界放リーグ準決勝第二試合、獅堂レオンVS一木ヒバナ。
バトルは終始一木ヒバナが優勢だったものの、最後の最後で獅堂レオンが戦術を読み勝ち、デスティニーガンダムで決勝戦へと駒を進めたのだった………
******
「ま、負けた………」
この試合で全ての体力を使い果たしたか、一木ヒバナは体中の力が抜け、その場で座り込んでしまう。
「ヒバナ………!」
それを間近で見ていた鉄華オーカミは彼女に寄り添おうと走り出すが、それよりも先に彼女の眼前に現れたのは、まさかの獅堂レオンの方………
彼はそのまま彼女へ向けて手を差し伸べると………
「見せて貰ったぞ、貴様の本気」
「………え?」
そんな獅堂レオンが彼女に掛けた言葉は意外なモノだった。まるで認めたかのような口ぶりに、一木ヒバナは戸惑いが隠せない。
「………こんなこと言うのもアレなんだけど、どうしたの急に……なんか気持ち悪いんですけど」
「ハッハッハ!!……オレは強い奴には敬意を表す!!……大人しくオレの手を取るがいい」
「なんて偉そうな奴」
獅堂レオンの高飛車なセリフに対してそう告げたのは丁度舞台に上がって来た鉄華オーカミだった。
一木ヒバナはそのまま言われるがままに獅堂レオンの手を取って、立ち上がった。
「中々良いバトルだった。認めよう、貴様の実力」
「………あ、ありがとう」
「だがオレの好敵手と呼ぶにはまだまだ程遠い、やはり好敵手は貴様でないとな、鉄華オーカミ!!」
「はいはい」
鉄華オーカミは『勝手に言ってろ』と言わんばかりに聞き流す。
「……ごめんオーカ、負けちゃった」
一緒に決勝へ行くと約束していた一木ヒバナ。寂しそうな表情を見せながら、彼にそう告げる。鉄華オーカミは少し考えると、口を開く。
「………獅堂じゃないけど、ヒバナらしくて、良いバトルだったと思う」
「ッ…ありがとう!!」
「…………後、あの勇気の絆ってカード………」
「あぁ、アレ。アオイさんから貰ったの!!……カッコいいでしょ?」
バトルの中、鉄華オーカミが気になった存在。一際目立っていたあの勇気の絆と言うカード。誰も何とも思っていなかったみたいだが、彼は不思議とあのカードから悪寒を感じ取っていて…………
「……あぁ、強かったな」
折角の貰ったカードなのに、ケチをつけるような言い方はできないと思い、結局勇気の絆は自分の思い過ごしであろうと判断する。
そんな事よりも、今は切り替えて決勝戦だ…………
「でしょ!!……今度オーカともまたバトスピしないとね!!………それじゃ、後は任せた!!……優勝を掻っ攫って来て!!」
「あぁ……!!」
バトンタッチするようにハイタッチをする鉄華オーカミと一木ヒバナ。一木ヒバナは舞台を降り、最も高いスタジアムの端から彼のバトルを見守る…………
遂に2人だけとなった舞台。鉄華オーカミ、獅堂レオンは互いに鋭い目線を合わせて…………
「先ずはよくここまで来た。褒めてやる」
「そうか」
「だがオレはオマエならあの敗北からさらに強くなり、こうしてまたオレとあいまみえる事になると思っていたぞ」
「そんなのどうでもいいから、さっさとBパッドを構え直せよ。オレとのバトルを楽しみにしていたんだろ?……じゃあ早く来い、今度こそ叩き潰してやる」
現在のジュニア最強、そのままプロになってもトップになれると言われるだけの実力を持つと言われている獅堂レオンに対して、堂々と実質勝利宣言を行いつつ、Bパッドを構える鉄華オーカミ。
そんな彼を見て、獅堂レオンは小さく口角上げて………
「フ……そうだったな。オマエはそう言う男だ。確かにオレ達のバトルに御託など必要ない、そこにあるのは勝つか負けるか、それだけだな」
「そう言うのが要らないんだよ」
獅堂レオンもまたBパッドを構える。
互いにデッキをセットし、バトルの準備を完璧に終えた。
「皆さま、大変長らくお待たせ致しました。長きに渡り続いた熱かりし界放リーグも、間もなく決勝戦を迎えます」
マイクを手に取り、大勢の観客達の歓声を仰ぐように、苛烈を極めた界放リーグを勝ち抜き、決勝戦の舞台に立った両者を紹介していく。
「そんな決勝戦を駆け抜ける1人目は獅堂レオン。去年一昨年と界放リーグをニ連覇している絶対王者。相棒たるデスティニーガンダムの一撃は、今まで多くの強豪達を薙ぎ払って来ました…………それに挑むのは今大会最強のダークホース、鉄華オーカミ。誰も見た事がない未知のカード、鉄華団を巧みに使い、これまた多くの強豪達を蹴散らして来ました。さぁ、この最後を締めるに相応しい2人のバトルスピリッツ………勝つのはどちらか」
真面目に紹介した所で「では、続きまして解説の早美アオイさん、よろしくお願いします!」と告げ、彼女に番を回した。
早美アオイは落ち着き、手慣れた様子でコメントしていく。
「先ずは決勝戦まで勝ち上がって来た御二方、本当に素晴らしいバトルでした。同じモビルスピリット使いとして、何だか私も誇らしい気分です。しかし忘れないで欲しい。あなた方は惜しくも敗北してしまった方々の上に立っていると言うことを…………その無念を背負い、誇り高きカードバトラーとして、締めのバトル、大いに盛り上げてください」
建前は告げた。早美アオイは一度わざと咳き込み、区切りを付けると、自身が言う予定であったセリフを吐いていく。
「それと、皆様の熱いバトルを間近で観ていたら、なんだか私もバトルしたくなって来ちゃいました。と言う訳で、決勝で勝った方がエキシビジョンマッチとしてこのモビル王である私、早美アオイとバトルしましょう!!」
ー!!
「ふふ、期待してますよ、若きチャレンジャー」
途端に爆発したような歓声が響き渡る。無理もない、ただでさえ今年の界放リーグは神試合の連発であったと言うのに、この後に及んで界放市トップのカードバトラーのバトルまで拝めるのだから、会場にいる者達の殆どが興奮し、喝采を上げたに違いない。
ただ、彼女があのDr.Aと関連のある人物である事を知っている九日ヨッカは、それを懸念して…………
「…………」
黙り込んでいるが、内心では「何を企んでいる!?」と深く考え込んでいる。このままではDr.A関連の事件に弟分である鉄華オーカミまで巻き込んでしまう事になるかもしれない。
だが、全世界が注目するバトルの祭典、界放リーグ。この大きな大会で無理矢理バトルを止める事はできない。寧ろそんな事をしたら不利になるのは自分の方………
つまり、彼はこの状況、非常に歯痒いが、指を咥えて観戦する事しか出来なかった。
「……成る程、鉄華との決着もつけれて、尚且つモビル王の称号も貰えるのか、悪くないな」
「………これに勝ったらあの青い髪の人ともう一度バトルできるのか………今度こそ本気でバトルしてくれたらいいけど」
そんな事もつゆ知らず、鉄華オーカミと獅堂レオンの2人は俄然バトルへのモチベーションを高めていく。
「なんとなんとまさかの現モビル王である早美アオイさんからの挑戦状だ!!!……急に予定外の事をぶち込んで来るのはいただけませんが…………なんか皆さんが大丈夫ならそれでOKです!!」
「ふふ、ありがとうございます」
アナウンサー夜宵の哀愁を僅かに感じさせる口ぶりからして、早美アオイは、やはり少々無茶な事は言っていた様子。
しかしなんやかんやでそれも成立した。本当に決勝で勝った方が彼女とモビル王を賭けたバトルスピリッツを行う事になる。
「ではではではでは、お待たせ致しました!!!………界放リーグ決勝戦、獅堂レオンVS鉄華オーカミ!!……試合、始められてください!!」
最後にアナウンサー夜宵が対戦者である2人に試合を仰ぐ。2人は改めて顔を見合わせ、Bパッドに差し込まれたデッキから4枚のカードを引き抜いて…………
「全くもって長い余興だった。始めるぞ鉄華、強者に飢えたオレとデスティニーの渇きを癒せ」
「…………行くぞ」
………ゲートオープン、界放!!
轟音のような大歓声に包まれながら、これまで出会って来た多くの仲間達が見守ってくれている中、鉄華オーカミと獅堂レオンによる決勝戦がコールと共に開幕する…………
「始まりましたね、ヨッカさん」
「あぁ何事もなければいいが………ってイチマル!?……オマエいつの間に」
「いや〜〜…会場にいるかなと思って探してたらいたので」
知らぬ間にヨッカの横の席に座っていたのは鈴木イチマル。彼は決勝戦くらい選手控え室にあるモニター越しではなく、直に観戦しようと思い、こうして会場の観客席にいるであろう九日ヨッカを探していたのだ。
「1回戦、ご苦労だったな。良いバトルだったぞ」
「あざっす!!……にしてもアイツ、鉄華オーカミ。ヤバいすね」
「あぁ、バトスピ初めて3ヶ月でジュニアの界放リーグの決勝戦だぜ。やはりオレの目に狂いはなかった」
「剣帝倒しての決勝だもんな〜〜……あぁ、クソ。オレっちも決勝行きて〜」
珍しくヒバナの事ではない、純粋な会話を繰り広げる鈴木イチマル。1回戦で鉄華オーカミに負けた事が相当悔しかったのだと見て取れる。
「安心しろってイチマル、オマエも十分強ぇよ。来年、本物の界放リーグでのオマエの活躍、期待して待っとくぜ」
「誰、ヨッカさん??……誰と話してんの??」
今現在、九日ヨッカの右側に鈴木イチマルは着席している。
反対の、つまり九日ヨッカの左側には春神ライ、夏恋フウがいた。九日ヨッカと言う共通の知り合いはいるものの、全く面識のない鈴木イチマルと春神ライの両者、その瞬間に互いは目を合わせた。
「あ、ど、どうも〜」
「………ヨッカさんの知り合い??」
「えぇウソでしょライちゃん!?……1回戦であの赤髪の子と死闘を繰り広げた鈴木イチマル選手じゃん!!……凄いですヨッカさん、知り合いだったんですね」
「い、いや〜〜照れますな〜〜」
春神ライは鈴木イチマルを忘れている様子。どうやら彼女の目には鉄華オーカミしか映っていなかったみたいだ。
対して彼女の親友の夏恋フウからは好印象なようで、べた褒めされた。女の子に、しかもこんな可愛い子からは滅多に褒められない鈴木イチマルは、本命がいるとは言え、流石にデレデレした。
「…………ってアレ??……君どっかで」
「ん??……なに?」
春神ライの事をどこかで見たような気がする鈴木イチマル。まるで考える人のようにうんと悩んで思い出してみる。
すると、本当に思い出す事ができて……………
「あ、そうだ君あの時の!!!」
「???」
「この間鉄華オーカミを追いかけ回してただろ!?……見てたぜ、オマエ達仲良いんだな」
「………は、はぁ!?」
まさかこのタイミングで地雷が飛んで来るとは思ってもいなかった。春神ライは思わず戸惑い、頬を赤く染める。
「へぇぇ〜……もうそう言う仲なんだ?」
「ち、違うよフウちゃん!!……アレはアイツが私とのバトルを断って逃げたからで………って、アンタはもうどっか行きなさいよ!!」
「えぇ!?……オレっちのせい!?!」
ここぞとばかりに春神ライを揶揄いに来る夏恋フウ。恥ずかしさのボルテージが募って来た彼女はイチマルに「アンタのせいだ」と言わんばかりに人差し指を向ける。
そんな彼らに、ヨッカは「もう何でもいいから、黙って試合観とけよ」と一言。そんな彼に対してライは「どうでも良くない!!」と強く言い放った。
ー…………
鉄華オーカミの応援団が増えた所で、視点は変わり、スタジアムの舞台。
遂に界放リーグ決勝戦が始まる。誰もが待ちに待ったこの一戦、先攻は獅堂レオンで開幕して行く。
[ターン01]獅堂レオン
「メインステップ………早速行くか、創界神ネクサス、ギルバート・デュランダル」
「!!」
ー【ギルバート・デュランダル】LV1
「神託の効果を発揮………今回の対象カードは2枚、よってギルバートにコア2つを追加する」
「相手スピリットをLV1に固定する強力な創界神ネクサス、まさかこんなに早く配置されるなんて………オーカ」
フィールドには何も現れないが、獅堂レオンのBパッド上には強力な創界神ネクサス、ギルバート・デュランダルのカードが配置された。
そのカードに対して誰よりも早く、強く反応を示したのは他でもない、前のバトルでその効果の前に敗北を喫した一木ヒバナ。
「効果は言わなくてもわかるな?」
「あぁ、そいつにコアが6個置かれたらオレのスピリットは全てLV1になるんだろ?」
「フ……ターンエンドだ」
手札:4
場:【ギルバート・デュランダル】LV1(2)
バースト:【無】
間違いなく幸先の良いスタートを切った獅堂レオン。鉄華オーカミがギルバートの効果を覚えているのを確認すると、鼻で笑ってそのターンをエンドとした。
[ターン02]鉄華オーカミ
「メインステップ………パイロットブレイヴ、三日月・オーガスをLV1で召喚」
ー【三日月・オーガス】LV1(0)BP1000
フィールドには何も出現はしないが、鉄華オーカミのBパッド上には鉄華団のパイロットブレイヴ『三日月・オーガス』のカードが配置される。
「ターンエンド」
手札:4
場:【三日月・オーガス】LV1
バースト:【無】
それ以外は何もせず、ターンをエンド。再び獅堂レオンへとターンが巡って来る。
[ターン03]獅堂レオン
「メインステップ……ザクウォーリア2体を連続召喚」
ー【ザクウォーリア】LV1(1)BP2000
ー【ザクウォーリア】LV1(1)BP2000
「対象スピリットの登場により、ギルバートにさらに2つのコアを追加する。これで後1つでLV2だ」
彼のデッキの歩兵とも呼べる、緑色の小型モビルスピリット、ザクウォーリアが2体フィールドへと降り立つ。
それに合わせ、ギルバートのカードにコアが追加。後1個のコアの追加で強力な【神域】が発揮できるようになった。
「ターンエンドだ」
手札:3
場:【ザクウォーリア】LV1
【ザクウォーリア】LV1
【ギルバート・デュランダル】LV1(4)
バースト:【無】
このターンもアタックは行わず、エンドとする獅堂レオン。再びターンが鉄華オーカミへと移った。
「………え、何でアタックしないの?」
観客席にいるバトスピに詳しくない夏恋フウ。横にいる彼女の親友、春神ライに質問するように、頭に疑問符を浮かべた。
「アタックしないんじゃなくて、する必要がないのよ」
「え、そうなの……??」
「これまでの試合を観ていると、獅堂レオンだっけ、あのデカイ奴、アイツのデッキは『デスティニーガンダム』って言う強力なスピリットが軸になっている。大抵のスピリットはアイツ単体で薙ぎ倒せると思う」
「うんうん、私も思う!!……強くて、カッコいいよね!!」
夏恋フウは春神ライの言葉に首を縦に振り、激しく同意。
「で、あの赤チビのデッキだけど、多分単体でデスティニーガンダムに勝てるスピリットは殆どいない………ただでさえパワーで劣っているのに、そこからさらにLVが上げられないなんて状況、フウちゃんはどう思う?」
「………無理無理!!!……そんなの勝てっこないよ!?!」
「でしょ?……だから獅堂はコアを与えてしまうような無駄なアタックはせず、じっくり創界神にコアを貯めようとしているのよ」
これまた納得のいく説明に激しく同意。
春神ライの説明をざっくり纏めると『獅堂レオンはギルバートのコアを貯めれば勝ちが確定になるので、早く攻める必要が全くない』という事。
ただでさえデスティニーとはパワーで劣っているバルバトス。その上にギルバートのLVを強制的に1にする効果が上から被されば、まさに泣きっ面に蜂。
バトルはまだまだ序盤だが、実はその時点で鉄華オーカミの敗北が決まってしまうのだ。
「アイツ、あれで感は鋭いから気づいてそうだけど………これはちょっとヤバいかもね」
春神ライが鉄華オーカミが戦う後ろ姿をその目に入れながらそう呟いた。
そんな視線を向けられてる事もつゆ知らず、鉄華オーカミは巡って来た己のターンを進めていく。隠されたピンチには気がついているみたいだが、相変わらずの無表情だ。
[ターン04]鉄華オーカミ
「メインステップ………鉄華団モビルワーカー、バルバトス第1形態を召喚」
ー【鉄華団モビルワーカー】LV2(3)BP3000
ー【ガンダム・バルバトス[第1形態]】LV1(1)BP2000
鉄華オーカミの場に召喚されるスピリットは、鉄華団モビルワーカーとバルバトスの第1形態。彼の序盤の展開を支える、いつものメンバーだ。
「バルバトス第1形態の召喚時効果、デッキから3枚オープン、その中の鉄華団カード1枚を手札に加える………」
鉄華オーカミのデッキから3枚のカードがオープンされていく。彼はその中の1枚を手札へと新たに加えた。
「よし。これなら行けるか」
「!?」
その1枚を加えた直後にそう呟く鉄華オーカミ。どうやらその1枚が、この状況を打破する唯一のカードであるようで…………
「パイロットブレイヴ、昭弘・アルトランドを召喚!!」
「ッ……三日月ではない、2種目のパイロットブレイヴ」
ー【昭弘・アルトランド】LV1(0)BP1000
Bパッドに置いたのは、三日月とはまた別の、2種目の鉄華団パイロットブレイヴ『昭弘・アルトランド』………
このカードが、彼の不利なこの状況を一変させるキーカードとなる。
「1形態に三日月を、モビルワーカーに昭弘をそれぞれ合体」
ー【ガンダム・バルバトス[第1形態]+三日月・オーガス】LV1(1)BP8000
ー【鉄華団モビルワーカー+昭弘・アルトランド】LV2(3)BP6000
それぞれのパイロットブレイヴに、それぞれのスピリットと合体させる鉄華オーカミ。勢いのまま、アタックステップへと突入して行く。
「アタックステップ……モビルワーカーでアタック」
轟音と共に車輪が回転し、走り出すモビルワーカー。そしてこの瞬間、合体している昭弘の効果も発揮されて…………
「合体している昭弘の効果、コア2個以下の相手スピリット1体を破壊し、BPを3000アップ。破壊対象はザクウォーリアだ」
「…………ザクウォーリアの破壊時効果でコア1つをもう1体のザクウォーリアに追加し、手元に戻る」
凄まじい速度でザクウォーリアに激突するモビルワーカー。ザクウォーリアは吹き飛ばされて爆散してしまうが、破壊時の効果でコアブーストを行い、そのカードは再召喚が可能な手元へと送られる。
獅堂レオンにコアが集まっていくが、オーカミもただそうさせるためにアタックを行ったわけではない。新ブレイヴの真価はここからだ。
「さらに他のパイロットブレイヴがいる時、相手の創界神ネクサスのコアを3つ減らす」
「なに、創界神のコアを消すだと!?」
「あぁ、散々貯めた所悪いけど、ギルバートのコアには消えてもらう」
ー【ギルバート・デュランダル】(4➡︎1)
「フ……これくらい、対処できないわけないか」
獅堂レオンのギルバートからコアが外される。
2種目の鉄華団パイロットブレイヴカード、昭弘が所持していた効果は創界神メタとも言える効果。これでギルバートの【神託】の効果まで遠のいた。
ただ、唯一自分が好敵手と認めた鉄華オーカミが、自分の戦略を攻略したからか、当の本人は少し笑っている。
「凄いオーカ。一度見ただけでもう対策を立てたんだ………」
このバトルを最も近くで観戦している一木ヒバナ。純粋に彼の対応力に感心する。
「モビルワーカーのアタックは続いてるぞ」
「ブロックせよ、ザクウォーリア!」
突き進むモビルワーカーの道を阻むザクウォーリア。だが今のモビルワーカーのBPは9000。敵うはずもなく、こちらもあっさり轢かれて爆散してしまう。
「ザクウォーリアの破壊時効果、ボイドからコア1つをトラッシュに置き、自身は手元へ行く」
「ターンエンド」
手札:3
場:【鉄華団モビルワーカー+昭弘・アルトランド】LV2
【ガンダム・バルバトス[第1形態]+三日月・オーガス】LV1
バースト:【無】
無駄にアタックはせず、そのターンをエンドとした鉄華オーカミ。獅堂レオンのターンが幕を開ける。
[ターン05]獅堂レオン
「メインステップ……母艦ネクサス、ミネルバを配置」
ー【ミネルバ】LV1
獅堂レオンの背後へと出現した鋼の母艦、名をミネルバ。彼のデッキにおいて、強力な足場のカードの1つ。
「配置時効果、デッキから3枚オープンし、その中の対象カードを1枚手札に加える。オレはこの効果でザクウォーリアを手札に加え、そのまま手元に置かれたもう2枚のザクウォーリアと共に召喚」
ー【ザクウォーリア】LV1(1)BP2000
ー【ザクウォーリア】LV1(1)BP2000
ー【ザクウォーリア】LV1(1)BP2000
「ギルバートに神託」
3体のザクウォーリアが一斉に召喚され、彼のフィールドを埋め尽くす。
「アタックステップ………は、何もしない。だがこのアタックステップ終了時に、創界神ネクサス、ギルバート・デュランダルの更なる効果【神技】を発揮させる」
「!?」
「このカードのコアを3つボイドに置く事で『コアステップ』『ドローステップ』『リフレッシュステップ』のいずれかを発揮できる………オレはこの効果でコアステップを行い、コアを増やす」
刹那、獅堂レオンのBパッド上にあるリザーブには、新たにコアが追加される。前のターンのザクウォーリアの効果と合わせ、後攻の鉄華オーカミとのコアの総数に差を広げてみせた。
「【神域】の効果が使えないと見て、コアを消費して発揮する【神技】の使用に切り替えたか」
「コア増やしてもまた取り除かれるだけですもんね」
会場では九日ヨッカとイチマルがそう話す。微細な動きが勝負を分ける序盤、獅堂レオンは全く無駄のない動きでそのターンを終えていく………
「ターンエンド。そろそろお互いにフィールドが温まって来たな」
手札:3
場:【ザクウォーリア】LV1
【ザクウォーリア】LV1
【ザクウォーリア】LV1
【ミネルバ】LV1
【ギルバート・デュランダル】LV1(1)
バースト:【無】
鉄華オーカミへとターンが巡って行く。
[ターン06]鉄華オーカミ
「メインステップ………大地を揺らせ、未来へ導け!!……ガンダム・バルバトス第4形態をLV2で召喚!!」
「………来たか」
ー【ガンダム・バルバトス[第4形態]】LV2(2)BP9000
鉄華オーカミのフィールドへと参上したのは、黒々とした鈍器、メイスを手に持つ彼の相棒、バルバトス。その第4形態。
「三日月を1形態から4形態へ!!」
ー【ガンダム・バルバトス[第4形態]+三日月・オーガス】LV2(2)BP15000
バルバトス第1形態から三日月のカードを離し、それを新たな合体先として、バルバトス第4形態に付ける。
「アタックステップ……バルバトス第4形態でアタック、効果でザクウォーリア2体からコア1つずつをリザーブへ!!……よって消滅する」
「!!」
ー【ザクウォーリア】(1➡︎0)消滅
ー【ザクウォーリア】(1➡︎0)消滅
アタックステップへと突入し、獣の如く獅堂レオンのフィールドを駆け抜けるバルバトス第4形態。そのメイスを振い、3体いる内2体のザクウォーリアを木っ端微塵に粉砕して見せる。
「ザクウォーリアのコアブースト効果は破壊時効果。消滅時には使えない」
「くっ………」
「さらに三日月の合体時効果で、母艦ネクサス、ミネルバの維持コアを上昇させて消滅!!……リザーブのコアもトラッシュに送る!!」
ー【ミネルバ】(0)消滅
地上から天高く飛び上がるバルバトス第4形態。そのままメイスを母艦ネクサスのミネルバへと向けて急降下、鋼鉄の外装を貫き、爆散させた。
「………アタックは3体目のザクウォーリアでブロック」
「当然BPはこっちのが上だ」
再びフィールドへと降り立つバルバトス第4形態。三度メイスを振い、最後のザクウォーリアの胸部を砕き、貫く。そしてそれは膝から崩れ落ち、爆散して行った。
「ザクウォーリアの破壊時効果。ボイドからコア1つをトラッシュへ、その後自身は手元に」
「続けてアタックだ、モビルワーカー!!……昭弘の合体時効果でギルバートのコアをボイドに」
ザクウォーリアの破壊時効果をものともせず、モビルワーカーで追撃を仕掛ける鉄華オーカミ。その効果でギルバートの上に乗っているコアの数は遂に0となる。
「アタックはライフで受けよう」
〈ライフ5➡︎4〉獅堂レオン
第6ターン目。ここに来てようやくライフが変動した。モビルワーカーの車体を活かした体当たりが、獅堂レオンのライフバリアへと刺さる。
「………ターンエンド」
手札:3
場:【ガンダム・バルバトス[第1形態]】LV1
【ガンダム・バルバトス[第4形態]+三日月・オーガス】LV2
【鉄華団モビルワーカー+昭弘・アルトランド】LV1
バースト:【無】
鉄華オーカミはバルバトス第1形態をブロッカーとして残し、そのターンをエンドとする。以前の彼なら、バルバトス第1形態でもアタックを行なっていた事だろう。
やはり、あの時よりもかなり成長しているのが伺える。
[ターン07]獅堂レオン
「メインステップ………手元に置かれたザクウォーリアを再召喚し、コアスプレンダーをLV2で召喚」
ー【ザクウォーリア】LV1(1)BP2000
ー【コアスプレンダー】LV2(3)BP3000
ザクウォーリアと共に飛来して来たのは、戦闘機型のスピリット、コアスプレンダー。転醒によってモビルスピリット、インパルスガンダムになる、獅堂レオンの主力の1体だ。
「召喚時効果、デッキから2枚オープンし、その中にある対象カード1枚を手札に加える…………フ」
「!!」
「オレはこのカード、デスティニーガンダムのカードを手札へ加える!!」
コアスプレンダーの召喚時効果、このタイミングで、獅堂レオンは最高の引きを見せる。相棒であるモビルスピリット、デスティニーガンダムが彼の手札へと加えられたのだ。
しかも、それだけではないようで…………
「さらにオープンされたこのマジックカード『終末の光』はオープンされた時、手札に加えられる」
デスティニーガンダムだけでなく、捲れたもう1枚のカードも手札へと加えて行く獅堂レオン。
そして、それを使用して行く………
「マジック、終末の光を発揮!!……このカードのコストは9だが、トラッシュにあるザフトのカード1枚につきコストを1下げる」
「………」
「今、オレのトラッシュにあるザフトのカードは6枚。よってコスト3で発揮!!……ブレイヴを全てデッキの下に戻し、効果発揮後にBP15000以下のスピリットも全てデッキの下に戻す!!」
「……なに!?……ッ」
それは言うなれば眩い光の嵐。
とてもではないが目を開けている状況ではない。鉄華オーカミは思わず目を閉じ、腕を顔に覆い被せるが…………
彼の場のスピリット達はその間に光の嵐に巻き込まれ、次々と粉塵と化していく。彼が目を開ける頃には、それらは全てこの場より消え失せていて…………
「おおっと!!……劣勢だと思われていた獅堂レオン!!……たった1枚のカード効果でエースのデスティニーガンダムを含めた2枚を回収しつつ、鉄華オーカミのフィールドを蹂躙してしまったァァァー!!!……何という勝負強さ、これこそまさに決勝戦に相応しいバトルだァァァー!!!」
実況席のアナウンサー紫治夜宵がマイクを片手にそう声を荒げると、会場の者達もまた大いに歓声を上げる。
だが、確かに彼は一気に劣勢から巻き返したが、鉄華オーカミも負けてはいない。リカバリーの一手を手札より繰り出す。
「………鉄華団スピリットが相手によってフィールドを離れた時、手札から流星号の効果を発揮!!」
「!」
「このカードを手札からノーコストで召喚する」
ー【流星号[グレイズ改弍]】LV2(3)BP3000
負けじと効果を発揮させ、Bパッドにカードを置くと、フィールドには赤みがかった桃色のモビルスピリット、流星号が出陣する。
「召喚時効果でデッキから1枚ドロー……」
「フ……だがその程度のスピリット、話にならんわ!!……アタックステップ、コアスプレンダーでアタックする」
流星号の存在などお構い無し。獅堂レオンはアタックステップへと突入し、召喚したてのコアスプレンダーでアタック宣言する。
そしてこのフラッシュタイミング、コアスプレンダーには発揮できる力があって…………
「フラッシュ、コアスプレンダーの【零転醒】を発揮!!……出でよ、インパルスガンダム!!」
ー【インパルスガンダム】LV2(3)BP6000
コアスプレンダーを文字通りコアとし、そこからモビルスピリットのパーツが組み合わさって行く。こうして現れたのはモビルスピリット、インパルスガンダム。
シールドとビーム銃を装備した白のモビルスピリットの1体だ。
「……インパルスのアタックは流星号でブロック」
「だがこちらの方がBPは上だ!!……インパルスよ、捻り潰してしまえ!!」
斧を振い、インパルスガンダムに襲い掛かる流星号。だがインパルスガンダムはシールドでそれを防ぎ、ビーム銃で流星号にカウンター………
流星号はそれに頭部を撃ち抜かれ、無惨にも爆散して行った。
「………ターンエンド」
手札:4
場:【インパルスガンダム】LV2
【ザクウォーリア】LV1
【ギルバート・デュランダル】LV1(2)
バースト:【無】
このターンのアタックはインパルスガンダムのみ。ザクウォーリアをブロッカーとして残し、そのターンをエンドとする獅堂レオン。
だが、既に彼の手札にはエースたるデスティニーガンダムが加えられている。その1枚の存在は、このバトルに於いて、余りにも強大で…………
「ライフなど守っても無駄だ。デスティニーガンダムが召喚された瞬間、オマエの負けは確定する」
「………オレのターンだ」
獅堂レオンを無視し、鉄華オーカミはいつもの仏頂面のまま、巡って来たターンを進めて行く。
[ターン08]鉄華オーカミ
「メインステップ……創界神ネクサス、オルガ・イツカを配置」
ー【オルガ・イツカ】LV1
鉄華団専用の創界神ネクサス、オルガ・イツカ。
神託によりデッキのカードが3枚破棄、その中の対象カードが2枚であるため、その上にコアが2つ追加された。
そして、鉄華オーカミは再び手札の中から1枚のカードを引き抜いて…………
「もう一度行くぞ………再び大地を揺らせ、バルバトス第4形態!!」
ー【ガンダム・バルバトス[第4形態]】LV1(1S)BP5000
本日2枚目となるバルバトス第4形態が再び地響きと共に彼のフィールドへと姿を表した。その瞬間に、対象スピリットの登場でオルガにコアが1つ追加、LVが2となる。
「最後にバーストをセットしてアタックステップ!!……駆け抜けろ、バルバトス!!」
バーストカードがセットされると同時に、バルバトス第4形態はメイスを構え、フィールドを駆け抜ける。
その効果も同時に発揮されて…………
「アタック時効果でザクウォーリアのコアをリザーブに置き、消滅!!」
「む………」
ー【ザクウォーリア】(1➡︎0)消滅
急接近して来たバルバトス第4形態がメイスを振るってザクウォーリアの頭部を吹き飛ばす。機能を停止したザクウォーリアは堪らずこの場から消滅して行った。
これでようやく、厄介な効果を持つ3体のザクウォーリアがトラッシュへと送られた。
「さらにフラッシュ、オルガの【神域】……デッキからカードを3枚破棄して、1枚ドロー」
「バルバトス第4形態のアタックはライフで受けよう」
〈ライフ4➡︎3〉獅堂レオン
バルバトス第4形態のメイスが、今度は獅堂レオンのライフバリアを捉える。それは1つ、ガラス玉のように砕け散り、彼にダメージを与えた。
「………ターンエンド」
手札:2
場:【ガンダム・バルバトス[第4形態]】LV1
【オルガ・イツカ】LV2(3)
バースト:【有】
できることを全てやり終え、そのターンをエンドとする鉄華オーカミ。
熾烈を極めるバトル、会場全体に緊張感が走る中、遂にデスティニーガンダムを手札に加えた獅堂レオンのターンが巡って来た。
[ターン10]獅堂レオン
「メインステップ………やはりオマエとの決着はこのスピリットでつけなければな」
「…………」
…………『来る』
そう思い、身構える。そして直後、獅堂レオンは誰もが予想していたあのスピットを召喚する。
「運命をも覆す、我が魂!!……デスティニーガンダムをLV3で召喚!!」
ー【デスティニーガンダム】LV3(5)BP23000
暗雲、落雷と共に現れたのは、獅堂レオンの絶対的エーススピリット、白き装甲、黒と赤の機翼を持つ天下無双のモビルスピリット、デスティニーガンダム。
遂に鉄華オーカミのバルバトスと再びあいまみえる。
「この時をどれ程待ち侘びていたか………今日こそ、我が魂デスティニーガンダムでオマエのバルバトスを討ち砕き、完全勝利を成し遂げて見せる」
「…………それはこっちのセリフだ」
「フ………インパルスのLVを2に上げてアタックステップ!!……翔けろ、デスティニー!!」
獅堂レオンの指示を聞くなり、デスティニーガンダムは機翼から薄紫色のエネルギー粒子で固められた翼を展開し、飛翔する。
その標的はもちろん、バルバトスと鉄華オーカミだ。
「アタック時効果、このスピリットのBP以下のスピリットを1体破壊、そのシンボル分、相手ライフのコアをボイドに置く」
「!!」
「オレはこの効果でバルバトス第4形態を破壊し、オマエにそのシンボル分、1点のダメージを与える!!」
〈ライフ5➡︎4〉鉄華オーカミ
手に持つ巨大なビームライフルから極太のエネルギー砲を放ち、バルバトス第4形態を貫く。
バルバトス第4形態は堪らず撃沈し、大爆発。そしてその爆発の余波は鉄華オーカミのライフバリアをも砕いた。
「まだだ……破壊後のバースト、ガンダム・グシオンリベイク!!」
「!!」
「効果により、先ずはコイツを召喚………轟音打ち鳴らし、過去を焼き切れ!!……グシオンリベイクをLV1で召喚」
ー【ガンダム・グシオンリベイク】LV1(1)BP6000
勢い良く反転するバーストカード共に上空から降り立ったのは、薄茶色の分厚い装甲を持つ一機のモビルスピリット。
その名はグシオンリベイク。バルバトスとは双璧を成すガンダムの名を持つモビルスピリットであり、鉄華団デッキの守護神。
「バースト効果はまだ続く、トラッシュにブレイヴカードがある時、相手スピリット1体からコアを1個になるようにリザーブに置く」
「フン………だが、ソイツのコストは6。デスティニーを対象にはできない!!」
「わかってる。だからオレが選ぶのは、インパルスだ」
ー【インパルスガンダム】(3➡︎1)LV2➡︎1
グシオンリベイクの登場は大地を揺らす。その衝撃に、インパルスガンダムはその中に眠るコアを失い、LVダウンしてしまった。
「さらに召喚時効果、フィールドのコアを2つリザーブに!!……これもインパルスが対象だ」
「………甘いぞ。インパルスの効果、相手によってフィールドを離れる時、ボイドからコア1つを自身に追加する事で疲労状態で残る」
ー【インパルスガンダム】(1➡︎0➡︎1)
武器であるハルバードを手に、インパルスガンダムへと斬りかかるグシオンリベイク。その攻撃はインパルスガンダムにヒットするも、破壊される事はなく、片膝をつき、フィールドへと残ってしまう。
「インパルスを止めても、デスティニーが止められなければ意味はないぞ!!……フラッシュ、デスティニーの効果、ギルバートを疲労させる事で回復」
ー【デスティニーガンダム】(疲労➡︎回復)
「くっ………」
鉄華団の守護神の効果と言えども、デスティニーガンダムは止められない。
獅堂レオンは創界神ネクサスの疲労をコストにその効果を起動させ、デスティニーガンダムを回復状態にする。
「グシオンリベイク、ブロックだ」
この局面下において、鉄華オーカミがグシオンリベイクに命じたのはデスティニーガンダムのアタックのブロック。
命じられた通り、グシオンリベイクは背中のブースターで上空にいるデスティニーガンダムへと戦いを挑みに行く。
デスティニーガンダムはそれを撃ち落とさんと、再びビームライフルからエネルギー砲を放つが、グシオンリベイクはシールドを犠牲にそれを回避。急接近し、遂にデスティニーガンダムを捉える。
「目障りだ、返り討ちにしろデスティニー!!」
ハルバードでデスティニーの首を狙うグシオンリベイクだったが、デスティニーガンダムは咄嗟にそれを素手で抑え込む。そして余った手でグシオンリベイクの首元を掴み、地面へと急降下………
落下による衝撃でグシオンリベイクを木っ端微塵に粉砕。大爆発を起こさせる。
「ターンエンド。どうした、オレはわざわざこんなバトルをするために界放リーグを勝ち上がって来たわけではないぞ?」
手札:4
場:【デスティニーガンダム】LV3
【インパルスガンダム】LV1
【ギルバート・デュランダル】LV1(3)
バースト:【無】
デスティニーガンダムをブロッカーとして温存。獅堂レオンはそのターンをエンドとする。ライフの数では僅かばかり劣っているものの、デスティニーガンダムの存在が彼に絶対的な優勢をもたらしている。
「…………」
「流星号にグシオンリベイク。あれ以降、だいぶ色んなスピリットを手にしたようだが、やはりオレの中でオマエの最強スピリットはバルバトスだ………奴の最大火力をこのオレとデスティニーにぶつけて来い。そうでなければ、それを超えなければ、このバトルに意味などない」
デスティニーを召喚されてから「ただ単純に強い」という感想が頭から離れない。だがそれは、デスティニーに対してではなく、獅堂レオン自身に対してだ…………
奴は強い。だけどきっとこれを乗り越えたら、もっとオレのバトスピの世界は広がって、繋がる。そう思うと、ワクワクしてしょうがなかった。
「へ………オレのターンだ」
絶体絶命なこの状況に軽い笑顔を浮かべながら、鉄華オーカミは超えるべき壁を前に、ターンを進めて行く…………
[ターン10]鉄華オーカミ
「メインステップ………鉄華団モビルワーカーを召喚」
ー【鉄華団モビルワーカー】LV1(1S)BP1000
本日2枚目となる鉄華団モビルワーカーがフィールドに出現。対象スピリットの登場により、オルガにコアが追加される。
「………獅堂、オレも同じ事を考えてた」
「??」
「オレも、デスティニーを超えて、オマエも超えないと意味がないって思ってた」
「ほお?……ならばオレが望むスピリットも理解できているわけだな?」
獅堂レオンの言葉に対し「当然だ……」と告げる鉄華オーカミ。
勝負を決める時だと言わんばかりに、残り2枚しかない手札にある内の1枚を引き抜き、Bパッドへと叩きつけた。
「4を超えた先で、未来を掴め………ガンダム・バルバトス第6形態!!」
ー【ガンダム・バルバトス[第6形態]】LV2(3)BP10000
オーカの背後で眼光を輝かせ、飛翔し、地上に降り立ったのは、バルバトスの中で最も大きな数字を持つ、第6形態。
デスティニーガンダムとはあの時激突した因縁を持つ………
「フ………ここからが本番だ。わかっているよな?」
「そう言うの要らないって言ったろ?……言われなくても、かかって来てやるよ。アニキと約束したからな、最後はバルバトスで決めるって………!」
鉄華オーカミと獅堂レオン、界放リーグ決勝戦の大舞台で行われている2人のライバル対決も、いよいよ終盤を迎えて行く…………
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暗く、狭く、息苦しい謎の部屋。物はそこら中に散らばり、とてもではないが、人が住んでいるとは思えないこの場所にて…………
6年前に死していたと思われていた悪魔の科学者「Dr.A」は1人、そこにいた。机にはBパッドが置かれており、どうやらそのモニター機能を使い、界放リーグにて行われている鉄華オーカミと獅堂レオンのバトルを観戦している様子………
「やはり良いな界放市は。若く、強く、才能に満ち満ち溢れたカードバトラーが大勢いる…………非常にエクセレントだ」
さて、見極めるとしようか…………
誰がどのゼノンザードスピリットに、相応しいかを…………
不穏なセリフ、単語。発言。
界放市でまた、悪魔の科学者が密かに暗躍を始めた。
次回、第23ターン「王者の鉄華」