バトルスピリッツ 王者の鉄華   作:バナナ 

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第7ターン「バルバトスとデスティニー」

バトスピが最も栄えてる都市「界放市」…………

 

そしてそこで行われる、世界各国が注目を集める一年に一度のお祭り「界放リーグ」…………

 

その中でも大きく分類は15歳以下の「ジュニアクラス」とそれ以上の「スタンダードクラス」に分けられている。そしてそのジュニアクラスにおいて、獅堂レオンと言う少年は無敵だった。

 

エースカードであるデスティニーガンダムを駆り、一度もそれを破壊される事なく、全ての試合に毎度圧倒的な強さで完勝していた。

 

だが、その強さは同時に彼に孤独と退屈を齎した。それは1人だけ突出した強さを持った者の鉄則とも呼べる現象である。

 

それ故に、彼は常に強者を、バトルに対する強い刺激を誰よりも求めた。後1年経てばジュニアクラスを抜け、上位に存在する「王」の名が付く者達とも戦えるようになるかもしれないと言うのに…………

 

 

******

 

 

バトル場にて向かい合うのは獣の名を関する2人のカードバトラー………

 

 

「待ち侘びたぞ鉄華。あの一木ヒバナなどよりもずっと期待してる!」

「姉ちゃんが言ってた。『女の子に手出しするヤツには容赦するな』って………自分から『バトルしろ』とか言っておきながらソイツが自分よりも弱いと思ったらソレかよ………オレが勝ったら、後でヒバナに頭下げて謝れ」

「わかった。貴様が勝てたらな………!」

 

 

その名は鉄華オーカミと獅堂レオン。

 

カードショップ「アポローン」の中にあるバトル場で、狼と獅子の名を関する2人のカードバトラーがBパッドを構え、合間見えんとしていた。

 

本来であれば店番の関係でバトルする気などなかったオーカだが、友達のヒバナを泣かせたレオンに逆鱗を踏まれ、今こうしてカードを掴み取り、睨み合っている。

 

 

「さぁ余談はここまでだ。始めるぞ」

「あぁ」

 

 

………ゲートオープン、界放!!

 

 

2人にとってこれ以上の会話は無用。有名なコールと共にバトルが幕を開ける。

 

先攻はレオン。一切笑顔を浮かべないオーカに対し、彼は余程このバトルが楽しみだったのか、小さく口角を上げながらターンを進めていく。

 

 

 

[ターン01]レオン

 

 

 

「メインステップ……先ずは母艦ネクサス、ミネルバを配置する!」

 

 

ー【ミネルバ】LV1(1)

 

 

レオンの背後に出現するのは宙に浮かぶ戦艦、ミネルバ。それは強力な配置時効果を有している。

 

 

「配置時効果、デッキから2枚オープン、その中の対象カード1枚を手札に………オレはこのカード、コアスプレンダーを手札に。バーストをセットしてターンエンド」

手札:4

場:【ミネルバ】LV1

バースト:【有】

 

 

一切無駄のない動きで最初のターンを締めるレオン。次は怒りに燃える鉄華オーカミのターン、カードを引き、進行していく。

 

 

[ターン02]オーカ

 

 

「メインステップ、オマエが散々見たがってたモノ、見せてやるよ……ガンダム・バルバトス・第1形態をLV1で召喚!」

 

 

ー【ガンダム・バルバトス[第1形態]】LV1(1S)BP2000

 

 

「おぉ……これがバルバトスか!!…しかと見させてもらうぞその強さ!」

 

 

地中を蠢かし、飛び出して来たのはオーカの鉄華団デッキの顔とも呼べるスピリットであるガンダム・バルバトス。その第1形態。肩の装甲が剥がれている不完全な姿である。

 

 

「召喚時効果、デッキの上から3枚オープン、その中の鉄華団カード1枚を手札に加える………よし、鉄華団モビルワーカーを手札に加えて、これをそのまま召喚!」

 

 

ー【鉄華団モビルワーカー】LV1(1)BP1000

 

 

銃火器を備えた車両のスピリット、鉄華団モビルワーカーが1台バルバトス第1形態の元に配備される。

 

ここまで行くと、オーカは早速アタックステップを宣言して………

 

 

「アタックステップだ………行け、バルバトス第1形態!!」

「来たか!…いいだろう、ライフで受ける!!」

 

 

〈ライフ5➡︎4〉レオン

 

 

容赦のないオーカの攻撃宣言と容赦のないバルバトス第1形態の拳による攻撃。レオンの身を守るライフバリアは忽ち1つ砕け散って行く。

 

だが………

 

 

「まだ行くぞ、鉄華団モビルワーカーで………」

「だが追撃はさせんぞ!…ライフの減少でバースト発動!」

「!!」

「ソードインパルスガンダム!!」

 

 

初心者故に無警戒であったか、無闇に攻撃した事でレオンのセットしていたバーストカードが反転。その効果を遺憾なく発揮される事となる。

 

 

「効果によりライフ1つを回復!…そしてこれを召喚!」

 

 

〈ライフ4➡︎5〉レオン

 

ー【ソードインパルスガンダム】LV1(1)BP5000

 

 

瞬時にライフが元に戻ると共にレオンの場に飛来して来たのは白属性のモビルスピリット、インパルスガンダム。今回のモードはソードと言う事で上層には赤い装甲がもたらされている。

 

 

「ライフを元に戻した……?」

「それだけじゃない。召喚時、コスト5以下のスピリット1体を手札に戻す……鉄華団モビルワーカー、失せろ!」

「!」

 

 

ソードインパルスガンダムは手に持つ太刀を振い、衝撃波を放つ。それは一瞬にして鉄華団モビルワーカーに直撃。堪らず粒子化してオーカの手札へと帰還してしまう。

 

 

「どうしたそんなモノか?…オマエならまだまだやれるはずだろう?」

「ターンエンド。アンタ、さっきからずっとオレの事買い被り過ぎだろ。オレまだバトスピ初めて2週間も経ってないんだ……まぁそれでも、潰すのに変わりはないけど」

手札:5

場:【ガンダム・バルバトス「第1形態]】LV1

バースト:【無】

 

 

「ワッハッハ!…いいな、その度胸。それでこそモビルスピリットの使い手だ!!」

 

 

オーカの攻撃を軽くいなしたレオンのターンが幕を開けて行く。

 

 

[ターン03]レオン

 

 

「メインステップ……コアスプレンダーを召喚!」

 

 

ー【コアスプレンダー】LV2(3S)BP3000

 

 

ヒバナとのバトルでも使用された戦闘機ユニット、コアスプレンダー。それがオーカとバルバトスの目の前にも出現を果たす。

 

レオンはその召喚時効果で対象のカード「フォースインパルスガンダム」を手札に加えた。

 

 

「アタックステップ。ソードインパルスでアタック!…そしてそのフラッシュタイミング、フォースインパルスの【換装:シルエットシステム】を発揮!」

「!」

「ボイドからコア1つを追加し、同じ状態で場のソードインパルスと入れ替える!」

 

 

ー【フォースインパルスガンダム】LV2(1➡︎2)BP7000

 

 

背中のバックパックが赤から黒に変更されるソードインパルスガンダム。手にはシールドとビームサーベルが新たに握られ、赤かった上層の装甲の色は青に輝く。

 

これぞインパルスガンダムにのみ許された効果【換装:シルエットシステム】………

姿や効果を好きに変えられるだけでなく、入れ替えの対象となったスピリットは手札に戻り、コアまで増やせる万能の力だ。

 

 

「さらにコアスプレンダーの【零転醒】……現れろインパルスガンダム!」

「ッ………同じガンダムが2体」

 

 

ー【インパルスガンダム】LV1(2)BP4000

 

 

コアスプレンダーの動きに合わせて飛来して来るドッキングユニット。機械兵の脚部と上半身の姿をしたそれはコアスプレンダーと言う名のコックピットを間に挟み、合体…………

 

ビーム銃とシールドを備えたインパルスガンダムの基本形態が姿を現した。

 

 

「転醒に気を取られるなよ。フォースインパルスの攻撃は続いているぞ!」

「ッ……ライフで受ける」

 

 

〈ライフ5➡︎4〉オーカ

 

 

バルバトス第1形態を横切り、接近するフォースインパルスガンダム。その手に持つビームサーベルの一太刀でオーカのライフバリア1つを斬り裂いた。

 

 

「続けインパルスガンダム!」

「それもライフだ」

 

 

〈ライフ4➡︎3〉オーカ

 

 

今度は通常のインパルスガンダムがビーム銃を放ち、またオーカのライフバリアを撃ち抜いた。

 

 

「ターンエンド。ライフは砕いてやった。これでオマエは次のターン、存分に暴れられるはずだ」

手札:5

場:【フォースインパルスガンダム】LV2

【インパルスガンダム】LV1

【ミネルバ】LV1

バースト:【無】

 

 

「…………」

 

 

僅か数ターン。滲み出てくる戦力の差。

 

言葉から察するに、レオンはオーカに手加減を加えているようにも見える。

 

デスティニーガンダムと言う攻撃なスピリットを主軸に据えている彼のデッキは基本的にデスティニーガンダムが召喚されるまでは必要最低限以上のアタックを行う必要がない。

 

だが、裏を返して言えば、オーカとバルバトスに期待しているとも言える事になる。

 

 

[ターン04]オーカ

 

 

「メインステップ……鉄華団モビルワーカーを再召喚して、創界神ネクサス、オルガ・イツカを配置」

 

 

ー【鉄華団モビルワーカー】LV1(1)BP1000

 

ー【オルガ・イツカ】LV1

 

 

前のターンにバーストの力を持つソードインパルスガンダムによって手札に戻された鉄華団モビルワーカーが復活。次いでに鉄華団デッキ専用の創界神、オルガ・イツカを配置。その後の神託でデッキからカードをトラッシュに送り、1つのコアを追加した。

 

巡って来たターンの中、順当にカードを並べて行くオーカ。その後、手札をさらに1枚引き抜き、遂にあのスピリットを召喚する。

 

 

「大地を揺らせ、未来へ導け!!……ガンダム・バルバトス第4形態!!…LV3で召喚!」

「!」

「不足コストは鉄華団モビルワーカーより確保、よって消滅」

 

 

ー【鉄華団モビルワーカー】(1➡︎0)消滅

 

ー【ガンダム・バルバトス[第4形態]】LV3(4)BP12000

 

 

復活したての鉄華団モビルワーカーが消滅すると、蠢く地の底より、黒い鈍器メイスを片手に飛び出して来たのはガンダム・バルバトス、その第4形態。オーカの持つ最強のカードであり、エースカードも務める。

 

 

「第4形態。成る程、オマエのモビルスピリットは戦えば戦う程強くなる機体と言う事か」

「アタックステップ。第4形態でアタック!」

 

 

レオンの言葉に耳を傾けることなくアタックステップでアタックを宣言するオーカ。バルバトス第4形態がメイスを片手に地を駆けていく。

 

そしてこの時、強力な効果が逐一発揮されていき………

 

 

「アタック時効果でフィールドのコアを2つリザーブに置く」

「!」

「フォースインパルスからコアを取り除き、消滅させる!」

 

 

素のBPが高いだけでなく、コア除去などの多彩な効果を内包しているバルバトス第4形態。

 

黒々とした鈍器、メイスを横一閃に振い、レオンのフォースインパルスガンダムの顔面を叩きつけて見せるが…………

 

 

「なんだ……手応えがない……!?」

 

 

そう。

 

全くと言っていい程に効き目がなかった。強力を極めたはずであるバルバトス第4形態のメイスによる一撃でもフォースインパルスガンダムには擦り傷一つ与えられなかった。

 

 

「残念だったな。インパルスと名の付くスピリット達はLV2以上の時【VPS(ヴァリアブルフェイズシフト)装甲:コスト5以下】を持つ。コスト5以下の効果は通用しない」

「!」

 

 

インパルスガンダムとデスティニーガンダムには共通して所持している効果がある。

 

その名も【VPS(ヴァリアブルフェイズシフト)装甲】…………

 

それは指定された本来のコスト以下の効果を受けなくすると言う強力なモノ。今回のバルバトス第4形態のコストは惜しくも5。その強力な効果も、インパルスガンダムが持つ【VPS装甲:5以下】の前には無駄に終わる。

 

 

「そして、対象がいないため、バルバトス第4形態の効果はLV1で【VPS装甲】を持たないインパルスガンダムが受ける。このスピリットは相手によって場を離れる時、コア1つをボイドから追加する事で疲労状態で残る」

「くっ………」

 

 

ー【インパルスガンダム】(2➡︎3➡︎1)

 

 

向けられる矛先はLV1であるが故に未だ【VPS装甲】の効果を持たない通常のインパルスガンダム。バルバトス第4形態のメイスによる一撃で吹き飛ばされるも、コアを追加し、生存して見せる。

 

前のヒバナ戦。オーカはこのインパルスガンダムの効果を知っていたからこそ、バルバトス第4形態でフォースインパルスガンダムの方を破壊しに向かわせた。だが、その考えは【VPS装甲】の効果により全て瓦解。結果としてどのスピリットも倒せない結果に終わってしまった。

 

 

「だけどまだだ。バルバトス第4形態のLV3アタック時効果、紫のシンボルを1つ追加する」

「おぉ……単体でダブルシンボルになる力か!……いいだろうその一撃、この身で受ける!」

 

 

〈ライフ5➡︎3〉レオン

 

 

鬼気迫る勢いで接近して来たバルバトス第4形態が、レオンのライフバリアを一気に2つ、メイスで砕く。

 

これでライフの差は並んだ。ここから追撃し、逆転を狙いたくはあったが………

 

 

「………ターンエンド」

手札:4

場:【ガンダム・バルバトス[第1形態]】LV1

【ガンダム・バルバトス[第4形態]】LV1

【オルガ・イツカ】LV1(2)

バースト:【無】

 

 

流石にそこまで何も考えずには攻めたりしない。【VPS装甲】で除去がやり辛い今、スピリットを防御用のブロッカーとして残すのは大事だと考え、バルバトス第1形態をブロッカーに残し、そのターンを終える。

 

 

[ターン05]レオン

 

 

「メインステップ。マジックリカバードコア、ボイドからコア1つずつを白のスピリットとオレのライフに」

「チ……またライフ回復か」

 

 

〈ライフ3➡︎4〉レオン

 

ー【フォースインパルスガンダム】(2➡︎3)

 

 

全く隙を見せないレオン。防御が得意な白属性を使っている故であろうが、好戦的な性格とは裏腹に堅実なプレイングでアドバンテージを稼いでいく。

 

 

「バーストをセット。2体のインパルス、ネクサスのLVを最大に上げ、アタックステップ……フォースインパルス、斬れ」

 

 

ー【インパルスガンダム】(1➡︎4)LV1➡︎3

 

ー【フォースインパルスガンダム】(3➡︎4)LV2➡︎3

 

ー【ミネルバ】(0➡︎1)LV1➡︎2

 

 

「第1形態、ブロックを頼む」

 

 

アタックステップの開始直後、ビームサーベルを手に、オーカのライフへと斬りかかるフォースインパルスガンダム。主人を守るべくバルバトス第1形態が立ち向かうが………

 

 

「フォースインパルスの効果、ブロックされた時、回復する」

「なに!?」

 

 

ー【フォースインパルスガンダム】(疲労➡︎回復)

 

 

再び攻撃が可能な回復状態となり、その防御は全くの無駄に終わる。

 

バトルもフォースインパルスガンダムはビームサーベルでバルバトス第1形態のボディを切断し、爆散させ圧勝。フォースインパルスガンダムの効果を知らなかったとは言え、オーカのこの判断は致命的なミスであったと言える。

 

だが………

 

 

「ターンエンドだ」

手札:4

場:【フォースインパルスガンダム】LV3

【インパルスガンダム】LV3

【ミネルバ】LV2

バースト:【有】

 

 

「ターンエンド?…オマエ、遊んでいるのか」

「フ……勘違いするな。手を抜いているわけではない………オレはもっと見たいのだ、味わいたいのだ。オマエとバルバトスの力をな」

「……どんなドMだよ」

 

 

先のアタックは様子見のつもりだったのか、BP8000と9000、2体のブロッカーを場に残し、そのターンをエンドとするレオン。

 

オーカは唯一場に残ったバルバトス第4形態と共にターンを進めて行く。

 

 

[ターン06]オーカ

 

 

「メインステップ……バルバトス第2形態を召喚!」

 

 

ー【ガンダム・バルバトス[第2形態]】LV2(2)BP6000

 

 

上空から流星の如く地上に降り立ったのは新たなバルバトス。第1形態でも第4形態でもない第2形態のバルバトスだ。その手に持つ巨大なライフル銃の光沢が光る。

 

 

「第2……その第4形態とやらよりは幾分かパワーが低そうだが」

「ナメるなよ。バルバトス第2形態がいる限り、鉄華団スピリットは手札とデッキに戻らない……これでオマエがバーストで伏せているソードインパルスの召喚時効果で手札に返される事はなくなった」

 

 

所謂「バウンス」と呼ばれる白属性が得意とする効果。それはインパルスガンダムも例外ではなく、オーカの鉄華団モビルワーカーを手札に戻していた。

 

オーカはそれを見越し、対抗策としてそれらを全面的に封じ込めるバルバトス第2形態を場に投入したのだ。

 

 

「アタックステップ、バルバトス第4形態でアタック!…効果で紫のダブルシンボル」

「成る程、妥当な策だな。しかし、バルバトス第4形態のアタック時効果が【VPS装甲】に阻まれるのは変わらんぞ」

「今はこれで良い」

 

 

何か考えがあるのか、再びバルバトス第4形態を出陣させるオーカ。

 

しかしレオンとて2体のインパルスガンダムを無駄に失うわけにもいかないか。ブロックをするそぶりを見せず、両手を広げ、それを受け入れる。

 

 

「ライフで受ける!」

 

 

〈ライフ4➡︎2〉レオン

 

 

メイスでレオンのライフバリアを2つ叩き壊すバルバトス第4形態。そしてこのタイミングでオーカも予測していたレオンのバーストカードが起動する。

 

 

「ライフ減少によりバースト発動、ソードインパルスガンダム……ライフ1つを回復し、召喚!」

「やっぱそれか」

 

 

〈ライフ2➡︎3〉レオン

 

 

ー【ソードインパルスガンダム】LV1(1)BP5000

 

 

再び出現する赤い装甲、武器はビーム太刀のソードインパルスガンダム。召喚時のバウンス効果はバルバトス第2形態の効果で無効化されるも、一番厄介なライフ回復は健在、2つ失ったライフを即座に取り戻した。

 

それだけではない。レオンの場には合計して3体のインパルスガンダムが揃ってしまう。

 

 

「バルバトス第4形態アタック時効果。スピリットのバトル終了時にトラッシュからスピリットを1コスト支払って召喚、蘇れ鉄華団モビルワーカー!」

「ッ…蘇生効果」

「不足コストはバルバトス第4形態のLVを下げて確保」

 

 

ー【鉄華団モビルワーカー】LV1(1)BP1000

 

 

紫のシンボルが砕け、トラッシュにあった鉄華団モビルワーカーが復活。鉄華団スピリットの登場により、創界神ネクサスであるオルガにコアが溜まって行く。

 

 

「さらにエンドステップ。バルバトス第2形態の効果……このターン、スピリットでアタックしていたならトラッシュからコスト4以下のバルバトスをノーコストで再召喚……オマエも来い、バルバトス第1形態!」

 

 

ー【ガンダム・バルバトス[第1形態]】LV1(1)BP2000

 

 

「また蘇生。頭数を揃える作戦か」

「どうかな……召喚時効果でカードを3枚オープン。対象のカードを手札に加える………オレはバルバトス第6形態を手札へ」

 

 

今度はバルバトス第2形態の効果で今度はトラッシュからバルバトス第1形態が復活。オルガに神託しつつ、その効果で鉄華団カードを手札に加えた。

 

 

「ターンエンド……」

手札:5

場:【ガンダム・バルバトス[第4形態]】LV2

【ガンダム・バルバトス[第2形態]】LV2

【ガンダム・バルバトス[第1形態]】LV1

【鉄華団モビルワーカー】LV1

【オルガ・イツカ】LV2(6)

バースト:【無】

 

 

鉄華団が得意とする戦法の1つである「蘇生」を活かし、場のスピリットの頭数を全力で増やしたオーカ。何か狙いがあるようだが、そのターンを一度エンドとする。

 

 

「人海戦法でインパルスガンダムとの力の差を埋めようと言うのか?……面白いが、ここまでか」

「………」

 

 

並んでいく鉄華団、バルバトスだが、飽くまでもBPの低いスピリット群。レオンはこの戦略を取ったオーカに少々呆れ気味な様子。

 

だがそれでもあのスピリットは呼ぶ気なのか、冷静な表情で口を固く閉じているオーカを見つめながら己のターンをスタートして行く。

 

 

[ターン07]レオン

 

 

「こんなモノかバルバトス。これではまだ一木ヒバナのウォーグレイモンの方がマシだったぞ」

「そりゃそうだ。ウォーグレイモンは、ヒバナは強いからな」

「口が減らんな。このままインパルス軍団だけで貴様を倒す事は容易い………が、いいだろう。冥土の土産に見せてやる……人生を共にした、オレの相棒をな」

「!」

 

 

来るか………

 

雰囲気からそう勘ぐったオーカ。インパルスガンダム達は強力なスピリットであるが、レオンにとっては飽くまでも前座。

 

遂にあのスピリットを召喚して行く。

 

 

「メインステップ………時は満ちた。運命をも覆す我が魂!!……デスティニーガンダムッ!!」

「!!」

 

 

ー【デスティニーガンダム】LV3(5)BP23000

 

 

蔓延る雷雲。そこから放たれる落雷と共に姿を見せるのは、赤き機翼を羽ばたかせる白きモビルスピリット、デスティニーガンダム。レオンの相棒たるそれが遂にオーカと鉄華団達の前にも出現した。

 

その莫大な維持費にインパルスガンダム達やネクサスカードのコアが取り除かれ、大きくLVダウンして行く。

 

インパルスガンダムとは比べ物にならない圧を放つデスティニーガンダム。それでも肝が据わっているのか、オーカは常に冷静で、表情を一切崩さない。

 

 

「オマエはまだ弱い。だが有望だ………使うカードの強さ、勘の良さ、運。そして揺るがないメンタル……カードバトラーとして必要な要素を全て持ち合わせているからな」

「そんなのいいからさっさとターン進めてくれる?…こっちはもう耳が痛いんだ」

「フ……野暮だったか。なら精々今はこの敗北を糧にするがいい……アタックステップ!」

 

 

レオンはこの段階でオーカをカードバトラーとして高く評価していた。まだ弱いが、このまま育てば自分のような強さをどこまでも求める存在になれると確信している様子………

 

そしてアタックステップ宣言に伴い、デスティニーガンダムの眼光が強く光り輝き………

 

 

「撃て、デスティニーガンダム!…効果でバルバトス第2形態を破壊し、そのシンボル分のダメージを与える!」

「!」

 

 

〈ライフ3➡︎2〉オーカ

 

 

デスティニーガンダムは翼に備え付けられた長めの機関銃を取り出し、ビームを射出。オーカのライフバリアごとバルバトス第2形態を突破して見せる。

 

 

「これでバウンス耐性はなくなった……フラッシュマジック、ホワイトストライク。鉄華団モビルワーカーとバルバトス第1形態の2体をデッキの下に送る」

「!」

「不足コストはインパルス軍団から確保。よってフォースインパルスとソードインパルスは消滅」

 

 

透かさず引き抜かれるマジックカード。3体いるうちの2体、ビームサーベルを備えた青い装甲のフォースインパルスガンダムと、ビーム太刀を備えた赤い装甲のソードインパルスガンダムが消滅してしまうも、オーカのブロッカーであったバルバトス第1形態と鉄華団モビルワーカーの2体が粒子化してしまい、消え去って行く。

 

 

「さらにフラッシュ、デスティニーガンダムの効果。ザフトを持つネクサスカード、ミネルバを疲労させる事でこのスピリットは回復する」

「!」

 

 

ー【デスティニーガンダム】(疲労➡︎回復)

 

 

効果により回復状態となるデスティニーガンダム。これで少なくともこのターンでは二度目のアタックが可能となった。

 

どこからどう見ても絶体絶命のピンチ。しかしオーカは慌てない………

 

 

「ライフで受ける!」

 

 

〈ライフ2➡︎1〉オーカ

 

 

今回二発目のビームを射出するデスティニーガンダム。それはオーカのライフをさらに貫き、そのライフを風前の灯火とさせた。

 

オーカの場に残ったのは疲労状態のバルバトス第4形態のみ。後はデスティニーガンダムがアタックすればその効果でそれを破壊。シンボル分のダメージを与えて彼の勝ち…………

 

であるが、オーカはそれを止めるべく、手札にあるマジックカードを1枚引き抜いて………

 

 

「ライフが減った事により、手札から絶甲氷盾をノーコストで発揮!」

「ッ……ここで防御用マジック」

「この効果でこのターンのアタックステップを強制終了させる」

 

 

オーカが使用したのは「絶甲氷盾〈R〉」のカード。これは自分のライフが減った時に手札からノーコストで使用できる白のマジック。

 

これによりいくら破壊された事のないレオンのデスティニーガンダムと言えどもアタックの宣言ができない以上、追撃はできなくて…………

 

 

「ターンエンド。もう少し粘れるか、流石はオレが見込んだ男だ………」

手札:3

場:【デスティニーガンダム】LV3

【インパルスガンダム】LV1

【ミネルバ】LV1

バースト:【無】

 

 

誰がどう見ても圧倒的にオーカの劣勢。

 

比較もしようがないカードバトラーとしての実力差。相棒であるモビルスピリットの格差。どこをとってもオーカより獅堂レオンの方が上手だ。

 

 

「オレは師匠にバトルは強さを求めてこそ意味があると常々教えられて来た」

「?」

「だがその強さとやらを求めるには極上のバトルができる相手が必要不可欠………だからこそオレは、オレとデスティニーは常に強者を求めている」

「ふーーん。で?」

「オマエならオレとデスティニーが求める強者になれる!…いつか、必ず!…早くその高みまで登って来い……!」

 

 

昂ったテンションのまま、レオンが叫んだ。師匠の教え、自分が強いカードバトラーを求める理由。オーカにその存在になって欲しい願望を………

 

 

「お望みなら直ぐに登ってやるよ。オマエのその汚いライフ叩き潰してな………」

「ほぉ……それは楽しみだ!」

 

 

デスティニーガンダムの強力な攻撃を毎ターン凌げるわけがない。このターンが実質のラストだ。

 

オーカはヒバナのために全力でターンを進めて行く。

 

 

[ターン08]オーカ

 

 

「メインステップ………行くぞ、4を超えたその先で、未来を掴め!!…ガンダム・バルバトス第6形態…LV3で召喚!!」

「!」

 

 

ー【ガンダム・バルバトス[第6形態]】LV3(4)BP12000

 

 

デッキの中核を担うバルバトス第4形態。そのさらに上であるバルバトス第6形態がこの地上に解き放たれる。

 

その身を白き外装に包み込まれており、武器はレンチメイスと呼ばれる大顎のような形をした特殊な鈍器だ。それは登場するなりレオンとデスティニーガンダムを睨みつけるように眼光を輝かせる………

 

 

「アタックステップ!…その開始時にオルガの【神技】を発揮、コア4個をボイドに置き、トラッシュから鉄華団1枚を召喚する!」

「!」

「オレはパイロットブレイヴ、三日月・オーガスを召喚して、そのままバルバトス第6形態と合体!」

 

 

ー【ガンダム・バルバトス[第6形態]+三日月・オーガス】LV3(4)BP18000

 

 

ここに来てようやく発揮される創界神ネクサス、オルガ・イツカの効果。

 

モビルスピリットにとっては最高のウェポン、パイロットブレイヴの一種である三日月・オーガスのカードがBパッド上で動き、バルバトス第6形態のカードと重なり合った。

 

見た目の変化は一切ないものの、バルバトス第6形態は劇的にパワーアップを遂げていて………

 

 

「アタックステップ!…行け、バルバトス第6形態!」

 

 

レンチメイスを両手で構え、向かって行くバルバトス第6形態。当然ながら敵の大将であるレオンのライフを狙っているのだが………

 

眼前には自身のスペックを遥かに凌ぐデスティニーガンダムが立ちはだかっていて…………

 

 

「アタック時効果、相手スピリット1体のコア1つをリザーブに置き回復!」

「デスティニーにはインパルスをも凌ぐ【VPS装甲:コスト7以下】を持っている!…本来のコストが7のそいつの効果は受けん!」

「だったら横のインパルスガンダムからコア1つをリザーブに!」

「インパルスは効果で場を離れる時、ターンに一度だけボイドからコア1つを追加し場に残る!」

 

 

ー【インパルスガンダム】(1➡︎2➡︎1)

 

ー【ガンダム・バルバトス[第6形態]+三日月・オーガス】(疲労➡︎回復)

 

 

背部のスラスターを巧みに使いインパルスガンダムに急接近するバルバトス第6形態。レンチメイスを振い、それを吹き飛ばすも、インパルスガンダムは自身の効果で消滅を免れ、場に残る。

 

 

「今度はパイロットブレイヴ、三日月の効果……スピリットかネクサスカードの維持コアをプラス1。その後、リザーブのコアを鉄華団スピリットの数だけトラッシュに送る!」

「!」

「ミネルバの維持コアを上げ、消滅!…そしてオマエのリザーブのコアを叩く!」

 

 

ー【ミネルバ】(0)消滅

 

 

レオンの背後に聳え立つ母艦、ミネルバの甲板に飛び向かうバルバトス第6形態。甲板に着地後は修羅の如くレンチメイスを突き刺しては叩きつけ、突き刺しては叩きつけるを繰り返していき、ミネルバを爆散、バルバトス第6形態はその爆散による爆風に身を任せ、そのまま場へと着地した。

 

さらにレオンのリザーブのコアが1つ、使用できないトラッシュへと流れ出ていった。

 

縦横無尽にこれでもかと暴れ回り、レオンの場を掻き乱して行くバルバトスであるが、それを自分が止めると主張するように、デスティニーガンダムが眼光を輝かせて…………

 

 

「第6形態のもう1つの効果でこのアタックはスピリット1体を破壊しなければブロックできない!」

「ほう。そのパイロットブレイヴと言い良い効果を持ってるな!…ならインパルスを破壊し、デスティニーでブロックを行おう!」

 

 

果敢に迫り来るバルバトス第6形態に向かって、味方であるはずのインパルスガンダムの頭を掴んで投げ飛ばすデスティニーガンダム。

 

しかし、バルバトスもバルバトスで、飛んで来たそのインパルスガンダムに何の戸惑いも躊躇もなくレンチメイスを振り下ろし、呆気なく爆散させた。

 

だがその攻撃の隙を突いてデスティニーガンダムが猛追。ビーム砲からビームを放ち、バルバトス第6形態の左角を破壊する。

 

 

「デスティニーのBPは23000、対するバルバトス第6形態はパイロットブレイヴによるBP加算を加えても18000!!…勝負あったな!」

「!」

 

 

刃がビーム状となっている太刀を取り出し、バルバトス第6形態を討たんと出陣するデスティニーガンダム。

 

負けじとバルバトス第6形態もレンチメイスを手に持ち、それと真っ向から激しく打ち合って行くが、性能の差か、デスティニーガンダムが徐々に徐々にとバルバトス第6形態を押して行く。

 

そんな劣勢を強いられているバルバトスを見て、オーカは…………

 

 

「どうしたバルバトス、そんなモンじゃないだろオマエは……見せてみろ、オマエの本気………!」

 

 

オーカがそう告げると、緑色の眼光を輝かせるバルバトス第6形態。一度デスティニーガンダムと距離を取り、それに向かってレンチメイスを投擲する。

 

だが、それは虚しくもデスティニーガンダムの拳によって粉々に撃ち砕かれる。

 

 

「人の声、呼び掛けで強くなる程バトルスピリッツは甘くない………終わりだ鉄華オーカミ、バルバトス!!……散れ、敗北の彼方へと!!」

 

 

勝利を確信したレオンが己の決め台詞を口にすると、刃がビーム状の太刀を手に、デスティニーガンダムがバルバトス第6形態の眼前へと迫り来る。レンチメイスと言う名の武器を無くしたバルバトス第6形態には反撃の手段が無い。デスティニーガンダムはトドメだと言わんばかりにそのビーム太刀をバルバトス第6形態へと無慈悲に振り下ろして行く…………

 

しかし、万事休すと言ったこの状況の中、オーカとバルバトス第6形態は………

 

 

「オレと鉄華団は……散らない………散るのは、オマエの方だ!!」

「!!」

「今だ………ぶった斬れ、バルバトス!!」

 

 

オーカがそう叫ぶと、上層に装備されている白き外装を全て一瞬にしてパージして見せるバルバトス。そうした事で、第1形態のような肩部が剥き出しになった状態になるも、バックパックに備え付けられた太刀を手に取り、デスティニーガンダムに向かって構える。その姿は正にもう後がない背水の陣と言えるモノ…………

 

そしてバルバトスは手に持ったその太刀を振い、自分に向かって振り下ろされようとしていたデスティニーガンダムのビーム太刀をその腕ごと斬り裂いて…………

 

 

「なに………!?」

 

 

転がるビーム太刀を手に持ったデスティニーガンダムの腕。その光景をまるで信じられないようにレオンは、ここに来てようやく驚愕の声を上げる。

 

無理もない。これまで一度たりとも破壊されなかったあのデスティニーガンダムの腕が斬り落とされたのだから…………

 

 

「バルバトス第6形態の最後の効果……【零転醒】……相手のライフが減ったかこのスピリットが場を離れる時、裏返す」

「ッ……オマエも転醒を……」

 

 

ー【ガンダム・バルバトス[第6形態・太刀装備]+三日月・オーガス】LV2(4)BP19000

 

 

バルバトスがデスティニーガンダムに反撃して見せたのは最後に備えていた転醒の力。バトルで負け、場を離れる代わりに裏側になる事で生き残って見せたのだ………

 

 

「そしてその転醒アタック時効果、相手の場の最もコアが少ないスピリット1体を破壊する……オマエのスピリットはデスティニーだけ、よってそれを破壊するッ!」

「馬鹿か。言っただろう!…デスティニーガンダムは【VPS装甲:コスト7以下】によりその効果を………」

「馬鹿はオマエだ。転醒したバルバトスのコストは8だし、そもそもオルガがいる事を条件に、この効果は装甲系の効果は全て無視できる!」

「なんだと!?」

「……バルバトスッッ!!」

 

 

オーカにその名を叫ばれると、目では追えない程の斬撃をこれでもかと繰り出して行くバルバトス。デスティニーガンダムのもう片方の腕や翼を凄まじい速度で斬り落としていく………

 

 

 

ジュニアクラスの中でも圧倒的に実力が飛び抜けており、プロにも匹敵する力を持っていると囁かれるレオンの実力も相まって、モビルスピリット、デスティニーガンダムは完全無欠、つまり今まで誰もそのスピリットを倒した事がなかったのだ…………

 

だが、ただ今をもってその無敵伝説は終了を迎える…………

 

この鉄華オーカミとバルバトスによって…………

 

 

バルバトスがトドメと言わんばかりに全力で太刀をデスティニーガンダムの胸部に向かって突き刺す。その一撃で致命傷を負ったデスティニーガンダムは遂に身体が悲鳴を上げたか、力尽き、爆散………

 

 

「おぉ……オレの相棒を、デスティニーガンダムを……おぉ、おぉ良いぞ鉄華、そしてバルバトス!!…やはりオレの目に狂いはなかった!!…オマエ達とならオレは至高のバトルを味わえる!!」

「うるさいよ。転醒バルバトスはアタック中にスピリットを破壊した時、相手ライフにダメージを与える!」

「ッ……!」

 

 

〈ライフ3➡︎2〉レオン

 

 

デスティニーガンダムの敗北をきっかけに、求めていた好敵手に出会ったと自覚したレオンは気が狂ったように興奮する。

 

爆発による爆煙、爆風の中よりデスティニーガンダムを倒すと言う快挙を成し遂げたバルバトスがレオンにゆっくりと迫ると、そのデスティニーガンダムをも斬り刻んだ太刀で彼のライフバリア1つも斬り裂いた。

 

 

「これで最後だ……回復している転醒バルバトスでアタック!…合体中の三日月の効果でリザーブのコア2つをトラッシュに送る!」

 

 

転醒バルバトスは三日月との合体でダブルシンボル。レオンの残った2つのライフを破壊する事が可能。さらに三日月の鉄華団スピリットの数だけ相手のリザーブのコアをトラッシュに送ると言うアタック時効果で使えるコアも減少…………

 

しかし、決まったと思えたその直後、レオンは気が狂ったような笑顔を浮かべながら、徐に手札のカードを抜き取り………

 

 

「フラッシュマジック、白晶防壁!!」

「!」

「効果でバルバトス第4形態を手札に。さらにコストの支払いでソウルコアを使った時、このターンの間オレのライフは1しか減らない……ライフで受ける」

「なに!?」

 

 

〈ライフ2➡︎1〉レオン

 

 

咄嗟に放たれたレオンのマジックカードによってまた戦況が一変。バルバトス第4形態は粒子化してオーカの手札へと強制送還され、転醒バルバトスの一撃はライフバリアとは別に出現した強固なバリアによって緩衝。

 

結果としてレオンのライフを仕留め損なってしまう………

 

 

「惜しかったな。だが見せて貰ったぞ、バルバトスの持つ底力……!」

「………ターンエンド」

手札:4

場:【ガンダム・バルバトス[第6形態・太刀装備]+三日月・オーガス】LV3

【オルガ・イツカ】LV2(3)

バースト:【無】

 

 

完璧な作戦でデスティニーガンダムを破壊し、後もう一歩のとこまでレオンを追い詰めたオーカであったが詰めが甘かった。

 

そしてエースであるデスティニーガンダムを破壊されても尚冷静さを失わず、余裕の笑みを浮かべているレオンのターンが幕を開けていく………

 

 

[ターン09]レオン

 

 

「メインステップ……コアスプレンダーを召喚」

 

 

ー【コアスプレンダー】LV2(12S)BP3000

 

 

現れたのは本日2枚目となる戦闘機型のスピリット、コアスプレンダー。ここまでの戦局からオーカに最早反撃する手段は残っていない事を確信しているレオンはそのままアタックステップへと移行させて………

 

 

「アタックステップ……コアスプレンダー、最後のライフを奪え」

「………」

 

 

オーカの最後のライフを狙い、接近して行くコアスプレンダー。オーカの手札にはレオンの読み通りカウンターで使えるモノはなく、肝心の場もブロックできるスピリットはいない………

 

疲労状態により膝をついたバルバトスの頭上をコアスプレンダーが通り過ぎて行く。終わりだ………オーカは最早最後の宣言をする事しかできない………

 

潔く、その瞼を閉じる………

 

 

「潔いな。すぐさま敗北を認めるか」

「オレが負けて、オマエが勝つ……それだけだろ?」

「フ……それでこそオレが認めたライバル……さぁ、最後のコールを叫べ!」

「………ライフで受ける………ッ」

 

 

〈ライフ1➡︎0〉オーカ

 

 

刹那。コアスプレンダーがオーカの最後のライフバリアに勢いよく突進していき、打ち砕いた。

 

これにより、鉄華オーカミのライフはゼロ。よって獅堂レオンの勝利だ。健闘虚しく、オーカはバトルに敗北を喫してしまった…………

 

 

「負けた」

「オレのデスティニーを破壊したのはオマエが初めてだ……フフ、鉄華オーカミ、そしてそのモビルスピリットバルバトス。いったいどこまでオレを楽しませればいい」

 

 

敗北直後であると言うにもかかわらず、オーカの表情はいつも通り無であった。確かに悔しさはある。ここで勝ってヒバナに対して頭を下げさせるつもりだったのだから………

 

 

「オレの師匠は言っていた。弱き者にバトルをやる資格はないと……絶対的な力を持つカードバトラーにこそ生きる意味があると……喜べ鉄華。オマエはオレと同類だ。バトルをする意味がある!」

「難しい事は知らないけど、オマエと同類だけは嫌だな」

「何を言う。オレはこのバトルで感じたぞ、オマエの強くなりたいと言う願い、野心を!…これをオレと同類と言わずして何と言う?」

 

 

レオンがずっと求めていたお互いを高め合える好敵手。それが今目の前にいる鉄華オーカミであると悟っていた。

 

これは同類。強さの極みという終わる事のない目標を探究してどこまでも突き進んでいく愚か者であると…………

 

しかしオーカは………

 

 

「みんなそうだろ。強くなりたいって思うの、当たり前だ………でもその中に色んなヤツがいるから、バトスピって面白いんだ」

「それは弱者の戯言だ。バトスピとは面白いの前に勝たねばならない。バトルが面白いと言えるのは強き者の特権、弱者は強くならなければ強者に虐げられる事しかできない。強くなりたかったらその考えは捨てろ」

「捻れてんなオマエ」

「オマエは思ってた以上に真っ直ぐだな。だがそれでこそオレのライバルに相応しい。強くなれ、もっとだ」

 

 

バトスピに対する価値観の違いが相違するオーカとレオン。本当は同じく強さを求める者であるはずなのに、2人はこうも考え方、捉え方が違う………

 

そして次の瞬間、オーカの頭の上に優しく大きな手がポンっと置かれる。それはこの店の店長「九日ヨッカ」のモノであり………

 

 

「アニキ」

「よく言ったな弟分。話は大体聞かせて貰ったぜ……取り敢えず、オマエは出禁だな、界放リーグジュニアクラスの優勝者獅堂レオン」

「ほぉ。オマエが店長………どこかでオレと会ったか?」

「テメェみてぇなクソガキ知らねぇよ……敬語使え。さっさと帰んだな」

 

 

買い物から帰って来て早々。威厳のある風格でレオンにそう宣言するヨッカ。これまでのレオンの行いを考えたら「出禁」は妥当な処理だ。

 

 

「まぁ良い、鉄華オーカミ。オマエと言う存在がこの世にいる事を知った……それだけでも良い収穫だった……次の界放リーグ、必ず出ろ」

「!」

「そこで決着だ。今度こそオレのデスティニーがバルバトスを討ち取る」

 

 

強さとその強さを存分に注ぎ込む事ができる好敵手だけを求めるカードバトラー、獅堂レオンは最後にそう言い残すと、アポローン店内から出て行った。

 

 

「噂には聞いてたが、相当イカれてんなアイツ……負けたみたいだが、あんま気にすんなよ?……相手は界放リーグを常勝するようなヤツだしな」

 

 

落ち込んでいると思い込んで、ヨッカがオーカを励まさんと声を掛けるが…………

 

無表情であるが故に、わかりづらかったが、当の本人はそんな事はなくて………

 

 

「バトスピって不思議だなアニキ」

「?」

「負けても悔しさよりも先に次は勝つって言う思いみたいなのが直ぐにぐわって沢山溢れて来る。オレこんな気持ちになったのなんか生まれて初めてな気がする……!」

「!」

「アイツにまた会うのは嫌だけど、今度その界放リーグってヤツにも出てみたいな」

 

 

悔しい敗北だった事には違いない。かなり腹を立てた相手に敗北を喫してしまったのだから………

 

しかし、それでも前を見ていられるオーカはやはりカードバトラーとしての強い素質を持っているのだとヨッカは改めて思って…………

 

 

「ワッハッハ!!…オマエは大きいヤツだな!」

「?……オレ身長小さいけど?」

「そう言う意味じゃねぇよ」

 

 

これにて、獅堂レオンが巻き起こした小さな騒動は彼の出禁と言う結果で幕を閉じる事になる。まだまだ強くなると誓いを立てるオーカであったが、レオンに心の傷を大きく抉られたヒバナが心残りであって…………

 

 

 

 

 




次回、第8ターン「スサノオ、武士道、Mr.ケンドー」
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