第78話
前回までのあらすじ
ナニワ修練場の総仕上げとして、ダミーのイプシロンと戦う事になった雷門イレブン。壁山、土門のアシストもありながらも円堂はゼルのシュートを止めた。
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そして雷門イレブンが上がっていき、ボールは豪炎寺に渡った。
円堂「行けぇ! 豪炎寺!」
飛鳥「……」
豪炎寺はボールを高く上げて上空にスピンした。
豪炎寺「ファイア…トルネード!!!」
豪炎寺のファイアトルネードがデザームの方へ飛んでいった。しかし、デザームは無表情で必殺技も使わずに止めた。
円堂・豪炎寺・染岡「!!」
飛鳥「……」
円堂達が驚くのをよそに、飛鳥はある事を確信した。
そしてそのまま試合は進んでいった。MF・DF陣はダミーイプシロンと互角に渡り合えるほどまでにレベルアップしていた。
秋「確実にレベルアップしてる!」
春奈「これならいけますよ!」
秋と春奈が燥ぐ中、夏未が飛鳥の表情が浮かない事に気づき、豪炎寺の事を気にしていると察知した。
そして豪炎寺や染岡がシュートを決めようとするも、デザームから点数はおろか必殺技も使われないという事態になっていた。
リカ「あいつ、めちゃくちゃ強すぎひん!?」
シュートを止めまくるデザームを見てリカが吠えるも、塔子がある事に気づいた。
リカ「ああもう! うちが出る! 試合出してぇや!」
飛鳥「もうちょっと待ってね」
「!?」
飛鳥が険しい表情をしているのに他のメンバーも気づいた。
0-0のまま、前半戦が終了した。
円堂「みんな! 確実にレベルアップ出来てるぞ!」
秋「この調子で後半戦も頑張ってね!」
豪炎寺「……」
円堂と秋の言葉に皆が意気込むが、豪炎寺は何も言えずにいて、染岡が心配していた。すると飛鳥が前に出た。
飛鳥「後半の指示を伝えるけど、いいかな」
「!?」
飛鳥が豪炎寺を見つめた。
飛鳥「まずFWだけど…豪炎寺くんと染岡くんはベンチに下がってくれる?」
「!!?」
飛鳥の言葉に皆が驚いた。
飛鳥「浦部さん入ってくれる?」
リカ「ええで!」
鬼道「待ってください。ここで豪炎寺と染岡を下げると…」
飛鳥「攻撃力が下がって得点が出来ない。だろ?」
飛鳥の言葉に鬼道が驚く。
飛鳥「他の子も試してみたいって言うのもあるし、少なくとも豪炎寺くんの課題は前半戦で分かったから、もう出すつもりはない」
「!?」
後半戦に出さないと宣言すると円堂たちが更に驚いた。
円堂「豪炎寺の課題…!?」
飛鳥「それは試合が終わってから説明するよ」
鬼道「しかし…!」
飛鳥「鬼道くん。君の言いたい事は分かるけど、ジェミニストームの時に言ったはずだぜ。特定の選手に頼り過ぎるなって。それなら聞くけど、もし前半戦で豪炎寺くんが怪我をして出れないってなったらどうするつもりだったの?」
飛鳥の言葉に鬼道は黙り込んだ。
飛鳥「互角に戦えるようになって舞い上がってる所、水を差すようで悪いけどあいつらはあくまでダミーだ。本物のイプシロンはまだこんなもんじゃないよ」
飛鳥の言葉に円堂たちは俯いた。
豪炎寺「分かりました」
円堂「豪炎寺…」
豪炎寺「コーチの指示に従います」
飛鳥「ありがとう。で、FWは浦部さん1人で…MFとDFはそれぞれ5人ずつ入って貰うから。フォーメーションはこうね」
FW リカ
MF 半田 塔子 宍戸
鬼道 一之瀬
DF 風丸 影野
壁山 土門
GK 円堂
飛鳥「中盤層を厚くして、一之瀬くんと鬼道くんを中心にやって頂戴」
「わ、分かりました…」
こうして、後半戦が始まった。豪炎寺は冷静にベンチで座っていたが、他のメンバーは心配そうに見つめていた。
リカ「てやっ!!」
豪炎寺、染岡に代わってリカがシュートをするが、デザームには全く通用していなかった。そして次第に雷門イレブンはイプシロンにボールを取られるようになった。
秋「ボールを取られてばかり…」
飛鳥「……」
前半戦は互角に戦えていた雷門イレブンも、時間が経つにつれてフィールドプレイヤーは体力が消耗していった。しかし、イプシロンは体力の衰えを感じさせない上に、連携もきちんと行われていた。
そしてマキュア・ゼル・メトロンが前に出て、合体技を繰り出そうとする。3人が気合を放つと、ボールが上空に浮かび上がり、岩のようなエネルギーがまとわりつき、それを3人が同時にシュートした。
影野「しまった!」
ボールは影野を通り越し、土門と壁山に襲い掛かる。
壁山「通さないッス! ザ・ウォール…うわあああっ!!」
壁山も弾き飛ばされたが、土門は意を決して足を横に振った。
土門「やらせるかー!!!!」
土門の目の前に炎の衝撃波が現れて、ガイアブレイクを止めた。ガイアブレイクを止めた事に皆が驚いていた。
土門「よっしゃあ!!」
栗松「凄いでヤンス!」
目金「地面から出てきたマグマでボールをカット…。これは『ボルケイノカット』ですね!」
マックス「あいつ、いつの間に…」
皆が土門に注目していたが、飛鳥はまた浮かない顔をしていた。
秋「コーチ…?」
飛鳥「…ここまでだな」
クィール「まあ、あいつらにしたら頑張った方だッポ」
「え!?」
豪炎寺「……」
染岡「ど、どういう事ですか!?」
飛鳥「試合を見たら分かるよ」
この後も試合が行われたが、前半戦に出ていた鬼道たちの体力は完全に消耗されてしまい、失点こそしなかったが攻撃陣は壊滅状態だった。
その結果、勝負は引き分けに終わってしまった…。
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飛鳥「お疲れ様。ダミーには互角で戦えるようになったね」
飛鳥の厳しい評価に雷門イレブンは俯いた。
塔子「やっぱり豪炎寺と染岡をベンチに下げたのが…」
鬼道「確かに攻撃の面では手痛かったが、後半戦でここまで体力を消耗するようでは、先が思いやられる」
飛鳥「そう。厳しい事を言うけど、まだまだイプシロンには勝てないよ」
飛鳥の言葉に雷門イレブンが俯いたが、円堂がある事を思い出した。
円堂「そういえばコーチ! 豪炎寺の課題が見つかったって言ってましたけど、どういう意味なんですか!?」
「!?」
飛鳥「そうだね。まあ、それに伴ってコーチとして一つ指示を出したいんだけど、驚かないで聞いてね」
飛鳥は雷門イレブンを見つめた。
飛鳥「豪炎寺くんには暫く雷門を離脱して貰うから」
つづく