第93話
壁山のミスキックによるシュートがサーファーに当たろうとした時、サーファーは蹴り返したが、飛鳥が受け止めた。
飛鳥(この感触…まさか…!)
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「ふー。いきなりボールが飛んでくるもんだからびっくりしたぜー」
サーファーが軽いノリでそう言い放った。
壁山「ご、ごめんなさいッス!」
「おう! 気をつけてサッカーやれよ!」
特に怒る様子もなく、その場を後にしようとしたが、円堂がすかさずサーファーの元に駆け付けた。
秋「円堂くん!!」
と、他のメンバーも追いかけていった。
「ん? どうしたんだ? もういいってば」
円堂「それもそうだけど…君、サッカーやってるの?」
円堂の言葉にサーファーは理解できなさそうに首を傾げた。
「いや、サッカーなんてやった事ねぇよ」
「え?」
「よく聞かれるんだよなー。サッカーやった事あんのかって。オレはサーファーだよ」
と、サーファーは苦笑いした。
飛鳥「…えっと、名前はなんて言うのかな?」
「オレか? オレは綱海! 綱海条介だ!」
と、サーファー・綱海条介は自己紹介をした。
飛鳥「綱海さんね。強いって事は…大海原中?」
綱海「おっ! 良く知ってんな! そうだぜ」
すると円堂は綱海にある事を持ち掛けないか。
円堂「なあ! もし良かったらサッカーやってみないか!? さっきのキック力なら十分いい所行けるぞ!」
綱海「オイオイ冗談はよせよ。オレはサーファーだぜ? それに、もうすぐ波が来るからな」
と、断ろうとすると鬼道は声をかけた。
鬼道「その方がいい。オレ達についてこれるはずがないからな」
鬼道が挑発すると皆が驚いた。
春奈「お、お兄ちゃん!!」
鬼道「蹴るだけがサッカーじゃないからな」
綱海「……」
綱海が鬼道を睨みつけると、一触即発な空気になっていた。
綱海「おい、お前…」
鬼道「身体能力が優れていようが、それだけでは通用しな…」
綱海「暑くねーのか?」
「え?」
綱海の言葉に空気が止まった。というか、今まで誰も突っ込まなかった事を綱海が普通に突っ込んでいて、困惑していた。
綱海「あとお前その恰好、普通に怪しまれるからやめた方がいいぞ」
鬼道「……」
普通に突っ込まれて半田や染岡あたりが笑いをこらえていた。
飛鳥「えーと…君、サーフィンが好きなの?」
綱海「おう! サーフィンはオレの人生そのものだ!!」
と、豪語する綱海。
飛鳥「どういう所が楽しいの?」
綱海「そうだなー。色々あるけど、やっぱり大きな波に乗ってる時だな!」
飛鳥「そうなんだ」
綱海がそう言うと飛鳥は普通に話をした。
飛鳥「さっき良い波が来てるって言ってたね」
綱海「おう! それを待つのも楽しいんだ!」
飛鳥「まあ、そういう駆け引きがあるっていう所はサッカーも同じなんだよね」
綱海「え、そうなのか?」
飛鳥「そうだよ。じゃあ、ちょっと手本見せてあげようか?」
綱海「おう! 見せてくれ!」
と、綱海が興味を持ってくれたので、円堂達もこれはチャンスだと思った。
円堂「よし! それじゃ皆位置に…」
飛鳥「あ、待って円堂くん」
円堂「え?」
飛鳥「……」
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飛鳥がどうしたかというと、飛鳥1人で雷門イレブン全員と相手をするというものだった。飛鳥は右足でボールを抑えている。
秋「まさかコーチ自らがやるなんて…」
春奈「氷の準備はしましたけど、大丈夫なんでしょうか…」
ちなみにスタメン
FW:染岡
MF:半田、少林寺、一之瀬:宍戸:マックス
DF:風丸、壁山、影野、栗松
GK:円堂
そして目金がホイッスルを鳴らすと、飛鳥がドリブルでかけあがったが、染岡を簡単に抜かした。
鬼道「ディフェンス!!」
宍戸「はい!! 行くぞ少林!」
少林寺「おう!!」
すると少林寺が宍戸の掌の上に乗っかって高さを稼いだ。
少林寺「シューティングスター!!!」
綱海「!!?」
少林寺が急降下して飛鳥からボールを奪おうとしたが、飛鳥はそれを見抜いて高くジャンプした。
綱海「おお!!?」
ボールをキープしながら空高く飛ぶと、飛鳥は狙いを定めた。
飛鳥「くらえ!!」
飛鳥が弾丸のようなシュートを放つと、円堂は反応が遅れてしまい、失点してしまった。必殺技を放つ暇もなかった。
綱海「すげえ! 確かにサーフィンみてぇだった!!」
春奈「え、そうなんですか?」
目金「少林寺くんのシューティングスターをかわす時がまさにそうでしたね」
夏未「…貴方、サーフィンやった事あるの?」
目金「ないですけど、皆さんに分かりやすいように説明しています!」
目金がそう言うと、鬼道と綱海をのぞくベンチがずっこけた。
綱海「なあなあ! オレもやってみたい!」
飛鳥「いいよ。相手してあげて」
円堂「よし!!」
とまあ、綱海も私服に着替えて練習に参加してみるのだが…。ボールをすぐに取られるか、空振りが目立っていた。
夏未「全然ダメじゃない…」
飛鳥「最初は皆そんなもんさ」
春奈「アドバイスはしないんですか?」
飛鳥「今はね。綱海くんがどれだけ根性があるか、見せて貰ってからだ」
そして時間が経つと、
綱海「くそー!! どうしてとれねーんだ!!」
と、綱海は悔しがっていたが…。
壁山「ハァ…ハァ…」
栗松「オレ達の方が練習してるのに、全くバテてないでやんす…」
先に練習していたはずの壁山や栗松がバテているのに対して綱海はぴんぴんとしていた。
飛鳥「…こりゃあ大収穫だな」
と、飛鳥がつぶやいたが時計を確認した。
綱海「くそう! もう一度だ!!」
飛鳥「あ、ゴメン綱海くん。悪いけどここまでだ」
綱海「はあ!?」
飛鳥が時間切れを宣言すると、綱海が不服そうだった。
飛鳥「実は13時から船に乗らないといけないんだよ。あの島に行きたくて…」
綱海「何かあんのか?」
飛鳥「うん。あの島にうちの別荘があって、荷物を置きにいかないといけないんだ」
綱海「それが終わったらどうするんだ?」
飛鳥「まあ、何もなければ、地理に慣れて貰うために島の探索を…」
綱海「…しばらくここにいるのか?」
飛鳥「まあ、1週間くらい滞在する予定だよ。サッカーやりたくなった?」
飛鳥がそう言うと、綱海は拳を握った。
綱海「ああ。このまま終われっか!」
とにかくやる気になって円堂も嬉しそうだった。
綱海「大海原の連中にも声かけとくから、寄ってってくれ!」
飛鳥「…あ、うん。ありがとね」
こうして綱海と別れた雷門イレブンは目的地の島に向かう事となった…。
つづく