有名なSSの噛ませゲス提督に転生してしまった俺~寡黙な提督は今日も内心をひた隠す~   作:霧夢龍人

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いつか牙を向くその時まで

「これから配属される、新しい提督だ。至らない点はあると思うが、宜しく頼む」

 

 

提督が此方を見つめながら、自己紹介をして来ました。

 

新しい提督?

 

何故名前を言わないの?

 

 

「は、はい!宜しくお願い致します!そ、それでは、案内致しますので、こちらへ・・・ど、どうぞ・・・」

 

 

そんなありきたりな疑問を呑み込み、提督へ言葉を投げ掛ける。

 

 

この男、掴み所がないですね。

 

 

何が目的なんでしょう。

 

 

 

取り敢えず、鎮守府の案内をする・・・過程でこの提督の行動を監視してみましょうか?

 

 

・・・ナイフは常備してあります。

 

 

もしも何か不埒なことを仕出かしたら、即刻頸を・・・

まぁ、私も解体されるのは嫌なので、出来ればあってほしくないですね。

 

 

と、思案を終えて提督の方へ向き直ると──股間を抑えて涙目になっている提督の姿が目にはいる。

 

 

ん?んん?

 

 

・・・み、見間違いでしょうか?

 

 

 

目を擦り、もう一度提督の方を・・・な、何やってるんですかこの人・・・。

 

 

それに、表情は先程から冷酷なままから全く変わっていないのに、心なしか嬉しそう・・・

 

 

く、頸を狩るべきでしょうか?

 

 

どこからどう見ても変態さん・・・ですよね?

 

 

駆逐艦の子達が危ない気がします・・・。

 

 

 

見た目は可愛い少女なのに・・・残念な人ですね。

 

 

 

 

「ふぅ・・・」

 

 

 

「あ、あの、なにか・・・」

 

 

 

「いや、なんでもない。気にするな」

 

 

 

そ、そうですか・・・。

 

 

「わ、わかりました。では、い、逝きましょう・・・」

 

 

股間を抑える変態さんは、さっさと逝ってほしいものです。

 

 

「あぁ、宜しく頼む」

 

 

妙に清々しい顔を浮かべた提督さんが、こちらに微笑みかけてきます。

 

 

 

・・・かわいいですね。

 

 

 

確かに表情は変わらないですが、何故か少し可愛らしく感じます。

 

 

・・・でも、何故清々しい表情を浮かべているのか理解に苦しみます。

 

 

 

・・・頸・・・よりも下・・・いっそ股間を狩った方がいいでしょうか?

 

 

 

提督さんを女の子にしてあげましょう。

 

 

 

そちらの方が私達が安心出来ますし、調きょ・・・いえ、説得しやすそうです。

 

 

そう考えていると、いつの間にか私からこの提督に対する恐怖心が薄まるのを感じました。

 

 

 

「・・・ふむ」

 

 

しみじみと感じ入るかのように伏せられた眼と、どこか悲しそうに曲げられた眉。

 

 

・・・一緒です。

 

 

この間製造されたばかりの子が、そんな表情を浮かべていました。

 

 

まぁ、その子も今は海の藻屑と化していますが。

 

 

 

・・・提督達人間にはわからないでしょうね。

 

 

この暗い海に一人沈みそうになる感覚は。

 

 

 

私はもう味わいたくないです。

 

 

 

提督からいくら出撃命令を受けようと、私は絶対に出撃しません。

 

 

罰を受けたっていい。

 

 

 

私は生き残らないといけないんです・・・あの子達の・・・沈んでいった子達のためにも。

 

 

 

途中すれ違った駆逐艦の子達も、提督を怯えるような目で見ていました。

 

 

 

どうです?わかりますか?提督さん。

 

 

あんなに小さな子達が、年相応の表情を浮かべるでもなく・・・ただ、悲しい目を浮かべて・・・。

 

 

 

部屋で待機するように言ったのにも関わらず、提督の姿を見に来てるんです。

 

 

あの子達がどれだけ提督という存在に恐怖心を植え付けられたかわかりますか?

 

 

・・・いつかでいい。

 

 

いつかこの言葉を提督に言ってやる。

 

この提督は前任の提督じゃないけど、いつか絶対に恨み辛みをぶつけてやります。

 

 

 

とは言え、その時まで私が沈んでいなければいいんですがね・・・。

 




今日は少なくてすみませぬ・・・明日も投稿して参りますので、宜しくお願い致します!

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