第48話
前回までのあらすじ
飛鳥の元に帝国イレブンが現れ、不動たちにリベンジをする為に鍛えてほしいという依頼があった。鬼道がいる手前、どうすれば良いか悩んだ飛鳥だったが、交換条件をのむという佐久間達の言葉に、飛鳥は自分の言う事をちゃんと聞くという条件で、鍛える事にした。
果たして…。
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翌日、飛鳥はいつも通り雷門イレブンのコーチをしようとしたが…。
「鬼道!!」
「鬼道さん!!」
鬼道が練習にやって来たのだ。
飛鳥「数日間休めって言ったのに…」
飛鳥がそう呟くと、鬼道はそれを無視するかのように飛鳥の元にやって来た。
鬼道「ご迷惑をおかけしました」
飛鳥「……!」
鬼道が頭を下げた。
鬼道「オレはもう大丈夫です。練習に参加させてください」
飛鳥「……」
このまま腐っていても何も進まないと言う事を理解したのか、鬼道の表情に迷いはなかった。
飛鳥(流石元帝国学園のキャプテンなだけあって、しっかりしてるなぁ…)
飛鳥「…そう。でも、昨日みたいなことをしてたらまた彼に怒られるよ」
鬼道「!」
鬼道は豪炎寺の方を見た。豪炎寺は鬼道の顔を見ていたものの、特に何も言わなかった。すると円堂達が集まってきた。
半田「そういえば雷門と帝国のどっちに行くかって話はどうなったんだよ」
鬼道「雷門に残る」
「!」
鬼道がそう決断すると、皆が驚いたが安心した表情を見せた。
円堂「そっかぁ…」
豪炎寺「……」
ただ、豪炎寺をはじめ、一部のメンバーは怪しんでいた。本当にそれが本心なのかと。
飛鳥「さあ、今日も練習だ!」
「はい!!」
飛鳥の号令で雷門イレブンは特訓を続けようとしたが、
目金「ちょっと待ってください。帝国と雷門のどっちに行くか決めたら、鬼道くんに何があったかをお話するんじゃありませんでしたか?」
という目金の言葉に皆がはっとした。
飛鳥「流石だぜ目金くん」
目金「皆の目は誤魔化せても、僕の目は誤魔化せませんよ?」
と、目金は眼鏡を逆行させてどや顔をした。
壁山「全く調子が良いんだから…」
栗松「その活躍をもうちょっと試合の方に回してほしいでやんす…」
目金「何か言いましたか?」
円堂「そうだった。コーチ、鬼道に一体何があったんですか!?」
鬼道「円堂」
円堂が飛鳥から話を聞こうとすると、鬼道が円堂に呼びかけた。
鬼道「もういいんだ」
飛鳥「いや、それじゃ円堂くん達が納得しないよ。仕方ない。話が聞きたい子はミーティングルームにおいで」
と、飛鳥がそう言うが全員が来た。
飛鳥「ですよね」
夏未「当り前です」
土門「あの状況で練習なんて続けたら、空気読めない奴だと思われますし…」
鬼道「……」
鬼道の面もちは暗く、円堂や春奈は心配そうにしていた。
飛鳥「まあいいや。鬼道くんがなんでおかしかったか話すね」
鬼道「……」
飛鳥「簡単に話すとね。雷門サッカー部にいる理由がなくなって、どうするか迷ってたんだ」
「え?」
飛鳥の言葉に皆が驚いた。
飛鳥「ほら、鬼道くんって元々佐久間くん達の仇を取るために雷門中に入った訳じゃん。そして仇だった世宇子中を倒して、フットボール・フロンティアで日本一になった。で、これからどうするかって話だよ」
栗松「そ、そうだったでやんすか…」
壁山「確かにそうっスよね…」
栗松、壁山をはじめ大半のメンバーが納得をすると、春奈は鬼道を見た。だが、鬼道の異変に気付いていた。
半田「まあ、鬼道が雷門に残るならそれでいいけどさ」
マックス「またあの帝国イレブンと戦うってのもいいよね」
鬼道「!!」
マックスの発言に鬼道が強く反応すると、飛鳥がまずそうな顔をした。
染岡「…どうした? 鬼道」
鬼道「す、すまない…」
豪炎寺「……」
その時だった。
夏未「コーチ。もう隠す必要なんてありませんわ」
「!?」
夏未が飛鳥を見た。
夏未「本当の事を話してくださる?」
飛鳥「もしかして、帝国の事調べた?」
夏未「ええ」
飛鳥「……」
飛鳥と夏未が見つめ合うと、円堂がキョロキョロ見渡した。
円堂「ど、どういう事だよ」
飛鳥「まあいいか。えっとね、佐久間くん達、サッカー部から追い出されたんだよ」
飛鳥の言葉に一瞬間が空くと、雷門イレブンは傘美野中に響き渡る程の絶叫した。
夏未「ちょっと!! 傘美野中の皆さんに迷惑でしょ!!」
飛鳥「雷門さん。こうなるから黙ってたのに…」
飛鳥の言葉に夏未がきっと飛鳥を睨んだ。
円堂「さ、佐久間達が追い出されたって…!!」
風丸「どういう事ですか!?」
飛鳥「えっとね。クーデターにあったんだよ。佐久間君たちのやり方が気に入らないっていう子たちからの」
一之瀬「クーデター?」
土門「そんな事する奴がいるなんて…」
土門はかつて帝国学園のサッカー部に所属していて、どういう部だったかを知っていたので辟易していた。
飛鳥「佐久間くん達現レギュラーとそのクーデター軍がサッカーで勝負をして、負けた方がサッカー部を強制退部だったんだけど、結果はクーデター軍の勝ち。負けた佐久間君たちは追い出されたって訳」
飛鳥の言葉に円堂達は激しいショックを受けると、鬼道は歯ぎしりをして震えていた。
秋「…もしかして、コーチはこの事を知ってて、鬼道くんに帝国に戻るかどうかを聞いたんですか!?」
飛鳥「いや、オレはこの事を知った時は、すでに佐久間くんたちは…」
春奈「そ、そんな…!!」
皆が鬼道を見ると、鬼道は佐久間達の事を想いだして、悔しさで震えあがっていた。
鬼道「…コーチ」
飛鳥「……」
鬼道「一つ聞き忘れていた事があります。佐久間達と連絡が取れない件について…。何か知っているでしょう」
飛鳥「知ってるよ。だって昨晩、佐久間くん達うちに来たもん」
「!!?」
飛鳥がそう言うと、鬼道は激しく動揺した。
鬼道「ど、どういう事ですか!? 佐久間達がコーチのもとに来たって!!」
飛鳥「…まあ、簡単に話すとね。鬼道くんには今まで頼ってばかりいたから、今回は鬼道くんの力なしで今回の騒動を解決したいって言ってたんだ。特にキャプテンになった佐久間くんがね」
鬼道「佐久間…」
鬼道の脳裏には佐久間が思い浮かぶと、円堂が鬼道の事を心配そうに見ていた。
鬼道「それで…佐久間達とどんな話をしたんですか?」
飛鳥「……」
鬼道「教えてください!!」
鬼道の問いに飛鳥は正面を向いて、答えを返した。
つづく