世界最悪の邪神の恋物語   作:kajoker

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第8話です!タイトルはあれですが、本編としてはエルフの里での戦いになります。

それでは本編をどうぞ!


分身の戦闘能力はそこまで高くないんです、勘弁してください

『ようやく白達もエルフの里に到着したぞ』

 

「まぁ、予定通りと言えば予定通りだな…勇者一行はシュン君の持つ天の加護なんてチートスキルのおかげで早めに着いたみたいだけど」

 

黒と挨拶した後、白達のことは分身体に任せ、俺は勇者一行の方を担当することにした。

 

そしたら、まぁ勇者一行は都合よく事が運ぶ運ぶ…天の加護のおかげもあったろうが、案内人も良くエルロー大迷宮をあっさりと抜け出して、帝国の軍よりも早くエルフの里に辿り着いた。

 

いくらスキル補正が掛かっているとはいえ、案内人自体が優秀じゃなきゃならないし、それ以前に出発の判断が少しでも遅れてたらダメだ…そんな綱渡りみたいな状況で最善の結果に辿り着くとか…これはなかなかすごいことだ。

 

まぁ、途中で白の子供?の蜘蛛達が意味深なことを言ったりはしたけど、妨害ってほどではないし。

 

「…白達が到着したってことは、いよいよ戦いが始まるな」

 

『そうだな…どうする?』

 

「とりあえず、お前は勇者側を頼む。俺は白達側を担当する」

 

『なるほど、確かに白達側は激戦になりそうだもんな…隠密行動に力を割いている俺よりは本体の方が適任か』

 

「そういうことだ。頼めるか?」

 

『もちろん、任せとけ!』

 

「あぁ、頼んだ!」

 

そう言って、俺は白達の居る場所に転移した。

 

///////////////

 

「さて、白達の所に来たわけだけど…何やら揉めているみたいだな」

 

それにしてもすごい緊迫感だな…お供のパペットタラテクトもすごい恐がってるし。

 

会話の内容から察するに、どっちがポティマスにトドメをさすかで揉めているみたいだけど…正直、どっちの言い分もわかる。

 

どっちもポティマスと因縁があるしな…個人的にはアリエルの方にポティマスとの決着は譲りたいけど、ポティマスの有している兵器はアリエルにとっては結構厄介なものが多いだろう。

 

特にグローリアタイプΩと呼ばれている兵器は、黒を相手にすることを想定したものらしい…おそらくポティマスはそれをアリエルにぶつけてくるだろう。

 

最悪、死んでしまうかもしれない…そういう意味では、白がポティマスと戦った方が良いかもしれない。

 

…まぁ、これは俺がどうこう言うことでもないか…2人が決めることだ。

 

そうこうしている内に、2人の話は終わったらしい。

 

そろそろ姿を見せても良いかな。

 

「2人共、話は終わったのか?」

 

「あっ、アストロ君…もしかしてずっと聞いてたの?趣味悪いよ?」

 

「そんなつもりはなかったんだが、割り込める感じじゃなかったしな…それで本当に大丈夫なのか?」

 

「大丈夫、死ぬつもりはないよ…白ちゃんに無責任なことをさせるわけにもいかないしね」

 

「そっか…それなら安心だ。よし、ポティマスとの戦い頑張れよ!」

 

そう言いながら、アリエルの肩に手を置く。

 

あっ、そうだ。万が一に備えて一応ちょっとした術式を施しておこう。あくまで万が一の為の術式だし、これぐらいの助けは許されるだろう。

 

そうして、俺達は結界に向けて歩を進めるのだった。

 

――――――

 

――――

 

――

 

「さて、そろそろ始めるか」

 

「うん」

 

そう言って、白が取り出したのは黄金の禍々しいバット…というか、これ絶対Dの所にあったやつだ。

 

「白、やめておいた方が良い…それDの所にあったやつだろ?使ったらどんなデメリットがあるかわからないぞ」

 

「大丈夫。呪いの類はなさそうだよ」

 

「まぁ、確かにそうみたいだけどさ…一応、念には念をってことで、俺がこの結界を破壊するよ」

 

「それじゃあ任せる」

 

白の返事を聞き、結界に手を触れる。

 

…うん、これぐらいなら簡単に壊せそうだ。

 

そうして、結界に俺の術式を組み込み、主導権を奪う。後は帝国軍の大魔法と同時にこの結界を自爆させれば良い。

 

そして、その時は来た。

 

魔法が放たれると同時に結界を自爆させる。そうして、ついに結界が壊れた。

 

「さ、行くとしよう」

 

///////////////

 

「お、ついに始まったか…さて、あっちは本体に任せて俺は勇者達を助けるとしよう」

 

にしても、戦いが始まったってことはユーゴーも来るってことか…これは参った。

 

俺達、というか本体は転生者達を救うことが目的だが、ユーゴーに関しては救う必要があるのかはぶっちゃけ疑問だ。

 

いくら白達に操られていた部分があるとはいえ、あいつは許されないことをした。それに多分、白達に操られていなかったとしても結局あいつは今と同じことをしていたと思う。

 

まぁ、あいつの境遇には多少なりとも同情するけどさ。

 

多分、本体はそれでもあいつを助けるとか言うんだろうけど。

 

まったく甘っちょろい奴だぜ…だけど、それが本体の良い所だ。それに、本体はあぁ見えて悪人をただで許すようなタチではないから、何かしらの対策はするだろう。

 

なら、俺は本体の目的達成の為に力を尽くすだけだ。

 

そんな風に考えていると、戦闘中のユーゴーとフィリメスの姿が目に入った。

 

ちょっと、フィリメスが不利な感じか…このままじゃ、不味いかもしれないな。

 

「本体、ユーゴーとフィリメスの戦闘が目に入った。若干フィリメスが不利っぽい」

 

『なるほどな……よし、ユーゴーの奴にお灸を据えてやれ。俺もこっちが片付いたらすぐに行く。一応、言っとくけど殺すなよ?』

 

「わかってる。殺さない程度でお灸を据えてくる」

 

『あぁ、やってやれ』

 

「ありがとな」

 

『ま、気持ちはわかるしな…それじゃあ後でな』

 

「了解」

 

そうして本体との連絡を終え、フィリメス達に視線を移す。

 

「さて、勇者達には申し訳ないけど、乱入させてもらうか」

 

――――――

 

――――

 

――

 

「何かあったの?」

 

「いや分身体がフィリメス…オカさんとユーゴーが戦ってるところに出くわしたって言ってたからちょっとな…問題はないだろうけど、ここのロボット達を片付けてさっさと合流した方が良いかもだ」

 

「わかった」

 

魔王を送り届けた俺と白はロボット軍団を破壊する為に行動を開始する。

 

と、その瞬間、地面が次から次へとパカッと開いてロボット軍団がワラワラと湧いてくる。

 

多いな…軽く万はいるぞ…あのSFチックならロボットは量産型だったわけか。

 

一応、星の記憶を読んだ時に大まかにポティマスの兵器については把握したが、詳しい数とかはわからなかったからな…ま、今はそれは良い。

 

「ん?あれは…」

 

「どれどれ…あれって、ロナントじゃないか?」

 

「襲われてる」

 

「だな」

 

白が指差す方に視線を移すと、ロボット軍団に襲われているロナントが目に入った。

 

流石にあんなのが何体も居たら、ロナントも無事では済まないだろう…実際、一体のロボットと相討ちみたいな形になってボロボロになってるし。

 

「助けるか?」

 

「そうだね、助けよう」

 

「了解。それじゃあまとめて片付けるか」

 

そう言いながら、ロナントの周囲に居るロボット軍団に俺の術式を仕込み、主導権を奪い取る。

 

この能力は付与魔法の応用で、能力としては対象に俺の術式を付与し、その主導権を奪う…イメージとしてはハッキングに近いかもしれない。

 

これは、俺が持つ概念干渉能力の1つだ。俺はどうやら概念への干渉が得意らしく、龍や神のフィールドを破壊する眼の力もその一部だ。

 

さて、主導権は奪ったけど、どうするか…さっきの結界みたく自爆させても良いんだけど……せっかくだし白にこのロボットのエネルギーを渡すか。

 

そう考えて、ロボットのエネルギーを吸収する。そうしてエネルギーを吸収されたロボット軍団はバタバタと機能を停止していく。そして、ロボット軍団の残骸を異空間に放り込み、スクラップにしていく。

 

「よし、掃討完了」

 

////////////////

 

「これで良しっと…」

 

フィリメスとユーゴーの戦いに乱入した俺は、ユーゴーに渾身の右ストレートを喰らわせ、ユーリ共々気絶させた。

 

一応、殴る時にユーゴー達に防御魔法を掛けたから死にはしないだろう。

 

そして、2人を俺の魔力を組み込んだ特製のロープで縛りつけて今に至る。

 

「大丈夫か?」

 

「は、はい…あなたのおかげで助かりました。あなたは一体…」

 

「俺は…」

 

何て名乗るべきだろうか?星の守護者の分身体?それだと星の守護者って誰だよって話になるよな。

 

しょうがない、ここは通りすがりの一般人で通そう。

 

「通りすがりの一般人だ。名乗るほどのものじゃない」

 

「いや、流石にそれは無理があるかと…」

 

「あっ、あなたの知り合いが駆けつけてくれたみたいだよ。早く無事を知らせてあげると良い」

 

そうして、俺が視線を移した先には心配そうにこちらに向かってくる4人の人影。

 

勇者シュン君に、盾役ハイリンス、そしてシュン君の奥さん感がすごい赤髪の美少女カティアとハーフエルフの少女、アナ。

 

「先生、無事ですか!?」

 

「はい。この方のおかげで助かりました」

 

フィリメスの言葉に全員が俺の方を見る。

 

「まぁね、本当は君達に彼らとの決着をつけさせるべきだったんだろうけど、彼女が危なかったから、ついな」

 

そう伝えながら、ロープで縛られているユーゴー達を指差す。

 

「ユーゴー!それにユーリも」

 

「…まぁ、この通り無力化してあるから彼らの処遇に関してはそっちに任せる…どうする?」

 

「…私達が決着をつけられなかったことが残念ではありますが、仕方ありませんわね…ともかくユーリはそのまま助けましょう。彼女はユーゴーの被害者ですから」

 

俺の言葉にカティアがそう答える。

 

まぁ、それはそうだろうな。問題はユーゴーの方か…処遇は任せるとは言ったものの、ユーゴーを殺すってことになれば俺はユーゴーを守らざるを得ない。

 

まぁ、シュン君の今までの行動を考えれば殺す可能性は低そうだが…一応、聞いておくか。

 

「ユーゴーの方はどうするつもりだ?」

 

「…ユーゴーにもトドメは差さない、生きて、死ぬまで罪を償わせる」

 

そう言うと思ったよ…良かった、俺の予想通りだ。

 

だが、この甘ちゃん発言にカティアは怒りを隠せないようだ。

 

うん、その怒りは正しい。むしろ、シュン君の方が異常だ…うちの本体がユーゴーを助けようとする理由はまだわかる。

 

自分の恋人のとばっちりに巻き込まれて、この世界に転生させられ、しかもその結果、不幸になった転生者も結構居る…ユーゴーもその1人だ。

 

それに対して責任を感じているからこそ、とんでもないことをやらかしたユーゴーも助けようとするのだろう。

 

だが、シュン君の場合は怒りの方が先にこないとおかしい…だって、妹は洗脳されて父親を殺すことになるわ、最終的にクーデターを起こした犯人として濡れ衣を着せられ国を出ていくことになるわで、大惨事だったろうに。

 

それに、洗脳された友人と戦わされるし、慈悲のスキルがあったとはいえ親しい人を洗脳されて人質に取られ、挙げ句の果てに目の前で自決させられたりもしたはずだ。

 

それなのに、殺してやるとかいう気持ちが真っ先に出てこないとか…甘いを通り越して、もはや異常だ。

 

「イヤ。さすがに甘ちゃん過ぎるでしょ」

 

そんな声が響き、咄嗟にユーゴーを引っ張り退避する。

 

危なっ!急になんだってんだ?しかも地面に何かクレーターみたいな穴が開いているし…俺達の知っている中で、こんなことができる奴は限られている。

 

そして、今のこの状況から推察するに、おそらく奴の正体はラース…転生前の名は笹島京也、今ここに居るシュン君とカティアの前世の親友だ。

 

そうしてしばらくして、徐々に奴の姿が見えると、俺の予想を裏付けるように額に2本の角を持つ鬼人の姿が目に映る。

 

ちょっと面倒なことになったな、これは…まぁ、やれるだけやるさ。

 

俺はそう思いながら、目の前の鬼人に視線を移すのだった。

 




といった感じの第8話でした!

以下ちょっとした短編です。


「そういえば、アストロ様とどこへデートに行かれたんですか?」

「気になりますか?そうですかそうですか」

「そのニヤついた顔がとてもムカつきますね…それでどこへ?」

「あの世界の街を色々と回ったり、後エルロー大迷宮にも行きましたね」

「デートでエルロー大迷宮とはあなたはどういうセンスをしてるんですか?」

「これにもちゃんと理由があるんですよ。彼は長い眠りから覚めたばかりでしたから、そのリハビリも兼ねてです。まぁ、エルロー大迷宮の敵では準備運動ぐらいにしかならなかったかもしれませんが」

「まぁ、あの方ならよほどのことがない限り問題はないでしょう」

「随分彼のことを信頼しているんですね」

「えぇ、とても信頼してますよ」

「むむむ…何だか気に入りませんね…まぁ、良いです。今は彼の様子を見てみましょう」

「それぐらいなら構いません。というか私にも見せてください」

「仕方ありませんね。では、一緒に見ましょうか」

/////////////

といった感じの短編でした!

それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!

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