そして大海原ボールで試合が始まった。
綱海「みんなー!! ガンガン乗ってくぜ!」
「おーっ!!!」
綱海の号令で大海原イレブンも乗っていく。
スタメン(雷門)
FW 染岡
MF 少林寺 マックス
鬼道 一之瀬
塔子
DF 風丸 栗松
壁山 土門
GK 円堂
ベンチ:影野、半田、宍戸、目金
春奈「本当に新人とか関係ないですね…」
飛鳥「そうだな。まあ、これで本当に結果が出せたら言う事ない筈だ。こっちも油断せずに行こう!」
「はい!」
飛鳥の号令にベンチとマネージャーが返事をするも、飛鳥は音村の方を見ていた。
音村「トゥントゥクトゥントゥクトゥントゥクトゥントゥク…」
と、リズムを取っている様子。そして大海原イレブンはリズムよくパスしていたのだが、どちらかというとパフォーマーのようにボールを回しているように見えた。これには雷門イレブンも呆気に取られていた…。
宍戸「パスは上手いと思うけど…」
半田「これがいったい何の役に立つんだ…?」
目金「油断させるため…ですかね」
飛鳥「ビンゴ」
「!」
ベンチが大海原のプレーを見て不思議そうにしており、目金が推察をした。すると飛鳥はそれに対して正解だと言うと選手たちを見つめた。
飛鳥「こっからだよ! 気を抜かないで!」
飛鳥がそう言うと選手たちは気を引き締めた。そんな中、音村は飛鳥が自分の作戦の意図に気づいていると察知したが、慌てることなくリズムを取り続けた。
染岡「リズムが何だか知らねーが、これ以上好きにはさせねぇ!」
染岡がボールを奪おうとすると、音村が顔を上げた。
音村「アップテンポ! 8ビート!」
「!?」
音村の言葉に皆が驚くも飛鳥が気づいて指示を出した。
飛鳥「ドリブルが速くなるよ!!」
染岡「えっ!!?」
飛鳥が染岡に指示を出すも、染岡は意図が分からず飛鳥の方を向いた。すると、飛鳥の言う通り、ボールを持っていた大海原のMF、古謝がペースを上げて染岡を突破した。
金将「あーっと! 古謝が染岡を突破した! 音村の指示でどんどん乗っていくぞ!」
監督「いいぞー!! 古謝―!! ガンガン乗ってけー!!」
すると今度は塔子が立ちはだかった。
塔子「今度はアタシが…ザ・タワー!!」
大きな塔を地面から作り出してそこから雷を落としてボールをブロックしたが、
音村「アンダンテ! 2ビートダウン!!」
飛鳥「古謝くんのスピードが遅くなってかわしてくるよ!」
飛鳥が音村の指示を解釈して鬼道たちに指示を出した。古謝は音村の指示を読まれつつも、指示通りにスピードを緩めてバックパスを出した。
「たーっ!!!」
横にいたMFの喜屋武にパスしようとしたが、少林寺にブロックされた。
金将『おーっと!! 少林寺が古謝のパスをカットした! 一丈字コーチの采配が功をなしたー!!!』
円堂「よし! いいぞ少林!!」
「イエーイ!!!」
少林寺がカットした事で円堂が褒めるも、何故か大海原メンバーも喜んでいた。
春奈「…いや、ボール取られましたよね?」
飛鳥「言ったでしょ。相手のペースに取られるなって。はい、集中集中!」
とまあ、このまま進んでいった。
春奈「それはそうとコーチ。アンダンテって何ですか?」
飛鳥「えーと…」
目金「イタリア語で『歩く』という意味で、音楽ではゆっくり演奏する時に使われますね」
春奈がアンダンテの意味を飛鳥に質問したが、目金が代わりに応えて皆困惑していた。
飛鳥「…とまあ、目金くんが説明してくれたように、歩くような速さでザ・タワーの電撃攻撃に当たらないようにタイミングをずらしたって訳だな」
「……!」
飛鳥が分かりやすいように解説すると、秋や春奈が驚いた。
秋「そ、そうだったんですか…!?」
飛鳥「まあ、チームの皆も音村くんに合わせられてる事から、相当実力が高いと言えるね。もし大海原の子達が本選来てたら、ちょっと危なかったんじゃない?」
飛鳥がそう言うと、秋たちは何も言い返せなかった。勿論夏未も例外ではない。
飛鳥「さ、試合に集中だ」
**********
そして、再び古謝がボールを持っていると、
「よーし!! 今度は攻撃を見せてやるぜよー!!」
大海原のDFの宜保が前に出て古謝とFWの池宮城と連携技を繰り出そうとしていた。
飛鳥「来るよ!!」
飛鳥の号令に円堂とDF陣が準備をすると、宜保が自身の巨体と剛腕を活かして、古謝と池宮城を上空へ投げ飛ばした。
古謝・池宮城「イーグルバスター!!!」
強力なロングシュートが放たれて、そのまま雷門イレブンへのゴールへと突き刺さろうとしている。
秋「円堂くん!!」
秋が円堂に呼びかけると、円堂は既にマジン・ザ・ハンドの構えを取っていた。
円堂「マジン・ザ・ハンド!!!」
円堂が黄金の魔神を呼び出して、巨大な右手でボールをしっかりキャッチした。
金将「止めたー!! 円堂のマジン・ザ・ハンドが大海原のロングシュートを止めたぞー!!」
金将の言葉に雷門イレブンが安心していると…。
「イエーイ!!!!」
と、またしても大海原イレブンが乗り出した。
夏未「…確かにコーチの言う通り。相当の実力者ですね」
飛鳥「まあな…」
秋「さっきの必殺技もそうですけど、チャージも絶妙なタイミングでかわしてます」
目金「腐ってもフットボール・フロンティア地区予選準優勝…侮れませんね」
飛鳥「まあ、それに加えて今回はジョーカーもいるし…」
「!?」
飛鳥が綱海を見つめながらそう言うと、秋たちも綱海に注目した。
飛鳥「…問題も片付いてない。このままだと負けるかもね」
「!!?」
飛鳥の言葉に音村が反応して不敵な笑みを浮かべた。
そしてまた試合が始まるも、音村の指示が加速していく。音村の指示の意味が分からず雷門イレブンは翻弄されている。
春奈「コーチ…」
飛鳥「こればっかりは体で覚えるしかないな。さて…乗り越えられるかな?」
飛鳥が鬼道を見つめると、鬼道もまた音村の指示と飛鳥のヒントを元にどのように状況を打破すべきか考えていた…。
つづく