1軍をかけた試合は佐久間チームの勝利で終わった。
「やったやったー!!!」
観客席で見ていた雷門イレブンも喜んでいた。
寺門「いよっしゃあ!!」
洞面「これでレギュラー復活だね!! ちょっとズルい気もするけど」
帝国イレブンも喜んでいると、鬼道もそんな彼らを見て笑みを浮かべていた。
不動「……」
試合終了のホイッスルを聞いて、無表情で天井を見上げていた。
片倉「ふ、不動さん…」
片倉が不動に声をかけると、不動は何も言わずに起き上がり、そのまま中央に向かって歩き出した。
不動「整列するぞ。お前も来い」
こうして両チームが互いに礼をして、試合は完全に終わった。
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不動「勝負は完全にオレ達の負けだ」
「……」
佐久間チームと不動チームが向き合っていた。不動は今までのような悪態を見せず、無表情で言い放った。
不動「皇帝ペンギン1号のデータもお前達に返してやるよ。負けたんじゃもう必要が無いからな」
不動の言葉に鬼道たちが反応した。
佐久間「不動…」
不動「そんな面するなよ。キャプテン」
「!」
不動は佐久間を見た。
不動「勝負はお前たちが勝ったから、帝国サッカーの1軍はお前達だ。試合に負けた負け犬はサッカー部を去る事にするよ。じゃあな」
不動が背を向けて去ろうとしたが、
佐久間「不動」
佐久間が不動を呼び止めて、不動が佐久間を見た。
佐久間「その前に帝国学園サッカー部全体で、これからの方針を話し合う。その後に退部をするなり好きにしてくれ。お前には…洗いざらい聞きたい事がある」
不動「…フン」
不動が笑み浮かべると、そのまま佐久間の誘いを承諾した。
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佐久間「鬼道、一丈字コーチ。本当にご迷惑をおかけしました」
飛鳥「良いって事よ。オレも久しぶりに試合に出れて楽しかったし」
帝国学園前。雷門イレブン、その関係者、帝国イレブン、が集まっていて、佐久間の言葉に飛鳥が苦笑いした。
飛鳥「…まあ、色々好き勝手やったけど」
洞面「流石エイリア学園最強チームのキャプテンに内定してただけあって、違うね~」
飛鳥「もうネタバラシするけど、マスターランク皆こんな感じだよ」
鬼道「!!?」
鬼道が飛鳥の方を見ると、飛鳥は平然としていた。
飛鳥「まあ、それは置いといて。皆今日までご苦労さん。帝国サッカー部の再建は…」
佐久間「ここからはオレ達だけでやります。オレがキャプテンとしてしっかりしないと」
飛鳥「…そっか」
佐久間の言葉に飛鳥と鬼道、春奈が笑みを浮かべた。
源田「オレ達は更に修業を積みなおして、雷門中にまた挑む。それまで待っているがいい!」
洞面「そんな事言って、今日の試合全然良い所なかったじゃないですか~」
源田「うっ…」
洞面の言葉に源田が困惑すると、帝国イレブンが笑い、飛鳥が申し訳なさそうにした。
佐久間「そうだ。礼と言っては何だけど、。オレ達が使っていた「デスゾーン2」、ぜひ雷門でも使ってくれ」
鬼道「いいのか?」
佐久間「ああ。鬼道、お前がいればモノに出来る筈だ」
鬼道「佐久間…」
すると鬼道と佐久間が握手した。
鬼道「ありがとう」
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帝国学園のとある場所
不動「……」
不動は一人で佇んでいた。脳裏には飛鳥が今日の試合でハットトリックを決めた事と、ベンチに下がろうとしていた時の事がよみがえっていた。
それを思い出して、不動が歯ぎしりをしていた。
「ここにいたの。不動」
不動「……」
不動の後ろには小鳥遊達がいた。小鳥遊はいつも通りにしていたが、他のメンバーは申し訳なさそうにしていた。
不動「オレは負けた」
「!」
不動「後はもう好きにしろ」
不動がそう言うと、小鳥遊が一息ついた。
小鳥遊「だからここにいるんじゃないか」
不動「…なに?」
不動が小鳥遊の方を見た。小鳥遊は目を閉じた。
小鳥遊「あんたの考えてる事は分かってた。アタシらの事を自分がのし上がる為の捨て駒だって考えてたこともね。だから皇帝ペンギン1号は自分だけは覚えず、アタシらにさせた。違う?」
不動「…で? そんなあぶねー奴になんでついてくるんだ? ドMなのか?」
小鳥遊「あんたこそ、1回負けたからって逃げるの? それだったら考えなきゃいけないけど」
不動「逃げる? このオレが? はっはっはっはっはっは!!」
不動が高笑いした。
不動「寧ろオレの心に火が付いたんだ。今よりも鍛えこんで必ずあのカマ野郎に一泡吹かせてやるんだよ」
不動の態度に小鳥遊は呆れた。
小鳥遊「…どこまでも仲間と一緒にやる気はないのね」
不動「お前らじゃどうせついてこれねーよ。簡単にボールを取られやがって」
小鳥遊「だったらあんたがアタシらを鍛えてよ。あのコーチが出来る事を出来ないんじゃ、夢のまた夢だよ」
不動「言うねぇ…。流石オレに声をかけて来ただけの事はある」
小鳥遊の挑発に不動は笑みを浮かべた。
郷院「オレもやるぜ不動!! あのままでかい顔させてられねぇ!!」
比得「ヒエッヒエッヒエッ」
「オレもやるぜ!!」
「オレも!!」
「オレも!!」
不動チームが一丸となったが、日柄がある事に気づいた。
日柄「そういえばキャプテン。あの一丈字飛鳥になんでベンチに下がったのか聞かなくて良かったんですか?」
不動「…お前に教える義理はねぇよ」
そう言って不動はその場を後にしようとした。
不動はもう分かっていた。何故飛鳥があの時ベンチに下がったのか。それは自分の役目を終えたからだった。自分たちの最大の必殺技である「皇帝ペンギン1号」を簡単に止めてみせ、圧倒的な力で3点も奪取し、自分たちに大きなプレッシャーを与える。そしてなおかつ、当事者である鬼道たちに後を任せる事で、鬼道たちの成長と、華を持たせようとしていたのだった。
そして自分が最後デスゾーン2を必死になって止めようとした時、ふと飛鳥の方を見ると、飛鳥は「それでいい」という表情で自分を見つめていたのを思い出した。
不動(気に食わねぇぜ…。どこまでも透かした顔をしやがって…!!)
不動は空を見上げた。
不動(必ずギャフンと言わせてやるぜ。一丈字飛鳥!!)
つづく