飛鳥の諸注意と設備の説明が一通り終わると、ナニワ修練場での特訓が始まった。
風丸「イナビカリ修練場とはまた違うな…」
風丸が飛鳥と目金が行ったランニングマシンでトレーニングを始める。するとレベルがあがって、障害物が風丸の両足首に当たってそのまま倒れた。
飛鳥「気を抜いてるとすぐに落とされるよ。集中!」
風丸「は、はいっ!」
そして豪炎寺はシュートの練習をしていた。ゴールネットの前にはボールをはじくロボットが設置されており、シュートを打てばパンチングではねかえすというものだった。
豪炎寺「……」
この時豪炎寺はシュートを決める事もそうだが、ロボットを破壊するほどのパワーを求めていた。そして一人黙々と特訓をしていた。
MFとDFは大規模なランニングマシンで走っていて、飛鳥とクィールがコーチングをしていた。
鬼道「攻守の切り替えを速くするんだ! フォーメーションも崩すなよ!」
ランニングマシンが逆方向に作動すると、木暮、壁山、栗松が対応しきれず転倒し、そのままドミノ崩しとなって鬼道以外が転倒した。
飛鳥「まあ、反応の速さやスタミナは個人差があるからな…」
クィール「そんなノロノロしてたらルル達には勝てないッポ?」
「っ!!」
クィールが煽ると鬼道たちが反応した。
飛鳥「もう一度だ!」
「はいっ!!」
円堂は安定しない足場からシューティングマシーンから放たれるボールを受け止める訓練をしていた。
円堂「もう1本!」
****
暫くして…。
「集合!」
飛鳥が号令をかけると、雷門イレブンとジェミニストームが集結した。集結した彼らの目の前に大量のたこ焼き、お好み焼き、串カツといった大阪名物のフードがずらりと並んでいた。
飛鳥「大阪ギャルズのみんなから差し入れ貰ったよ」
「おおーっ!!」
リカママ「しっかり食べや!!」
「ありがとうございます!」
「いただきまーす!!」
と、雷門イレブンとジェミニストームが食事にありついたが、案の定取り合いになっていた。それを見て飛鳥は困惑していたが、ある事に気づいた。
飛鳥「…あれ? そういや豪炎寺くんがいないな。ちょっと呼びに行ってこよう」
飛鳥はシュートの練習場に向かうと、円堂も豪炎寺がいない事に気づいた。
練習場に向かうと、そこには息を切らしている豪炎寺がいて、ゴールネットの周りには無数のサッカーボールがあった。そんな様子を見て飛鳥は前に進んだ。
飛鳥「随分煮詰まってるようだね」
豪炎寺「!」
飛鳥の言葉に豪炎寺が反応した。
飛鳥「治からゴールを割るのはそう簡単じゃない。そう言ったけど、ちょっと肩に力が入り過ぎだよ」
飛鳥の言葉に豪炎寺が俯いた。
飛鳥「いったん休憩だ。栄養をつけないとケガにつながる。行こう」
豪炎寺「…分かりました」
飛鳥が豪炎寺を連れていこうとするのを見て、円堂は何も言わずに一足先に皆の所に戻った。
皆の所に戻ったが、沢山あったご馳走は全て選手たちに食べつくされてしまった。その光景を見た飛鳥はあっけに取られていた。
秋「ご、ごめんなさい。皆全部食べちゃいました…」
リカ「このデブが特に食っとったで」
壁山「デ、デブだなんて失礼っスね!」
栗松「あの気迫は試合で出すでやんすよ」
宍戸「そうそう」
取り合っていた所は目にしていたので、ある程度想定していた飛鳥は苦笑いした。
飛鳥「仕方ない…。豪炎寺くんだけ食べさせない訳にもいかないから、上でなんか買ってくるか…」
クィール「ルルが取っておいたッポ」
クィールがお好み焼きやたこ焼きを1パックずつ差し出した。
飛鳥「ルル」
クィール「そこのお前も食べるッポ」
飛鳥はクィールをじっと見つめた。手柄を横取りしたんじゃないかと疑いかけたが、クィールを信じることにした。
飛鳥「そっか。ありがとうルル」
そう言って飛鳥はルルの頭をなでると、ルルはメチャクチャ嬉しそうにしていた。パンドラとリームは苦笑いしていた。
飛鳥「豪炎寺くん。食おうぜ」
豪炎寺「…はい」
飛鳥と豪炎寺は遅れて食事をとったが、ルルも待っていたのか一緒に食べた。
***
そして午後も特訓に励んでいて、飛鳥が様子を見て回っていたが、円堂が声をかけてきた。
円堂「コーチ!」
飛鳥「ん?」
飛鳥が円堂の方を振り向いた。
飛鳥「どうかしたの?」
円堂「…豪炎寺、何かあったんですか?」
円堂の問いに飛鳥は口角を下げた。
飛鳥「自分の納得がいく結果が出せてないみたい」
円堂「えっ…」
飛鳥「此間のイプシロン戦で、パワー不足を痛感したみたいでさ。結構焦ってるね」
円堂「そ、そうだったんですか…」
円堂の言葉に飛鳥は横を見る。
飛鳥「まあ、一旦気の済むまでやらせてあげて。そこでまた煮詰まってたらオレがフォローに回るから」
円堂「わ、分かりました…」
そう言って円堂が去っていった。
豪炎寺は染岡と共にシュートの練習をしていたが、染岡が休憩している中豪炎寺はずっと続けていて、染岡も心配していた。
染岡「…なぁ。ちょっと休まねぇか」
豪炎寺「すまない。もうちょっとだけやらせてくれないか…」
豪炎寺はそう言ってまた練習を続けると、染岡は困惑していた。
****
回数を重ねる事につれ、慣れてきた雷門イレブンとジェミニストームは遂に最大レベルをクリアする事が出来た。
円堂「みんなクリアできたみたいだな!」
風丸「ああ。これでイプシロンとも戦える筈だ!」
豪炎寺「……」
厳しい課題をクリアして自信もついた円堂たちだったが、豪炎寺だけ浮かない顔をしていた。
円堂「豪炎寺…」
それに気づいた円堂と染岡も心配そうに見つめていた。
飛鳥「皆、クリアできたみたいだね」
飛鳥とクィールが現れた。
円堂「コーチ!」
円堂が声をかけると飛鳥は豪炎寺を見つめた。
飛鳥「…豪炎寺くんは、まだ納得のいく結果は出せてないみたいだね」
飛鳥の言葉に豪炎寺は何も言わずに俯くと、飛鳥はある事を考えた。
飛鳥「それだったら、今度は応用と行こうかな」
「え?」
飛鳥「ついてきて」
そう言って飛鳥は円堂たちをとある場所に連れて行くのだった…。
つづく