その夜…。
飛鳥「なあ、誰かマキをみかけなかったか?」
食事の時間になってもマキュアが来ないので、飛鳥が困惑しながら当時から園児だったバーンとガゼルに聞いた。
バーン「は? しらねーよ」
ガゼル「わたしがしるわけないだろう」
飛鳥「そうか…。ちょっと探してくる」
飛鳥が探しに行こうとすると、
「いいよ。あんなやつさがさなくても!」
「だいたい章介をなかしたあいつがわるいんじゃん」
「そうだよ! はんせいさせるべきだよ!」
そう言ってマキュアを探しに行くのを反対したが、
飛鳥「確かにマキは我儘だけど、そういう訳にはいかないよ。同じお日さま園の『仲間』なんだから。ここに来たら、ここにいるように言っといて。じゃ」
「あっ!!」
飛鳥はそのまま食堂を飛び出して、お日さま園内の目立たない所にあるブランコに向かった。マキュアがブランコに乗って揺れていた。
飛鳥「やっぱりここにいたんだな。マキ」
マキュア「……」
飛鳥がマキュアに話しかけるが、マキュアは何も答えなかった。
飛鳥「皆心配してるぜ」
マキュア「うそばっかり。マキがあやまらないから、みんなおこってる」
飛鳥「…自覚はあるんだな」
マキュアの言葉に飛鳥が困惑した。
マキュア「つれもどしにきたならあっちいって。マキはひとりになりたいの」
飛鳥「あっそう。じゃああっちにいってるわ」
そう言って飛鳥は本当にどこかに行こうとすると、マキュアはブランコから降りて、泣きながら飛鳥を追いかけた。
マキュア「マキをひとりにしちゃダメ~!!!! え~ん!!」
飛鳥「…ホントしょうがねぇ奴だな」
泣きわめくマキュアに対して困惑していた飛鳥。
飛鳥「章介にちゃんと謝るなら一緒にいてやる」
マキュア「……」
飛鳥「嫌ならもうずっと一人でいろ。お前が謝らないなら、オレも助けてやることはできない」
マキュア「やだ~!! ちゃんとあやまるからマキをひとりにしないで~!! え~ん!!!」
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飛鳥「…って言う事があったなぁ」
マキュア「そ、そんなに泣いてないもん!!/////// ちょーっとだもん!!//////」
飛鳥が春奈達に説明すると、マキュアが恥ずかしがっていた。壁山、栗松、春奈はそんなマキュアに対して可愛いと思っていたが、栗松が我に返った。
栗松「で、結局ギグにはちゃんと謝ったでやんすか?」
飛鳥「謝ったよ。何とかね…」
マキュア「…でも、それが恋の始まりだったの」
「え?」
マキュアが頬を染めて春奈達を見た。
マキュア「マキ。お日さま園に来るまではずっとわがまま放題だったから、皆に見放されて一人になった時、すごく心細かったの。でも、飛鳥がずっとそばにいてくれて…」
春奈「あー。心細い時に手を差し伸べてくれる男の人に女の子は弱いですよねー」
春奈の言葉に栗松がメモを取っていて、壁山が呆れていた。
飛鳥「そういやあの後、オレによくくっついてたっけ…」
マキュア「だって好きになったんだもん」
飛鳥「そう…」
マキュアの言葉に対して、飛鳥が困惑しながら突っ込むと、他のテーブルから嫉妬の眼差しが送られていた。
飛鳥「さあ! 皆食べよう食べよう!!」
飛鳥が現実逃避をしようとすると、
ポニトナ「本当に飛鳥さんはその頃から、皆の事を大事に思ってたのよねぇ」
ポニトナこと仁藤穂香が話しかけてきた。
飛鳥「穂香…」
ポニトナ「私はそういう一生懸命な所に魅かれちゃったわ」
飛鳥「そ、そう…」
ポニトナ「たまに無理をし過ぎて、倒れるんじゃないかっていうくらい」
飛鳥「ありがとう。じゃあ今度からはお前が止めてくれ。こいつらの喧嘩」
春奈「なんか、便利屋みたいに使ってません!?」
飛鳥の言葉に春奈がツッコミを入れると、夏未と秋も食って掛かった。
夏未「レディーの扱いがなっていないんじゃなくて?」
秋「わ、私もそう思います!」
飛鳥「ですよね」
マネージャー達からの攻撃に飛鳥が困惑していたが、
ポニトナ「いいのよ。それでお役に立てるなら」
春奈「あ、えっと…」
ポニトナ「仁藤穂香よ。所属は「プロミネンス」。宜しくね」
秋(な、何か色気のある人だなぁ…)
ポニトナが妖艶な笑みを浮かべると、秋が辟易した。
ポニトナ「正直。女同士の喧嘩に男が首を突っ込むものじゃないわ。それはあなた達も分かる筈よ?」
秋「た、確かに…」
ポニトナ「この人は皆の為に無理をする人だから、少しでも頼ってくれたら嬉しいわ」
ポニトナの言葉に飛鳥は感心していた。
春奈「で、どうですか? コーチ」
飛鳥「ここまで気づかいが出来るとポイント高いね」
マキュア「マ、マキだって出来るもん!!」
飛鳥「音無さん。男だろうと女だろうと大事なのは『思いやり』だぜ。さっきけんかを止めてくれって頼んだけど、勿論便利屋として使う訳じゃない。もしそれで傷ついたら穂香の為に怒るぜ」
春奈「コーチ。そういう事を言うからモテるんだと思いますよ」
飛鳥「当然の事だろう」
春奈「何て言うんでしょうねぇ。優しくて頼りになりますよね。コーチって」
マキュア「それ!!」
春奈の言葉にマキが感心すると、栗松が更にメモを取った。すると、
レアン「あ、飛鳥!」
飛鳥「なに? 杏」
レアン「しょ、食事が終わったら私と勝負しなさい! 今日こそ勝つわ!!」
飛鳥「明日まで取っといて」
ポニトナ「ちなみに杏は将来サッカー選手になるのが夢なんだけど、元からサッカーが得意だった飛鳥さんに対抗意識を燃やしてるうちに…」
レアン「へ、変な事言わないでよ!!!/////」
そう叫んで顔を真っ赤にした。
円堂「何かあっちは盛り上がってるな」
豪炎寺「そ、そうだな…」
鬼道「春奈に変な事を教えないで欲しい…」
円堂「だ、大丈夫だってばよ…」
ヒロト「ごめん。うちの者が…」
マキュアの話は円堂達にも聞こえていて、マキュアと春奈が仲良くなりだして、変な事を教えないか不安で仕方がない鬼道だった。
デザーム「それだけ飛鳥は皆に慕われていると言う事だ」
円堂「や、やっぱりそうなの…?」
デザーム「私の唯一の同窓生にして、最強の好敵手と呼ぶべき男だ! さて、次は千羽山中だ…」
円堂「まだやるの!!?」
と、楽しい食事会はしばらく続いた…。
つづく