飛鳥がGKになり、比得の皇帝ペンギン1号を片手で止め、ロングシュートで2点目を制した。
この事実に不動は焦りを感じ始めた。
小鳥遊「不動! 完全に押されてるじゃないのよ!!」
日柄「ちゃんと考えてるんでしょうね!?」
不動「とにかくお前らは隙を狙って皇帝ペンギン1号を撃て。オレがボールを奪ってやるよ」
不動がそう言うと、飛鳥は手を上げた。
飛鳥「ポジションチェンジ!」
「えっ!?」
そして…。
FW 寺門 飛鳥
MF 咲山 鬼道 洞面
辺見
DF 成神 五条
大野 万丈
GK 源田
秋「今度はFW!?」
飛鳥がフィールドプレイヤーのユニフォームを着てFWの位置にいた。
少林寺「前にポジションは全部出来るって聞いてましたけど…」
「えっ!!?」
皆が少林寺を見つめた。
風丸「あのスピードとキック力なら、FWにも向いてるかもな…」
豪炎寺・染岡「……」
**************
そして笛が鳴ると、比得が相馬にパスをすると、
不動「オレにボールを渡せ!!」
相馬「!!」
相馬が不動にパスを渡そうとしたが、飛鳥が瞬時にカットした。
「!!?」
飛鳥「悪いな。3点目もすぐに貰う事にするよ」
そう言って飛鳥はMF、DFを軽々とかわして、ゴール前に来た。
片倉「こ、来い! さっきみたいには…」
飛鳥がシュートを放つと、片倉が構えだした。すると源田は構えに見覚えがあったのか、焦っていた。
源田「あの技は…!!」
片倉「ビーストファ…」
片倉が技を出そうとした瞬間、ゴールを割られてしまった。飛鳥のシュートが早すぎて、ついていけなかったのだ。
王将「ゴール!!! 一丈字が3点目を奪取したー!!!」
王将のアナウンスに今度は観客も大歓声を上げた。
円堂「す、すげぇ!! 一丈字コーチ!!」
目金「流石エイリア学園最強チームの元キャプテンというだけあって…。脱帽せざるを得ませんね」
円堂達も興奮し、円堂や塔子は席から立ち上がっていた。
鬼道、寺門が言葉を失っていた。
鬼道「エイリア学園のトッププレイヤーの実力がこんなものとはな…」
寺門「とてもじゃねぇがついていけない。本当に何者なんだ? あのコーチ…」
鬼道「分からない。だが、これからもオレ達がレベルアップをするのに不足はない」
鬼道と寺門の所にもどってきた飛鳥は、作戦の指示を傳えた。
飛鳥「オレがハットトリックを決めたら、あとはあっちにシュートを撃たせないようにボールをキープして。難しそうならドリブル技使っていいから」
鬼道「分かりました」
寺門「ああ…」
そして更に飛鳥はまたボールを奪取した。
不動「させるかァアアアアアアアアアアアア!!!!」
不動が飛鳥を追いかけて何としてても、ボールを奪おうとしたが追いつけず、そのまままたゴールを奪った。
「そ、そんな…」
不動チームは飛鳥の圧倒的な実力に絶望していた。
飛鳥「さて、ここまでだな…」
「!?」
飛鳥が手を上げた。
飛鳥「選手交代!! 私と恵那くんを交代します!!」
不動「!!?」
飛鳥は恵那と交代をする事を宣言した。
飛鳥「じゃ、後は宜しくね。鬼道くん」
鬼道「はい」
飛鳥がベンチに下がろうとすると、不動が突っかかった。
不動「待て!!」
不動の言葉に飛鳥が振り向いた。
飛鳥「話は試合が終わってから聞くよ。じゃあね」
そう言って飛鳥はその場を去って恵那と交代した。
春奈「コ、コーチ…」
飛鳥「今頃後悔してるだろう。コーチを出しても良いなんて大口を叩いた事」
飛鳥が笑みを浮かべた。
飛鳥「まあ、本当に出る奴があるかって話だけど、皇帝ペンギン1号を撃たせる訳にはいかないからね。最初GKになって止めた事で、彼らの中ではもう勝ち目はないと思ってるんじゃないかな」
「!」
飛鳥「人が完全に調子が崩れる時ってどんな時か分かるかい?」
春奈「わ、分かりません…」
飛鳥「予想外の事態が起きた時だ。デスゾーンだってそう。前の試合では止めれたのに、今回の試合は止められなかった。おまけにハットトリックも達成されて、残りのメンバーも何を仕掛けてくるか分からない。多分不動くん達は鬼道くん達の事を得体のしれない何かだと思ってると思うよ。君達が雷門中で最初にジェミニストームと見た時と同じようにね」
飛鳥の言葉に春奈も佐久間もそのほかの選手も驚きを隠せなかった。
そして笛が鳴って試合が始まった。比得が相馬にパスを渡したが、完全にあきらめムードだった。
不動「こっちにボールをよこせ!! オレが…」
その時、寺門が相馬からボールを奪った。
不動「チッ!! このバカが!!!」
不動はボールを奪おうとしたが、帝国は奇麗なパスで不動たちにボールをわたらせないようにした。すると、五条は辺見、万丈に合図を送った。
五条「こっちにパスを!」
辺見「おう!」
辺見は五条にパスを渡すと、不動がボールを奪いに来た。すると五条は笑みを浮かべて不動にボールを渡した。
春奈「えっ!? なんで!?」
飛鳥「……」
五条の行動に春奈は驚いたが、飛鳥と佐久間は確信した。
不動「馬鹿な奴だ」
辺見「馬鹿なのはどっちだ?」
「!?」
不動は五条、辺見、万丈に囲まれて、そのまま突進させる。
五条・辺見・万丈「シグマゾーン!!!」
不動はぶっ飛ばされて、辺見がボールを奪った。
辺見「洞面」
辺見が洞面にパスを渡すと、不動が立ち上がった。
不動「させるかァアアアアアアアアア!!!」
不動が猛追をすると、小鳥遊が洞面の前に立ちはだかった。
洞面「!」
小鳥遊「サイクロン!!」
小鳥遊が足を後ろに揚げて振り上げると、竜巻が起きて、洞面が吹き飛ばされた。
鬼道「洞面!」
小鳥遊「不動!!」
小鳥遊が不動にパスを送ると、鬼道が防いでそのままボールの小競り合いが行われた。
不動「チッ…!」
鬼道「この試合はオレ達が勝つ。帝国学園サッカー部の為にもな」
不動「うざってぇんだよ!!」
そう言って不動は強引に鬼道を突破しようとするが、鬼道は食らいついた。
不動「オレは勝たなきゃいけねぇんだよ!!」
鬼道「仲間を犠牲にしてまで得る勝利に一体何の価値がある!! それではまるで…」
不動「影山のようだ。だろ? てめぇには分かんねぇつってんだろ!!」
不動が鬼道に対してラフプレーを仕掛けるが、鬼道も屈することなく、不動を足止めしていた。
鬼道「お前のチームメイト…比得達が今の帝国サッカー部に不満を抱いている事、お前の昔の事、オレがお前達の為に全部はしてやれない」
不動「だったら首突っこむんじゃねぇよ!」
鬼道「だが、皇帝ペンギン1号を使っていい理由にはならないし、帝国サッカー部はお前達だけのものじゃない! 何としてでもオレはお前たちをここで止める!」
不動「帝国を見捨てたお前が言える口か!!」
鬼道「オレは見捨てた訳じゃない!! 影山によって傷つけられた佐久間達の仇を討つ為に雷門に入ったんだ!」
不動「ほざけよ!!」
鬼道と不動の激しい競り合いに、皆は心を打たれた。飛鳥も鬼道と不動の戦いを見守っている。
鬼道「そして今も…佐久間達や…お前達のに戦っている!!」
鬼道が突破すると、
鬼道「寺門!! 洞面!! デスゾーン2だ!!」
寺門・洞面「!!」
鬼道の号令で寺門と洞面が動いた。
不動「させるかァアアアア!!!」
不動が猛追して、後ろから鬼道にスライディングタックルを仕掛けようとした。
秋「ああっ!!」
円堂「鬼道!!」
だが、スライディングタックルを鬼道はジャンプして、先に飛んでいた寺門と洞面にタイミングを合わせて飛んだ。
春奈「お兄ちゃんもデスゾーン2を!!?」
飛鳥「……」
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回想
飛鳥「何とかものにしてきたな」
佐久間「ハァッ…ハアッ…ありがとうございます」
試合前、飛鳥は鬼道と共にデスゾーン2の様子を見ていた。
飛鳥「どうだい?」
鬼道「ええ。間違いなく進化できています」
洞面「鬼道さんが言うなら、間違いないね…」
寺門「ああ…」
鬼道の言葉に寺門と洞面は安心をしていた。
飛鳥「あ、でも当日までに3人の誰かが打てなくなるなんて事を考えられるから…鬼道くんもデスゾーン2使えるようにしといてね」
寺門・洞面「ええっ!!?」
鬼道「戦略の幅を広げる点ではオレも賛成です。不動たちが何を仕掛けてくるのかは分かりません。タイミングはオレの方で執ります」
飛鳥「頼むよ」
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鬼道・寺門・洞面「デスゾーン…2!!!」
鬼道・寺門・洞面がデスゾーン2を繰り出した。またしても不動チームのMF、DF陣をかわしてゴールキーパーの片倉に向かおうとしていたが、片倉の前に不動が立ちはだかった。
佐久間「不動!!?」
不動「させるかよ!!」
不動はシュートを蹴り返そうとした。
不動「ぐうっ…ううっ…!!」
小鳥遊「やめな不動!!! そんな事したらあんたの脚が!!」
不動「…うぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
不動が一思いに叫んだが、シュートの威力は弱まらず、そのままボールと一緒にゴールネットに叩きつけられた。片倉は不動ごと受け止めようとしたがそれも敵わなかった。
王将「ゴール!! 鬼道・寺門・洞面がデスゾーン2を繰り出し、追加点を入れたー!!!」
王将がアナウンスをすると、試合終了のホイッスルが鳴った。
つづく