バトルスピリッツ 王者の鉄華   作:バナナ 

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第1章 全ての始まり編
第1ターン「その名はバルバトス」


バトルスピリッツ。

 

それはカードとコアが織りなす奇跡のカードゲームであり、それにまつわる幾多もの伝説は、多くの人々の心に刻まれていった。

 

そして今ここに、新しい伝説が幕を開けようとしている。

 

 

 

 

******

 

 

 

「ここがカードショップ「アポローン」……」

 

 

歳はあっても精々15もない程度か、そのくらい小柄で、無造作に伸びた赤い髪が特徴的な少年が、とある街の一角に佇むバトスピ専門店、カードショップ「アポローン」の門前に立つ。

 

無感情とも呼べる仏頂面な表情を、常に浮かべ続ける少年は、何の迷いもなしに店内へと進んで行く。

 

そして自動ドアを通過した途端に、店内のテーブルでバトルをしているカードバトラー達の賑わいの声が耳を通過して行くのを感じて………

 

 

 

「アタック!」

「なんの、ブロック!!」

 

「フラッシュタイミング!!」

「バースト発動!!」

 

「不足コストはブレイドラから確保!」

 

 

 

「バトルスピリッツ。確か、なんか結構有名なカードゲームだったっけ」

 

 

昼間から確かな賑わいを見せるカードショップ「アポローン」………

 

しかし赤髪の少年はそんなバトルスピリッツを軽視しているのか、興味がなさそうな発言を零す。

 

バトスピ時代と言っても過言ではないこの世において、赤髪の少年のような発言をする者は非常に珍しい。

 

そして飄々とした様子で店内を見渡しているそんな少年の前に、声を掛けて来る人物が1人…………

 

 

「よぉオーカ。待ってたぜ」

「あ、ご無沙汰してます、アニキ」

「固ぇ挨拶はいいって。兎に角、これ着ろよ。今日からオマエはウチの店のスタッフなんだからな」

 

 

現れたのは、店員らしきエプロンを着用している、尖った白髪に褐色肌が特徴的な、高身長の青年。少年は目が合うなり深く頭を下げて挨拶をする。

 

その後、少年は青年に言われるがままエプロンを着用した。どうやら彼はここでバトルスピリッツをするためではなく、働くために訪れたらしい。

 

 

「似合ってんじゃねぇか」

「そうかな?」

「わかってると思うが、ここでのオレはオマエのアニキ分じゃなくてカードショップ「アポローン」の店長だ。優しくするつもりはねぇから、覚悟しとけよ」

「うん、わかった」

 

 

初めから仕事をするためにここに来た少年。仏頂面から放たれる一言返事からは、その熱意が確かに伝わって来た。

 

彼が根は真面目な性格である事を知っている店長たる青年は「ところで」と、言葉を続けると、懐からバトスピのカード束、所謂デッキが収納されたデッキケースを取り出し、それを赤髪の少年に見せつける。

 

 

「せっかくカードショップの店員になったんだ。オマエもバトスピやらないか?……オレにはわかるぜオーカ、オマエにはバトスピのセンスがある」

 

 

彼が行ったのはバトスピへの勧誘。

 

店長としては弟分としても可愛がっているこの赤髪の少年「オーカミ」をカードバトラーに育てあげたい様子。

 

しかし肝心のオーカミの返事は………

 

 

「嫌だ。お金かかるし」

「えぇぇ!?!……いやいや、デッキの1個や2個くらいやるぜ!?…オマエなら絶対ハマると思うから始めようって!」

 

 

答えはまさかのNo。しかも即答。

 

オーカミは知らないが、実はこのアニキこと九日ヨッカ、その正体は超有名カードバトラー。そんな彼からのバトスピの誘いを断るという行為が、他の者達にとって、どれ程もったいないことなのかは計り知れない。

 

 

「なぁやろうぜバトスピ!…1回やれば楽しさがわかるからよ!」

「そんな事より早く業務を教えてくれ。ここには働きに来たんだ」

 

 

バトスピの素晴らしさを伝えてやろうと、懲りずに何度もオーカミをバトスピの道へと誘い続けるヨッカ。オーカミはその執念に少々呆れ気味。

 

しかしそんな折、店内の自動ドアが開き、とあるお客が来店して来た。

 

 

「こんにちはヨッカさん!」

「おっ…ヒバナか、いらっしゃい!」

 

 

来店したのは中学生くらいの女の子。黒々とした長い後髪を二本に結っているのが特徴的な美少女だ。常連なのか、店長であるヨッカの事を「ヨッカさん」と本名で呼んでいる。

 

 

「今日はどうした」

「バトルの相手お願いします!…今日こそは勝つ!」

「ム、そう来たか!…でも丁度いい、オーカにバトスピの楽しさを教えるチャンスだ。おいオーカ、よく見とけよ!」

「アニキ、仕事はいいのか?」

「お客の相手も仕事の一環、オマエもここで働くならバトルくらいできた方がいいぜ」

 

 

アニキことヨッカに対し、デッキを突きつけバトルを要求する黒髪の少女。その言動からしてかなり強気な正確なのが見て取れる。

 

そしてヨッカもまたそれに応えるように颯爽と己のデッキを取り出してやる気を見せた。

 

 

「ところでヨッカさん、この子は?…見ない顔ですね」

 

 

少女はふとした事で見慣れないオーカミの存在に気づいた。無愛想なオーカミに代わり、アニキ分であるヨッカが彼を説明していく。

 

 

「あぁ、コイツはオーカ、鉄華オーカミで略して『オーカ』……ここの新入りでオレの弟分だ。まぁ可愛がってやってくれや」

「へ〜…ヨッカさんの弟分か〜」

「どうも」

「私『一木ヒバナ』…よろしくね鉄華」

 

 

ヒバナの挨拶に小さく頷くオーカこと鉄華オーカミ。実はこの2人同じ満14歳なのだが、オーカミの背丈が低いこともあり、ヒバナは彼のことを年下であると認識しているようだ。

 

 

「よし、始めるかヒバナ」

「えぇ!…このデッキは自信作、負けませんよ!」

 

 

そこまで言うと、2人は店内のバトル場へと立ち、Bパッドと呼ばれるタブレット状の端末をバトル台として形成。その上にデッキを置き、準備を整える。

 

そして………

 

 

……ゲートオープン、界放!!

 

 

コールと共に2人のバトルが開始される。

 

これこそこの世界のバトルスピリッツ。Bパッドと言う全長30センチにも満たない小さな端末だけでいつでもどこでもバトルスピリッツを楽しむ事ができるのだ。

 

 

「おい、あそこでヨッカ店長と一木ヒバナのバトルが始まったぞ!」

「マジ!?…観に行こうぜ!」

 

 

2人はかなりの有名人。そのためかテーブルでバトルしていた面々や、他の来客達が次々と彼らのバトルを見んと集まっていき、あっという間に大きな人集りを形成してしまった。

 

 

「あっという間にこんな人集りが……あの2人、そんなに有名なのか?」

 

 

無表情だが、オーカのはこの人集りができる光景に驚きを隠せないでいた。それは彼がバトルスピリッツと言うカードゲームを何も知らないが故である。

 

 

「ウォーグレイモンを召喚!」

「なんの、オレもモビルスピリット、スサノオを召喚!」

 

 

そんな彼を他所にドンドン進んで行く2人のバトル。ヒバナがBパッド上にカードを叩きつけ、自分の場に黄色い体表に強靭な武装が施されたスピリット、ウォーグレイモンを召喚。それに対抗するべく、ヨッカはまるで侍のような出立の黒い機械兵、スサノオを召喚。

 

2人のエーススピリットと呼べるスピリット達の登場で、バトルは佳境を迎えていって…………

 

 

「行けスサノオ!!…ウォーグレイモンとバトルだ!」

「負けませんよ、立ち向かえウォーグレイモン!!」

 

 

スサノオと呼ばれるヨッカのスピリットが二本の黒い刀を構えてウォーグレイモンに飛びかかる。ウォーグレイモンも負けじとドラモンキラーと呼ばれる鉤爪で迎え撃つ。

 

スピリットとして強力な個体である2体は何度もぶつかり合い、互角の勝負を繰り広げていった。

 

 

「変な話だ………カードを使うだけの遊びに、何で大人のアニキはそんなに熱くなれるんだ」

 

 

正直まだアニキと呼び慕うヨッカが、あそこまでバトルスピリッツに熱中する理由がわからないオーカミ。

 

こうして、彼のアルバイト初日は結局バトルスピリッツに興味を惹かれないまま幕を閉じていくのだった…………

 

 

******

 

 

翌日。その早朝、オーカミが住むマンションの一室にて………

 

部屋のベッドの上からゆっくりと起き上がるオーカミ。今日もまたバイトだ。朝を食べたら直ぐに出勤先のカードショップに向かわなければならない。

 

一緒に暮らしている姉は仕事で早いため、先に出掛けている。ラッピングされた食パンと目玉焼きを軽く平らげると、支度し、直ぐ様自分もマンションを出た。

 

その際に何か届け物等がないか郵便受けを覗き込んで見る。とは言ったものの、新聞代は払っていないし、いつも来るのはスーパーのチラシ程度だったが………

 

今回は違った。

 

 

「ん?……これは」

 

 

郵便受けに入っていたのは新聞でもチラシでもなく、バトスピのカード。丁度デッキと呼べるくらいの枚数はあるか………

 

しかもそのデッキに包まられた紙には『鉄華オーカミ様へ』と書かれており、誰かからのプレゼントなのは確かな事であった。

 

 

「バトスピのカード………だよな。でもなんでオレ宛、送り主の名前もないし」

 

 

不思議そうにカードを眺めるオーカミ。確かに送り主の名前は書いてはおらず、どこか不気味ささえ感じる。

 

やがてオーカミは、そのカード達の先頭にあったカードの名称に目が止まる。

 

 

「ガンダム・バルバトス・第1形態…MS、鉄華団………鉄華?」

 

 

1機の機械兵が描かれているカード。そこに記載されていた、自分の性と同じ名を関する「鉄華団」と言うワードに目を惹かれた。

 

 

「バトスピのカードはよく知らないしな。取り敢えずアニキに見せたら何かわかるか」

 

 

そう言うと、オーカミは郵便受けに入っていたデッキを懐に仕舞うと、ヨッカのいるバイト先、カードショップへと足を急いだ。

 

しかし、このカード達との出会いが運命の始まりであった事を、彼はまだ知らない。

 

 

******

 

 

場所はカードショップ。多くのお客が来店している中で、店長である「九日(ここのか)ヨッカ」は目を丸くして驚いていた。

 

無理もない。何せ、アレだけバトルスピリッツに対して興味がなかった弟分がデッキを持って来たのだから。しかも未知のカード達で構成された物をだ。驚かないわけがない。

 

 

「お、オーカ……オマエどうしたんだこのカード達、オレでも見た事のない代物ばっかりだぞ!?」

「そっか、アニキでも知らないか」

「MSは兎も角、鉄華団って言う系統は全く知らねぇ。まさかモビルスピリットの使い手であるこのオレも見たことがないモビルスピリットデッキが見つかるなんて……人生長く生きてみるもんだな」

「アニキ、オレと7つしか変わらないだろ」

「7つも変わってるだろ」

 

 

長年バトスピをやっている達人、九日ヨッカでも知らない、オーカミのカード達。

 

この時点でバトスピを知らないオーカミでもこのカード達がかなり特別な存在である事は容易に理解できた。

 

 

「で、オマエ宛に届いたんだろこのデッキ。どうすんだ?」

「どうするって、別にバトスピやりたいわけじゃないし、普通に売るよ」

「いや普通に売るなよ。そこは使いますだろ、大体売った金で中学生が何するって言うんだ」

「生活費に当てる。姉ちゃんに楽させたいから」

「真面目か!!」

 

 

兎に角真面目な鉄華オーカミ。自分宛に送られて来たデッキを売ってお金にして、あろう事か姉のために生活費に当てようとしている。

 

 

「オーカ、誰かは知らねぇけどな。きっとそれを送りつけた奴はオマエにバトスピをやって欲しいんだと思うぞ。鉄華団って言う名前も、オマエの苗字と一致してるしな」

「そうなのか?」

「普通に考えたらそうなるだろ。そのまま売り飛ばされたんじゃ、送り主とカードが泣くぞ」

 

 

そうヨッカに言われると、ふとデッキを見つめるオーカミ。確かにこのまま売り飛ばしたら送り主の気持ちを無下にするに等しいとも思える。

 

 

「それに、ここの仕事を熟すのにバトスピのルールを知っているのは絶対条件だ。自給上げてやるから、そのデッキでバトスピ始めろよ」

「自給が上がる……」

 

 

兎に角、多忙な姉を楽させるためにお金が欲しいオーカミ。自給が上がると聞いては黙ってはいられない。

 

 

「ならやるよ、バトスピ」

「わっはっは!!…ゲンキンなやつだな、まぁいい。ティーチングしてやるから、早速バトル場でスタンバイだ」

 

 

色々と天秤に掛け、成り行きでようやくバトスピをやる気になってくれたオーカミ。

 

少なくともほんの少しだけ彼がバトスピに興味を持ってくれた事に対し、ヨッカは喜びの笑みを浮かべると、そのまま彼の首根っこを捕まえて店内のバトル場へと連れ出した。

 

 

「Bパッドは持ってるな」

「あぁ、通話機能以外使った事はないけど」

「それとデッキさえアレばバトルはできる。オマエもBパットの展開の仕方くらいわかるだろ?」

「……」

 

 

オーカミはそう言われると、懐から取り出したBパットのスイッチを押し、バトル台として展開。それを左腕へとはめ込む。

 

 

「よし、次はBパッドの右上にデッキをセットだ」

「こうか?」

 

 

展開されたBパッドの上にデッキを配置するオーカミ。その瞬間にBパッドの面が一瞬光ったかと思うと、その光と共にライフやリザーブにコアと呼ばれる宝石のようなモノが勝手に生成される。

 

 

「この石ころって勝手に出てくるんだな」

「コアな。結構凄いんだぞ、これを容易に出現させる人様の科学力」

「ふーーん」

「後は初手札となる4枚のカードをデッキの上から取れば準備完了だ」

「4枚」

 

 

バトルスピリッツと言うカードゲームの最初の手札は4枚だ。オーカはそれを颯爽と引いていく。ヨッカもまたそれと同様にバトルの準備を済ませた。

 

これで準備は万端。いつでも開始ができる状態となった。

 

 

「華々しいオマエのデビュー戦だ、オレも本気のデッキでは行かないでおいてやる。ゲーム開始時の合言葉は、当然知ってるよな?」

「まぁ、なんとなく」

「よし、そんじゃやるか!!」

 

 

………ゲートオープン、界放!!

 

 

バトスピを知らなくとも、誰もが知っているこの開始の合図。店内のバトル場で向かい合う2人はそれを唱え、バトルスピリッツを開始した。

 

 

「オイ、またヨッカ店長のバトルだぜ!」

「相手は誰だ?」

 

 

人気が高いヨッカ店長。昨日と同様、バトルをするだけで老若男女を問わず店内のカードバトラーが集っていく。

 

2人のバトルが注目されていく中、バトルはヨッカの先攻で開始される。

 

 

「よし、良く見ておけよオーカ。オレのターンだ」

 

 

ようやく可愛い弟分とバトルできると思うと嬉しくて仕方がないヨッカ店長は己のそのターンを進めていく。

 

 

[ターン01]九日ヨッカ

 

 

「スタートステップ、ドローステップ、メインステップ。オレは2体のモビルスピリット、ジンを召喚する」

 

 

ー【ジン】LV1(1)BP1000

 

ー【ジン】LV1(1)BP1000

 

 

現れたのはモビルスピリットと呼ばれるスピリット郡の一種ジン。コストとBPは小さいながら、剣や銃などの多彩な武器を有しているのが窺える。

 

初めてのバトルスピリッツ。目の前に敵として現れたスピリットの迫力に、オーカは目を惹かれる。

 

 

「これがバトルスピリッツのスピリット。目の前で見ると、流石に凄みがあるな」

「先攻は最初のターン、コアステップとアタックステップを行えない。オレはこれでターンエンド。さぁオーカ、人生初のターンを進めな」

手札:3

場:【ジン】LV1

【ジン】LV1

バースト:【無】

 

 

そのターンをエンドとするヨッカ。

 

成り行きではあるものの、次はようやくバトスピをやる気になったオーカミのターン。朧げだがヨッカの見様見真似でそれを進めていく。

 

 

[ターン02]鉄華オーカミ

 

 

「……確かスタートステップ………」

「そう。ターンの最初はそう宣言しなければならない。そしてこのターンからはコアステップが入る。宣言すればオマエのリザーブにコアが1つ追加される」

「わかった、コアステップ」

 

 

そう宣言するとヨッカの言う通り、オーカミのリザーブにコアが追加された。

 

 

「ドローステップ。確かこの紙束から1枚引けばいいんだよな………ッ」

「おっ、何かいいモンでも引けたか?」

「いや、別に」

 

 

オーカミの初ドローステップで引いたカードは他でもない「ガンダム・バルバトス[第1形態]」のカード。デッキの先頭にあったカードなだけあって彼の頭には凄く印象に残っていた。

 

 

「ドローステップの次のリフレッシュステップは、このターン、回復するスピリットもコアもないからスキップ。その次のメインステップは、さっきのオレみたいに左上のコストの数だけリザーブのコアをトラッシュへと支払い、スピリットを召喚できるぞ」

「コスト、あぁこれか」

「おう。スピリットの上に置くコアも忘れんなよ」

 

 

カードのコストを認識するオーカ。

 

リザーブのコアの数は5個。今召喚できる中で一番強いカードを探して行く………

 

 

「今一番強いのは、コイツか。来い、ガンダム・バルバトス第1形態!!」

「!!」

 

 

ー【ガンダム・バルバトス[第1形態]】LV1(1)BP2000

 

 

蠢く地中から飛び出し、姿を現したのは白いボディに王者の冠を模したような黄色い角が特徴的なモビルスピリット、ガンダム・バルバトス第1形態。

 

肩の装甲が外れており、機体としてまだ万全ではないのが見て取れる。

 

誰も見たことがないスピリットのためか、周囲の来客達がざわつき始める。

 

 

「鉄華団デッキの軸となるスピリットか」

「これがオレのスピリット、バルバトス」

 

 

一見薄いリアクションを取っているように見えるオーカミだが、内心では眼前に聳えるガンダム・バルバトスの勇姿に年相応に感激している。

 

その事を誰よりも理解しているヨッカは嬉しそうに笑みを浮かべると、バトルのティーチングに戻る。

 

 

「フッ……オーカ、スピリットにはそれぞれ多種多様な効果がある。その中でもバルバトスは召喚時、つまり召喚した時に効果を発揮できる、使って見ろ」

「わかった。召喚時効果を発揮」

 

 

言われるがまま効果の発揮を宣言。バルバトス第1形態の効果は召喚時にデッキの上から3枚をオープンし、その中の「鉄華団」カードを回収した後に残りのカードをトラッシュに置く効果。

 

その中で、今回の対象カードは1枚………

 

よって、オーカミはそのカードを手札に加える事になった。そしてそのカードは…………

 

 

「鉄華団のカードを加える。じゃあオレは、これ、鉄華団モビルワーカーを手札に」

「おーおー、結構引きが強いじゃねぇか。スピリットは召喚する時、場のカードの右下にあるシンボルで召喚コストを軽減できる。その鉄華団モビルワーカーは1コストで1軽減のスピリット。今のオマエの場には紫のシンボルを1つ持つバルバトスがいるから………」

「成る程。ならオマエも来い、鉄華団モビルワーカー!」

 

 

ー【鉄華団モビルワーカー】LV1(1)BP1000

 

 

このタイミングだとノーコストで召喚できるスピリット。オーカは残っていたリザーブのコアを1つ使い、ローラーを備えた車両型マシン、鉄華団モビルワーカーを立て続けに召喚して見せた。

 

 

「これでメインステップでできることは終わった。そしたら次はお待ちかねのアタックステップ。スピリットでアタックすればそのシンボルの数だけ相手のライフを破壊できるぞ。よしオーカ、手始めにさっき召喚したバルバトスでオレのライフを撃ちに来い!」

「あぁ、行くよアニキ。アタックステップ、バルバトスでアタック」

 

 

オーカの指示を受け緑色に光り輝くバルバトスの眼光。機械兵とは思いもつかない獣のような動きで地を駆け抜ける。

 

狙っているのは当然ヨッカの5つあるライフだ。場のジンではバルバトスには敵わないためか、ヨッカは手を広げ、その攻撃を受け入れる。

 

 

「ライフで受ける………ッ」

 

 

〈ライフ5➡︎4〉九日ヨッカ

 

 

「良いアタックだ」

 

 

ヨッカの前方に展開される5つのライフバリア。その内の1つをバルバトスの拳が撃ち砕く。

 

このライフバリアを5つ全て砕いた者がこのバトルの勝者となる。

 

 

「次だ。鉄華団モビルワーカー!」

「ッ………それもライフだ」

 

 

〈ライフ4➡︎3〉九日ヨッカ

 

 

間髪入れずに容赦なく鉄華団モビルワーカーでも攻撃を仕掛けるオーカミ。鉄華団モビルワーカーは備え付けられているマシンガンでそのライフバリアをさらに1つ砕いた。

 

 

「確かにライフ全てを破壊したら勝てるのがバトスピだけど、鉄華団モビルワーカーも攻撃に寄越すとは、初めてのバトルにしては随分と強気じゃねぇか。スピリットはアタックしなければ次のターンのブロッカー、つまりライフを守る壁としても機能するんだぜ?」

「守ってどうすんだよ、攻めなきゃ勝てないゲームだろ。オレはこれでターンエンドだ」

手札:4

場:【ガンダム・バルバトス[第1形態]】LV1

【鉄華団モビルワーカー】LV1

バースト:【無】

 

 

「ハッハッハ、流石はオレの弟分だ。考え方がぶっ飛んでら」

 

 

歯に着せぬ鉄華オーカミの物言い。バルバトスだけでなく、鉄華団モビルワーカーでも攻めたのは彼の性格による影響が大きいようだ。

 

そして次はヨッカのターン。無駄に増えたコアを巧みに使い、メインステップまで急行する。

 

 

[ターン03]九日ヨッカ

 

 

「オレのメインステップ。ライフ減少により増えたコアを使い、モビルスピリット、ラゴゥを召喚!」

「!」

 

 

ー【ラゴゥ】LV1(1S)BP5000

 

 

薄いオレンジ色、四足歩行のモビルスピリット、ラゴゥがこの場に姿を見せる。ラゴゥは召喚した時やアタック時効果で仲間を呼ぶ事が可能な強力なスピリットであって…………

 

 

「いいかよく覚えとけよオーカ。減ったライフのコアは、その数だけリザーブに行く。何の策も無しに相手のライフを減らし過ぎると颯爽と強力なスピリットを相手に用意されちまうんだ。ラゴゥの召喚時効果!…ターンに一度、デッキの上から3枚をオープンし、その中の対象スピリット1枚をノーコストで呼ぶ。よし、現れろバクゥ!」

「ッ………効果でまた別のスピリットが出て来た」

 

 

ー【バクゥ】LV1(1)BP2000

 

 

召喚されるなり口部から咆哮を張り上げるラゴゥ。それに共鳴するかのように今度はまた別の四足歩行のモビルスピリット、群青色の装甲を持つバクゥが姿を見せた。

 

 

「これでオレのスピリットは4体。さぁ、反撃と行かせてもらおうか。アタックステップ、バクゥでアタック!」

「ライフで受ける……ッ」

 

 

〈ライフ5➡︎4〉鉄華オーカミ

 

 

登場するなり背中に備え付けられたジェット噴射を使い低空飛行でオーカミのライフを狙いにいくバクゥ。強烈な体当たりがオーカミのライフバリア1つに激突し、そのまま砕け散った。

 

 

「続けラゴゥ!」

「それもライフで受ける………ッ」

 

 

〈ライフ4➡︎3〉鉄華オーカミ

 

 

今度は強力なモビルスピリット、ラゴゥが行く。その背中にあるキャノン砲がオーカのライフバリアをまた1つ打ち砕いた。

 

 

「オレはこれでターンエンド。まっ、バトルの基本的な流れはこんな感じだ。次のターンからはスピリットとコアを回復できるリフレッシュステップと、場のスピリットのレベルアップを忘れんじゃねぇぞ」

手札:3

場:【ラゴゥ】LV1

【バクゥ】LV1

【ジン】LV1

【ジン】LV1

バースト:【無】

 

 

最初に呼び出した2体のジンをブロッカーとして残し、そのターンをエンドとするヨッカ。次は人生二度目のターンであるオーカミ。アニキと呼び慕うヨッカに頼らずとも、1人で順調にターンシークエンスを進めて行く。

 

 

[ターン04]鉄華オーカミ

 

 

「スタートステップ、コアステップ、ドローステップ……リフレッシュステップ。これでオレのスピリット達とコアは復活」

 

 

トラッシュのコアがリザーブへと舞い戻り、前のターンでアタックしたことにより、疲労状態となっていたバルバトス第1形態と鉄華団モビルワーカーが回復状態となり、立ち上がる。

 

 

「メインステップ。スピリットの召喚とレベルアップを行う」

「おぉ!…やっぱオマエ物覚えが早いな、もうすっかり覚えてるじゃねぇか!」

「まぁ、それは流石にアニキの教え方が上手いから」

「!!」

 

 

仏頂面で常に何を考えているかわからない弟分にそう言われ、胸の奥がジーンと響き渡り、感動を覚えるこの店の店長九日ヨッカ。そんな彼を感動させた事などつゆ知らず、オーカミはメインステップをさらに進めていく。

 

 

「なんだよオマエ、めちゃくちゃ嬉しい事言ってくれるじゃねぇか〜!!」

「このターンで一気にライフを破壊する……来い、2、3体目の鉄華団モビルワーカー!!」

 

 

ー【鉄華団モビルワーカー】LV1(1)BP1000

 

ー【鉄華団モビルワーカー】LV1(1)BP1000

 

 

並んでいくオーカの鉄華団スピリット達。これで合計4体。ヨッカのスピリットの総数と並んだ。

 

 

「バルバトスのLVを3に」

 

 

レベルを跳ね上げ、バルバトス第1形態のBPを6000と強力なモノに仕上げたオーカミ。その後、準備は整ったと言わんばかりにアタックステップへと移行して………

 

 

「アタックステップ。行け、バルバトス!!」

 

 

ヨッカの次のターンでの反撃を恐れないオーカミ。

 

前のターンと同様、バルバトスは機械兵とは思えない俊敏な動きで地を駆け巡り、ヨッカのライフを狙い行くが………

 

 

「初心者にしては良い攻撃だが、オレも黙って見てるわけにもいかないんでね、ここは防がせてもらうぞオーカ………!」

 

 

そう告げると、ヨッカはこのタイミングで手札から1枚のカードを抜き取り、それを己のBパッドへと叩きつけた。

 

 

「フラッシュマジック、ドリームハンド!」

「!?」

「不足コストは2体のジンより確保。よって消滅するが、発揮したドリームハンドの効果で1コスト以下のスピリットを全て手札に戻す……3体の鉄華団モビルワーカーは全てオマエの手札に返すぜ」

「手札に……?」

 

 

最初のターンで召喚された2体いたモビルスピリット、ジンがコア不足により消滅してしまうものの、突如としてオーカミの場に冷気で固められた巨大な手が出現し、鉄華団モビルワーカー達を薙ぎ払う。鉄華団モビルワーカーはたちまち粒子と化し、この場より消滅。Bパッド上に置かれていたカード達もオーカミの手札へと舞い戻る。

 

この光景はバトルスピリッツと言うゲームではごく当たり前に起こる事であるが、バトスピを始めたばかりのオーカはこの思い掛けない反撃に対し、意味がわからないと告げているかのようにキョトンとした表情を見せており………

 

 

「今のは………」

「マジックカード。使い捨てだが、あらゆるタイミングで様々な効果を発揮できる優れ物だ。バトルスピリッツは何もスピリットだけでやるモノじゃないんだぜ」

「それ、言いたいだけだろ」

「その通りだ!!……バルバトスのアタックはライフで受けてやる」

 

 

〈ライフ3➡︎2〉九日ヨッカ

 

 

使い捨てだが、強力な効果を瞬時に使えるマジックカードが炸裂したが、オーカミのバルバトスのアタックは継続中。ヨッカはその攻撃をライフで受ける宣言をし、そのバルバトスの拳を甘んじてライフバリアで受けた。

 

残りライフ2までヨッカを追い込むオーカだったが、鉄華団モビルワーカーを失った事で、これ以上ターン中にできる事はなくて………

 

 

「……ターンエンドだ」

手札:6

場:【ガンダム・バルバトス[第1形態]】LV3

バースト:【無】

 

 

結局場には疲労したバルバトスのみが残り、そのターンをエンドと言わざるを得なくなったオーカミ。彼がアニキと呼び慕うヨッカにそれは明け渡される。

 

相手が初心者であろうと一切の手加減をしない彼は、次のターンも容赦なく襲いかかってくる事は間違いのない事で…………

 

 

[ターン05]九日ヨッカ

 

 

「メインステップ!!…バルバトスにもご退場願おうか!…マジック、ホワイトストライク!」

「ッ……またマジックカード」

「効果でスピリット2体をデッキの下へ、バルバトスはオマエのデッキ下に眠るぜ」

 

 

メインステップ開始時早々に放たれる白のマジックカード。その効力でオーカミのバルバトス第1形態の機体が粒子化し消滅。Bパッド上のカードもデッキの下へと送り込まれてしまう。

 

これでオーカミの場のスピリットはゼロ。ヨッカがトドメを刺すには絶好の条件となった。

 

 

「ラゴゥのレベルを2に上げアタックステップ!…ラゴゥでアタック!」

 

 

スピリット効果でスピリットを呼べる強力な力を持つラゴゥのレベルが上昇。さらにアタックの指示を受けた事により、再びその効果を使用できて………

 

 

「アタック時効果、召喚時と同じ効果を発揮できる……オレはデッキから3枚のカードをオープンし、その中にある2体目のバクゥを召喚する!」

「!!」

 

 

ー【バクゥ】LV1(1)BP2000

 

 

吠えるラゴゥ。その雄叫びに応えるように2体目となるバクゥが場に出現。ヨッカの場はラゴゥ1体とバクゥ2体の合計3体で固められた。

 

そして何より………

 

 

「オマエの残りライフは3。このターン、可能なアタックが全て決まればオレの勝ちだぜ」

「くっ………」

 

 

そう。

 

3体揃った四足歩行のモビルスピリット軍団。それらの攻撃が全て通ってしまえばこのターン中にヨッカの勝利、オーカミの敗北が確定してしまうのだ。

 

それはオーカミも初心者ながら理解できている。

 

 

「……」

 

 

自分のライフを撃たんと突撃して来るラゴゥを前に、内心で「ここまで来て負けたくない」と思いながら、真剣な眼差しで手札を見つめるオーカミ。

 

前のターン、ヨッカはマジックカードと言うカードで戦況を変えた。ならば自分の手札にもそれはないのかと考えたのだ。

 

そして、それは偶然にも存在していて……

 

 

「これだ。マジック、キャバルリースラッシュ!!…コア3個以下のスピリット2体、つまりバクゥ2体を破壊できる!」

「なに!?」

「斬り裂け!!」

 

 

何もなかったオーカミの場から突如として放たれる紫の斬撃。それは最も巨大であるラゴゥを無視し、両サイドに佇んでいたバクゥ2体を斬り裂いた。

 

強力なラゴゥから出て来るスピリットであるバクゥだが、それ自体は非常に貧弱。堪らず爆散してしまった。

 

これで少なくともこのターンでの敗北は免れたオーカミ。しかし、まだラゴゥの攻撃が残っていて……

 

 

「ラゴゥのアタックはライフで受ける……ッ」

 

 

〈ライフ3➡︎2〉鉄華オーカミ

 

 

ラゴゥの渾身の体当たりがオーカミのライフバリアをさらに砕く。残りライフは少なめの2となるが、ヨッカもオーカミの放ったマジックカードの影響でこれ以上のアタックは行えなくて………

 

 

「ターンエンド。驚いたぜ、やるなオーカ。まさかオレの見様見真似でマジックカードを使いやがるとは!」

手札:2

場:【ラゴゥ】LV2

バースト:【無】

 

 

「そんなに驚く事じゃないでしょ」

 

 

 

アニキのこの様子。どこか余裕がある。

 

さては、まだ奥の手のマジックカードを隠し持ってるな。

 

 

 

ヨッカとのやり取りでそう考えるオーカミ。事実ヨッカの手札には確かにそれがあった。オーカミだけではない、周囲の来客達もそれをわかっているからこそ、オーカミに勝ち目はないと考えていた。

 

しかし…………

 

 

[ターン06]鉄華オーカミ

 

 

「スタートステップ、コアステップ、ドローステップ………ッ」

 

 

もう手慣れ始めているターンシークエンス。その過程の中でドローしたカードに目を奪われる。

 

無理もない。それは紛れもなくこの場を打開できる唯一の策になり得るカードだったのだから…………

 

 

「リフレッシュステップ、メインステップ。先ずはコイツらだ。オレは手札に戻った3体の鉄華団モビルワーカーを召喚!」

 

 

ー【鉄華団モビルワーカー】LV1(1)BP1000

 

ー【鉄華団モビルワーカー】LV1(1)BP1000

 

ー【鉄華団モビルワーカー】LV1(1)BP1000

 

 

ドリームハンドによって手札に戻されていた銃火器を備えた車両、鉄華団モビルワーカーが次々と復活を果たしていく。

 

その中でオーカミはこのターンにドローしたカードに手を掛け、それを呼び寄せる…………

 

 

「そして、オレはコイツを召喚する。現れろ、ガンダム・バルバトス第4形態!!」

「ッ……第4!?」

 

 

ー【ガンダム・バルバトス[第4形態]】LV3(4)BP12000

 

 

その姿はまさしく荒野の王者。

 

上空から地へと降り立ったのは、前のターンにデッキ下へと戻されたバルバトスの強化形態。不完全だった装甲は完璧に施され、その手にはメイスと呼ばれる黒々とした巨大な戦棍が握られている。

 

 

「成る程、それがオマエのデッキのエースってわけかオーカ。カッコいいじゃねぇか」

「行くぞアニキ。アタックステップ、バルバトス第4形態でアタック、効果でスピリットのコア2個をリザーブに送る!……よってラゴゥは消滅!」

「!!」

 

 

オーカミの宣言に従い、飛び出していくバルバトス第4形態。

 

そのメイスを荒々しく前方に突き出し、ラゴゥの脳天を貫いて見せる。流石のラゴゥにもこれには耐えられなかったか、堪らず力尽き爆散した。

 

 

「ッ………なんつー力だよ」

「そしてこれがバルバトスの本命のアタック!!」

 

 

ラゴゥの爆発による爆煙もまた、そのメイスで振り払うバルバトス第4形態。その姿をヨッカに見せつけるが…………

 

彼は、このタイミングで又しても手札から1枚のカードを切り、それをBパットへと叩きつけた。

 

 

「だが、そう簡単に勝利は譲らないぜ、フラッシュマジック、2枚目のドリームハンド!!」

「!!」

「これでもう一度、鉄華団モビルワーカーをまとめて手札に戻す!!」

 

 

前のターンと同じく、ドリームハンドにより、鉄華団モビルワーカー3体が全て薙ぎ払われ粒子化、オーカミの手札へと戻ってしまう。

 

 

「どうするオーカ、バルバトス第4形態だけじゃ、オレの残り2つのライフは破壊できねぇぞ!!」

 

 

しかし…………

 

その程度の事、前のターンで学習済みだ。同じ過ちは二度踏まない。

 

そう言わんばかりに、オーカミはバルバトス第4形態の更なる効果を宣言する。

 

 

「この一撃で勝負を決めれば関係ない……バルバトス第4形態の更なる効果、LV3のアタック中、紫のシンボルを1つ加える!!」

「ッ………ダブルシンボル効果!?」

「アニキは言ったよな、シンボルの数だけライフを破壊できるって」

 

 

紫のシンボルがバルバトス第4形態の内部へと埋め込まれていく。これによりバルバトス第4形態はダブルシンボル。

 

即ち、一撃で2つのライフを破壊できる鬼神と化した。

 

後はその黒き大剣メイスで眼前のライフバリアを葬り去るのみ。

 

 

「凄ぇ。これが鉄華団デッキのエースカードバルバトス、いや、オーカの力か………!!」

「トドメだ。やれ、バルバトス!!」

「フッ……来い、ライフで受けてやるよ………ッ」

 

 

〈ライフ2➡︎0〉九日ヨッカ

 

 

バルバトスの強肩から荒々しく振り下ろされた強靭なメイスは、容易く残り2つだったヨッカのライフバリアを砕いていった。

 

 

ピー…

 

 

ライフがゼロになった事により、ヨッカのBパットからは彼の敗北を告げるように甲高い機械音が鳴り響く。

 

そして、その音は同時に鉄華オーカミの初陣の勝利を告げる音色でもあって………

 

 

「お、おいあのチビ。ヨッカ店長に勝っちまったぞ!?」

「あのバルバトスってスピリット一体なんだよ、見た事ねぇ!」

「でもカッコいい!!」

 

 

名も知れない初心者が有名店長に勝利を収めた事と、未知のスピリットを操った事で、周囲の来客達は大盛り上がり。

 

 

「勝った、のか?」

「あぁ、良いバトルだった、負けたぜオーカ、大したモンだ。予想はしていたが、まさかここまでとはな、才能あるぜオマエ」

「……」

「んでもってようこそ、バトルスピリッツの世界へ」

 

 

そんな中、オーカミは初陣での勝利、そしてバトルスピリッツの楽しさを実感。

 

メイスを肩に担ぐバルバトス第4形態を眺めつつ、口角を上げると、その右拳を固く握りしめる。

 

 

「楽しい……これがバトルスピリッツ。カードとコアを使った、手に汗握る、熱い戦い……!!」

 

 

 

 

そしてこれがオレの相棒………

 

ガンダム・バルバトス!!

 

 

 

 

成り行きではあったものの、すっかりバトルスピリッツと言うカードゲームの虜となっていたオーカミ。その様子をアニキ分であるヨッカが微笑みながら見守っていた。

 

そしてこの日を境に、オーカミの運命は大きく動き出していく事になる…………

 

 




次回、第2ターン「赤きデジタルスピリット、ウォーグレイモン」


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