バトルスピリッツ 王者の鉄華   作:バナナ 

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第37ターン「レイジ・オブ・ダスト」

赤色に輝く右眼の瞳孔、頬を伝う血の涙。

 

バトルに勝ちたい。負けられない。その想いが、オーカミの王者(レクス)の力を再び目覚めさせる。

 

 

 

 

******

 

 

「なんだコイツ、雰囲気が………」

 

 

さっきまで常に見せていた剣幕は息を潜め、人間味を感じさせない冷ややかな表情を見せるようになったオーカミ。

 

それは紛れもなく王者(レクス)の力が発動している証。今ここに、鉄華団の反撃の狼煙が上がる。

 

 

[ターン09]鉄華オーカミ・王者

 

 

「ドローステップ」

 

 

オーカミはドローステップでデッキからドローしたカードを視認する事はなく、そのままメインステップまでターンを進め、Bパッドにそれを叩きつける。

 

 

「メインステップ、ネクサス、ビスケット・グリフォンを配置」

 

 

ー【ビスケット・グリフォン】LV1

 

 

オーカミの場には何も出現しないが、鉄華団デッキのネクサスカードの1種、ビスケット・グリフォンが配置される。

 

レイジの場に存在する紫のゼノンザードスピリット、憂鬱の魔王・ベールフェゴルがいる限り、スピリットカードのコストは3上がるが、ネクサスカードならその影響を受けない。

 

 

「効果発揮、自身を疲労、デッキから1枚オープンして、それが鉄華団なら手札に加える。この効果で加わるのは2枚目のオルガ・イツカ、よってこれをそのまま配置する……!!」

「……!?」

 

 

ー【オルガ・イツカ】LV1

 

 

「配置時の神託発揮。オルガにコア+3」

 

 

デッキ上から捲れるカードを視認するまでもなく言い当て、淡々と進めていく。

 

界放市最強のカードバトラーの1人であるレイジも、こればかりは驚愕せざるを得ない。

 

 

「テメェなんだ、何のイカサマをやってやがる……!!」

「アタックステップ」

 

 

行動の一つ一つに全く無駄がないオーカミ。レイジにイカサマを疑われようとも一切聞く耳を持たず、己のターンを進めて行く。

 

 

「その開始時にトラッシュにあるバルバトス第2形態の効果発揮」

「!」

「これをトラッシュから召喚する、来い」

 

 

ー【ガンダム・バルバトス[第2形態]】LV1(1)BP3000

 

 

アタックステップの開始早々にオーカミの場へと飛来して来たのは、機関銃を備えたバルバトス第2形態。低コストのスピリットではあるが、全ての鉄華団スピリットにバウンス耐性を与える優秀な効果を備えている。

 

 

「トラッシュからスピリットの召喚だと………?」

「ベールフェゴルはスピリットカードのコストを上げる。でもその効果はトラッシュまでは及ばない」

「くっ……」

 

 

今のオーカミはベールフェゴルの効果で手札にあるスピリットカード全てのコストを上昇させられていたため、普通に召喚するのは困難を極めていたが、トラッシュからなら話は別だ。

 

 

「さらに今の召喚でオルガにコア+1。合計で4つ、これで【神技】を発揮できるようになる」

「………テメェ」

「オルガの【神技】を発揮、トラッシュから鉄華団スピリット1体をノーコスト召喚する」

 

 

今一度発揮されるオルガの【神技】…………

 

オーカミがフィールドへと呼び出すのは、自分のデッキの中で最も強力な力を持つ、あのスピリット。

 

 

「天空斬り裂け、未来を照らせ、ガンダム・バルバトスルプス……LV2で再召喚!!」

 

 

ー【ガンダム・バルバトスルプス】LV2(2)BP8000

 

 

上空より凄まじい勢いでオーカミの場へと着地し、大地と大空を震撼させるのは、バルバトスの強化形態、バルバトスルプス。

 

再びバスターソード状のメイス、ソードメイスを手に、オーカミと共に戦う。

 

 

「アタックステップを続行、バルバトスルプスでアタック」

 

 

再召喚したバルバトスルプスでアタックを仕掛けるオーカミ。その効果も発揮させる。

 

 

「アタック時効果発揮、破棄されるのはどっちも鉄華団カード。よって2体の滅を破壊する」

「くっ……またカードを見ずに言い当てやがる」

 

 

バルバトスルプスの効果により、オーカミのデッキ上から2枚のカードが破棄される。それはいずれも鉄華団カードであるため、コア3個以下のスピリット2体を破壊する。

 

ソードメイスを1体目の滅に向かって投擲し、その身体を貫く。さらに地面に突き刺さったソードメイスを手に取り、流れるように2体目を斬り裂く。

 

倒れる滅の爆発による爆炎の中、バルバトスルプスの目線の先には、残り2つとなっているレイジのライフバリア…………

 

 

「これでオマエのブロッカーは消えた。後はその小汚いライフをぶっ壊すだけだ」

「………」

 

 

レイジの場のスピリットは、疲労しているベールフェゴルのみ。

 

いくらゼノンザードスピリットと言えども、疲労状態では何もできない。バルバトスルプスと第2形態のアタックで、オーカミの大逆転勝利は目前に迫っていた。

 

だが、彼は仮にも界放市最強のカードバトラーの1人「ライダー王」…………

 

抵抗する手段を何も残さずに自分のターンを終えるわけがなくて。

 

 

「甘ぇぇんだよ鉄屑野郎!!……オレは創界神ネクサス、アークの秘書・アズの【神技】を発揮」

「……」

「コアを4つ取り除き、相手スピリットのコア2つをリザーブに置く。第2形態とルプスからそれぞれ1つずつだ……!!」

 

 

ここに来て更なる隠し球を投げて来たレイジ。彼の側にいる黒髪ロングの美少女秘書アズがその手をオーカミのフィールドに向かって翳すと、2体のバルバトスが紫のオーラを纏ったリングに拘束される。

 

その影響により、第2形態は即座に消滅。ルプスはLVが1に低下し、パワーダウン。

 

 

「ヒャハ。さらにこの効果は………」

「ターンに1回の制限はない、だろ?」

「ッ……気持ち悪りぃんだよテメェ!!……アズの【神技】をもう一度発揮し、ルプスのコアをリザーブに送り、消滅!!」

 

 

初見であるはずのアズの【神技】のテキストを言い当てるオーカミに再び気味の悪さを感じ、恐怖の痩せ我慢とも呼べる雄叫びを張り上げながら、二度目の効果発揮の宣言。

 

紫のオーラを纏ったリングの力が強まり、ルプスも2形態の後を追うように消滅して行った。

 

 

「ヒャハ。ヒャーハッハッハ!!!……どうだ鉄屑野郎、テメェは所詮オレ様の完全下位互換。どう足掻いたって勝てるわきゃねぇんだよぉ!!!」

 

 

勝利を確信し、レイジは腹の底から大笑いする。

 

 

「ヒャーハッハッハ!!!……無様無様ァァァ!!……己の無力さに泣けよ、絶望しろよさっさとォォォ!!!」

 

 

そう、勝てる要素などあるわけがない。あの光る右目も、そこから流れる血の涙も、突然未来を言い当てるようになったのも、何かの間違い、虚仮威し。

 

この界放市において、しかも紫のデッキで、自分に勝てるカードバトラーなど、いるわけがないのだ。

 

 

「手札にあるガンダム・フラウロスの効果を発揮」

「!」

 

 

少なくとも今までは、ずっとそう思っていた。

 

 

「鉄華団スピリットが相手によってフィールドを離れた時、手札からコレをノーコストで召喚できる。来い、ガンダム・フラウロス!!」

 

 

ー【ガンダム・フラウロス[流星号]】LV2(3)BP10000

 

 

流星の如くオーカミの場へと飛来するのは、マゼンタのカラーをした「ガンダム」の名を持つ鉄華団のモビルスピリット「フラウロス」………

 

 

「フラウロスは、名前に流星号を持つスピリット。よってさらに手札からパイロットブレイヴ「ノルバ・シノ」の効果。これもノーコストで召喚し、フラウロスと直接合体させる………!!」

「な、なんだと……!?」

 

 

ー【ガンダム・フラウロス[流星号]+ノルバ・シノ】LV2(3)BP14000

 

 

立て続けに、流れるように、淡々と。

 

オーカミは手札から2枚の鉄華団カードを呼び出し、この土壇場で新たな合体スピリットを誕生させた。

 

 

「フラウロスの召喚時効果、コア5個以上のスピリット1体を破壊。砕けろ、ベールフェゴル!!」

「!?」

 

 

新たな鉄華団スピリット、フラウロスは、自身の背面に備え付けられた2つの大きなレールガンから砲撃を放つ。

 

ベールフェゴルはその砲撃によって身体に大きな風穴を空けられてしまい、激しい断末魔を張り上げながら爆散して行った。

 

 

「ゼノンザードスピリットを効果で破壊だと!?」

「アタックだ、フラウロス!!」

 

 

オーカミの指示を受けると、フラウロスは四脚形態に変化。備えられていた2つのレールガンは1つとなり、より強力な砲撃を放てるようになった。

 

 

「今のフラウロスは合体によりダブルシンボル。オマエのライフ2つを破壊する!!」

「この、なんでテメェ如きがオレ様に勝とうとする!?!……雑魚同士で群れ合う事しかできねぇ、テメェ如きが!!!」

「だからオマエは何もわかってないんだ。仲間がいるから、1人じゃないから支え合えるんだろ。倒れても、一緒に立ち上がってまた強くなれるんだろ」

「ッ………」

 

 

オーカミの言葉を耳にするなり、彼の脳裏に浮かび上がって来た人物は、兄弟子であり、鬱陶しい存在だった「九日ヨッカ」と、実の弟で「雑魚」と呼称する「鈴木イチマル」…………

 

いずれも、出会い方や接し方によっては、互いに切磋琢磨し合える良好な関係を築けて来た人物たちだ。

 

そう、切磋琢磨し合えたはずなのだ。だが彼が選んだ道は、否定と拒絶と嘲笑。後悔しても遅い、ここまで来たら、後戻りはできない。今はただ、己が否定したモノに敗北するだけ。

 

 

「ふざけるな、ふざけるな。ふざけるなぁァァァ!!!」

「ぶち抜き破れ、フラウロス!!」

 

 

間近に迫った己の敗北を否定するように声を荒げるレイジに、オーカミは無慈悲の宣言。

 

フラウロスのレールガンから放たれた強力な砲撃は、容易くレイジの残った2つのライフバリアを撃ち抜き、砕く。

 

 

〈ライフ2➡︎0〉レイジ

 

 

「ぐっ……ァァァァァァァァ!?!」

 

 

ライフバリアが砕かれた衝撃により、レイジは吹き飛ばされ、背後にあった建築物と言う名の壁に頭部と背部を強くぶつける。

 

そのBパッドからは「ピー……」と言う甲高い機械音が鳴り響き、彼の敗北、オーカミの勝利を知らせる。

 

そうだ、鉄華オーカミは勝ったのだ、ライダー王であるあのレイジに、それも同じ紫属性のデッキを用いて、勝利して見せたのだ。

 

 

、オレの勝ち……だ。くア、アニキの居場所を………イチル、に、謝………れ」

 

 

バトルが終わった事による影響か、界放リーグ決勝の時と同様、力を使い果たしたオーカミは気を失い、その場に倒れ込んでしまう。

 

 

「ハァッ……ハァッ………ハァッ……!!」

 

 

壁に強く頭をぶつけ、共に倒れたと思われたレイジ。見た目通りタフな彼がその程度で気を失うわけがなく、オーカミに対する激しい怒りを胸に、再び立ち上がった。

 

 

「この……鉄屑野郎が。よくも、よくもこのオレ様をコケにしてくれたなァァァァァァァ!!!!」

 

 

すでに満身創痍の身体だが、溢れ出てくる怒りが彼に動く力を与える。

 

片腕と片足を引き摺りながらも、倒れているオーカミの元へとゆっくり歩み寄って行く。

 

 

「テメェみてぇな気持ち悪りぃ奴なんざバトスピする資格もねぇ、この手でテメェのゴミクズカードを破り捨ててやる。ヒャハ、今に見てろ、テメェの泣き顔が、絶望する顔が目に浮かぶぜ………!!」

 

 

あろう事かカードバトラーの命とも呼べるデッキのカードを破り捨てようと考えているレイジ。

 

ゼノンザードスピリットと共に敗北して尚このような行為をしようとするのだ。ゼノンザードスピリットの悪質な特性がなくとも、元からこの歪んだ性格の持ち主だったと言う事だろう。

 

そして、彼がオーカミのBパッドへ手を伸ばしたその時だ。それを制止させるべく、割って入った人物が1人…………

 

 

「テメェ、何邪魔してんだよ………Dr.A!!!」

「ヌッフフ」

 

 

今から7年前、この界放市を中心に、世界を新たな世界へ進化させると言う名目の元、滅ぼそうとした悪魔の科学者「Dr.A」………

 

顔を含め全身に包帯が巻かれ、自動で動く車椅子に腰を下ろしている状態だが、その存在感は顕在。さらにそのすぐ側には、彼と契約を交わしている少女、早美アオイも確認できる。

 

 

「久し振りですね、鈴木君」

「オレをその名で呼ぶな!!」

「おおっとこれは失敬」

 

 

苗字で呼ばれるのを嫌うレイジ。相手があのDr.Aであっても、臆する事なく怒りを向ける。

 

もっとも、今の彼に怒りを制御する程の冷静さなどないわけだが。

 

 

「レイジ君。君には感謝していますよ、このアオイさんを三王に推薦してくれた事や、紫のゼノンザードスピリットでバトルしてくれた事とかね。お陰で私の計画も順風満帆さ」

「だからなんだ、早くそこをどけ、ソイツのデッキを破り捨ててやるんだ、さっさとどっか行きやがれ!!」

 

 

オーカミに復讐する事しか考えていないレイジ。そんな彼を見てアオイは「哀れね」とキツイ一言。

 

 

「だけどレイジ君。君は勝手な行動をし過ぎた、無関係の人を傷みつけ、さらには負けた相手のカードを破り捨てようとしてる。控えめに言って、屑だよね?」

「黙れぇぇぇぇえ!!!」

「………ふむ、頭も下げられませんか。ヌッフフ、残念残念。君はもうちょっと賢い男だと思ってたんだけどね」

 

 

そう告げると、Dr.Aは車椅子に施されているBパッドの画面をタップすると、何もない空間から突然ブラックホールのような黒い渦が形成。

 

 

「な、何を……!?」

「君はもう用済みと言う事さ。今までありがとう………あぁ、ベールフェゴルは返してもらうよ。ゼノンザードスピリットはまだ必要だからね」

 

 

レイジのBパッド上にあるベールフェゴルのカードが吸い寄せられるようにDr.Aの手に渡る。

 

 

「あ、あ、ぁぁぁ……ぁぁぁ、助けてくれ、助けてくれぇぇ!!」

 

 

ブラックホールの吸引力に足を奪われ、宙を舞うレイジ。怒りはすぐさま恐怖に変わり、情けない声で命乞いをする。

 

だが時既に遅し。後は消えるのみ…………

 

 

「助けてくれ、助けてくれよヨッカ……イナズマ先生………イチ……」

 

 

レイジは涙を流し、最後は自分の中でもっとも近しい人物達に助けを求めながら、ブラックホールの中へと散って行った。

 

彼を吸い込み、目的を達成したブラックホールは消滅。簡単に人を消してしまうDr.Aの力、科学力を間近で見たアオイは冷や汗を流し、愕然とする。

 

 

「ど、Dr.A。彼は……死んだのでしょうか………?」

 

 

アオイが震えた声でDr.Aに訊いた。

 

 

「いや、そんな野蛮な事はしないよ。ただまぁ、ヌッフフ………ゴミはリサイクルしないとね」

「………」

 

 

イチマルやオーカミを散々「屑」「ゴミ」などと蔑んでいたレイジ。何の皮肉か、最後は自身がそれとなってしまった。

 

 

「まぁでもそんなゴミでも少しは役に立ったかな。鉄華オーカミの王者(レクス)をこの目で見る事ができたのだから」

「………その王者(レクス)とは、いったい何なのですか」

「ヌッフフ……本来半分も使えない脳の力を最大限に発揮させ、使用者を必ず勝利へ誘う、言うなれば天下無双の力さ。バトルの未来が見えると言う説もあるらしい」

 

 

アオイに王者(レクス)の力を軽く説明する。

 

正直言って半信半疑の話であるが、界放リーグ決勝戦やさっきのバトルを見る限り、信じざるを得ない。

 

 

「天下無双の力………なら今のうちに鉄華オーカミを処分しなくいいのですか。この少年は必ず私達の計画の妨げになる」

「いや、まだそれをする必要はないよ………王者を使える者は数が少なくて、貴重だからね、きっと彼のバトルからは良いデータが沢山取れる」

「しかし」

「安心したまえ、意図的には使えまいよ。それに、代償もあるからね」

「代償……?」

「そう、代償さ。ヌッフフ」

 

 

その言葉を最後に、Dr.Aはこの場を後にする。それを追うように早美アオイをこの場から去って行く。

 

残されたのは王者(レクス)の影響で目から血の涙を流し、気絶しているオーカミだけだった。

 

 

******

 

 

「………暇だ。余りにも暇すぎる」

 

 

ここは九日ヨッカの自宅。彼の家に、かれこれ1年は居候している少女、春神ライは、自室のベッドに寝転がりながらそう呟く。

 

いつも一緒に遊んでいる親友の夏恋フウはバイト。最近友達になった一木ヒバナには何故か既読スルーされるし、ヨッカも全く家に帰って来ない。暇を持て余すどころか最早極めていた。

 

 

「新しいゲームでも買いに行くかなぁ、でもお金ないしなぁ………なら新しい漫画でも買いに行くかぁ、お金ないんだった」

 

 

自慢の黄色がかった白髪のショートヘアを指先でクルクル回しながら悶々とした時間を過ごす。

 

 

「ヨッカさん。今この時もお父さんを探しているのかな」

 

 

行方不明になっている自分の父「春神イナズマ」………

 

ヨッカはそんな彼の弟子だったと言う。そう言う繋がりもあり、今はここに居させてくれている。

 

 

「………お父さん」

 

 

12年も過ごして来た父が忽然と姿を消してしまった、あの日の出来事が脳裏に浮かぶ。1人でいると、どうしても嫌な事を思い出してしまう。

 

 

「いかんいかん。何か楽しい事を考えよう………楽しい事」

 

 

そう思ったライの脳裏にすぐさま浮かんできたのは、鉄華オーカミのめんどくさそうな表情。

 

 

「ちょッ……なんでアイツが出て来んのよ!!」

 

 

赤面しながら、自分で自分を怒るライ。収まり切れない怒りは手元にあった枕を部屋の壁に向かって投げる事で解消する。

 

 

「意味わかんない。なんで楽しい事でアイツの顔が浮かんで来んのよ。今度会ったら絶対バトルで懲らしめてやるんだから」

 

 

オーカミにトバッチリが飛んだ所で、家のインターホンが鳴り響く。暇を極めていたライは、これを聞いた途端思わずベッドから飛び出した。

 

 

「誰か来た!!……来た、来た、来た〜〜〜♪」

 

 

変な歌を歌いながら、自分を暇から救ってくれる救世主の元へと駆け出し、そのドアを開ける。

 

 

「はいは〜い。ライが出ますよ〜〜っと」

「……久しいな、春神」

「うわっ……アルファベットさん」

「うわ?」

 

 

そこにいたのは界放警察の警視にして、ヨッカの知人でもある、サングラスを掛けた青年アルファベット。てっきりバイトの終わったフウか、ヒバナだと予測していたライは少しだけ彼に驚く。

 

 

「何か事件的な奴ですか?……生憎なんですけど、今日、て言うか2日くらい前からヨッカさん家に居なくて」

「あぁ、知っている。今日はオマエに用があって来た」

「え、私に?」

 

 

いつもは聞き込み調査やら犯人の現行犯逮捕のためにヨッカを引っ張り出すアルファベット。

 

だが、今回に限っては、その引っ張り出す対象は春神ライであり…………

 

 

「九日が捕えられた。オマエの力を貸してほしい」

「は?」

 

 

ライは一瞬、アルファベットの言っている意味を全く理解できなかった。

 

 

 

 

 




次回、新章『早美邸編』開幕。

第38ターン「王者の力を持つ者達」






******


今回はだいぶ短くなってしまったので、王者の鉄華に登場するメインキャラ達のプロフィールを掲載する事にしました。
少しでも楽しんでいただけましたら幸いです( ̄∀ ̄)


******

【鉄華オーカミ】
性別:男
年齢:13歳
身長:149cm
誕生日:01月23日
特徴:無造作に伸びた赤い髪
漢字表記:【鉄華王神】
使用デッキ:【鉄華団】
エースカード:【バルバトス第4形態】【バルバトスルプス】
名前の由来:鉄華団の鉄華とバルバトスの強化形態ルプスレクス。ラテン語でルプスは狼、レクスは王と言う意味なので、掛け合わせてそのままオーカミと言う名前に。


【九日ヨッカ】
性別:男
年齢:21歳
身長:181cm
誕生日:9月4日
特徴:褐色肌、白髪のツンツン頭
漢字表記:【九日四日】
使用デッキ:【青MS(スサノオ)】
エースカード:【スサノオ】
名前の由来:9と4を引き算すると5。オルガ・イツカの5日(いつか)になるから。


【春神ライ】
性別:女
年齢:13歳
身長:152cm
誕生日:7月1日
特徴:黄色がかった白髪のショートヘア
漢字表記:【春神来】
使用デッキ:【赤グッドスタッフ】
エースカード:【エヴァ新2号機α・ヤマト作戦】
名前の由来:遥か未来を見通すから。


【一木ヒバナ】
性別:女
年齢:14歳
身長:154cm
誕生日:8月7日
特徴:黒髪ツインテール
漢字表記:【一木日華】
使用デッキ:【赤緑地竜】
エースカード:【ウォーグレイモン】【赤ゴモラ】【緑ゴモラ】
名前の由来:花火の娘と言う事で、実際の花火より小さいイメージのある火花から。


【鈴木イチマル】
性別:男
年齢:14歳
身長:172cm
誕生日:10月10日
特徴:先だけ緑色。チャラついた癖毛。
漢字表記:【鈴木一丸】
使用デッキ:【ゼロワン】
エースカード:【ゼロツー】
名前の由来:TVをつけたら偶然「鈴木一郎さん」が映っていたから。


【獅堂レオン】
性別:男
年齢:15歳
身長:175cm
誕生日:4月4日
特徴:銀髪
漢字表記:【無し】
使用デッキ:【ザフト】
エースカード:【デスティニーガンダム】
名前の由来:主役が狼なので、ライバルは獅子にしようってなり、今の感じに。関係ないけど遊戯王にデスティニーレオン(うろ覚え)て言う名前のモンスターが存在する。


【早美アオイ】
性別:女
年齢:16歳
身長:160cm
誕生日:5月27日
特徴:青髪ロング
漢字表記:【早美葵】
使用デッキ:【CB】
エースカード:【ダブルオーライザー】【トランザムライザー】
名前の由来:当時ダブルオーがすこぶる強かったので、その速くて青い印象から。






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【鉄華団カード入手順】

『第1ターン』
「バルバトス第1形態」「バルバトス第4形態」「鉄華団モビルワーカー」「革命の乙女」

『第3ターン』
「三日月・オーガス」「オルガ・イツカ」「ビスケット・グリフォン」「もっとよこせ」

『第5ターン』
「バルバトス第2形態」「バルバトス第3形態」「バルバトス第5形態」「バルバトス第6形態」

『第8ターン』
「グシオンリベイク」

『第14ターン』
「グレイズ改弍」「漏影」「昭弘・アルトランド」「イサリビ」

『第30ターン』
「バルバトスルプス」「フラウロス」「ランドマン・ロディ」「ノルバ・シノ」


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