

 鬼道が春奈と飛鳥に割って入った。

 

春奈「お兄ちゃん…」

鬼道「これはオレの問題だ。気にしないでくれ」

春奈「で、でも!!」

 

 春奈と鬼道の会話を聞いて、飛鳥は静かに目を閉じた。

 

飛鳥「…こんなに集中できないなら、ちゃんと話した方が良さそうだね」

「!?」

 

******************

 

 円堂の号令で皆が集まっていた。

 

飛鳥「そういう訳で、鬼道くんには雷門に残るか帝国に帰って貰うか話をしてたんだ」

円堂「そ、そうだったんですか…」

 

 飛鳥の言葉に円堂達は納得していたが、春奈は納得してなさそうにしていた。

 

染岡「そういや随分時間が経ったっけなぁ…」

半田「優勝した日にジェミニストームが来て学校壊して、それ所じゃ無かったもんなー」

 

 と、染岡たちも理由が分かっていつもの雰囲気になった。

 

壁山「鬼道さんが帝国に戻るのは…」

栗松「戦力が大きく減るでやんす…」

宍戸「そうだな…」

 

 と、壁山・栗松・宍戸が憂いていると…。

 

少林寺「オレ達がしっかりしないでどうするんだよ」

「!」

 

 少林寺の言葉に皆が驚いた。

 

少林寺「確かに鬼道さんがいなくなるのは戦力としては痛いけど、卒業したら鬼道さんだけじゃなくて、キャプテン達もいなくなるんだ。その時にオレ達がしっかりしてなきゃダメだろ」

円堂「少林…」

 

 少林寺の言葉に皆が驚いたが、飛鳥、風丸が笑みを浮かべた。円堂も嬉しそうにしている。

 

風丸「よく言った少林。漫遊寺で鍛えたんだ。そうこなきゃな」

飛鳥「壁山くん達の気持ちも分かるけどね。でも、少林寺くんの言う通りだよ」

 

 飛鳥がそう言うと、壁山、栗松、宍戸が俯いた。

 

飛鳥「そうだ。漫遊寺で鍛えたノウハウを皆に教えてあげてよ」

少林寺「!?」

飛鳥「教える事もまた『鍛錬』だ。分かったな?」

少林寺「はい!」

飛鳥「風丸くん。フォロー頼んでもいいかな?」

風丸「分かりました」

 

 飛鳥の言葉に風丸が返事をすると、円堂が風丸の顔を見て嬉しそうにしていた。そう、白恋の時に見せた元気のない姿はもうどこにもなく、今は頼もしく見えたのだった。

 

飛鳥「さて、話は戻すけど鬼道くん」

鬼道「……」

 

 飛鳥が鬼道の顔を見るが、鬼道は浮かない顔をしていた。

 

飛鳥「悩む気持ちは分かるけど、それを決めない事には前には進めないよ」

「!?」

一之瀬「シビアだけど…確かにそうだね」

 

 と、何とか険悪な空気にならないままミーティングは終了した。

 

***************

 

 そして会議が終わると…。

 

春奈「コーチ」

 

 春奈は一人、飛鳥の所に向かった。

 

飛鳥「……」

春奈「まだ隠してる事がありますよね?」

 

 春奈の言葉に飛鳥は春奈の方を振り向いた。だが、その振り向いた時の顔は穏やかな顔で春奈は少し面食らった。

 

飛鳥「流石だね。君も漫遊寺で鍛えられたかな?」

春奈「や、やっぱり…。何があったんですか!?」

飛鳥「……」

 

 飛鳥がキョロキョロ見渡した。鬼道たちや秋たちは外で練習をしたり、マネージャーの仕事をしていた。

 

飛鳥「今はこの話はあまり人に聞かれたくない。色々調査をしないといけないし、何よりも…」

春奈「!」

飛鳥「君のお兄さん、結構無茶するタイプでしょ」

春奈「…た、確かに」

飛鳥「兄妹そっくりだね。無茶するのもそうだし、人を煽るときのどや顔とか」

春奈「そんな事ないです//////」

 

 飛鳥の言葉に春奈は頬を染めてムキになった。特にどや顔に対してムキになっていた。

 

飛鳥「まあ、お兄さんが無茶をする前に、こちらとしては何とか手を打ちたいんだけど…」

春奈「一体何ですか!? 教えてください!!」

飛鳥「その前にコーチの仕事をしてからだな」

春奈「コーチ!」

飛鳥「焦らないの。急いては事を仕損じるって前にも言ったでしょ」

「!」

 

 飛鳥が春奈を見て、困ったように笑みを浮かべる。

 

飛鳥「大事にしたくないっていう帝国の生徒達の気持ちもね、分かるのよ。だから今日の練習が終わるまで待ってて」

 

 そして飛鳥達はそのまま練習や指導に励んだ。飛鳥はいつも通りだったが、鬼道はまだキレが戻っていなかった。その様子を染岡たちは不審に思っていたが…。

 

豪炎寺「鬼道。今日はもう休め」

鬼道「豪炎寺…」

 

 豪炎寺から練習を辞めるように言われ、皆がハラハラした。

 

豪炎寺「何があったかは分からないが、そんな状態で練習をしても無駄だ。お前も分かっているだろう」

鬼道「……」

 

 豪炎寺の言葉に鬼道が俯いた。

 

鬼道「そうだな…」

春奈「!!」

鬼道「済まないがオレは先に上がらせて貰う。悪かったな」

染岡「あ、ああ…」

 

 染岡の言葉に対し、鬼道はとぼとぼと去っていった。

 

円堂「鬼道…」

 

 選手たちやマネージャーは一斉に飛鳥を見たが、飛鳥は普通にしていた。

 

 そして練習が終わった。

 

飛鳥「今日の練習はここまで…」

「ありがとうございました…」

 

 と、選手たちの言葉に覇気がなかった。それに対して飛鳥は何も言わず、去ろうとすると…。

 

円堂「待ってくださいコーチ!」

 

 円堂が飛鳥を呼び止めた。

 

円堂「鬼道…一体何があったんですか? やっぱりおかしいです!」

春奈「キャプテン…」

 

 円堂も鬼道の異変に気付いて、春奈が反応した。

 

染岡「そうだぜ!」

豪炎寺「……」

 

 染岡が円堂の言葉に乗ったが、豪炎寺は何も言わなかった。

 

飛鳥「雷門に残るか帝国に帰るか」

「!」

飛鳥「それを鬼道くんが決めるまでは教えられない。悪いな」

 

 そう言って飛鳥は去っていった。

 

 

つづく

 

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