戦士開眼シンフォギアゴースト 伝説! ライダーの魂! 作:メンツコアラ
本編の方もよろしくお願いいたします。
それでは本文へ。
レッツゴー!
草木も眠る丑三つ時。世界を夜の闇が包み、街の電灯のみが照らす中、町外れにある小さな廃教会で一人の少女が儀式を行っていた。部屋の床の中心に描かれているのは瞳の紋章。少女は己の血を触媒とし、詠唱を始める。
「──素に銀と鉄。礎に契約の大公」
「──降り立つ壁には風を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」
「
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する」
「──告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」
「誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ」
紡がれる度に魔力を高める紋章。
最後の言葉を口にした瞬間、視認できるほどの魔力の奔流が起こり、修まると紋章の中心には二つの人影があった。
「ふふっ…さあ、始めましょう」
●●●●●●●●●
ギャラルホルンの異常…即ち、異世界での事件から数日後の事だった。事後のゴタゴタが片付き、やっとの事で一息入れた弦十郎たちだったが、突如『アース』が異変を察知した。
「高エネルギー反応をキャッチッ!」
「まさかノイズかッ!?」
「いえ…ノイズとは違うようです」
「波形パターンを確認しましたが、データベースに該当するものはありませんッ!」
「…すぐに避難警報を発令。ならびに装者、ライダーを向かわせろッ!」
『了解ッ!!』
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アースが異常を関知してから数十分後。武瑠、響、未来、翼、クリスの五人は謎のエネルギーの発生源である建物に到着していた。
『避難は既に完了しているッ! くれぐれも油断はするなッ!』
「了解ッ! これより突入するッ!」
建物の扉を開け、施設内へ突入する五人。扉の先にはロビーがあり、そこにはニ人…恐らく、エネルギーの発生源であろう者たちが立っていた。
一人は恐らく十を越えたばかりであろう肌黒の少女。
もう一人は魔法使いを彷彿とさせる白いローブ。そして、宝石の仮面を纏った男。その出で立ちは武瑠たちが異世界で出会った仮面ライダーウィザードに何処か似ていた。
「遅かったじゃない。待ちくたびれたわ」
「君たちは……?」
「ワタシ? ワタシの名前はクロエ。よろしくねぇ、お兄さんたち?」
「クロエ……何が目的だ?」
「HI☆MI☆THU」
「テメェ。ふざけるのもいい加減に──」
『クロエ』と名乗った少女の態度に苛立ちを覚えるクリスだったが、クロエを守るように白ローブの男『白い魔法使い』が前に出た。
白い魔法使いから放たれる強烈な殺気。だが、仕掛けてくる様子はない。
「……どうした? 変身しないのか?」
目的は分からない。だが、明らかな敵意を向けられている中、無防備に立っている訳にもいかない。武瑠と未来は変身を、響たち三人はシンフォギアを纏う。
「「変身ッ!」」
《カイガン! オレ!》
《テンガン! ネクロム!》
──Balwisyall Nescell gungnir tron
──Imyuteus amenohabakiri tron
──Killiter Ichaival tron
万全の戦闘態勢を整え、各々の武器を構えるゴーストたち。白い魔法使いも笛と剣が一体化したような武器『ハーメルケイン』を手に斬りかかってきた。
だが、その太刀筋は分かりやすく、武瑠たちは難なく避けて見せ、逆に攻撃を仕掛ける。
ゴースト、ネクロム、響の絶え間ないラッシュ。白い魔法使いが反撃しようも翼とクリスが斬擊や射撃でそれを押さえる。白い魔法使いを加えた六人はそのまま建物の素とへ。クロエもその後を追い、歩み出す。
ガンガンセイバーとハーメルケインが火花を散らす。数度の打ち合いの後、ゴーストがハーメルケインを押さえつけ、そこにネクロムと響が飛び蹴りを食らわせる。
衝撃で数歩下がる白い魔法使い。そこにクリスが【MEGA DETH PARTY】を、翼が【蒼ノ一閃】を放つ。
巻き上がる爆風と爆炎。翼が思わず『やったか?』と口にしてしまうのだが、それは盛大なフラグたった。
「──こんなものか」
『──ッ!?』
風で消される爆煙。そこに立っていたのは巨大な魔方陣で自身を守る白い魔法使いだった。白い魔法使いはすかさずウィザードリングをベルトにかざし、指輪に刻まれた魔法を行使する。
[グラビティ プリーズ!]
次の瞬間、魔法によって響たちにかかる重力が何倍にも膨れ上がる。
「なん──ッ!?」
「これは…ッ!?」
「か、体が、重い…ッ!?」
「今の…やっぱり、士道くんと同じ…!」
重力の倍加によって身動きが取れない響たち…いや。一人だけ、重力を無視できる者がいた。
──武瑠だ。
「はぁ──ッ!」
「ほう…ッ!」
ガンガンセイバーとハーメルケインがぶつかり、つばぜり合いとなる。
「なるほど。貴様は霊魂か。実体を消すことで私の魔法から逃れた。
──だがしかしッ!」
「──ッ!?」
突如、ゴーストの首を見えない何かが掴む。実体を解き、霊体化するのだが逃れる事が出来ない。ゴーストはそのまま見えない何か…白い魔法使いの純粋な魔力に投げ飛ばされる。
地面を転がるゴースト。白い魔法使いは彼に追撃を仕掛けるべく、ゆっくりと歩み寄る。
「なら、こいつで──」
闘魂ブースト眼魂を取り出し、ゴーストチェンジを行おうとするゴースト。しかし、戦いを見ていたクロエが手を翳したかと思えば、闘魂ブースト眼魂、更には彼の持っていた英雄眼魂、彼がセレナから預かっていた英雄眼魂、ネクロムが持っていた英雄眼魂までもが全て吸い込まれるようにクロエの元へ飛んでいく。
「これは使わせないわよ」
「このッ! みんなを返せッ!」
眼魂を取り返そうとクロエの元へ向かうが、白い魔法使いが阻む。
[バインド プリーズ!]
ゴーストを囲むように出現する四つの小さな魔方陣から鎖が放たれ、ゴーストを拘束する。
身動きが取れず、膝をつくゴースト。
白い魔法使いはハーメルケインの刃をゴーストの首に添える。逃げようにもバインドのせいなのか、ゴーストは霊体化出来ずにいた。
「この世は絶望に溢れ、絶望に満ちている。貴様にも与えてやろう。死という絶望を」
「絶望なんてしないッ! 例え、世界が絶望に包まれていたとしても、俺が希望に変えて見せるッ!」
「口ではなんとでも言える。誰も絶望という運命から逃れることは出来ない。変えたいのなら、その意思を見せろッ!」
ハーメルケインを振り上げ、ゴーストの首をはねようとする白い魔法使い。
…だが、それがゴーストに当たることはなかった。
「なに──ッ!?」
それは一つの光球。光球はハーメルケインを弾くと白い魔法使いを押し飛ばし、ゴーストの鎖を砕くと彼の手に収まると光が霧散し、中から赤い宝石が埋め込められた指輪『フレイムウィザードリング』が姿を現した。
突然の事に戸惑うゴースト。しかし、更に困惑する出来事が彼のすぐ隣で起こる。
強い魔力の奔流と共に強い光。そこから現れたのはクロエと瓜二つの顔をもつ色白の少女だった。
「漸く来たわね、イリヤ…」
クロエの呟きは誰にも聞こえない。
色白の少女『イリヤ』は未だに驚いているゴーストに助言する。
「ウィザードの眼魂を使って…」
「ウィザードの、眼魂? …よく分からないけど、これを使えばいいんだなッ!」
立ち上がったゴーストはリングに瞳の紋章を描く。するとリングは黒いローブを思わせるパーカーゴースト『ウィザードゴースト』へと姿を変える。ウィザードゴーストはそのままゴーストのベルトに吸い込まれると更に姿を変え、ウィザード眼魂となってゴーストの手に収まる。
ゴーストはすぐさまオレ眼魂をベルトから取り外し、ウィザード眼魂を装填。ゴーストチェンジを行う。
《アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー!
カイガン! ウィザード!
指輪の魔法! 最後の希望!》
赤い宝石が埋め込まれた黒いローブを思わせるパーカーゴースト。マスクに刻まれていたのは紋章ではなく、ウィザードの顔が描かれていた。
ここではない何処か。武瑠と同じく仮面ライダーの名を持ち、違う力で戦う者がいる。
魔法の指輪…ウィザードリング。今を生きる魔法使いはその指輪の輝きを両手に宿し、絶望を──希望に変える。
その魔法使いの名は『仮面ライダーウィザード』。
今のゴーストは、そのライダーの魂を纏っている。
その姿の名は、
──仮面ライダーゴースト ウィザード魂である。
~BGM[Life is SHOW TIME]~
「──さあッ! ショータイムだッ!」
「その姿…面白い…ッ! その力、使いこなせるか?」
白い魔法使いが斬りかかる。だが、ゴーストは体を捻らして回転することで回避。更に勢いを殺さず、そのまま炎を纏わせた回転蹴りを白い魔法使いに当てる。その動きはウィザードと同様、エクストリームマーシャルアーツの動きだった。
「まだまだ行くぜッ!」
[ジャイアント プリーズ!]
ゴーストは魔方陣に腕を通し、腕を巨大化させる。そのまま指を構えて、
「デコッ! ピンッ!!」
巨大化した分の威力が上がったデコピンで白い魔法使いは弾き飛ばされ、地面に叩きつけられる。ゴーストはその隙を逃さず、すぐさま止めにかかる。
《ダイカイガン!》
「はあ──ッ!」
足元に浮かぶ魔方陣。次の瞬間、焔がゴーストの右足を包み込む。ゴーストは駆け出し、焔を纏った状態でロンダート。そのままバク転し、飛び上がり、白い魔法使いに強力な蹴り技を叩き込む。
《ウィザード! オメガストライク!》
「ストライク、ウィザードォッ!!!」
「この一撃…ッ! そうか…貴様も、あの男と同じ、最後のッ、希望なのか…ッ!!」
焔を纏った一撃が白い魔法使いに命中し、彼は最後の言葉を残し、爆発と共に消滅するのだった。
《オヤスミ~》
戦いを終え、変身を解く武瑠。白い魔法使いの魔法から解放された響たちもシンフォギアを、未来の場合は変身を解き、武瑠の元に駆け寄るのだった。
「武瑠、大丈夫ッ!?」
「ああ。この眼魂のお蔭で、なんとかって所だけど」
「その眼魂、ウィザードと同じ力を秘めていた。まさかとは思うが…」
「それを確認するためにも、あのガキどもに聞かねぇとな」
そう言って、クロエを睨み付けようとするクリス。だが、そこにクロエの姿は無く、既に何処かへ消えたようだった。
舌打ちするクリス。そこにイリヤが話しかけてくる。
「急いで。まだ戦いは終わっていない」
「ああ? それはどういう──」
その時、突然ベル音が鳴り、クリスの言葉を遮る。見れば、コンドルデンワーが慌てた様子でこちらに飛んできていた。コンドルデンワーはガジェットモードとなり、武瑠の手に収まる。受話器を取る武瑠。相手は藤尭からだった。
『良かったッ! 繋がったッ! 武瑠くん、すぐ戻ってきてくれッ!!』
『藤尭さん? そんなに慌てて『急いでくれッ! 緊急事態なんだッ!!』』
『大天空寺が襲撃に───』
プツンと切れる通信。だが、向こうで皆が危険な目に会っている事は分かった。
イリヤの言っていた事はこの事だったのか? そんな疑問が残るなか、武瑠たちは大天空寺へと向かうのだった。
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次に現れた敵は───
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火星を滅ぼした蛇
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恐怖を与える者
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射手座
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黄金のハート