「………続けて行け、グシオンリベイク!!……効果で残った火炎剣を破壊」
鉄華団のパイロットブレイヴ『三日月・オーガス』と合体したグシオンリベイクで容赦なくアタックを継続する鉄華オーカミ。
グシオンリベイクは赤羽カレンの最後のライフバリアを破壊するべく、ゆっくりと歩き出す。その間に突き刺さった火炎剣をハルバードで斬り伏せる。
「三日月と合体している今、グシオンリベイクもダブルシンボル、ライフを2つ破壊する」
「………」
迫り来るグシオンリベイク。赤羽カレンはまだ何かないかと手札を見つめるが、もうこれに対抗できるほどのカードは残っていなくて…………
悔しいが、今の自分にできることと言ったら、ただただやって来る目の前の敗北を受け入れるのみ……………
「…………負けたか、ライフで受けるよ」
〈ライフ2➡︎0〉赤羽カレン
一瞬。
悔しさで手札のカードに指圧を掛けてしまうが、すぐにやめて敗北を受け入れる赤羽カレン。
そんな彼女の最後のライフバリアを、グシオンリベイクは手に持つハルバードで容赦なく、且つ豪快に斬り裂いた。
「き、決まったァァァー!!……界放リーグ、準決勝第一試合、勝者は鉄華オーカミ!!!……剣帝赤羽カレンを下し、まさかまさかの大金星だァァァー!!!」
実況席の紫治夜宵がマイクを片手に叫ぶと、会場の観客達もまた大きな歓声でそれに応える。
剣帝赤羽カレンといえば、現在のジュニアで獅堂レオンの次に強いと言われているカードバトラー、それを今年が初参加の少年が下したのだ。この歓声は必然と言った所か…………
「おぉ!!!……すげぇぞオーカ、アイツ初出場で決勝まで進出しやがった!!」
会場にいる鉄華オーカミの兄貴分九日ヨッカ。席から立ち上がり、まるで自分のことのように彼の勝利に歓喜する。
「ヨッカさんめっちゃ喜ぶじゃん。そんな凄い事なの?」
春神ライが横にいる親友、夏恋フウに聞いた。
「凄いに決まってるよライちゃん!!……だってあの剣帝を倒して決勝だよ、しかも界放リーグの!!」
バトルの腕前が元三王である九日ヨッカよりも強い春神ライ。彼女にとってはあの程度の局面、勝てて当たり前だと思っているのか、鉄華オーカミが成し遂げた偉業に対して余り感心を示さない。
「………まぁ、私と決着つける前に負けても困るからね。これくらいは勝ってもらわないと」
「またツンデレする、素直に好きな子が勝って嬉しいって言えばいいのに」
「だ、だからそんなんじゃないって!!」
顔を赤くしながらも否定する春神ライ。だがその図星と言われたような表情でバレバレである。
「………まさか獅堂レオンと戦う前に負けてしまうとはな。ここまで強くなっているとは思はなかったよ」
「………良いバトルだったな」
「あぁ、またやろう」
舞台では、鉄華オーカミと赤羽カレンが互いを称え合う。
あれだけ熱狂させた2人のカードバトラー、最後はあっさりと舞台の方を降りる。勝ち上がった鉄華オーカミ、次は決勝戦だ。
「…………」
会場の裏を歩く赤羽カレン。バトルの敗者はもう舞台に戻ってくる事はない。
ただ、ふとバトルの内容を思い返し、思わず壁に拳を殴りつけた。自分に対しての怒りは、音となって飛んで行く………
「………自分のせいとは言え、やはり許せないものだな、敗北は」
あのバトル、無理にネクサスカードを破壊しようとしなければ勝っていたのは間違いなく彼女だった。
たった一手のミスで勝機を逃してしまったのだ、悔しくてしょうがなかったに違いない。しかも彼女は三年、もう界放リーグジュニアには参加できなくなる。
「そんな事では赤羽司の妹の名が泣くな、赤羽カレン」
「ッ………獅堂レオン」
そんな折、彼女の前に現れたのは、次の試合を行う予定の獅堂レオン。同年代だと言うのに、相も変わらず偉そうだ。
赤羽カレンは好敵手である獅堂レオンの登場により、一層表情が険しくなる。
「私をその名で呼ぶな。それに、私は全力でバトルした……」
「悔いはないとでも言うつもりか?」
「!!」
「敗者が出るのは必然。悔しさが出るのも必然。だが、自分の気持ちに嘘をつく奴はただの強がりだ。強がりとは弱者が背伸びしているだけで、強さとは言わん」
どこまでも王者らしく、一見偉そうに見える程、堂々と語る獅堂レオン。
彼の嘘偽りない真っ直ぐな言葉に、自然と赤羽カレンは笑いが込み上げる。
「………フ、あっはは!!……君は本当に可笑しいな、でもそういう所がきっと君の強さなんだろう」
「………」
「あぁ、悔しいさ。いつもみたいに決勝でまた君とバトルしたかった………でも負けたのは仕方ない、また来年、今度はバトスピ学園の本物の界放リーグであいまみえよう。その時はきっとまた私は強くなっているだろう」
「フン……それはオレも同じ事だ。オレは誰にも負けない、王者なのだからな」
獅堂レオンは最後にそう告げると、赤羽カレンを置いていき、舞台の方へと歩み進んでいく…………
赤羽カレンはその逞しい背中をただ微笑まながら見守るだけだった。
「あ、ヒバナ」
「おぉオーカ!!……お疲れ様、凄いよ!!…あの剣帝、カレンさんに勝ったんだよ!?」
「うん、ありがとう」
一方反対側のゲート前では鉄華オーカミと、次の対戦者である一木ヒバナが鉢合わせていた。
鉄華オーカミが成し遂げた偉業に、友人として大いに喜ぶ一木ヒバナだが、鉄華オーカミはそれでも飄々としている。
「もう初心者なんて誰も言えないね」
「まぁ………次はヒバナだな。頑張って」
「うん。決勝は私たち2人でワンツーフィニッシュを決めよう」
一木ヒバナも最後にそう告げると、鉄華オーカミを後に、舞台へと歩み進んで行った。
次が直ぐに決勝戦と言う事もあって、鉄華オーカミは控室には戻ろうとせず、この場に留まり、バトルを直に観戦したい様子。
そして、遂に獅堂レオンと一木ヒバナ、因縁のある2人が界放リーグの準決勝と言う大舞台で顔を合わせて…………
「まさか、オマエがここまで勝ち上がって来るとは思ってなかったな」
「どう?…私だってその気になればこれくらい行けるのよ。認めてくれた?」
「………認めるかは否かはこのバトル次第だ」
会場から迸る大歓声の中、2人は会話を繰り広げる。
「正直、私には一木花火の娘だからとかじゃなくて、私自身を見て、ちゃんと認めてくれる人達が他に沢山いるから、貴方に認めて欲しいとは思わない………でも性分からして負けっぱなしは嫌!!……だからこのバトル、絶対に勝つ。勝って私もオーカ見たいに決勝に上がる」
「………残念だがそれは叶わぬ夢だ。決勝で我が好敵手、鉄華オーカミと戦うのはこの王者獅堂レオンだからな」
互いにBパッドを構え、デッキをセットする。手札を引き終えてバトルの準備は完全に完了した。
それを視認した解説席の女性アナウンサー紫治夜宵は再びマイクを手に取る。
「それでは準決勝第二試合、スタートしてください!!」
………ゲートオープン、界放!!
同時に声を上げ、いつもの界放のコール。轟音のような歓声の中、一木ヒバナと絶対王者獅堂レオンのバトルスピリッツが幕を開ける。
先攻は一木ヒバナだ。決勝への片道切符を手にするべく、己のターンを進めていく。
[ターン01]一木ヒバナ
「メインステップ……ネクサス、破壊された城を配置」
ー【破壊された城】LV1
早速、一木ヒバナの背後にネクサスカード、破壊された城、もとい大阪城が配置される。
「ターンエンド」
手札:4
場:【破壊された城】LV1
バースト:【無】
先行の第1ターン目ではできる事が極端に少ない。一木ヒバナはネクサスの配置のみでそのターンをエンドとした。
次なるは絶対王者、獅堂レオンのターンである。
[ターン02]獅堂レオン
「メインステップ………オレはコアスプレンダーをLV2で召喚する」
ー【コアスプレンダー】LV2(3S)BP3000
「召喚時効果でデッキから2枚オープン、ザクウォーリアを1枚手札に加える」
マッハの速度で獅堂レオンの場に出現したのは、戦闘機型のスピリット、コアスプレンダー。
「ターンエンド」
手札:5
場:【コアスプレンダー】LV2
バースト:【無】
ガンダムの名を持つモビルスピリット、インパルスガンダムを早々に繰り出し、幸先の良いスタートを切ったと言える獅堂レオン。
バトルは一周回って一木ヒバナのターンとなる。
[ターン03]一木ヒバナ
「メインステップ……破壊された城をLV2にアップ。ダーク・ディノニクソーをLV2で召喚」
ー【ダーク・ディノニクソー】LV2(2)BP4000
一木ヒバナの場には腹部にチェーンソーを仕込んだ小さな恐竜、ダーク・ディノニクソーが出現。その効果は自身を赤だけでなく緑としても扱うと言うモノ。
「………ターンエンド」
手札:4
場:【ダーク・ディノニクソー】LV2
【破壊された城】LV2
バースト:【無】
手札を見て、じっくりと作戦を吟味した一木ヒバナ。このターンのアタックはせず、ターンを獅堂レオンへと譲った。
[ターン04]獅堂レオン
「メインステップ……母艦ネクサス、ミネルバを配置」
ー【ミネルバ】LV1
獅堂レオンの背後に、母艦ネクサス、ミネルバが配置される。先の1回戦でも語られた通り、このカードは彼のデッキにとって、ある意味デスティニーよりも重要度が高いカードであり…………
「配置時効果でデッキから3枚オープン、ザクウォーリアを手札に加える。そして手札より創界神ネクサス、ギルバート・デュランダル!!」
「ッ……1回戦で使っていた創界神ネクサスカード」
ー【ギルバート・デュランダル】LV1
フィールドへの変化は一切ないものの、獅堂レオンのBパッドには創界神ネクサス『ギルバート・デュランダル』のカードが配置されていた。
その後の神託も行われ、デッキの上から3枚のカードがトラッシュへと送られるものの、今回は全て対象外のカード、上に乗るコアは0のままとなる。
「アタックステップ、コアスプレンダーでアタックする」
さらにアタックステップにてアタックを仕掛ける。だが、彼の狙いら一木ヒバナのライフを破壊する事だけではなくて………
「フラッシュ、コアスプレンダーの【零転醒】……1コストを支払い、このコアスプレンダーを、白きモビルスピリット、インパルスガンダムへと転醒させる……!!」
ー【インパルスガンダム】LV1(2S)BP4000
何処からともなく現れたモビルスピリットの上半身と下半身がコアスプレンダーを中心に合体。
新たに現れたのは、ビームライフルを装備した白きモビルスピリット、インパルスガンダムだ。
「早速お出ましね」
「当然アタックは継続中、ライフを撃て、インパルス!!」
「……ライフで受ける」
〈ライフ5➡︎4〉一木ヒバナ
先制点は獅堂レオン。インパルスガンダムが手に持つビームライフルで一木ヒバナのライフバリアを1つ撃ち抜いて見せた。
「ターンエンド」
手札:5
場:【インパルスガンダム】LV1
【ギルバート・デュランダル】LV1
【ミネルバ】LV1
バースト:【無】
彼もまた動かず、フィールドを固めてのターンエンド。
一木ヒバナの第5ターン目が開始される。
[ターン06]一木ヒバナ
「ドローステップ時、破壊された城のLV2効果。ドローする枚数を1枚増やす」
つまりは2枚。一木ヒバナは2枚のカードをこのターンのドローステップにドローした。
「メインステップ……もう1体ダーク・ディノニクソーをLV1で召喚。破壊された城と最初のダーク・ディノニクソーのLVを1にダウン」
「…………」
ー【ダーク・ディノニクソー】LV1(1)BP2000
コアをリザーブへと貯めていく一木ヒバナ。この行為に、獅堂レオンは彼女がこのターンから動き出す事を理解して…………
「そして、ダーク・ディノニクソー1体を消滅させて不足コストを確保…………召喚、古代怪獣ゴモラ!!」
ー【古代怪獣ゴモラ】LV2(3)BP9000
2体いるダーク・ディノニクソーの内1体がコア不足により消滅してしまうが、それにより、新たなる生命が爆誕する。
地中を砕きながら出現した巨大な赤のシンボル。それが砕かれると、中より三日月のような形をしたツノを持つ大怪獣、ゴモラが出現した。
「………1回戦の時も思ったが、そのカード達、オレと前バトルした時にはなかったな」
「えぇ、これは私の自分なりを詰め込んで作り上げた最高のデッキ!!……貴方に倒せるかな?……アタックステップ、ゴモラ!!」
颯爽とアタックステップへと突入し、ゴモラで攻撃を仕掛ける一木ヒバナ。
さらに、この瞬間に発揮できる効果がゴモラにはあり…………
「ゴモラのアタック時効果、ネクサス1つを破壊して、デッキから1枚ドロー」
「!!」
「ミネルバを破壊!!」
高く飛び上がるゴモラ。上空にて身体を捻り、その長い尾をミネルバへと叩きつける。ミネルバは地へと叩き伏せられ、呆気なく爆散してしまった。
「さらにもう1つのアタック時効果で、インパルスガンダムを指定アタック!!」
「…………」
ミネルバの次はインパルスガンダムだ。ゴモラはその三日月の形をした大きな角から超震動波を発射。インパルスガンダムの装甲を粉々に粉砕し、爆散させた。
「………インパルスの【VPS装甲:コスト5以下】ではゴモラの効果は防げない。さらに相手の効果によってフィールドを離れる時の効果も指定アタックなら意味がない」
「……成る程、流石に少しは考えて来ているか」
インパルスガンダムには【VPS装甲】以外にも『このスピリットが相手の効果によってフィールド離れる時、ボイドからコア1つをこのスピリットに置く事でフィールドに残る』効果がある。
ただ今回に限ってはそれが発揮されなかった。一木ヒバナのゴモラは効果ではなく、バトルでインパルスガンダムを破壊したからだ。オマケのようにネクサスも破壊しているため、この行動が彼女にとってどれだけ旨味が出ているかは計り知れない。
「………よし、私はこれでターンエンド」
手札:5
場:【古代怪獣ゴモラ】LV2
【ダーク・ディノニクソー】LV1
【破壊された城】LV1
バースト:【無】
バトルは第5ターン目が終了。一木ヒバナがゴモラで先に乗り出し、優勢に立った。
「流石は今大会2人目のダークホース一木ヒバナ選手!!……早くも赤のエース級のスピリットでフィールドをコントロールし始めました!!」
「デスティニーガンダムと言う強力なモビルスピリットを扱う獅堂レオン君がここからどう反撃に転ずるのかに期待が高まりますね〜」
マイクを片手に声を荒げる女性アナウンサー紫治夜宵。それに対して適当にコメントする若きモビル王、早美アオイ。
何はともあれ、獅堂レオンの第6ターン目が始まる。
[ターン06]獅堂レオン
「メインステップ………ザクウォーリア2体を連続召喚」
ー【ザクウォーリア】LV1(1)BP2000
ー【ザクウォーリア】LV1(1)BP2000
緑色の装甲を持った小型のモビルスピリット、ザクウォーリアが2体展開される。それに合わせるように、創界神であるギルバート・デュランダルに2つのコアが追加。
「……ターンエンド」
手札:4
場:【ザクウォーリア】LV1
【ザクウォーリア】LV1
【ギルバート・デュランダル】LV1(2)
バースト:【無】
このターンは守りを優先したのか、獅堂レオンはスピリットを横に展開してブロッカーを固めた状態で一度そのターンをエンドとする。
完全にバトルの流れは一木ヒバナが掴んでいる。その追い風に乗るように、彼女はターンを進めていく。
[ターン07]一木ヒバナ
「メインステップ……ダーク・ディノニクソーを再びLV2へ」
ダーク・ディノニクソーのLVがアップする。これでダーク・ディノニクソーは赤としても緑しても扱えるハイブリッドスピリットへと変化を遂げた。
「そしてこれが、ゴモラの第二陣………緑属性の古代怪獣ゴモラをLV1で召喚!!」
「む………」
「不足コストは赤ゴモラとダーク・ディノニクソーのLVを1にして確保」
ー【古代怪獣ゴモラ[初代ウルトラ怪獣]】LV1(1)BP7000
大地がひび割れ、中より緑のエメラルドのシンボルが出現。それはただちに砕け散ると、2体目の古代怪獣ゴモラが地に脚を付け、咆哮を張り上げる。
全く同じ姿をしているこの2体。しかし、このゴモラ達は属性もスペックも全くの別物であって……………
「これが私の赤ゴモラ、そして緑ゴモラ」
「………成る程、いずれも強力なスピリットには違いないな」
2体のゴモラを眺める獅堂レオン。強力な効果を持っているのは重々承知しているが、2体のコストは共に6。【VPS装甲:コスト7以下】と言う本来のコストが7以下の効果を受けない、我が魂、デスティニーガンダムの敵ではないとも内心では考えている。
だがそれは、一木ヒバナもまた承知の上であって………
「アタックステップ、緑ゴモラでアタック!!…効果でボイドからコア2つを自身に追加……LVアップ」
ー【古代怪獣ゴモラ[初代ウルトラ怪獣]】(1➡︎3)LV1➡︎2
「さらに2つ目のアタック時効果、相手スピリット1体を疲労させて、自身を回復させる!!」
「!」
「ザクウォーリア1体を疲労させて、緑ゴモラを回復」
ー【ザクウォーリア】(回復➡︎疲労)
ー【古代怪獣ゴモラ[初代ウルトラ怪獣]】(疲労➡︎回復)
2つのコアをブーストし、巨大な尻尾でザクウォーリア1体を振り払う緑ゴモラ。さらには回復状態となり、このターン、二度目の攻撃権利を得た。
コアブースト、疲労に回復。一般的に緑属性が得意とされる技の殆どを発揮している事から、このゴモラのスペック高さが窺える。
「さらにここから、私の勝利は加速する!!……フラッシュ、煌臨発揮!!……対象は赤ゴモラ!!」
「……ここで煌臨?」
「ソウルコアはダーク・ディノニクソーから確保、よって消滅………現れよ赤の究極体、ウォーグレイモン!!」
ー【ウォーグレイモン】LV1(1)BP8000
ダーク・ディノニクソーがコア不足によって消滅した直後、赤ゴモラの周囲に、赤々と燃えたぎる炎の渦が発生、赤ゴモラはその中で姿を大きく変化させていく…………
やがてその炎の渦を斬り裂き、中より出現したのは、デジタルスピリット、ウォーグレイモン。腕の武器、ドラモンキラーを構えて戦闘態勢に入る。
「まだウォーグレイモンを使っていたか。アレは一木花火だからこその………」
「その話は聞き飽きた!!……ウォーグレイモンの煌臨時効果、BP15000まで好きなだけスピリットを破壊する。ザクウォーリア2体を破壊!!」
ウォーグレイモンは現れるなり両掌から巨大な炎の球を生成、それを獅堂レオンのフィールドへと投擲する。
彼のフィールドにいるザクウォーリアはたちまち焼き尽くされ、散って行った。
「ザクウォーリアの破壊時効果、ボイドからコア1つをトラッシュへ、その後手元へ移動する。2体破壊されたため、これを二度行う」
「コアは増えても、緑ゴモラのアタックは止められない!!」
「………ライフで受ける」
〈ライフ5➡︎4〉獅堂レオン
ザクウォーリアの破壊時効果が発揮されるも、緑ゴモラは止まらず、そのまま三日月の角を活かした突進攻撃でライフバリア1つを粉砕する。
「もう一度、緑ゴモラでアタック!!……効果でコアを増やしてLV3にアップ」
ー【古代怪獣ゴモラ[初代ウルトラ怪獣]】(3➡︎5)LV2➡︎3
再び咆哮を上げて攻撃を仕掛ける緑ゴモラ。その前方には獅堂レオンのスピリットは一体もいない…………
「それもライフで受けよう」
〈ライフ4➡︎3〉獅堂レオン
突進攻撃で又しても獅堂レオンのライフバリアが1つ粉砕される。そしてこの瞬間、緑ゴモラには発揮できる第3の効果があって…………
「緑ゴモラLV3の効果、1ターンに一度、コスト6以上の自分のスピリットが相手ライフを減らした時、さらに1つのライフを破壊する!!」
「!!」
「緑ゴモラはコスト6!!……行け、メガトンテール!!」
「ぐっ………!」
〈ライフ3➡︎2〉獅堂レオン
突進からの尻尾を横に払う二連続攻撃。獅堂レオンのライフは一気に半数を切った。
「ターンエンド!!……どうだ、これが新生一木ヒバナデッキ。私なりに考えて考え抜いた最強のデッキ」
手札:4
場:【古代怪獣ゴモラ[初代ウルトラ怪獣]】LV3
【ウォーグレイモン】LV1
【破壊された城】LV1
バースト:【無】
ウォーグレイモンをブロッカーとして残し、そのターンをエンドとした一木ヒバナ。
彼女の優勢が終始続いていく中、ターンが絶対王者の獅堂レオンへと渡る。
[ターン08]獅堂レオン
「考え抜いてこの程度、やはり貴様のバトルは緩い。さっさと終わらせてやろう、この我が魂で………」
「来る………!」
空気が変わったのを察した。『我が魂』と言う事は、今から登場するスピリットはやはりアレで間違いないだろう……………
「メインステップ……手元に戻ったザクウォーリア2体を召喚。ギルバートにコアを2つ神託」
ー【ザクウォーリア】LV1(1)BP2000
ー【ザクウォーリア】LV1(1)BP2000
効果により彼の手元へと戻っていた2体のザクウォーリア。再びフィールドへと帰還する。ギルバート・デュランダルは神託により、そのコアは4つとなる。
そして………
運命をも覆す我が魂!!……デスティニーガンダムをLV2で召喚!!」
ー【デスティニーガンダム】LV2(2)BP15000
蔓延る雷雲。そこから放たれる落雷と共に姿を見せるのは、赤き機翼を羽ばたかせる白きモビルスピリット、レオンの魂、デスティニーガンダム。
「来た、デスティニーガンダム………」
「来ましたァァァー!!!……獅堂レオンの無敗を誇る最強エースカード、デスティニーガンダムだァァァー!!……この強大なモビルスピリットを倒せるカードバトラーは果たしてこの大会に出場しているカードバトラーにいるのかァァァー!?!」
アナウンサーの紫治夜宵がそう仰ぎ、会場全体がデスティニーガンダムに歓声を送る。
確かに世間一般では絶対王者の絶対的なエースカード。誰も倒す事ができない無敵のカード。と言った印象だが、最近、非公式の試合ではあるが、そんなデスティニーガンダムを地に付けたモビルスピリットの名を、一部の者達は知っている…………
「オレとデスティニーは強者との戦いに飢えている。この渇きを癒せるのは、このジュニア内だと鉄華と、奴の操るバルバトスのみ………強くなったであろう奴との再戦をするのに貴様は邪魔だ、一木花火の娘、一木ヒバナ」
「そんなに早く私を倒したいならさっさとアタックステップに入ればいいじゃない」
一木ヒバナにそう煽られると、獅堂レオンは「ならばお望み通りさっさと蹴散らしてくれる」と、彼女に告げてアタックステップへと移行し…………
「アタックステップ、デスティニー……出撃しろ」
強者との戦いを常に求める獅堂レオン、その相棒であるデスティニーガンダムが空を翔け抜ける。向かう先は当然一木ヒバナのライフだ。
「アタック時効果、このスピリットのBP以下のスピリット1体を破壊し、そのシンボル分、相手ライフのコアをボイドに置く」
「………」
「緑ゴモラを破壊、貴様には1点のダメージを与える」
〈ライフ4➡︎3〉一木ヒバナ
デスティニーガンダムの持つ極太のビームライフル。そこから放たれたビームが無慈悲にも緑ゴモラへと突き刺さる。
緑ゴモラは堪らず激しい断末魔を上げながら爆発四散して行った。その爆発の余波が一木ヒバナのライフバリアに衝撃を与えて破壊する。
彼女のフィールドのスピリットはウォーグレイモンのみ。だが何もせずに指を咥えて見ているだけではない。この瞬間で使えるカードを手札から引き抜いて…………
「私のライフが減った事により、手札からシックスブレイズを発揮!!」
「!!」
「効果でBP12000まで、相手スピリットを好きなだけ破壊。この効果で破壊したスピリット効果は発揮されない………私は2体のザクウォーリアを破壊するわ」
一木ヒバナの背後より放たれる6つの火の弾丸。それは瞬く間に獅堂レオンのザクウォーリア2体にヒット。コアブーストし、手元に移動する効果を無効にしつつ、爆散させる。
これで彼もまた場にはデスティニーガンダムのみだが、全くもって焦ってはいない様子。
「フラッシュ、デスティニーのLV2、3効果。ギルバートを疲労させて自身を回復」
ー【デスティニーガンダム】(疲労➡︎回復)
デスティニーガンダムの眼光が光り輝く。創界神ネクサスカードであるギルバート・デュランダルのカードが疲労し、デスティニーガンダムはこのターン、二度目の攻撃権利を得た。
「ザクウォーリアは始末できても、まだデスティニーの本命のアタックは残っているぞ」
「………ライフで受ける」
〈ライフ3➡︎2〉一木ヒバナ
ビーム状の刃を持つ、巨大な大剣を展開するデスティニーガンダム。それを振い、一木ヒバナのライフを一刀両断、その数を残り2とした。
大剣と共に猛威を振るうデスティニーガンダムであるが、止められないと言うわけでもない。一木ヒバナはもう一度手札からカードを1枚引き抜く。
「ライフが減った事により、マジック絶甲氷盾!!」
「む……」
「このバトルの終了が、このターンのアタックステップの終了となる」
デッキへの採用率の高い、白属性の汎用防御マジック『絶甲氷盾〈R〉』……………
一木ヒバナもまたそのカードをデッキへと忍ばせていた。これにより、獅堂レオンのデスティニーガンダムがいくら無敗を誇る最強エースカードであっても、これ以上の攻撃は行えなくなって…………
「……首の皮一枚、と言った所か。ターンエンド」
手札:4
場:【デスティニーガンダム】LV2
「ギルバート・デュランダル】LV1(5)
バースト:【無】
致し方なくそのターンをエンドとする獅堂レオン。
彼のエースカードであるデスティニーガンダムがブロッカーとしてフィールドに残ったこの状態、圧倒的な重圧が一木ヒバナの前方から押し寄せて来るが……………
彼女はこんな時でも笑って見せて…………
「ふふ、首の皮一枚??……それはこっちのセリフよ獅堂レオン」
「………なに?」
「私は、貴方がデスティニーガンダムを召喚してくれる、この時を待っていた!!……次の私のターンでフィニッシュよ!!」
まるでこのバトルは全て自分の計算の中だった。そう言わんばかりに一木ヒバナが告げると、巡って来た己のターンを開始していく。
[ターン09]一木ヒバナ
「メインステップ………ウォーグレイモンのLVを3にアップ」
ー【ウォーグレイモン】(1➡︎5)LV1➡︎3
ウォーグレイモンのLVが上昇。そのBPはLV2のデスティニーガンダムを超えた16000となる。
「アタックステップ……ウォーグレイモンでアタック!!」
フィールドにいる唯一のスピリット、ウォーグレイモンで攻撃を仕掛ける一木ヒバナ。BPではデスティニーガンダムを上回っているとは言え、単騎でそれを突破しつつ、獅堂レオンの2つのライフを破壊する事は不可能…………
だが、そんな事彼女もお見通し、手札から更なる1枚を引き抜き………
「フラッシュ、煌臨発揮!!……対象はアタック中のウォーグレイモン!!」
「ッ……ウォーグレイモンからさらに煌臨だと?」
煌臨スピリットであるウォーグレイモンを対象とした、更なる煌臨。流石の獅堂レオンも想定外だったか、目の色を変える。
灼熱の炎にその身を包んでいくウォーグレイモン。その中でこれまでとは比較の仕様もない進化を遂げていく………
「勇気の想いは、世界を変える!!……アグモン・勇気の絆!!」
やがてその灼熱の炎を弾け飛ばしながら現れたのは、グレイモンの頭角、人形の姿、どこまでも伸びそうな三つの尾を持つ究極体、アグモン・勇気の絆がその姿を見せる………
ー【アグモン-勇気の絆-】LV3(5)BP20000
「なんだコイツは、デジタルスピリットなのか……!?」
「アオイさんから貰った私のもう1つの切札!!……絶対にこのターンで勝つ!!」
以前、早美アオイから貰い受けた『勇気の絆』のカード。一木ヒバナにとって、今となってはとても良い思い出だ。
しかし…………
その光景を舞台のすぐ近くで眺めていた鉄華オーカミは、そのスピリットから何やらただならぬ、不穏な何かを感じて……………
「ッ………なんだあのスピリット。変な感じだ」
鉄華オーカミや獅堂レオン、一木ヒバナなどの子供達はまだ知らないが、早美アオイがあの『A事変』の首謀者『Dr.A』と繋がっていた。
そんな早美アオイのカードであった勇気の絆は、ひょっとしたら、ひょっとするのかもしれない…………
「勇気の絆の煌臨時効果、相手のBP15000以下のスピリット1体を破壊!!」
「………ソイツのコストは9か」
「そう。つまりデスティニーガンダムの【VPS装甲:コスト7以下】も貫ける!!……行け、超灼熱砲レッドリーマー!!」
勇気の絆は、燃え上がる両手を前方のデスティニーガンダムへと向け、その先から超灼熱砲を繰り出す。
デスティニーガンダムは逃げる間もなくそれに直撃。重厚なる白き装甲を砕かれ溶かされ、爆散してしまった…………
「お、おぉぉぉお!!!!……何という事かァァァー!!!……一木ヒバナが獅堂レオンのデスティニーガンダムを破壊!!!……誰も勝てないと言われていたデスティニーガンダム、遂に地に堕ちる!!!」
現ジュニアの絶対王者である獅堂レオン。そのエースたるデスティニーガンダムの破壊は実況席の紫治夜宵を初め、誰もが驚愕した。
「……本当はオーカのバルバトスが最初なんだけどね。勇気の絆のLV2、3のアタック時効果!!……このスピリットのアタック中に相手スピリットが破壊された時、相手ライフに1点のダメージを与える!!」
「くっ………」
〈ライフ2➡︎1〉獅堂レオン
デスティニーガンダムの爆発の余波が、爆煙と共に獅堂レオンのライフバリアへと覆い被さる。その数は遂にデッドゾーンの『1』となる。
「煌臨スピリットは煌臨元となったスピリットの全ての情報を引き継ぐ、つまりアタック中のウォーグレイモンに煌臨した勇気の絆はアタック中!!……そして、貴方のライフは残り1つ!!」
これで終わりだとでも言いたげな一木ヒバナ。勇気の絆が最後のライフを討つべく、獅堂レオンへと向かって走って行く。
ライフを破壊されるわけにはいかない彼は、当然ここで使えるカードを切って来る。
「それで勝ったつもりか?……フラッシュ、オレは手札にあるフォースインパルスガンダムの効果、自身を召喚する」
「!!」
「このカードは系統『ザフト』を持つネクサスカードがある時、手札から召喚できる」
ー【フォースインパルスガンダム】LV1(1)BP5000
「召喚により、ギルバートに神託」
勇気の絆の行手を阻まんと、上空から音速をも超える速度で飛来するモビルスピリット、フォースインパルスガンダム。
「奴の勝利の道を阻め、フォースインパルス!!」
フォースインパルスガンダムは、獅堂レオンがこのターンを凌ぐために召喚された急拵えのブロッカー。
彼のライフを守るため、格上であろう勇気の絆に戦いを挑む…………
だが、このターンを凌がれて劣勢になるのは一木ヒバナの方だと言うのに、彼女はこの瞬間でも口角を上げて、笑みを浮かべる。
「ふふ……当然、これで勝ったつもりよ。言ったでしょ?…勇気の絆はアタック中に相手スピリットを破壊した時に1点のダメージを与える」
「………そうか」
「えぇ、勇気の絆のライフを破壊するLV2、3の効果は、要はアタック中に何でもいいから相手スピリットを破壊すればいいの。だからいくらスピリットを召喚しても無駄………勇気の絆は貴方のスピリットごと、貴方のライフを砕く!!」
勇気の絆の相手のライフを破壊するLV2、3効果は、アタック中に相手スピリットを破壊した時が条件。
それは、効果破壊だけでなく、BPバトルで破壊した時にも誘発する。つまり、いくら獅堂レオンがスピリットを並べようとも、勇気の絆以下のBPを持つスピリットでは意味がないという事…………
フィールドでは勇気の絆を倒そうと、フォースインパルスガンダムがビームライフルを構える。だがその発泡よりも前に、勇気の絆の3本の尾が機体の装甲を貫く。そして、勇気の絆は捕らえたフォースインパルスガンダムを振り回し、地面へと叩きつけた。
「これで終わりよ。打ち鳴らせ勇気の絆!!……超灼熱砲レッドリーマー!!」
今にも砕け散りそうなフォースインパルスガンダムに向かって、勇気の紋章は無慈悲にも両拳から再び超灼熱砲を放つ…………
そしてその直線上には獅堂レオンもいる。破壊するつもりなのだ、フォースインパルスガンダムごと彼のライフを…………
やがて超灼熱砲は瀕死のフォースインパルスガンダムと獅堂レオンのライフバリアを飲み込んでいき、大爆発を起こした。
「………や、やった。勝てた………」
爆発による爆煙の中、一木ヒバナは勝利を確信した。
自分なりのバトルで王者である獅堂レオンを倒せた、決勝で待っているオーカともバトルができる。そう思い、感涙しそうになった。
この一連のバトルの流れを解説席で見ていたモビル王、早美アオイ。一木ヒバナの勝利を喜ぼうとする様子はなく、寧ろ獅堂レオンの敗北が信じられないとでも言いたげな様子を見せている。
その横にいる紫治夜宵は、最初こそ唖然としていたが、我に帰り、マイクを片手に実況へと戻る…………
「………お、王者獅堂レオン、地に堕ちる!!!……勝ったのは一木ヒバナ!!……見事決勝進しゅ………」
「待て………!」
「!!」
爆煙の中、アナウンサーの声を遮り、響き渡る声色は獅堂レオンのモノ…………
「何勝手にバトルを締めようとしている。まだ終わっていないぞ?」
「………え?」
〈ライフ1〉獅堂レオン
「な、なんで……!?」
爆煙が晴れ、改めて顔を見せる獅堂レオン。そして彼のライフバリア。表示されているそれは、残り1つのまま、揺らいでいなくて…………
絶対王者の生存に湧き上がる歓声の中、対戦相手でえる一木ヒバナは他の誰よりも驚愕していた。そして、そんな彼女に、獅堂レオンはあの瞬間、何が起こっていたのかを告げる………
「貴様のスピリット、勇気の絆と言ったか?……ソイツをよく見てみるんだな」
「よく見てみろって…………え?」
そう言われ、彼女はフィールドにいる勇気の絆を視認する。すると、衝撃的な事実が発覚して…………
ー【アグモン-勇気の絆-】LV1(5)BP10000
「LVが3から1になってる……なんで!?……確かにコアは置いてるのに!?」
そう。勇気の絆のLVが下降していた。LVが1だったらLV2、3効果は発揮しない。だから彼のフォースインパルスガンダムを破壊してもライフまで破壊できなかったのだ…………
「オレの場にある創界神『ギルバート・デュランダル』のLV2効果だ。コイツはLV2の維持コアが6と重い代わりに、相手スピリット全てのLVを強制的に1にすると言う稀有な効果を発揮できる」
「!!」
「気が付いたか。オレはあの時、単にブロックのためだけにフォースインパルスを召喚したのではない。ギルバートのコアを6個にするために召喚したのだ」
ー【ギルバート・デュランダル】LV2(6)
「だからあの瞬間、勇気の絆の効果は発揮しなかった。故に、オレのライフは残った」
「そ、そんな………」
まさか過ぎる大逆転劇に、一木ヒバナは自身の頭から血が引いて行くのがわかった。無理もない、寸前の勝利を意外な方法で止められてしまったのだから…………
「………これは、勝負あったわね」
観客席にいる春神ライは、もう誰が勝ったのかを悟り、1人そう呟く。
「………ターンエンド」
手札:2
場:【アグモン-勇気の絆-】LV1
【破壊された城】LV1
バースト:【無】
勝利への確信、からの絶望、からのターンエンド。
次はギリギリの所で彼女の攻撃を凌いだ獅堂レオンのターン。それを感じさせない程、もしくはそれくらいの攻撃、凌げて当たり前だと言わんばかりに堂々とした様子で、巡って来たターンを進めていく…………
[ターン10]獅堂レオン
「メインステップ………再び震えよ我が魂!!……デスティニーガンダムをLV3で召喚!!」
「ッ……2体目のデスティニー!?」
ー【デスティニーガンダム】LV3(5)BP23000
ここに来て2体目のデスティニーガンダムが召喚される。
一瞬にして復活したようにも見えるその様は、まるで獅堂レオンと一木ヒバナの力の差を著しているかのよう…………
「アタックステップ、デスティニーでアタック!!……効果で勇気の絆を破壊し、そのシンボル分、貴様のライフにダメージを与える」
「ッ……キャァァ!!」
〈ライフ2➡︎1〉一木ヒバナ
デスティニーガンダムはビームライフルから極太のレーザー光線を発射し、今度は勇気の絆と一木ヒバナのライフバリアごと貫く。
流石に耐えられなかったか、勇気の絆は堪らず大爆発を起こした。これで、デスティニーガンダムのアタックを凌げるスピリットはいなくなる。
「決勝前の、良い余興だった」
デスティニーガンダムが一木ヒバナのライフバリアを破壊せんと彼女の目前まで降り立った直後。獅堂レオンはそう呟く。
そして、試合が終わる。
「デスティニー、トドメの一撃を食らわせてやれ!!」
「………!!」
〈ライフ1➡︎0〉一木ヒバナ
デスティニーガンダムは脚の格納部から小型の剣を取り出し、手にすると、それを一木ヒバナの最後のライフバリアへと突き刺す。
彼女の最後のライフバリアは、瞬く間にそれに貫かれ、ガラス玉のような音を立てながら、静かに砕け散って行った…………
次回、第22ターン「決勝戦、バルバトスVSデスティニー再び」