最後の鉄華団カード「バルバトスルプス鉄華」を入手したオーカミ。シグマとのバトルで、その力を遺憾なく発揮させるも、シグマは「その力をまだ80%しか使えていない」と断言。
直後、オーカミの永遠の好敵手、獅堂レオンが吠えて。
******
ここは、数多くあるノヴァ学園のバトルスタジアムの1つ。
オーカミ、ライ、コント、ブイ、シグマの5人が集まっていたそこへ、突如、パワーフォースの1人にして、現在の序列4位、獅堂レオンが現れた。
「なんでレオンがいるの」
突然現れたレオンに、ライが訊いた。
「アタシが呼んだんだよ」
「シグマが?…余計なことを」
その質問に答えるシグマ。どうやらレオンは、彼女が事前にここに呼び寄せていた様子。彼のことが苦手なオーカミは、それに対してやや辛辣なリアクション。
「いいからとっととバトルしな。この魂小僧は、必ずルプス鉄華の残り20点の力を引き出してくれる」
「……」
「ハハハハハハ!!……そう言うことだオーカミ。早くBパッドを構え直せ」
そう告げると、レオンは勢いよく飛び上がり、オーカミのいるバトル場へと着地すると、彼へ向かって己のBパッドを展開。バトルの準備を即座に完了させる。
「仕方ない。軽くあしらってやるから、かかって来いよ」
「ハッ…本調子になって来たな。進化した我が魂、とくと味わうがいい」
ようやくその気になったオーカミ。レオンに向かってBパッドを構え直す。
「おぉ、なんか急展開だな。現パワーフォースの序列3位と4位のバトル。一体どっちが勝つんだ」
「そんなの、オーカに決まってるでしょ、頑張れオーカ!!」
コントの発言に対し、ライが断言。彼に声援を送る。
「始めるぞ、オーカミ!!」
「あぁ獅堂。バトル開始だ」
……ゲートオープン、界放!!
本日二度目のバトル開始の合図が轟く。ノヴァ学園の序列3位、鉄華オーカミと、序列4位、獅堂レオンによるバトルスピリッツが幕を開けた。
「……」
その瞬間、そよ風が吹き抜け、オーカミはその雰囲気をより刺々しくさせ、いきなり本気モードとなる。
「ばっちゃん、アレって」
「あぁ」
知らぬ間にスタジアムの2階に移動していたブイとシグマ。
ブイは、バトル中、オーカミの雰囲気が変わることについて訊いた。
「アレは間違いなく王者の使い過ぎさね。酷使して来た王者因子は、体内から溢れ、血流と混ざる。結果、時折りあぁ言う風になるんだろう」
「じゃあ、覚醒とは何も関係ないの?」
「ない。おそらくあの状態は、精々直感で良い選択ができる程度。通常の王者と違って、未来なんて見れない。それを使ってもキングやサンドラに勝てないのが、何よりの証拠さ」
「バトルの未来なんて見えてたら、絶対勝てるもんね」
オーカミの本気モードを分析していたシグマ。それが覚醒の布石ではないと断言する。
「だが、全ての鉄華団が揃ったんだ、覚醒の日は近いよ。あとはキッカケさえあればね」
「キッカケ……あぁ、だからレオンを使ったのか」
「カッカッカ。見せてもらおうじゃないか、アルファベット自慢の弟子の力を」
そこで会話を終え、2人はちょうど始まった、オーカミとレオンのバトルへと視線を送る。
このバトルの先攻は、レオンだ。彼にとっては待ちに待った一戦。嬉しさの余り口角が上がりながら、そのターンを進めて行く。
[ターン01]獅堂レオン
「メインステップ。ネクサス、メイリン・ホークを配置」
ー【メイリン・ホーク】LV1
「ターンエンド」
手札:4
場:【メイリン・ホーク】LV1
バースト:【無】
レオンの初手はネクサス。フィールドのシンボルを稼ぎ、デスティニーガンダムの早期召喚を狙うつもりなのだろう。
「久しぶりで感情が荒ぶるなぁオーカミよ」
「それはオマエだけだろ」
熱苦しいレオンに対してクールなオーカミ。次は後者、オーカミのターンだ。
[ターン02]鉄華オーカミ
「メインステップ。オルガ・イツカ」
ー【オルガ・イツカ】LV1
オーカミも初手はネクサス。しかも創界神だ。配置時の神託により、デッキ上3枚のカードがトラッシュへ送られ、その上に3つのコアを追加する。
「ターンエンド」
手札:4
場:【オルガ・イツカ】LV2(3)
バースト:【無】
互いに1ターンを終え、バトルは2周目に突入する。
[ターン03]獅堂レオン
「メインステップ。ソードインパルスルナマリアを、LV1で召喚」
ー【ソードインパルスガンダム[ルナマリア機]】LV1(1S)BP5000
このバトルで初めてスピリットを召喚したのはレオンだった。
大剣を装備した赤いモビルスピリット、ソードインパルスルナマリアがフィールドへ戦闘配備。
「召喚時効果。自身とメイリンに1つずつコアブースト。さらに増えたコアを使い、ミーア・キャンベルをLV2で配置」
ー【ミーア・キャンベル】LV2(1)
レオンは増えたコアをコストとして、追加でネクサスを配置。さらにシンボルを増やして行く。
「アタックステップ。ソードインパルスルナマリアでアタック。その瞬間、メイリンの効果を発揮。デッキ上4枚をオープンし、その中のインパルスかコアスプレンダー1枚を手札に加える。ミーアの効果で、オープン枚数を+1し、5枚に変更」
ソードインパルスルナマリアへのアタック宣言と共に発揮されるメイリンの効果。ミーアとのコンボで5枚のカードが、レオンのデッキ上からオープンされる。
「零転醒インパルスを手札へ。ミーアの効果、オープンされた創界神ネクサス、デュランダルも手札に加える。残された3枚のカードは上に戻す」
「……アタックはライフだ」
〈ライフ5➡︎4〉鉄華オーカミ
レオンが新たなカードを2枚手札へ加えると、オーカミはライフで受ける宣言。
ソードインパルスルナマリアは、ビームの刃を纏う大剣を振い、オーカミのライフバリア1つを破壊する。
「ターンエンド」
手札:5
場:【ソードインパルスガンダム[ルナマリア機]】LV1
【メイリン・ホーク】LV1
【ミーア・キャンベル】LV2
バースト:【無】
コアブーストに手札増加を行い、これでもかとデスティニーガンダム着地の準備を進めたレオン。一度ターンを終了し、それをオーカミへと渡す。
アイツが今、デッキの1番上に戻したカード……
ほんの僅かな時間だったが、オーカミは見逃さなかった。
オープンカードで残った3枚、その内の1枚『デスティニーガンダム・メサイア』が1番上に戻されたことを………
「……」
「フ……!」
これでレオンの次のターンのドローは『デスティニーガンダム・メサイア』で確定。
警戒という名のオーカミのアイコンタクトが、レオンへと送られるが、レオンはそれに対して鼻で笑い、ドヤ顔。
オーカミは少し腹が立った。
[ターン04]鉄華オーカミ
「メインステップ。このバトル、出し惜しみは無しだ。行くぞ」
「当然だ。それでこそオレ達の戦いのロードは」
「天空貫け、未来を紡げ、ガンダム・バルバトスルプス鉄華、LV2で召喚!!」
ー【ガンダム・バルバトスルプス[鉄華団]】LV2(3S)BP7000
レオンの言葉を完全に無視し、オーカミは口上と共にスピリットを召喚。
吹き荒れる砂塵の大竜巻。それを巨大な二振りの剣で斬り裂きながら見参したのは、赤き眼を持つ、新生バルバトス、バルバトスルプス鉄華。
「待っていたぞルプス鉄華。貴様のデッキの新たな主軸」
「召喚時効果、デッキ上2枚を破棄し、その中に鉄華団があれば、相手フィールドのコア2個をリザーブに置く」
破棄された2枚は、当然鉄華団カード。よって、コア除去効果も有効となる。
「ネクサスとスピリットから1個ずつコアをリザーブへ置き、ソードインパルスルナマリアを消滅」
赤き眼の残光が一筋の光と成る程の速度でフィールドを走り抜けるルプス鉄華。
ソードインパルスルナマリアの眼前まで迫ると、手に持つソードメイスとヴァルキリアバスターソードの二振りで一閃。Xの字を描くように斬り裂き、爆散へと追い込む。
「この効果で消滅させた時、トラッシュにある鉄華団カードを手札に加える。クーデリア&アトラを手札に加えて、これを配置」
ー【クーデリア&アトラ】LV1
ルプス鉄華の効果により、いつもの創界神ネクサス2種類がフィールドに揃う。
クーデリア&アトラの配置時の神託でヒットしたカードは、3枚中2枚。よってその上に2つのコアが+された。
「アタックステップ。ルプス鉄華でアタック、その効果でデッキ上2枚を破棄し、クーデリア&アトラの【神域】が誘発する。トラッシュのカード1枚をデッキ下に戻し、1枚ドロー」
ガラ空きとなったレオンのフィールドへ、ルプス鉄華が走る。
レオンが瞬きする刹那の時間のみで、彼の眼前へと姿を見せる。そして、その際に使える効果の発揮を、オーカミは忘れない。
「フラッシュ、オルガの【神域】!!…デッキ上3枚を破棄し、1枚ドロー。クーデリア&アトラの【神域】でさらにドロー」
ルプス鉄華のアタックの際と合わせ、これで3枚だ。オーカミはこの瞬間だけで実に3枚ものドローをして見せ、その手札を7枚にまで増加させて見せる。
「そのアタックはこの身で受けよう」
〈ライフ5➡︎4〉獅堂レオン
ルプス鉄華の二度の斬撃が、レオンのライフバリア1つを粉砕する。
「ターンエンド」
手札:7
場:【ガンダム・バルバトスルプス[鉄華団]】LV2
【オルガ・イツカ】LV2(4)
【クーデリア&アトラ】LV2(2)
バースト:【無】
互いに相手のライフを砕きながら、場のシンボルと手札の数を揃えた序盤。
それを終えた今、次のターンより、このバトルは加速して行く。
[ターン05]獅堂レオン
「メインステップ。創界神ネクサス、ギルバート・デュランダルを配置」
ー【ギルバート・デュランダル】LV1
レオンはここで、前のターンに効果で手札へと加えていた創界神ネクサス、デュランダルを配置。
その配置時の神託で、追加されたコアの数は僅か1個だったが……
「デュランダルの神託で落ちた『シン・アスカ[C.E.73]』の効果を発揮。我が手札へ加え、コレを召喚」
ー【シン・アスカ[C.E.73]】LV1(0)BP1000
レオンは、神託の効果でトラッシュへと落ちたパイロットブレイヴカードを効果で拾い、そのままそれを召喚。
場の白シンボルは4つとなったこの瞬間。彼の口角は、またしても上がり………
「出し惜しみは無し。良い言葉だ。ならばオレも全力で応えねばなるまい。行くぞ、オーカミ!!」
「……」
魂が荒ぶり続けるレオン。彼が次に何を召喚するのかを察したオーカミは、その手札を前に構え、警戒の姿勢。
直後レオンは、己のBパッドにそれを叩きつけ、高らかに宣言する。
「絶望の運命をも救済する、我が魂!!……デスティニーガンダム・メサイア!!……LV2で召喚!!」
ー【デスティニーガンダム[メサイア攻防戦]】LV2(2S)BP15000
天空に蔓延る曇天。雷鳴唸るそこより現れたのは、新たなるデスティニーガンダム。名をデスティニーガンダム・メサイア。
その外見は通常のデスティニーガンダムと比べて対した変化はないものの、それとはまた違った強者のオーラを醸し出している。
「来たか、新しいデスティニーガンダム」
「さらにシンと合体」
ー【デスティニーガンダム[メサイア攻防戦]+シン・アスカ[C.E.73]】LV2(2S)BP20000
「レオンがもうデスティニーの合体までこじつけた。先攻を取ったとは言え、オーカの鉄華団より展開が早いなんて」
オーカミよりも早く盤面を揃えたレオンに対し、そう感想をこぼしたのは、ライだった。
本来、鉄華団の強さの秘訣は速さ、デスティニーはパワー。これまで行われた2人のバトルは、これが如実に表れることが多かった。
しかし、レオンの度重なるデッキ調整の末、今となっては、その速ささえ、デスティニーの強さの一部。明らかなパワーバランスの崩壊を、ライは感じ取っていたに違いない。
「アタックステップ。出撃だ、デスティニーガンダム・メサイア!!」
この後も出し惜しみは無し。レオンは躊躇なく合体したデスティニーガンダム・メサイアで攻撃を仕掛ける。
当然、その際に発揮されるアタック時効果も発揮させて……
「デスティニーガンダム・メサイアのアタック時効果。相手の最もコストの高いスピリット1体を破壊し、それに成功すれば、自身に白シンボル1つを追加する」
「!」
「貴様のスピリットは1体、バルバトスルプス鉄華。それを破壊だ!!」
デスティニーガンダム・メサイアの迎撃に向かうルプス鉄華。二刀流を振い、その装甲を砕かんとするが、紙一重でデスティニーガンダム・メサイアは飛翔し、それを回避。
そのままルプス鉄華の頭部を鷲掴みにし、強力な電撃を流し込む。ルプス鉄華はそれに耐え切れず、片膝を突き、敢えなく爆散してしまう。
「ルプス鉄華が破壊されちまった……」
バトルを観戦しているコントがそう呟いた。ルプス鉄華も、最強なのではなく、あくまでもスピリットの1種であることを実感できる一瞬であった。
「シンの【合体中】効果。カード1枚をオープンし、対象のカードを使う。ルナマリア・ホーク。コレはオープンされた時、ノーコストで召喚、創界神ネクサス1つにコア+1する」
ー【ルナマリア・ホーク】LV1(0)BP1000
レオンはシンの効果により、追加でパイロットブレイヴを召喚。ギルバート・デュランダルにコアを+する。
「アタックは継続中、効果により白シンボルが1つ追加され、今の我が魂のシンボルは3つだ!!」
飛翔するデスティニーガンダム・メサイアは、次の狙いをオーカミへと定める。
ルプス鉄華を失ったオーカミは、コレをライフで受ける他なくて。
「ライフで受ける」
〈ライフ4➡︎1〉鉄華オーカミ
「ぐうっ……!!」
デスティニーガンダム・メサイアは、オーカミのライフバリアを何度も拳で殴り付け、一気に3つ粉砕。
意図も容易く、オーカミは残りライフ1つにまで追い詰められてしまう。
「エンドステップ時。デュランダルの【神技】を発揮する。コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップのいずれかを行う。リフレッシュステップだ、我が魂を回復し、トラッシュのコア全てをリザーブに置く。ターンエンド」
手札:4
場:【デスティニーガンダム[メサイア攻防戦]+シン・アスカ[C.E.73]】LV2
【ルナマリア・ホーク】LV1
【ギルバート・デュランダル】LV1(1)
【ミーア・キャンベル】LV1
【メイリン・ホーク】LV1
バースト:【無】
レオンはデスティニーガンダム・メサイアをブロッカーとして構えつつ、トラッシュのコアを戻すと言う、白属性らしい隙のない行動で、さらにオーカミを追い詰めて行く。
「どうした鉄華、こんなモノではないだろう、貴様のバトルスピリッツは」
「ったく、パワーフォースは、どいつもこいつもその煽り文句が好きだな。オマエが流行らせてんの?」
追い詰められても、オーカミの表情は余裕そのもの。寧ろスイッチが入ったようにさえ見える。
そんなオーカミのターン。彼は、ここで対デスティニー用のカードを切ることとなる。
[ターン06]鉄華オーカミ
「メインステップ。バルバトス第2形態」
ー【ガンダム・バルバトス[第2形態]】LV2(2)
ガラ空きとなったオーカミのフィールドに、機関銃を備えた、3コストのバルバトス、第2形態が出現。
そして、「次はこれだ」と言わんばかりに、オーカミはもう1枚のカードを己のBパッドへと力強く叩きつける。
「見せてやれ、4を超えたその力、バルバトス第6形態をLV3で召喚!!」
ー【ガンダム・バルバトス[第6形態]】LV3(4)BP12000
立て続けにオーカミのフィールドへと飛来したのは、白き重厚なる装甲を装備したバルバトス。バルバトス第6形態。
巨大な戦棍、レンチメイスを振るう、鉄華団の対デスティニー用のスピリットだ。
「来たか。我が魂を屠る可能性のある、唯一のバルバトスよ」
「アタックステップ。その開始時に、オルガの【神技】を発揮。トラッシュから三日月を召喚し、第6形態と合体」
ー【ガンダム・バルバトス[第6形態]+三日月・オーガス】LV3(4)BP18000
オルガの【神技】がここで発揮。トラッシュにあるパイロットブレイヴ、三日月のカードが第6形態へと合体し、強力な合体スピリットとなる。
「バルバトス第6形態でアタック。三日月の【合体中】効果でミーア・キャンベルのLVコストを+1して消滅、リザーブのコア2つをトラッシュへ」
合体を完了させたバルバトス第6形態で攻撃を仕掛けるオーカミ。手始めにブレイヴの効果で、レオンのネクサス1つと、リザーブのコア2つをトラッシュ送りにする。
「バルバトス第6形態のアタック時効果、相手スピリットのコア1個をリザーブに置き、回復」
「だが、我が魂は【VPS:コスト7以下】の効果により、それを阻む」
バルバトス第6形態が、デスティニーガンダム・メサイアにレンチメイスの一撃を叩きつけるが、デスティニーガンダム・メサイアは、それを気迫だけで弾き返してしまう。
「だけど回復はする。バルバトス第6形態のもう1つの効果、相手はスピリット1体を破壊しなければ、ブロックできない。そして、プレイヤーに干渉する効果は、デスティニーでも防げない」
レオンに、スピリット1体の生贄を要求する、バルバトス第6形態のもう1つの効果。
今現在、彼の場にはデスティニーガンダム・メサイアのみであるため、これはライフで受ける他なくなった。
「おぉ、この2回のアタックでオーカミの勝ちだ!!」
オーカミの勝利目前に喜ぶコント。しかし、それ以外のギャラリーは、そうは思っていないようで………
「甘いぞオーカミ。このオレが、貴様の第6形態の対策を怠ると思ったか!!」
「!」
「フラッシュマジック、ミストシールド。バルバトス第6形態と第2形態の2体を指定」
レオンの放った1枚のマジックカード。その効力により、バルバトス第6形態と第2形態に白いオーラが付着。
「指定された2体は、このターン、オレのライフを減らすことはできない。アタックはライフで受ける」
〈ライフ4➡︎4〉獅堂レオン
白いオーラは、デメリット効果を付与する物。
バルバトス第6形態が、レンチメイスを振い、レオンのライフバリアを砕こうと試みたが、白いオーラの影響により、1つも砕けずに終わってしまう。
「オレのライフが砕けなければ、バルバトス第6形態は転醒できまい。そして、その転醒ができなければ、我が魂には決して勝てん」
「くっ……エンドステップ時、第2形態の効果を発揮。このターン、アタックしていれば、トラッシュからコスト4以下のバルバトスをノーコストで復活させる。もう一度来い、バルバトスルプス鉄華」
ー【ガンダム・バルバトスルプス[鉄華団]】LV1(1)BP4000
赤き眼のバルバトスルプス、バルバトスルプス鉄華が、地中から飛び出し、再度出現。
その効果も当然発揮可能だ。
「召喚アタック時効果。デッキ上2枚を破棄。クーデリア&アトラの効果でドロー。ターンエンド」
手札:7
場:【ガンダム・バルバトスルプス[鉄華団]】LV1
【ガンダム・バルバトス[第6形態]+三日月・オーガス】LV2
【ガンダム・バルバトス[第2形態]】LV2
【オルガ・イツカ】LV2(3)
【クーデリア&アトラ】LV2(4)
バースト:【無】
対デスティニー用のバルバトス第6形態を召喚し、攻勢に回るも、レオンのマジックカードにより、全く戦況を変えられないまま、そのターンをエンドとしてしまうオーカミ。
残りライフ1と言う絶望的な状況で、デスティニーガンダム・メサイアを率いたレオンにターンが巡って来る。
「ライフ4対1。スピリットの数では上回っているけど、デスティニーガンダムの前に、数は意味をなさない。ここから巻き返すのは、しんどそうですね」
バトルをシグマと共に観戦しているブイが、掛けているサングラスを指先で定位置に戻しながら、そうコメントした。
確かに、ルプス鉄華、バルバトス第6形態を従えているとは言え、デスティニーガンダム・メサイアがいる限り厳しい状況である。
「そうさね。普通のデッキなら不可能だろう。普通なら、だがね」
それに対し、シグマは意味深な返答。その表情は不適な笑みを浮かべており、何かが出て来るのを心待ちにしている様子。
[ターン07]獅堂レオン
「メインステップ。このターン、いよいよ貴様との雌雄を決する時と見た。我が魂のLVを3にアップさせ、2体目のソードインパルスルナマリアを召喚」
ー【ソードインパルスガンダム[ルナマリア機]】LV1(1)BP5000
「召喚時効果でコア2つをブースト。ルナマリアと合体し、増えたコアで2枚目のミーア・キャンベルをLV2で配置」
ー【ソードインパルスガンダム[ルナマリア機]+ルナマリア・ホーク】LV1(1)BP8000
ー【ミーア・キャンベル】LV2(1)
レオンはここでダメ出しの展開。デスティニーガンダム・メサイア含めた合体スピリット2体、ネクサス3枚を揃える。
「貴様の鉄華団デッキは、速攻の戦術を基本にしつつも、手札が増えやすいことを活かし、誘発系のカードを多く取り入れたカウンター戦術も取ることができる稀有なデッキだ」
「……」
「だが、カウンター戦術など、所詮は小細工。我が魂で真っ向から打ち砕いてくれる!!」
レオンはその拳を固く握り締め、その魂をいつもよりも熱く燃やして行く。
打倒オーカミを掲げていた彼にとって、そのバトルの最終盤は心を激しく滾らせるモノがあるのだろう。
そしてそれは、オーカミへの期待とも取れる。
「これで最後だ。アタックステップ、我が魂でアタック!!」
準備を万端にし、レオンはオーカミのカウンターを恐れることなく、デスティニーガンダム・メサイアで攻撃。
そのアタック時効果も発揮させる。
「シンの【合体中】効果、デッキ上1枚をオープン。ハズレか、だが本番はこれからだ。デスティニーガンダム・メサイアのアタック時効果、最もコストの高い、バルバトス第6形態を破壊し、白シンボル1つを追加」
低空を飛翔するデスティニーガンダム・メサイア。バルバトス第6形態へと迫り、その頭部を鷲掴みにし、電撃を流し込む。
「バルバトス第6形態の【零転醒】を発揮、裏返すことでフィールドに残る」
ー【ガンダム・バルバトス[第6形態・太刀装備]+三日月・オーガス】LV2(3)BP19000
「転醒アタック時効果で最もコア数の少ない、相手スピリット1体を破壊」
「ふ……破壊されるのは、ソードインパルスルナマリアだ」
反撃に出るべく、第6形態は、頭部を鷲掴みにされながらも、アーマーをパージ。背部にマウントしていた刀を取り出すと、デスティニーガンダム・メサイアに向けて一閃。
一刀両断したかに見えたが、斬り捨てていたのは、咄嗟に飛び出し、デスティニーガンダム・メサイアを庇ったソードインパルスルナマリア。身代わりとなり、爆散する。
「ここからが、デスティニーガンダム・メサイアの真骨頂だ。このアタック時効果は、他のザフトのカードを疲労させることで、何度でも発揮できる」
「!」
「スピリット状態で残ったルナマリアを疲労させ、二度目。転醒後のバルバトス第6形態を破壊」
ソードインパルスルナマリアの爆散によって、一度距離を置いた2機だったが、先に捉えたのはデスティニーガンダム・メサイア。爆煙の中、バルバトス第6形態を殴りつけ、爆散させた。
「三日月はスピリット状態で残す」
「ならば三度目。メイリン・ホークを疲労させ、残った三日月を破壊。四度目。ミーア・キャンベルを疲労させ、ルプス鉄華を破壊。五度目ぇ。ギルバート・デュランダルを疲労させ、バルバトス第2形態を破壊!!」
それはまさに獅子奮迅の如く。デスティニーガンダム・メサイアは、電撃を纏ったその拳で、オーカミの鉄華団スピリット達を次々と蹴散らし、爆散させて行く。
結果的に、全ての自軍のカードを疲労させることで、オーカミの全てのスピリットを破壊した。
「5回破壊したことで、我が魂のシンボルは7つ。受けてみるがいいオーカミ、我が魂最大の一撃を!!」
デスティニーガンダム・メサイアの次の獲物は、オーカミ。
彼の眼前に存在する最後のライフバリアを砕くべく、その拳を振るうが………
「!?」
突如現れたかと思えば、その拳を受け止め、オーカミを守護したモビルスピリットが1体。
バルバトスルプスレクスだ。直後に身体を回転させ、背面の剣で、デスティニーガンダム・メサイアを吹き飛ばす。
「カウンター戦術が小細工?……なら、オマエの好きな真っ向勝負で決着つけてやるよ。雌雄を決するんだろ?」
「ふは。貴様と言うヤツは、つくづくオレを楽しませてくれる」
「手札にあるこのカードは、バルバトスが敵に倒された時、全ての軽減を満たし、召喚できる。天地を覆せ、未来よ唸れ。バルバトスルプスレクスファイナル……!!」
ー【ガンダム・バルバトスルプスレクス[最終決戦時]】LV2(2)BP13000
デスティニーガンダム・メサイアを吹き飛ばした瞬間、ルプスレクスは、その眼を赤く輝かせ、真なる最終形態、ルプスレクスファイナルとなる。
「な、なんだあのバルバトス、見たことねぇぞ!?」
「ルプスレクスファイナル。鉄華団で最も高いBPと強い効果を持つカードだ。私は知ってる。オーカがこのカードで起こして来た奇跡を」
唐突に出て来たルプスレクスファイナルに驚くコント。懐かしさを覚えるライ。
オーカミはこのカードを、ライとのあのバトル以来召喚していなかった。それ故に、レオンでさえ、その存在を知らない。ほとんどの者達にとって、ルプスレクスファイナルは、未知なるバルバトスなのだ。
「ばっちゃん、あのスピリット」
「あぁ。アルファベットの報告通りだ。最凶の鉄華団スピリット、やっぱり既に渡していたんだねぇ、カグヅチ」
シグマの言葉の後、視点はオーカミとレオンに戻る。
今こそ、バルバトスとデスティニー。2体のモビルスピリットの雌雄が決する時だ。
「ルプスレクスファイナルの召喚アタック時効果。デッキ上、トラッシュから合計5枚のカードを除外し、相手スピリット1体から3個のコアをトラッシュへ」
「ッ……スピリットのコアを、直接トラッシュに送りつけるだと!?」
「デスティニーガンダム・メサイアから3つのコアを弾き出す」
先手を取ったのは、ルプスレクスファイナル。巨大な両腕から繰り出される、両手の鋭利な激爪の二撃が、デスティニーガンダム・メサイアの機翼を切り裂き、破壊。
その体内のコアも一部砕け、LVは3から2へとダウン。
「ルプスレクスファイナル、ブロックだ」
「だがこの瞬間、我が魂は自身の効果で回復。いくらLVが下がったとは言え、今の我が魂のBPは、ミーアの効果と合わせ、23000。ルプスレクスファイナルなど、敵ではない!!」
機翼を失っても尚、デスティニーガンダム・メサイアの勢いは劣ることを知らない。猛スピードでルプスレクスファイナルへと迫り、電撃を纏った拳でその胸部を殴りつける。
ルプスレクスファイナルも、負けじと背面の剣を長い尾のように伸ばし、刺突を繰り出す。
が、デスティニーガンダム・メサイアは、それを見切り、剣をキャッチ。そのままルプスレクスファイナルごと振り回し、地面へ叩きつける。
「嘗めるなよ。オレもバルバトスも1人じゃない。仲間と共に強くなる、フラッシュマジック、火星の王へ」
「!」
「デッキ上1枚を破棄し、それが鉄華団なら、このターン、オレのスピリット1体のBPを、トラッシュにある鉄華団1枚につき1000上げる」
ここでオーカミが放ったマジックカードは、BPを上昇させる「火星の王へ」……
当然鉄華団のカードが破棄され、その効果は有効となる。
「トラッシュの鉄華団カードは12枚。よって、ルプスレクスファイナルのBPは25000となり、オマエの魂を超える」
「バカな……!!」
鉄華団の結束の力が、ルプスレクスファイナルに力を与える。
BPを飛躍的に上昇させることに成功したルプスレクスファイナルは、立ち上がり、激爪をデスティニーガンダム・メサイアへと向け、特攻を仕掛ける。
デスティニーガンダム・メサイアも、今一度電撃を拳に纏わせ、ルプスレクスファイナルとの最後の一騎打ちへ臨む。
そして一閃。互いが、互いの一撃を繰り出し、浴びせ合う。
しかし、より威力が
「我が魂がパワーで、いや、結束の力に屈したと言うのか……ターンエンドだ」
手札:2
場:【シン・アスカ[C.E.73]】LV1
【ルナマリア・ホーク】LV1
【ギルバート・デュランダル】LV1(2)
【ミーア・キャンベル】LV2
【メイリン・ホーク】LV1
バースト:【無】
真っ向からのBPバトルで、初めてデスティニーガンダムに打ち勝ったオーカミとバルバトス。
これで流れが完全に変わった。オーカミは決着をつけるべく、ルプスレクスファイナルと共に、巡って来たターンを進める。
[ターン08]鉄華オーカミ
「メインステップ。ルプスレクスファイナルのLVを3にアップ。アタックステップの開始時、バルバトス第2形態の効果、トラッシュから自身を召喚」
ー【ガンダム・バルバトス[第2形態]】LV2(2)BP6000
メインステップはLV調整のみで、アタックステップへと直行。オーカミは破壊されたバルバトス第2形態を、効果により再召喚。
その際、オルガに再び4つのコアが蓄積されて……
「もう1つ、オルガの【神技】で、三日月を復活。ルプスレクスファイナルと合体」
ー【ガンダム・ルプスレクス[最終決戦時]+三日月・オーガス】LV3(4)BP24000
紫属性らしいトラッシュからの展開。最終盤にて、オーカミはようやく鉄華団最強の合体スピリットを完成させる。
「ルプスレクスファイナルでアタック。三日月の【合体中】効果で、メイリン・ホークのLVコストを+1させ、消滅。オマエのリザーブのコアを2個トラッシュへ」
「ぬうっ……」
ルプスレクスファイナルのファイナルアタックが決行される。
その瞬間に三日月の効果が発揮され、レオンはさらに使えるコアが減少。
「そして、ルプスレクスファイナルの最後の効果、オレのトラッシュにある、鉄華団カードを13枚除外することで、このバトル終了時、オマエのライフ2つを破壊する」
「なに!?…だが、今の貴様のトラッシュに、13枚もの鉄華団カードは存在しない」
ルプスレクスファイナルの最後の効果を発揮させようとするオーカミ。その条件は満たしていないと、レオンに指摘されるが………
「ふ……残り20点の効果だ。トラッシュにあるルプス鉄華の効果。このカードは、ゲームから除外する際、6枚分までとして数えることができる」
「!!」
「ルプス鉄華を6枚分として扱い、他7枚と合わせて除外。これで、ルプスレクスファイナルの効果は起動!!」
全ての鉄華団を束ねる最後のバルバトス、ルプスレクスファイナルの最終効果が起動。
これでこのアタックが通れば、レオンの残り4つのライフバリアを全て破壊できる。
「フラッシュ、零転醒インパルスの効果」
「!」
「自身を召喚」
ー【フォースインパルスガンダム】LV1(1)BP5000
そうはいくまいと、レオンはフラッシュタイミングで手札から召喚できる白いインパルス、零転醒インパルスを召喚。
だが、彼とて既に察していた。
このバトルはもう終わっている、と。
「フラッシュマジック、デスアタラクシア。零転醒インパルスを消滅」
「ぐっ……!!」
オーカミは、誘発系の紫マジックを、通常のマジックとして使用し、レオンが召喚した零転醒インパルスのコアを即座に弾き飛ばし、消滅。
ルプスレクスファイナルへの道を造る。
「獅堂、これが、完成された、オレの鉄華団デッキの力だ。ルプスレクスファイナル!!」
オーカミの叫びと共に、ルプスレクスファイナルは、背面に宿す悪魔の剣を伸ばし、強烈な刺突の攻撃。
その攻撃を、レオンはただ受けることしかできず……
「おぉおぉぉお!!!」
〈ライフ4➡︎2➡︎0〉獅堂レオン
ルプスレクスファイナルの必殺剣が、レオンの残り4つもあったライフバリアへと突き刺さり、それら全てを一撃の元粉砕。
彼の荒ぶる魂は、嘆きとして消化される。それを感じ取ったかのように、Bパッドからは「ピー……」と言う甲高い機械音が鳴り響いた。
故にこのバトル、勝者は鉄華オーカミ。鉄華団デッキの真の力を余すことなく発揮させ、宿敵、獅堂レオンを倒して見せた。
「やった〜〜!!…オーカの勝ちぃ!!」
「……」
「流石、ルプスレクスファイナル!!」
オーカミの勝利に大喜びするライ。その横にいたコントは、余りにも激しく熱いバトルスピリッツであったためか、言葉すら出て来なかった。
「オレの勝ちだな、獅堂」
「……」
「獅堂?」
「ふふふ、ふはははは!!!」
バトル終了に伴い、残っていたスピリット達全てが静かに消滅して行く中、レオンは悔しそうな表情で下を向いていた。
のかと思いきや、清々しい程に笑っていた。
「天晴れだオーカミ。しかと見届けてやったぞ、鉄華団デッキの真の力」
「そ」
「だが、これで終わりだと思うなよ。次こそは、我が魂と共に超えてやる。覚悟しておくことだな。ふはははは!!」
「はいはい。じゃあな」
「『じゃあな』とは何だ。もうちょっと一緒に話していてもいいではないか!!」
「うるさい。早くどっか行けよ」
「イジメか?イジメなのか?…このオレを相手にイジメとは良い度胸だな、よかろう。ならば貴様と仲良くなるまで、バトルスピリッツと行こうではないか」
「何でそうなるんだ。オマエがやりたいだけだろ」
「良いではないか、よし、構えろオーカミ!!」
「無理」
「待たんか!!」
平行線極める口論の末、Bパッドを構え直したレオンに追いかけ回されるオーカミ。
2人のバトルスピリッツは、一度雌雄を決したのかも知れないが、彼らのライバル同士の関係は今後も続いて行く様子。
「勝ったねばっちゃん。結局月王者に覚醒はしなかったけど」
彼らの戦いのロードを全て見届けたブイ。横にいるシグマにそう告げた。
「あぁ。大した小僧だよ。あのルプス鉄華の使い方を一瞬でマスターするなんてねぇ」
「バトルスピリッツの申し子って感じだね。私には劣るけど」
「ブイ」
「ん、なに?」
「1つ忠告がある」
「忠告?」
唐突なシグマの「忠告」と言う言葉に、ブイは首を少し傾げる。
「赤髪小僧がいつ月王者に覚醒するかわからなくなった以上、太陽王者を持つキングとは、バトルをさせてはならない。絶対にね」
「え」
鉄華オーカミはキング王とバトルをしてはならない。
シグマのその言葉の真意がわかるのは、もう少し先の話だ。
次回、第82ターン「超特別編、脅威のエニーズ03」
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『ガンダム・バルバトスルプス[鉄華団]』
『ガンダム・バルバトスルプスレクス[最終決戦時』
の作中での扱い。
・ガンダム・バルバトスルプス[鉄華団]
作中での名称は『ルプス鉄華』
第4形態に代わる、オーカミのデッキの新たなメインエンジンにして主軸。
イラストでは半壊しているが、作中では常に無傷の状態で呼び出され、ソードメイスとヴァルキリアバスターソードの2つの剣を振るう。
・ガンダム・バルバトスルプスレクス[最終決戦時]
作中での名称は『ルプスレクスファイナル』
ルプス鉄華や他の鉄華団とは違い、ここぞという場面でしか登場しない。オバエヴォのクリムゾンモード的立ち位置。
イラスト通りの半壊した状態での召喚になるのは、ルプスレクスと名のついたスピリットが、相手によってフィールドを離れる際に誘発した、自身の効果による召喚のみ。
それ以外の召喚は、五体満足の無傷。
武装は両手の激爪(レクスネイル)と背面の剣(テイルブレード)。
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次回はオーカミが界放市に帰省!!
よろしくお願いします!!