戦士開眼シンフォギアゴースト 伝説! ライダーの魂! 作:メンツコアラ
高校一年の春にノイズに殺され、ゴーストとなった俺は生き返るために仮面ライダーゴーストとなって英雄の眼魂を集めている。
俺たちは不思議な少女…イリヤと出会い、仮面ライダーの眼魂を集めてほしいと頼まれる。突然の事で混乱する俺たちに、藤尭さんから通信が入るのだった。
武瑠たちに通信が入る数分前。大天空寺の地下…S.O.N.G.本部では防衛機能がフル稼働していた。
「友里ちゃん、どうッ?!」
「ダメですッ! 効果ありませんッ!」
「第二通路 第三隔壁、突破されましたッ!」
「了子さん、このままでは…ッ!」
「分かってるわよ。その為に頼んだんだから」
「さて…そろそろか」
一方、弦十郎は一人で第四隔壁前に立っていた。現状、第三隔壁まで壊された今、この後の防御システムが効くとは限らない。故にS.O.N.G.最高戦力であるOTONAな弦十郎が出たのだ。
「──おいおい。早速ラスボスのお出ましか…」
カツン…カツン…と廊下の奥から奴は姿を現す。
黒地のインナー。その上に装着された朱色と紺色、暗い金色のアーマー。頭部を覆うマスクには二匹の蛇。そして、何よりも弦十郎の視線を引き寄せたのは腰に巻き付けられたハンドルの着いたベルト。
「貴様、仮面ライダーか」
「ビンゴォッ! 俺はサーヴァント・フォーリナー 仮面ライダーエボル。よろしくな」
「サーヴァント…マスターは誰だ?」
「教えると思うか? ちょっと考えれば分かるだろう」
「それもそうだ──なッ!」
床を蹴り、爆発的な速度で肉薄する弦十郎。二センチ程の鉄板さえ貫く勢いの拳のラッシュ。だが、エボルは弦十郎の拳を軽くいなし、バックステップで距離を取る。
「ふぅ…やれやれだ。ネビュラガスを注入していない、ボトルさえも持ってないのにこの威力。どう鍛えたらそうなる?」
「飯食って、映画見て、寝るッ! 男の鍛練はそれで十分よッ!」
「ハッハッハッ! それでこの威力ッたぁ驚きだッ!
──だからこそ、お前は邪魔だ」
次の瞬間、弦十郎の足下に巨大な穴が開く。咄嗟に穴の縁を掴もうとするのだが、エボルがそれを阻み、弦十郎は穴の奥へと消えていった。
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「司令の反応がロストしましたッ!」
「急いで探してッ!」
「──ッ! アースが司令の反応をキャッチッ! これは…ハワイ島ッ!?」
「了子さん、これは…」
「魔術によるものでは無いわね。さて、どうしようかしら…」
いっそのこと、フィーネとしての力をフル稼働させようか…いや。あと一つだけ、策はある。だが、それは彼女たちを利用する行為。過去のフィーネなら躊躇い無く使い潰すだろうが、今の彼女はそうではなかった。
「(けど、このままだと大天空寺が崩壊する…致し方無しか──)緒川くん、今すぐに保管庫へ行ってきて」
「保管庫? …まさか──ッ!」
「ええ。彼女たちを出すわ」
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数分後。先程まで弦十郎が戦闘していた場所へマリア、調、切歌、セレナの四人が向かっていた。
『いい? 敵は弦十郎くんを撃退した強敵よ。嫌なら断ってくれてもいいわ。でも、そうでないのなら私たちに力を貸して』
了子のメッセージと共に渡されたシンフォギアのペンダントとスペクター眼魂を手に駆けるマリアたち。誰一人逃げることなく、強敵に立ち向かおうとする。
無事に到着するのだが、エボルは彼女たちを待っていたかのように瓦礫の上に腰掛けていた。
「ようやく来たか。お前らがシンフォギア装者って奴か?」
「まさか、最初から私たちが目的たったッ?!」
「正解ッ! それがマスターからの命令でな。さあ、見せてくれよ。お前たちの力、シンフォギアとやらを」
「言われなくても、目にもの見せてあげるわッ!」
マリア、調、切歌はペンダントを手に聖詠を、セレナはベルトを顕現させ、眼魂を装填し、変身する。
「──変身ッ!」
《カイガン! スペクター!》
「─Seilien coffin airget-lamh tron」
「─Various shul shagana tron」
「─Zeios igalima raizen tron」
各々の力を纏い、それぞれの武器を構えるマリアたちとスペクター。
初撃はマリア。それに続くように挟撃する調と切歌。三人を援護する為にガンガンハンドで狙いを定めるスペクター。幼き頃からずっと一緒にいた四人だからこそ出来るフォーメーション。並みの相手なら彼女たちの相手にはならなかっただろう。
…だが、今回は相手が悪すぎる。
彼女たちは知らない。エボルは別世界において、
「──遅い」
『──ッ!?』
マリアのアームドギアである小型ナイフを、体を回転させる事で避けたエボルはその勢いを利用して回し蹴り。決して弱くはない威力でマリアを蹴り、マリアの体は数メートル先まで飛んでいった。
次に迫る丸ノコと大鎌。あろうことか、エボルは其々を片手で受け止め、握り潰して見せたのだ。驚く調と切歌だが、その隙を突かれ、残ったアームと柄を掴み、勢い良く地面に叩きつける。咄嗟の事で手を離すことが出来なかった切歌。アームが頭部ユニットに繋がっていた為に逃れることが出来ない調。二人の体は仲良く地面にクレーターを作る。
「みんな「おっと。余所見はいけないなぁッ!」ッ?!」
一瞬の隙にスペクターへ肉薄するエボル。スペクターはガンガンハンドをロッドモードにして応戦するも容易く受け止められてしまい、エボルの万力に成す術なく押さえ付けられる。
「避けられるかなぁ?」
【 Ready GO!】
エボルがベルトのハンドルを回すとベートーベンの交響曲第九番を思わせる音楽が流れ、彼の脚にエネルギーが集中していく。
諸に受ければ命に関わる。直感で理解したスペクターはガンガンハンドを手放してバックステップで後ろに跳ぶ。次の瞬間、彼女に終焉の一撃が放たれた。
【 エボルテックフィニッシュ!】
バックステップで威力、衝撃はある程度軽減出来たもののその一撃は凄まじく、蹴り飛ばされ、壁に激突したスペクターは変身を強制解除されてしまい、セレナの姿に戻ってしまった。
「強すぎる…ッ!」
「なんて、出鱈目な強さ、デス…」
どうすればいいのか。どうすれば勝てるのか…いや。そもそも生きて帰ること事態出来るのか? そんな疑問や不安、恐怖が積る中で、
───ハァ……
静寂を引き裂く盛大なタメ息。その発生源はエボルだった。
「拍子抜けだな。もう少し楽しませてくれると思ったが…まあ、ヒーローごっこをしているお子様ならこの程度か」
「なん、ですって…ッ?!」
「そうだろう? 一人じゃあ何も出来ない。何の力もない。与えられた力、状況がなければ何も成すことが出来ない。ヒーローごっこをしている子供と変わらない、作り物…虚像なんだよッ!」
両手を広げ、まるでえんぜつでもするかのように語るエボル。彼の言葉にマリアたちは唇を噛み、目を伏せるしかなかった。その通りだと思ってしまった。否定できなかたった。悔しさが心を支配した。
──たった一人を除いて。
「…取り、消して……ッ!」
「──んん……?」
痛む体をむち打ち、立ち上がる調。その瞳には強い意思の力が宿っていた。
「…貴女の言う通り。確かに、わたしたちはシンフォギアという与えられた力が無いと何も出来ない。実際に、あなたが襲撃してきたとき避難するしか無かった。わたしたちという存在は作り物なのかもしれない…
──でも、心は違うッ! 世界を敵に回した時もッ! 今、ここに立っているのもッ! 誰かの為に立ち上がったッ! その想いはッ! 心はッ! 紛れもない本物ッ! 偽物なんかじゃないッ!」
「なるほどねぇ。なら……──証明してみせろぉッ!」
調の目の前に瞬間移動し、彼女の顔に狙いを定めるエボル。まともに命中すれば首の骨が折れ、絶命するだろう。だが、調だって只で殺られるつもりはない。最後の足掻きにとヨーヨー型のアームドギアを構える。
だがしかし、調を助けるかの如く、一つの光球が乱入してきた。
「──ッ?!」
「なにぃ…ッ!?」
光球は何度もぶつかり、エボルは堪らず距離を取る。
エボルと調の間に十分な距離が開くと、光球はそのまま彼女の元へ。調が光球を掴むと光が霧散し、中から赤い小さなボトルが姿を現した。
「これ、ウサギの模y「それを使って」え…ッ?!」
背後からかけられた声に思わず振り返る調。そこには先程まで居なかった筈の少女…イリヤが立っていた。
「あなた、誰…?」
「自己紹介する暇はない。早く、そのフルボトルを使って。ビルドの魂を引き寄せた貴女なら使いこなせる」
「…わ、分かった」
とは言っても、手にしたボトル『ラビットフルボトル』の使い方なんて分かる筈がない…いや。一つだけ、心当たりならあった。
(これはビルドとかいう人のアイテム。その魂をわたしが呼んだ…なら──)
調はボトルに瞳の紋章を描く。するとボトルは姿を変え、赤と青の左右非対称なパーカーゴースト『ビルドパーカーゴースト』へと姿を変え、さらに眼魂となって調の手に収まる。ここまで来れば、あとは何時もどうり。眼魂のスイッチを押し、彼女は詠唱する。
──
~BGM【 Be The One -SHIRABE Ver- 】~
シンフォギアが霧散し、黒く染まったインナーの上に再構築されていく装甲。脚部の装甲に片方は青く、強靭な戦車のキャタピラ。片方には赤く、ウサギのような跳躍力を可能とするスプリング。腕の装甲も非対称となっており、胴体には赤と青の装甲が交互に装着され、ヘッドギアには其々にウサギと戦車の模様。胸のシンフォギアのペンダントは歯車とΦの文字を組み合わせたかのような形に変形している。
ここではない世界。パンドラボックスによって三つに分かたれてしまった日本で
その戦士の力を纏った…いや。同化したシンフォギア。名付けるなら、そう…
──ライダーギア タイプビルドである。
唄を唱い、脚部のスプリングを使って跳躍し、肉薄する調。攻撃には逆の脚を使い、キャタピラでガリガリとエボルの装甲を削っていく。
「クハッ! ネビュラガスに適合していないが間違いない間違いないッ! 奴と同じ力を使うかぁッ!」
(胸の奥から沸き上がる…シンフォギアの歌とは違う。だけど、確かな意思の力ッ!)
エボルの攻撃を掻い潜り、ドリル型のアームドギアを装着した右腕で絶え間なく攻撃していく。
「そこ──ッ!」
エボルの脚を払い、バランスを崩した所で赤い脚部で蹴り飛ばす。
打ち所が悪かったのか、よろめくエボル。調は止めを刺すべく、胸から込み上げてきた言葉を高らかに言い放った。
「──勝利の法則は、決まったッ!」
調の現体重や身長、脚力を考慮して、最も威力の出る角度やルートが計算されたグラフが現れ、エボルを拘束。調は跳躍するとグラフを滑るように下り、全てにおいて最適化された必殺の一撃をエボルに繰り出した。
[ 形成 Σ 式 ボルテックフィニッシュ ]
必殺技が決まり、着地する調。エボルは体から火花を散らし、だが何故か笑っていた。
「ハッハッハッハッ! 小娘ごときが俺を倒すかッ! だからこそ、人間は面白いッ!
──チャオォッ!!」
その言葉を残し、エボルは爆発。
大天空寺での戦いは調たちが勝利を納め、新たなライダー眼魂が彼らの元に集まるのだった。
天空寺 武瑠【仮面ライダーゴースト】
:ウィザード眼魂
月読 調【鏖鋸・シュルシャガナ】
:ビルド眼魂←NEW
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次に現れた敵は───
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