第88話
2回目の陽花戸戦。GKを入れ替えた状態で試合を行う事となったが、鬼道は立向居に『ゴッドハンド』の使用禁止を命じた。
鬼道「今回の試合はゴッドハンドがもう通用しない事を想定して戦ってもらう。いいな」
立向居「は、はい…」
鬼道の言葉に立向居だけではなく、壁山や栗松も不安そうにしていた。
鬼道「コーチも構いませんよね」
飛鳥「ああ。そういう意味ではディフェンスには頑張って貰おうかな」
飛鳥がそう言うと、風丸・壁山・影野・栗松・土門が反応した。
飛鳥「それじゃあオーダーを発表するよ」
そう言って飛鳥がオーダーを発表したが、
FW 染岡
MF 少林寺 鬼道 塔子 一之瀬 マックス
DF 風丸 壁山 土門 栗松
GK 立向居
ベンチ:目金・半田・影野・宍戸
「!!」
飛鳥「前半戦は出来るだけ早く点を取ってくれ。いくら立向居くんにマジン・ザ・ハンドの練習をさせたいとは言っても、勝つ為に試合をしないと陽花戸中の皆に失礼だからね」
鬼道「ええ。それに…あっちには円堂がいますからね」
そう、陽花戸のGKには円堂がいるのだ。彼からゴールを割ろうと思えば早めに割った方がいい。鬼道の言葉に一之瀬や染岡、塔子が頷くと、壁山や栗松は不安そうにしていた。
飛鳥「壁山くん。栗松くん」
壁山・栗松「!!」
飛鳥が壁山と栗松に話しかけると、2人は不安そうに飛鳥を見つめていた。
飛鳥「立向居くんの事。頼んだよ」
壁山・栗松「!」
飛鳥「それと宍戸くん」
「!!」
飛鳥が宍戸を見た。
飛鳥「君には必ず試合に出て貰うから、準備しといてね」
宍戸「……!!」
飛鳥の言葉に宍戸は反応した。そう、1回目の試合で円堂達がいなくなったら怖いと言ってしまったのだ。そんな自分を円堂達は暖かく受け入れてくれて今日まで練習してきた。そして、後半戦に改めて成長した姿を円堂に見て貰おうという事なのだ。
宍戸「は、はい!」
そして校長も様子を見に来ていた…。
***
角馬「お待たせしました!! 雷門イレブンと陽花戸イレブンの2回目の練習試合がここ陽花戸中で行われようとしています! 実況は私、角間圭太がお送りいたします!」
飛鳥「しっかり頼むよ」
角馬「はい!」
飛鳥が声をかけると角馬が返事をしたが、秋と春奈は苦笑いしていた…。
そして雷門ボールで試合が始まり、鬼道が染岡にパスしてそのままかけあがると、陽花戸の選手たちがブロックしようとするが、染岡は突破していった。
染岡「行くぞ円堂!!!」
円堂「来い! 染岡!!」
染岡はいきなり『ワイバーンクラッシュ』を繰り出してきた。
染岡「ワイバーン…クラッシュ!!!」
シュートは円堂に向けて飛んでいく。
円堂「ふっ!! マジン・ザ…ハンド!!!」
円堂はマジン・ザ・ハンドを繰り出してシュートを止めた。
角馬「おーっと!! 円堂がマジン・ザ・ハンドで止めた! 試合開始直後から必殺技のぶつかり合いが起こっています!」
と、角馬がハイテンションに実況していた。
壁山「あわわわわわ…!!」
栗松「や、やっぱりキャプテンがいつもより強く感じるでやんす…」
普段は自分たちの後ろに円堂がいて、必ず止めてくれるという信頼があり、安心して戦えていたが、今回は円堂は敵になっている上に自分たちの後ろにいるのは、知り合って間もない立向居だった。
立向居「…や、やっぱり円堂さんは凄い。こうしてみると本当になんて存在感だ」
と、立向居も円堂に恐れおののいていた。
そして飛鳥達もその様子が感じ取れていた。
秋「…やっぱり皆、円堂くんがいないから不安みたい」
夏未「いくら何でも不安になり過ぎじゃないかしら」
飛鳥「そう思うなら、その考え方は直した方がいいね」
「!?」
飛鳥がそう口を開くと、マネージャー達は飛鳥を見つめた。
飛鳥「鬼道くんや一之瀬くんって円堂くんの人望にひかれて雷門に入ったんでしょ?」
秋「え、ええ…」
飛鳥「コーチをやってて思った。もし敵同士のままだったら、真っ先に潰してたかも…」
飛鳥の言葉にマネージャーやベンチ組が衝撃を受けていた。
飛鳥「実力があるかどうかはともかく、強い仲間を作られるってのは結構厄介だからな…」
と、飛鳥は円堂を見つめていた。
「さ、流石円堂くんだ…」
「安心感が凄い…」
戸田達も円堂のマジン・ザ・ハンドを後ろで感じて、安心感が起きていた。
円堂「よし皆! 絶対に勝つぞ!!」
「お、おー!!!」
と、今度は陽花戸イレブンの攻撃となり、円堂の声援で活気がついた。
戸田「松林!!」
戸田がFWの松林にパスすると、そこからシュートを打つ体制に入った。
春奈「あそこから!!?」
飛鳥「ロングシュートか…」
松林「行くぞ立向居!!」
立向居「!!」
松林が空高くスピンすると、ボールも上空を舞った。そして右足にオーラがまとうとそのままシュートをした。
松林「レインボーループ!!!」
シュートを放つと、ボールは虹の上を渡り、下には花畑が繰り広げられていた。
風丸「立向居!!」
皆が声をかけると、立向居が構えた。
立向居「ゴッド…」
立向居がゴッドハンドを出そうとしたが、
鬼道『ゴッドハンドの使用は禁止だ』
という鬼道の言葉を思い出して、マジン・ザ・ハンドを出そうとしたが、反応が遅れてしまい、失点してしまった。
角馬「ゴーーーーーーーーーーーーール!! 松林が先制点を決めたー!!! 立向居は判断を誤ったかー!!?」
***
立向居「し、しまった…!!」
立向居が困惑していると、風丸・壁山・栗松・影野が立ち尽くしていた。
円堂「立向居!!」
「!!」
円堂が声をかけてきた。
円堂「次はマジン・ザ・ハンドだ!!」
立向居「は、はい!!」
飛鳥「あ、円堂くん。悪いんだけど、ちょっと声かけはやめて貰っていいかな」
円堂「あ、す、すみません…」
飛鳥「心配なのは分かった。けど、それをやられるとこの練習試合の意味ないんだ!」
と、飛鳥は円堂を注意すると、立向居を見た。
飛鳥「立向居くんも肩の力を抜いて!」
立向居「は、はい!」
飛鳥「マジン・ザ・ハンドを出す事が第一だけど、それに気を取られ過ぎたらもっと点取られるよ!」
立向居「分かりました!!」
果たして、立向居はマジン・ザ・ハンドを出すことが出来るのか!!?
つづく