イナズマイレブン2 エイリアクライシス!?   作:ダシマ

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 前回までのあらすじ

 飛鳥からの話を聞いた鬼道は練習に全く試合に集中できず、豪炎寺に追い出されてしまった。そして鬼道は帝国のメンバーに何があったか聞き出そうとしたのだが…。




第46話「帝国で起きた現実」

 

鬼道「…どうして誰も電話に出ないんだ」

 

 夕方、自宅で帝国のメンバーに電話をかけたが、誰も自分の電話に出ず、ますます不安に感じていた。そして鬼道はある事を決意した。

 

*********************

 

「成程。一先ずは雷門に残ると」

 

 その夜、鬼道は飛鳥に電話をして、雷門に残る事を伝えた。

 

飛鳥「声色から嘘はないとみられる」

鬼道「約束です。何があったか教えてください」

飛鳥「うん。約束だから教えるね。オレも気になったから調べたんだけど、落ち着いて聞いてほしい」

 

 飛鳥の言葉に鬼道は嫌な予感がした。

 

飛鳥「佐久間くん達…。サッカー部を追い出されたみたいなんだ」

鬼道「……!!!」

 

 飛鳥の言葉に鬼道が目を大きく開いて慄然としていた。

 

鬼道「ど、どういう事なんですか!!? 佐久間達がサッカー部を追い出されたって…。一体誰から!!」

飛鳥「実は今日の夕方ね。また同じ子がオレの所に来たんだ。一緒にいた子たちを撒いてね。その子から聞いたの」

鬼道「それで、佐久間達はどうなったんですか!?」

飛鳥「落ち着いて。順番に話すから。あ、時間大丈夫?」

鬼道「…すみません。続けてください。時間なら大丈夫です」

 

 鬼道は冷静さを取り戻して、飛鳥の話を聞く事にした。

 

********************

 

飛鳥「…君がいなくなった後、不動明王って子が帝国学園に転入してきて、サッカー部に入ったんだ。だけど、その子は中々言う事聞かなくてトラブルを起こしまくってたんだって」

鬼道「不動明王…」

飛鳥「しかも追い打ちをかけるかのように、湿川陰っていう子が入ってきたんだけど、その子も中々癖があってね。そういや鬼道重工って君のお父さんの会社でしょ?」

鬼道「ええ。うちのグループで、今は帝国のスポンサーでもあります」

飛鳥「その子ね、鬼道重工の重役の子なんだ。それを盾に好き勝手やってるみたいだよ」

鬼道「何ですって!?」

 

 飛鳥の言葉に鬼道が強く反応した。

 

飛鳥「で、その不動くんと湿川くんが手を組んで帝国サッカー部を乗っ取ってしまったの。前から帝国のやり方に不満を抱いていたメンバーや、レギュラーを狙っていたメンバーを集めてね。で、試合もしたんだけど勝負は不動くんたちの勝ち。試合に負けた方はサッカー部を出ていく話になったみたいで、佐久間くんたちは約束通り退部だ」

鬼道「そ、それじゃオレからの電話に出なかったのは…」

 

 鬼道はわなわなと震えていた。自分のいない所でかつてのチームメイトが緊急事態を迎えていて、自分は何も出来なかったのだから。

 

 かつて、フットボール・フロンティア1回戦で世宇子中に大敗した時もそう。自分は何も出来ずに仲間が傷ついて倒れていく姿を見る事しかできなかった。

 

飛鳥「多分君が考えてる通りだと思うよ」

鬼道「!!」

飛鳥「心配をかけたくなかったのと、不動くんたちに負けて…情けなくて合わせる顔がなかったからだと思うよ」

 

 飛鳥の言葉に鬼道は発狂したい気持ちを抑えていた。

 

鬼道「コーチ…!!」

飛鳥「……」

鬼道「オレに帝国に戻らないのかって聞いたのは…佐久間達の事を知っていたからですか…!!?」

飛鳥「オレがそう聞いた時にはもう退部してみたいたよ。君には気の毒だけど…」

 

 佐久間達が帝国学園サッカー部からいなくなった今、鬼道は一体何のために雷門に転校してきた意味がなくなってしまい、鬼道はどうしたら良いか分からなくなった。帝国に帰ろうにももう自分の帰る場所なんてない。そして円堂達にこの事を話したところで、今回円堂達は全く関係がない為、巻き込むわけにはいかなかった。

 

 何とも言えない絶望に、鬼道は押しつぶされそうだった。鬼道の堪える声を聴いて飛鳥も何とも言えない顔をし、そのまま目を閉じた。

 

飛鳥「鬼道くん。最後にこれだけ言っとくね」

鬼道「!!」

飛鳥「佐久間くん達ね。雷門中でサッカーをしてる君を見て、とても楽しそうにサッカーしてるって言ってたみたいだよ」

鬼道「…どういう意味ですか」

飛鳥「君には雷門中でサッカーをして貰いたいんだと思うよ。ビデオを何回も見て、とても嬉しそうにしてたって、話してくれた子が言ってた」

鬼道「……!!」

 

 飛鳥の言葉に鬼道の目が大きく開いた。

 

飛鳥「そして、いつか鬼道くんがいる雷門中と戦いたいって言ってたんだって。本当に幸せ者だね」

 

 飛鳥の言葉に鬼道は震えた。そんな事を言っていた彼らがサッカー部を追い出される最後の時まで自分に気を遣っていた事を知り、胸が張り裂けそうだった。そして今、とても佐久間達に会いたいと感じていた。

 

飛鳥「鬼道くん。君は数日間休みなさい。練習にも来なくていい」

鬼道「!!」

飛鳥「豪炎寺くんが言っていた通り、今のままじゃ練習もままならない。残酷だけど、佐久間くん達が選んだ道をちゃんと受け入れてあげなさい。分かったね?」

鬼道「…はい」

飛鳥「じゃあね。負けるなよ」

 

 そう言って飛鳥は電話を切ると、鬼道はゴーグルを外した。そしてこらえきれなくなり、持っていたゴーグルとスマホをベッドに投げつけて、そのまま泣き崩れた。

 

**********************:

 

飛鳥「……」

 

 鬼道の電話を切った後、飛鳥はマンションの一室で険しい顔をしていた。

 

飛鳥「大丈夫かな…。あの子結構真面目だから…」

 

 飛鳥がそう考えていたその時、インターホンが鳴り、飛鳥が玄関に出た。そこにはコンシェルジュの女性がいた。

 

飛鳥「どうされました?」

「実は…」

 

 コンシェルジュから用件を聞かれて、飛鳥はぎょっとした。

 

 

飛鳥「そ、そうですか…分かりました…(マジかよ…)」

 

 と、飛鳥は驚きが隠せなかった。

 

 

つづく

 




さて、今回は「アレスの天秤」のキャラが出ています。

 原作の相違点。

・ 不動たち真・帝国メンバーは帝国学園のサッカー部の生徒。
・ 湿川が登場していて、1年生。
・ 真・帝国に影山は関与していない(現在も投獄中)。
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