不動たちとの試合を終えて、飛鳥一行はイナズマキャラバンで帰路についていたが、
円堂「今日の試合、とても凄かったです!!」
飛鳥「あ、ありがとう…」
円堂がキラキラした目で隣に座っていた飛鳥に話しかけたが、飛鳥は苦笑いした。
半田「まさかあんなに強いなんて…」
栗松「道理でジェミニの奴らがビビる筈でやんす…」
壁山「正直勝てる気がしないっス…」
飛鳥「言っとくけど、マスターランクチームのスピードはあんな感じだからね」
「!!!?」
飛鳥の発言に壁山たちは絶句した。
鬼道「コーチ」
飛鳥「なに?」
鬼道「一体今までどんな鍛錬を…」
飛鳥「そうだなぁ…。まあ、普通に練習してたって言っても、納得しないよね」
マックス「普通の域を超えてますもん」
飛鳥の言葉にマックスが困ったように突っ込んだ。
飛鳥「まあ、吉良財閥が所有してたトレーニングルームとかで鍛えてた。って言ったらいいかな?」
栗松「や、やっぱり財力でやんすか…」
飛鳥「そんな事はないさ。考えればいくらでも鍛えようがあるよ。白恋のスノーボードみたいにね」
飛鳥の言葉に確かに…という顔で、一之瀬や土門は納得した。
飛鳥「まあ、また明日から練習だ」
「はーい」
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飛鳥「ただいまー」
飛鳥がマンションに帰ってきた。ちなみに名前は『永世マンション』である。
「あ、お帰りなさーい」
エントランスにはイオ、ギグ、コラルがいて飛鳥に声をかけた。
イオ「帝国の試合どうでした?」
飛鳥「勝ったぜ」
ギグ「そうですかー」
コラル「良かった良かった」
ジェミニストームも佐久間達の勝利を喜んで、すっかりいい奴らになっていた。そんな時、飛鳥のスマホに着信が鳴った。
飛鳥「あ、悪い。ちょっと電話に出るわ」
飛鳥が電話に出た。
飛鳥「もしもし」
「もしもし飛鳥? 私よ」
飛鳥「姉さん!」
電話の相手は吉良瞳子で、イオ達も反応した。
飛鳥「どうしたの?」
瞳子「どうしたもこうしたもないわ。なんで連絡をくれないの」
飛鳥「あー…ごめん。最近忙しくてさ」
瞳子「私と仕事どっちが大事なの?」
飛鳥「それ言いたいだけでしょ。いつの時代の決まり文句なの?」
瞳子の言葉に飛鳥は呆れていた。瞳子は無表情でドライだったが、少なくともこんなジョークを言うような人ではなかった。
瞳子「冗談よ」
飛鳥「まあ、冗談を言えるだけ余裕が出てきて何よりだけど、用件は何?」
瞳子「ジェミニ以外の子たちとの面会が許されるようになったわ」
飛鳥「本当ですか!? それじゃあそっちに行っても…」
瞳子「問題ないけど、私としては一回個人であなたに二人で話がしたいわ」
飛鳥「何かドアを叩く音が聞こえるんですけど、大丈夫ですか?」
瞳子「大丈夫よ、問題ないわ」
飛鳥「大丈夫じゃない、問題だ!!」
瞳子がキリっと言うと、飛鳥がツッコミを入れた。
飛鳥「まあ、何はどうであれ近いうちに顔を出しに行くね…。何とか金は調達して…」
瞳子「そうね。絶対に喜ぶわ」
飛鳥「それじゃあね」
瞳子「待ちなさい。久々に電話をかけたというのに、もう切るつもりなの?」
飛鳥「姉さん。アンタはいつからそんな人間になってしまったんだ…」
お察しの通りかと思うが、吉良星二郎の娘、吉良瞳子は飛鳥にぞっこんだった。前から読者は疑問に思っていただろう。なんでこんな奴がエイリア学園の女子メンバーにモテるんだと。それは次の章で明らかにします。
飛鳥(なんかもう本当にごめんなさい)
飛鳥は何とかうまい事を言って電話を切った。
飛鳥「おう、お前ら聞いてたな」
ギグ・イオ・コラル「は、はい…」
飛鳥「近いうちに会いに行くから、予定空けとけ」
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そして数日たったころ、雷門イレブンのコーチをしていた。円堂達は一生懸命練習に励んでいる。飛鳥と春奈はベンチに座っていた。
春奈「良かったですね。佐久間さん達。無事に仲直り出来て」
飛鳥「そうだね」
先日、佐久間から鬼道あてにメールが来たのだ。
内容は帝国のこれからの方針についてで、試合の次の日、佐久間は帝国学園サッカー部部員全員を集めて、話し合いを行った。そして全部員を対象に1軍の座をかけたサバイバルが行われた。
結果としては帝国学園現1軍が全員合格し、残りの1人は不動だった。だが、不動は1軍を辞退して、小鳥遊達チーム不動を率いる事を宣言すると、佐久間は温情としてそれを承諾した。
飛鳥「結構大きく出たねぇ。どっちも」
春奈「お互い良い刺激になっているそうですよ」
飛鳥「そうだな」
飛鳥が不動の顔を思い浮かべると、笑みを浮かべた。
飛鳥「それなら、試合に出た甲斐があったな。色々出しゃばっちゃったっけど」
春奈「そういえばコーチはプレイヤーに戻らないんですか?」
飛鳥「今はお休みだ。コーチをするのも楽しいからね」
飛鳥が練習をしている雷門イレブンを見つめた。
飛鳥「お日さま園たちはまた違う輝きを見せてくれて、育て甲斐があるよ」
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そして夕方…。
飛鳥「今日の練習はここまで!」
「ありがとうございました!」
今日もいつもと同じように練習が終わると…。
「飛鳥さん」
レーゼが現れた。
飛鳥「リュウジ!」
円堂「緑川!?」
レーゼ「もう練習は終わりですか?」
飛鳥「ああ。どうした?」
レーゼ「迎えに来ました!」
飛鳥「あ、ああ…。そういやそんな事言ってたな…」
円堂「どういうことですか?」
飛鳥「ああ。今日は雷雷軒で食事をする約束をしてたんだ。じゃ、また明日!」
レーゼにそう言われて、飛鳥はレーゼと共に雷雷軒に向かった。
そして飛鳥が雷雷軒に入ると…。
「あっ! 来た!」
「お疲れ様でーす!」
ジェミニストームのメンバーがいて、飛鳥にねぎらいの言葉をかけた。
飛鳥「お前らもお疲れさん」
響木「来たか」
飛鳥がカウンターに立っている響木を見た。
響木「今日はこいつ等のおごりだ。好きなだけ食っていけ」
飛鳥「えっ?」
響木「いつも頑張っているお前に何かしてやろうと、内緒でな」
響木の言葉にレーゼ達ははにかんだ。
レーゼ「その…今のオレ達がいるのは飛鳥さんが裏で頑張ってくれてるお陰です。最初はオレ達の代わりに、壊された学校の人たちに謝りに行ったり、オレ達が仕事をしている時も、ちょくちょく顔を出して声をかけてくれたりしてましたね。バイト代も貰えるようになって、皆で考えたんです。でも、オレ達の金じゃこれくらいしかできなくて…」
飛鳥「リュウジ…」
飛鳥が真剣な顔をしてレーゼを見つめていた。
飛鳥「そこまで気を遣わなくて良かったんだぜ? でも…ありがとう」
飛鳥が穏やかな笑みを浮かべて、レーゼ達を見た。レーゼ達はその顔を見て少し感極まった。
飛鳥「ここまでやってくれて、オレは本当に幸せ者だ。あんだけ世話を焼いてたお前達にこんな事をされる日が来るなんて、やっぱり頑張ってみるもんだなぁ」
そう言って飛鳥は苦笑いすると、飛鳥は目を閉じた。
飛鳥「…うん。決めた」
レーゼ「?」
飛鳥がレーゼ達をまた見つめる。
飛鳥「お前達。今度の休みは空いてるか?」
「え、ええ…」
「まあ…」
飛鳥「愛媛に行くぞ」
「え?」
ジェミニストームのメンバーの言葉に飛鳥は凛とした顔でこう言った。
飛鳥「あいつらに会いに行こう。面会がやっとできるようになったんだ」
飛鳥の言葉にレーゼ達は一瞬驚いた顔をすると、何かちょっと気まずそうだった。
飛鳥「分かるぜ。あいつらの横暴ぶりはオレも見てたからな。だからこそ見て欲しいんだよ。今のお前達を」
「!」
飛鳥「此間の帝国の試合を見て思ったんだ。お前達もまた一歩踏み出す時だって」
レーゼ「飛鳥さん…」
飛鳥「分かったな?」
「は、はい!」
飛鳥「良い返事だ。それじゃ、腹ごしらえと行くか!」
こうして、飛鳥は雷雷軒でジェミニストームと一緒に食事にありついた。
飛鳥「じゃあこれを1つ」
レーゼ「えっ、これめっちゃ高い奴…」
飛鳥「冗談だよ。いざって時は自分で払うさ」
それはそれはとても大賑わいだったという。
つづく