イナズマイレブン2 エイリアクライシス!?   作:ダシマ

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第9話「強くなる為に」

第9話

 

 前回までのあらすじ

 

 傘美野中グラウンドでSPフィクサーズと戦い、勝利した雷門イレブン。自信がついてジェミニストームに再戦を挑む。失点はしたものの、豪炎寺が何とか1点を取って雷門イレブンの士気が上がっていたが、飛鳥は豪炎寺をはじめとした主力メンバーをベンチに下げようとしていた…。

 

***************

 

飛鳥「ジェミニストームからボールを取ったり、突破したりしてる子が限られてるんだよ」

 

 飛鳥が豪炎寺たちをベンチに下げる理由を説明すると、雷門イレブンが言葉を失った。

 

飛鳥「そして、それが出来ていたのが今言った4人。後半戦は彼ら無しで戦って貰う」

染岡「そんな事したら勝てねぇじゃねぇか!!」

飛鳥「…悪いけど、前半戦の戦いを見ての判断だ」

「!?」

 

 飛鳥が染岡を見た。

 

飛鳥「確かに君達が言った通り、豪炎寺くん達を最後まで出せれば逆転できるかもしれない。でも、ギリギリの状態で豪炎寺くんがやっと1点。この状態で勝っても、君達の成長につながらない」

半田「だけど…」

飛鳥「勝てばいいってもんじゃないよ」

「!」

 

「その通りだ」

 

 雷門サッカー部監督の響木正剛が現れた。

 

円堂「響木監督!!」

飛鳥「お疲れ様です。お店の方は宜しいのですか?」

響木「ああ。あまりにも人が多すぎるもんでな。臨時休業にしてきた」

(そ、そんな理由で…)

 

 と、困惑していたが響木はいたって真剣だった。

 

響木「話は戻すが、一丈字の言う通りだ」

「!」

響木「今回の試合は、結果が全てのトーナメントとは違う。ただ勝てばいいってものじゃない。サッカープレイヤーとしても、人としてもお前たちが成長するための試合だ」

 

 響木の言葉に雷門イレブンが反応した。

 

円堂「サッカープレイヤーとしての…」

染岡「人としての…」

響木「そうだ。お前たちはジェミニストームに勝つ事にこだわり過ぎて、大事な事を忘れている」

半田「大事な事?」

 半田が聞くと、響木が周りを見渡した。

 

響木「試合は特定の選手だけでやるものではない。チーム全員で戦うのだ」

「!!」

 

染岡「そ、そんな事分かって…」

響木「なら何故豪炎寺に頼る」

染岡「!」

響木「豪炎寺がいなければ試合に勝てないでは意味がないのだ。全員で戦い、全員で成長する。これがサッカーだ」

 

 響木の言葉に円堂達は衝撃を受けた。

 

円堂「そ、そうか…。確かにオレ達、ジェミニストームに勝つ事にこだわり過ぎて…」

豪炎寺「……」

染岡「くっ…。でも、どうするんですか! このままじゃ試合に…」

響木「一丈字に聞け。今回の試合は一丈字に任せている」

「!!」

 

 皆が飛鳥を見た。

 

飛鳥「さて、作戦を聞くになったかい?」

「!」

 すると豪炎寺が前に出て…。

 

豪炎寺「お願いします。一丈字コーチ」

「!!」

 

 豪炎寺が飛鳥に頭を下げた。

 

円堂「豪炎寺…」

染岡「……!!」

 

 飛鳥に頭を下げた豪炎寺を見て、円堂と染岡は驚いていた。そして染岡は今までの事を想いだした。豪炎寺はいざという時にいつも助けてくれていたが、その裏ではずっと努力をしていた。それはもう自分よりも遥かに量が多く、努力を惜しまない男だった。

 

飛鳥「分かった。それじゃオーダーを変更しようかな」

「!?」

 

飛鳥「FWは染岡くんのワントップ」

染岡「!!?」

飛鳥「そしてMFは風丸くん、壁山くん、影野くん、土門くん、栗松くん」

「えっ!!?」

飛鳥「DFは半田くん、少林寺くん、宍戸くん、松野くん。で、キーパーが円堂くん」

半田「MFとDFが逆になってるじゃないですか!」

飛鳥「そういう事。後半戦は少しでもジェミニストームの動きに慣れて貰う事を目的としているから。今回はディフェンダー陣に頑張ってもらおうかな」

 

 と、飛鳥が圧をかけると壁山が震えてた。

 

壁山「ちょ、ちょっとトイレ…」

飛鳥「怖がらせたつもりはないんだけど」

風丸「ごめんなさい。いつもの事なので…」

飛鳥「そう…。ちなみに鬼道くん達はベンチから試合を見てて。で、何か気づいたことがあったら皆に教えて頂戴」

鬼道「分かりました…」

目金「僕までベンチですか…」

 

 と、目金は少し不満そうにしていたが…。

 

飛鳥「目金くん」

目金「?」

飛鳥「君はフィールドプレイヤーよりもブレーン色が強いって聞いてるから、サッカーの知識と頭の回転の速さを駆使して、鬼道くん達と一緒に雷門の課題点やジェミニストームの弱点を分析して頂戴。頼りにしてるぜ」

 

 そんな中、半田たちは不安そうにしていた。

 

響木「何をそんなに不安がっているんだ」

半田「だって…」

宍戸「豪炎寺さんはともかく鬼道さん達もいないから…」

響木「自分の力を信じるんだ」

「!!」

響木「確かに全国大会の途中でレギュラー落ちを経験し、ジェミニストームは遥かに強い。だが、お前たちは40年間無敗だった帝国学園に勝ったんだ。鬼道や一之瀬の力無しでな。お前たちの力をなくして全国大会は成し遂げられなかったんだ。胸を張れ」

 

 響木の言葉に半田たちは感動した。そして塔子も衝撃を受けた。

 

響木「円堂がいつも言っているだろう。勝利の女神は諦めない奴に微笑むんだとな」

 

 すると半田たちはお互いの顔を見合わせて、静かにうなずいた。

 

半田「はい!! ありがとうございました!!」

 半田の言葉に皆が口角を上げた。

 

円堂「さあ! 後半戦も頑張るぞ!!」

「おー!!!」

 

 ジェミニストームはその様子を遠くから見ていた。

 

ゴルレオ「どう見る」

ティアム「顔つきは変わったけどね…」

レーゼ「地球にはこんな言葉がある。七転び八起き。でもまだまだ勝たせやしないよ」

 

 そして後半戦が始まった。主力部隊がベンチに下がり、円堂達の試合を見守っていた。

 

塔子「円堂…!!」

 塔子も目金たちと同じベンチで見ていたが、目金がある事に気づいた。

 

目金「鬼道くん」

鬼道「何だ…」

目金「あの紫色のMFですけど、パスをする時いつも舌なめずりをしてませんか?」

鬼道「なに?」

豪炎寺「……」 

 豪炎寺が飛鳥の背中を見ると…。

 

飛鳥「正解だぜ」

「!!?」

 

飛鳥「全く、あの癖を直せってあれ程言ったのに…」

 飛鳥がパンドラに対して困惑していた。

 

飛鳥「その調子だ。試合が終わった後に教えてやってくれ」

一之瀬「今じゃないんですか?」

目金「恐らく染岡くんたちには試合の中で気づかせたいのでしょう…」

 

 皆が目金を見た。

 

目金「な、何ですか…」

春奈「何か…今日は調子がいいですね」

目金「今日はってどういう意味ですか!! 今日はって!!」

飛鳥「喧嘩は後にしな」

春奈・目金「は、はい!」

 

 飛鳥の言葉に春奈と目金がびくっと反応して、試合に集中した。

 

響木「一秒たりとも試合から目を離すなよ」

「!!」

 

響木が飛鳥の横に立った。

 

響木「いつどこで勝利の鍵が見つかるかわからないからな」

 

 

つづく

 

 

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